“科学技術書・理工学書”読書室―SBR―  科学技術研究者  勝 未来

科学技術書・理工学書の新刊情報およびブックレビュー(書評)&科学技術ニュース   

●科学技術書・理工学書<新刊情報>●「太陽の脅威と人類の未来」(柴田一成著/KADOKAWA)

2024-07-31 09:37:26 |    宇宙・地球



<新刊情報>



書名:太陽の脅威と人類の未来

著者: 柴田一成

発行:KADOKAWA(角川新書)

 夜、空を眺めると星のまたたきに心安らぎを覚える。静けさに満ちた不変の宇宙……というイメージだが、太陽は毎秒21キロの速さで銀河系を動き、フレア(太陽面爆発)が起きるとジェット旅客機の数千倍もの速度でガスを噴出させている。遠くの彼方で起きている現象とはいえ、地球への影響は甚大で、ときに大停電を起こす可能性も…。20世紀になり、宇宙は私たちがイメージしている姿とは異なり、おどろくほど動的なことがわかってきた。また、絵空事と考えられていたUFOや宇宙人についても、2020年にアメリカ国防総省がUFOの存在を公式に認め動画を公開するなど、新たな展開が起きている。私たちの想像をはるかに超えたスケールで起こるさまざまな現象、知っているようで知らない宇宙の姿を、太陽研究の第一人者が紹介する。【目次】第一章 とんでもなく激しい太陽の素顔と星のスーパーフレア 第二章 超巨大な衛星、月の不思議 第三章 個性豊かな太陽系の惑星たち 第四章 スーパーフレアの謎を解くリコネクション 第五章 地球外生命体のマジメな議論 第六章 天文学者が目指す地平【著者】柴田 一成:京都大学理学研究科附属天文台教授、台長、および同大学宇宙総合学研究ユニット副ユニット長。1954年12月24日大阪府生まれ。京都大学理学部卒業、同大大学院理学研究科博士後期課程宇宙物理学専攻中退。愛知教育大学助教授、国立天文台助教授などを経て、99年より京都大学教授に。理学博士。2001年、天文学会林忠四郎賞受賞、09年、文部科学省の科学技術政策研究所「ナイスステップな研究者」に選ばれる。10年、初の単著『太陽の科学』で講談社科学出版賞受賞。著書はほかに『太陽 大異変』などがある。
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●科学技術書・理工学書<新刊情報>●「生成AIと知財・個人情報Q&A」(齋藤浩貴、上村哲史編著/商事法務)

2024-07-31 09:37:00 |    人工知能(AI)



<新刊情報>



書名:生成AIと知財・個人情報Q&A

編著:齋藤浩貴、上村哲史

発行:商事法務 

 生成AIの利用にあたって留意すべき法的ポイントをQ&A形式で解説。利用方法が、知的財産権・個人情報・肖像権その他人格権等の第三者の権利を侵害しないか、法令やガイドライン、利用規約に違反していないか。生成AIの利用場面で利用者がぶつかる法的疑問を取り上げ、Q&A形式で解説。【目次】第1章 生成 AI とは何か 第2章 生成 AI と知的財産権 第1 生成 AI と著作権 第2 生成 AI と著作権以外の知的財産権 第3章 生成 AI と個人情報・プライバシー・肖像権等 第1 生成 AI と個人情報 第2 生成 AI と肖像権・パブリシティ権 第4章 その他
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●科学技術ニュース●産総研と自治医科大学、超音波診断動画から肺病変の所見に必要な特徴を高精度・高速に自動検出するAIを開発

2024-07-31 09:36:29 |    人工知能(AI)
 産業技術総合研究所(産総研)工学計測標準研究部門 材料強度標準研究グループ 内田 武吉 主任研究員、田中 幸美 主任研究員と自治医科大学 鈴木 昭広 教授は、AIによる胸膜の位置と動きの自動検出に成功した。

