“科学技術書・理工学書”読書室―SBR―  科学技術研究者  勝 未来

科学技術書・理工学書の新刊情報およびブックレビュー(書評)&科学技術ニュース   

●科学技術書・理工学書<新刊情報>●「予測不能の時代」(矢野和男著/草思社)

2021-05-31 09:42:36 |    企業経営

 

<新刊情報>

 

書名:予測不能の時代~データが明かす新たな生き方、企業、そして幸せ~

著者:矢野和男 

発行:草思社

 予測不能に変動する状況に柔軟に対応できる組織は、どうしたら作れるか。人々の幸せを計測する技術を開発した世界的研究者による、まったく新しいマネジメント論。著者の矢野和男は、日立製作所フェロー、ハピネスプラネット代表取締役CEO。1959年山形県酒田市生まれ。1984年早稲田大学物理修士卒。日立製作所入社。91年から92年まで、アリゾナ州立大にてナノデバイスに関する共同研究に従事。1993年単一電子メモリの室温動作に世界で初めて成功し、ナノデバイスの室温動作に道を拓く。2004年から先行してウエアラブル技術とビッグデータ解析を研究。論文被引用件数は4500件、特許出願350件を超える。「ハーバードビジネスレビュー」誌に、開発したウエアラブルセンサが「歴史に残るウエアラブルデバイス」として紹介される。博士(工学)。IEEE Fellow。日立返仁会副会長。東京工業大学大学院特定教授。1994 IEEE Paul Rappaport Award、1996 IEEE Lewis Winner Award、1998 IEEEJack Raper Award、2007 Mind, Brain, and Education Erice Prize、2012年Social Informatics国際学会最優秀論文など国際的な賞を受賞し、「人間中心のIoT技術の開発と実用化に関するリーダーシップ」に対し、世界最大の学会IEEEより2020 IEEE Frederik Phillips Awardを受賞。

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◆科学技術<テレビ番組情報>◆NHK「サイエンスZERO」/BSフジ「ガリレオX」他

2021-05-31 09:41:55 |    ◆TV番組◆

 

<テレビ番組情報>

 

 

プロジェクトX  挑戦者たち 4Kリストア版  NHK‐BSプレミアム  毎週火曜日 午後9時~9時45分    

6月1日(火) 窓際族が世界規格を作った VHS執念の逆転劇

 日本人が初めて生み出した世界規格「VHS」。それは当時、弱小といわれた家電メーカーの窓際技術者たちの意地の成果だった。昭和45年業界8位だった日本ビクターは、脚光をあびつつあったビデオ事業に乗り出したが赤字続きだった。「1年やればクビがとぶ」とも言われた事業部長に任ぜられたのは高野鎮雄、当時47歳。高野はわずか3人の技術者たちと極秘プロジェクトを結成、本社には一切報告せずに新型ビデオの開発に挑む。

ゲスト:佐藤正明

アナウンサー:国井雅比古、久保純子

語り:田口トモロヲ

 

コズミック フロント  NHK‐BSプレミアム  毎週木曜日 午後10時~11時00分

6月3日(木) 酸素誕生の謎に迫れ!南極 氷の下のタイムカプセル(選)

 なぜ地球は生命あふれる星になったのか?その答えが南極にある。氷の下に広がる湖には、地球に酸素を生み出した微生物の塊が広がり、太古の地球に似た光景を作っていた。


 
地球ドラマチック  NHK‐Eテレ  毎週土曜日 午後7時~7時45分

6月5日(土) 地球まるごと観測!生きものたちの2か月  5月〜6月編

 5月から6月の2か月間、季節の変化に伴い、世界各地の動物たちはどう過ごしているのか。東南アジアではモンスーンの季節が到来。恵みの雨は、生きものたちに新しい生命の誕生をもたらす。一方、南アフリカでは厳しい乾季のため多くの動物が犠牲に。季節の変化に伴う大自然の変化や動物の生態を、ダイナミックな映像美で捉えた。地球をふかん的に眺めた新しいコンセプトの自然番組。(オーストラリア2020年)

 

 ガリレオX  BSフジ  毎週日曜日 午前11:30~12:00分(隔週新作)

6月6日(日) 盗む!脅威の生き物たち

 地球には様々な生き物が存在し、その中には私たちの想像を超える特殊な能力を身につけたものたちがいる。特筆すべきは、「盗む」という驚きの特殊能力だ。「盗む」というと一般的には、例えば自然界の音をコピーしたり、他の生物が確保した餌を盗み取るというような行動がイメージされる。しかし、そうしたイメージとは異なり、なんと光合成に必要な葉緑体を他の植物から盗み取る生き物や、自らを発光させるために必要なタンパク質を他の生物から奪ってしまう生き物がいるのだ。そんな、様々なものを盗み出す脅威の生き物たちに迫る。

主な取材先:萩原 篤志(長崎大学)
      大場 裕一(中部大学)
      遊佐 陽一(奈良女子大学)
      横浜・八景島シーパラダイス
      葛西臨海水族園
      海遊館


 
サイエンスZERO  NHK‐Eテレ  毎週日曜日 午後11時30分~0時00

6月6日(日) 大調査!尾瀬 知られざる地下世界(アンコール放送)

 日本最大の山岳湿原「尾瀬」で、およそ20年ぶりの総合学術調査が行われた。取材班はこの調査に1年間密着。尾瀬が希少な動植物の楽園となっている秘密に迫った。科学者を驚かせたのは「竜宮」と呼ばれる池の調査。渦を巻きながら水を吸い込み続ける池は、一体どこに続くのか?最新の水中ドローン調査で、尾瀬の地下に潜む“トンネル構造”が明らかに。尾瀬の生態系を支えるカギは知られざる地下世界にあった!?

司会:小島瑠璃子、浅井理

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●科学技術書・理工学書<新刊情報>●「大学院活用術」(面谷 信 著/東京電機大学出版局)

2021-05-31 09:41:31 |    科学技術全般

 

<新刊情報>

 

書名:大学院活用術~理工系修士で飛躍するための60のアドバイス~

著者:面谷 信 

発行:東京電機大学出版局
 
 理工系の大学生に向けた、大学院への進学を誘う啓蒙書。進学する意義やメリット、進学によって何を身につけられるか、どうすれば有意義に過ごせるか、などについて具体的にアドバイス。また、研究の進め方や進路に戸惑っている修士在学生に対して、進学した意義を再認識してもらい、飛躍のきっかけとなるアドバイスを豊富に掲載。

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●科学技術書・理工学書<新刊情報>●「消えゆくさかな」(ダニエル・ポーリー著/東海大学出版部)

2021-05-28 09:33:54 |    生物・医学

 

<新刊情報>

 

書名:消えゆくさかな~世界の漁業への科学者からの警鐘~
 
著者:ダニエル・ポーリー
 
訳者:武藤文人

発行:東海大学出版部

 水産と海洋に関する様々な学問分野で著名なダニエル・ポーリー(ブリティシュコロンビア大学/カナダ)。彼の漁業に関する辛らつな批判は、煙たがられている場合も多いが、彼への反対者たちさえも、彼の業績に基づいて仕事を進めざるをえない。そんなポーリーが現代漁業のあり方について示し続けてきた警鐘をまとめたエッセイ集。2019年に刊行された同書の翻訳出版は、関係各所で大いに話題となるだろうし、海洋系の学生諸氏に大いなる教育効果が期待できる。

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●科学技術ニュース●日立Astemo、快適な自動運転車両空間を実現する高精度な軌道計画技術を開発

2021-05-28 09:33:26 |    輸送機器工学

  日立Astemoは、自動運転や先進運転支援技術による走行において、前後左右の不快な揺れや加速度を抑制し、快適な移動空間を実現するための、AD ECU(自動運転用電子制御ユニット)などにおける高精度な軌道計画技術として、「Dynamics planning(ダイナミクス・プランニング)」のアルゴリズムを開発した。

 今回、日立Astemoが開発したダイナミクス・プランニングは、自動運転や先進運転支援技術による走行において、熟練ドライバーのように車室内を快適に保って走行する軌道と速度を実現するためのアルゴリズムで。

 ダイナミクス・プランニングでは、カメラなどの外界認識センサー、MPU(Map Position Unit)による地図情報や、将来的にはインフラからの交通情報などを活用して、車両前方の走行可能領域をAD ECUなどに入力する。

 走行可能領域の幅を有効に利用して、カーブを曲がる際などにはなるべく緩やかなカーブを描くことで、車両にかかる加速度や加速度の変化を抑えることができる走行軌道と、その軌道に沿い走行した際に生じる加速度が小さくかつ緩やかになるような速度を計画する。
  
 このような軌道計画をする場合、従来の手法では、車両の重量や車長などの車両諸元を用いて複雑な計算を行うため、AD ECUなどにおいて高い演算能力が必要となるという課題や、強い風の力や路面の凹凸などによる意図しない外乱要素があると車両が快適に走らない場合があるという課題があつた。

 日立Astemoでは、車両諸元や外乱要素に対する対応を独自の車両制御技術で担うことにより、車両諸元を使わないシンプルな軌道計画を可能とするアルゴリズムであるダイナミクス・プランニングを開発した。ダイナミクス・プランニングにより算出される目標軌道で走行する自動走行車両においては、熟練ドライバーによる運転のように、前後左右の不快な揺れや加速度を抑制した快適な走行が可能となる。

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●科学技術ニュース●信州大学や国立極地研究所、南極・昭和基地のミューオン観測網のデータからコロナ質量放出の地球到達時の構造を解明

2021-05-28 09:32:55 |    宇宙・地球

 宇宙から降り注ぐ放射線(宇宙線)の観測のため、2018年2月、南極・昭和基地に中性子計とミューオン計が設置されたが、それから約半年後の2018年8月、昭和基地での中性子およびミューオンの値の減少が確認された。

 信州大学や国立極地研究所などの研究グループは、太陽風プラズマの観測データなどから、この現象が太陽の爆発現象(コロナ質量放出)によるものだと結論付け、さらに詳細に調べるため、汎世界的ミューオン観測網と中性子計群のデータを用いて、この時の地上の宇宙線密度と宇宙線の流れ(異方性)の変化を解析した。