 超音波による肺病変診断は肺エコーと呼ばれ、肺の診断において高い有用性が認められており、近年注目を集めている。
 
 しかし、肺エコーは他の臓器の超音波診断にはない特有の知識の取得が必要なため臨床医が不足しており、その普及が妨げられる要因にもなっている。

 今回開発した技術は、深層学習による画像認識を肺エコーに応用することで、胸膜の位置と動きを高精度かつ高速に自動検出するもの。

 肺病変の所見を発見するために必要な特徴を迅速に臨床医に提供することで、所見の見落としの防止などに寄与できる。
 
 将来的に、臨床医の負担軽減と急性期現場の救命率向上が見込まれ、さらには経験の浅い臨床医へのサポートや教育への応用が期待できる。

 今後は、肺炎や肺水腫の所見の自動検出を検討する。また、肺エコー専用の超音波プローブを開発する。

 超音波プローブの周波数や形を最適化することで、超音波診断画像が鮮明化しAIによる検出精度の向上につながる。

 今後、これらの検討を行うことにより、臨床現場での使用の可能性が高まり、肺エコーの課題解決に役立つと考えている。<産業技術総合研究所(産総研)
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●科学技術ニュース●ANAとソフトバンク、AIや5G、ロボティクステクノロジーを活用した接客ソリューションの構築に向けて協力

2024-07-31 09:35:56 |    人工知能(AI)
 ANAホールディングス(ANAHD)とANAHD発のスタートアップであるavatarinおよびソフトバンクは、AI(人工知能)や5G(第5世代移動通信システム)、ロボティクステクノロジーを活用し、人手不足の課題を抱えるさまざまな業界に特化した接客ソリューションの構築に向けて協力していくこととなった。

 ソフトバンクは、avatarinに対して出資を行い、出資により、avatarinとソフトバンクは、接客業で課題となっている人手不足に対し、AIとロボティクステクノロジーを最大限に活用したソリューションの開発を進める。

 空港やさまざまな場所などでAIとロボットを活用した顧客接点の増加を図り、日々のサービスで取得したさまざまなデータから、まずは業界特化型のマルチモーダルAIの開発を目指す。

 avatarinは困った人を助ける「世界最大の人助けネットワーク」の構築を目指すANAHD発のスタートアップとして設立された。

 さまざまな業界のプロフェッショナルが持つスキルをAI化して共有できる世界共通のプラットフォームを構築し、そこに接続されたロボットやモビリティ端末などの多種多様なデバイスに「アバターイン(⼈が物理的に離れた場所にあるAIロボットなど別の存在に乗り移る、<インする>こと、また⼈類のさまざまな情報や能⼒も、その存在に搭載する」ことで、誰もが、いつでも、どこでも助け合える世界となることを目指している。

 その世界の実現に向け、「遠隔からAI化」という独自の手法を用いてマルチモーダルAI(テキスト、音声、画像、動画、センサー情報など、二つ以上の異なる種類のデータから情報を収集し、それらを統合して処理する人工知能<AI>システム)を開発し、これを搭載するコミュニケーションAIロボット「newme(ニューミー)」やモバイルツールなどを活用して、「困っている人」と「プロフェッショナルのスキル」をつなぐ。

 「遠隔からAI化」とは、コミュニケーションAIロボット「newme」を遠隔操作し、そのロボットが見て、聞いて、話して、動き回ってサービスを提供する過程で、個人が特定されないような形式で映像や音声、制御などの複合的なデータ(マルチモーダルデータ)を同時に記録し、それを元にAI学習を行うもの。

 今後、訪日される外国人観光客向けのカスタマーサポートなどのニーズに対応するための多言語対応も検討する他、スマホなどでも利用できるようにサービスの拡充に向けて協力を図っていく。さらに5GやLTEなどの通信ネットワークを提供し、増大するデータ通信の需要に対応していく。<ソフトバンク>
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●科学技術書・理工学書<新刊情報>●「深海世界」(スーザン・ケイシー著/亜紀書房)