 その結果、コロナ質量放出によって太陽から噴出したロープ状の磁力線群(磁気フラックスロープ、MFR)の内部に地球が入った時、宇宙線密度がいったん減少し、MFRの外に出る直前に急激に増加していたことを確認した。

 通常、地球がMFRに入ると宇宙線密度は減少し、外に出る前に元のレベルに戻るが、この時の後半の増加はMFR外の宇宙線密度をはるかに超えるものであった。

 この異常な増加の原因は、MFRの後方から吹いていた高速の太陽風がMFR後部に追いついたことで、MFR後部で断熱圧縮が起こり宇宙線の加速が起きたためと解釈することができた。(国立極地研究所)

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●科学技術書・理工学書<新刊情報>●「量子力学の数学的基礎<新装版>」(J.v.ノイマン著/みすず書房)

2021-05-28 09:31:54 |    物理

 

<新刊情報>

 

 

書名:量子力学の数学的基礎<新装版>

著者:J.v.ノイマン

訳者:井上 健、広重 徹、恒藤敏彦

発行:みすず書房

 初版1957年11月15日発行の量子力学の古典的名著の新装版。

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●科学技術書・理工学書<新刊情報>●「感染症の虚像と実像」(ディディエ・ラウト著/草思社)

2021-05-27 09:41:06 |    生物・医学

 

<新刊情報>

 

 

書名:感染症の虚像と実像~コロナの時代を生きるための基礎知識~

著者:ディディエ・ラウト

訳者:鳥取絹子

発行:草思社

 人類はこれまでパンデミックとどう対峙してきたのか。そして現在のコロナ禍とどう向き合うべきなのか。フランスの感染症の権威がその知られざる実態を解説する。

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●科学技術ニュース●古河電工、アトナープと共同開発契約を締結しライフサイエンス事業創出

2021-05-27 09:40:38 |    生物・医学

 古河電気工業は、新たな事業領域としてライフサイエンス領域を設定し、新たな事業の柱とする取り組みを加速するが、その一環として、高度な光学測定技術を用いた測定プラットフォームを開発するアトナープに対して戦略的出資の実行と共同開発契約を締結し、同社のライフサイエンス用測定プラットフォームの改良およびデジタル・トランスフォーメーション(DX)を活用したサービス提供を含む事業化支援を含む、古川電工ライフサイエンスの新規事業創出に挑戦する。

 古川電工は、アトナープと共同開発契約を締結し、同社が開発を進めるライフサイエンス向け測定プラットフォーム「ATON-360」の実用化に向け、総合的なフォトニクス技術をアトナープに提供し、ATON-360に求められるフォトニクス部品(光学モジュール)を供給することも検討する。

 新規事業化にあたっては、既存の医療技術の改善から早期診断、未確立の医療技術開発、既存の情報通信インフラとの融合によるDX化まで、ライフサイエンス領域を取り巻く社会環境を俯瞰して幅広い医療ニーズへの対応に挑戦する。

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●科学技術ニュース●JAMSTEC、オンデンザメの遊泳速度と生息密度を世界で初めて計測

2021-05-27 09:39:46 |    生物・医学

 海洋研究開発機構(JAMSTEC)地球環境部門の藤原義弘 上席研究員らは、2016年に実施したベイトカメラ(餌付きカメラ)による調査において、駿河湾に生息する深海性サメ類の中で最大種の1つであるオンデンザメの遊泳速度を明らかにした。

 駿河湾の水深約600メートルに設置した2台のベイトカメラには、全長約3メートルに達するメスのオンデンザメの映像が何度も記録されていた。この個体は吻に釣り糸を巻きつけており、左側の鰓蓋2枚がなく、両目には寄生性カイアシ類が付着しているという外見上の特徴を示していた。

 この個体はまず1台目に設置したカメラの前に姿を現し、その後しばらくして2台目のカメラに記録され、最終的にもう一度1台目のカメラの前に姿を現した。

 2台のカメラ間の距離は436メートルで、この個体がカメラ間を移動した時間から遊泳速度を推定すると、平均対地速度と対水速度はそれぞれ秒速21センチメートルと秒速25センチメートルであった。

 この遊泳速度は、体重比で最も遊泳速度の遅い魚として知られるニシオンデンザメの秒速22〜34センチメートルと同等であり、オンデンザメもニシオンデンザメと同様に世界で最も泳ぎの遅い魚類であることがわかった。

 ニシオンデンザメの場合、生息域の水温が非常に低い(2℃以下)ために代謝速度が低下し、その結果として遊泳速度が遅いのではないかと考えられていた。しかし、今回撮影したオンデンザメの生息域の水温は約5℃と相対的に高く、オンデンザメの遊泳速度の遅さは水温の低さに起因するものではないことがわった。

 また、同研究ではベイトカメラ映像と流向流速データを用いた新たな深海生物の生息密度計算法を提案した。その結果、駿河湾の水深500〜1000メートルには推定で約1150頭のオンデンザメが生息することがわった。(海洋研究開発機構<JAMSTEC>)

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