2024-07-30 09:33:58 |    宇宙・地球



<新刊情報>



書名:深海世界~海底1万メートルの帝国~

著者:スーザン・ケイシー

訳者:棚橋志行

発行:亜紀書房

 足もとに秘められた宇宙、それが超深海の世界。大航海時代の宝物、沈没した豪華客船、熱水噴出孔、スネイルフィッシュ、ダイオウイカ、ジュウモンジダコ、ソコダラ、カットスロート・イール、有茎ウミユリ……。静かなる闇に息づくその圧倒的な時の流れと生命の輝き。地球を支えるマザーボードの営みに極限まで肉薄した比類なき科学ノンフィクション。【著者】スーザン・ケイシー(Susan Casey) 1962年カナダ生まれ。作家、編集者。オプラ・ウィンフリー率いる腕利きの編集者たちが発信する女性総合誌「オー! ジ・オプラ・マガジン」や「スポーツイラストレイテッド・ウーマン」で編集長を務める。優れた雑誌ジャーナリズムに与えられるNational Magazine Award受賞。水中世界ジャーナリストの第一人者として、米カリフォルニア州の国立海洋保護区に生息するサメに関する『The Devil’s Teeth(悪魔の歯)』や「ニューヨーク・タイムズ」ベストセラーの『Voices in The Ocean: The Journey into The Wild and Haunting World of Dolphins(海の声)』などの著書を持つ。「エスクァイア」「フォーチュン」「ナショナル ジオグラフィック」他多数メディアにて執筆。
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●科学技術書・理工学書<新刊情報>●「コンピュータでとく数学」(矢吹太朗著/オーム社)

2024-07-30 09:33:29 |    数学



<新刊情報>



書名:コンピュータでとく数学~データサイエンスのための統計・微分積分・線形代数~

著者:矢吹太朗

発行:オーム社

 Wolfram|Alpha、Python、R、Mathematicaをフル活用して、大学教養レベルの統計、微分積分、線形代数の全体像を把握する。学び直しにも最適な一冊。同書の具体的な目標は、線形回帰分析を理解すること。そのために必要な微分積分と線形代数も学ぶ。微分積分は多変数の微分積分まで、線形代数は特異値分解まで。これで、大学教養レベルの数学はほぼ網羅できる。すべてが線形回帰分析につながるので、何の役に立つのかと疑うことはない。面倒な計算はコンピュータにまかせるので、計算に迷い込んでしまうこともない。線形回帰分析はデータサイエンス(人工知能・機械学習)の出発点。同書を読んで、データサイエンスにおいて必要とされる数学力とプログラミング力を身に付けよう。大学教養レベルの数学の全体像の把握、学び直しにも最適な一冊。
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●科学技術ニュース●横浜国立大学と産総研、ハイドレートの最後の基本構造を発見

2024-07-30 09:32:38 |    宇宙・地球
 横浜国立大学大学院工学研究院の室町実大准教授(研究当時:産業技術総合研究所主任研究員)、産業技術総合研究所の竹谷敏上級主任研究員らの研究グループは、メタンハイドレートなどとして知られる包接水和物(ハイドレート)の最後の基本構造を発見した。

 ハイドレートの三つの基本構造のうちの一つであるHexagonal構造は、幾何学的に配置することは可能であるものの熱力学的には不安定であり、これまで実際に創り出すことができていなかった。

 今回、この構造の不安定化してしまう部分にフィットする物質を合成し、これを用いて構造を安定化させることに成功した。

 この新しい構造は、メタンと二酸化炭素ガスのガス包蔵量が従来のHexagonal派生構造と比べて高く、ハイドレートを利用したガスの貯蔵・輸送技術や二酸化炭素の分離・回収技術の実用化につながるものと期待される。

 また、ハイドレートだけでなく他の包接化合物についても、今回開発した手法を応用した新たな材料創成が期待される。

 今回得られたHS-I構造は従来の派生構造に比べてガス包蔵量が高く、ハイドレートを利用した天然ガスや合成燃料の貯蔵・輸送技術および二酸化炭素の分離・回収技術への応用が期待される。

 また、今回の発見によりハイドレートの三つの基本構造のすべてを創り出すことができたため、今後はこれらの混合相を創成する新たな材料開発を行っていく。

 また、今回の発見によりハイドレートのみならずその他の包接化合物における課題解決手法も示され、パワーデバイスや高強度材料などの新たな材料創成につながる基盤技術になると期待される。<産業技術総合研究所(産総研)>
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●科学技術ニュース●JAXA、小型技術刷新衛星研究開発プログラムにおいてQPS研究所を選定し共同研究契約を締結  

2024-07-30 09:32:01 |    宇宙・地球
 宇宙航空研究開発機構(JAXA)は、宇宙基本計画工程表に示された「小型・超小型衛星によるアジャイル開発・実証を行う技術刷新衛星プログラム」として、「小型技術刷新衛星研究開発プログラム」を現在推進しているが、2023年12月に共同研究提案要請を行い、契約相手方として、株式会社QPS研究所を選定し、今回、共同研究契約を締結した。

 JAXAが研究開発を進めている高性能オンボードコンピューティング環境(従来の宇宙機用コンピューティング環境の約40倍の能力を持ち、地上用の汎用計算機で開発したソフトウェアを軌道上でそのままインストールして実行できる環境およびソフトウェアのバージョンアップや異なるソフトウェアの追加を容易に行うことが出来る環境)及びオンボード高精度単独測位(PPP:Precise Point Positioning)技術を事業者が保有する衛星に搭載し、軌道上での技術実証を行うとともに、事業者と協力して同技術を活用した新たなサービス構想を実証する。

 今回の共同研究では、軌道上(オンボード)で高分解能の衛星画像処理を行うための高性能な計算機と高精度に衛星軌道位置情報を得る高精度単独測位(PPP)技術を組み合わせ、オンボードPPPアルゴリズムの成熟度をアジャイルに向上するため、オンボードで実験した結果を分析し、より良いアルゴリズムになるよう積極的に書き換える技術実証を行う。

 軌道上での実証結果を踏まえてオンボードPPPアルゴリズムを書き換える実証サイクルにより、従来の地上で開発して宇宙で実証する研究・宇宙実証サイクルよりも圧倒的に早くアルゴリズムの技術成熟度向上を目指す。

 オンボードPPP技術の成果は、地球観測衛星ユーザへの画像データ提供時間の短縮や衛星画像の精度向上、宇宙天気予報の高度化や上層大気観測への貢献等が期待される。

 今後、軌道上での技術実証に向けた技術調整を進める。また、刷新プログラムでは引き続き、新たな衛星利用サービスの実現に向けた研究開発・実証を推進していく。

 オンボード高精度単独測位(PPP:Precise Point Positioning)技術とは、測位衛星から放送される2周波の測位信号と、準天頂衛星から放送されるMADOCA(Multi-GNSS ADvanced Orbit and Clock Augmentation:高精度測位補正技術)補正情報を使用して、軌道上でリアルタイムにセンチメートル級の衛星軌道位置推定を行うことができる技術。MADOCA補正情報を使用しない場合に軌道上で実現できるリアルタイム衛星軌道位置推定精度は、数メートル~十数メートル程度。<宇宙航空研究開発機構(JAXA)>
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●科学技術書・理工学書<新刊情報>●「日経ムック 宇宙無限大 ビジネスのフロンティア」(アクセンチュア監修/日本経済新聞出版)

2024-07-29 09:33:16 |    宇宙・地球



<新刊情報>



書名:日経ムック 宇宙無限大 ビジネスのフロンティア

監修:アクセンチュア

発行:日本経済新聞出版

 人類にとって宇宙はフロンティアであると同時に、未来へとつながるビジネスの一大テーマ。そこには二重の意味がありる。1つは宇宙空間にまつわるビジネスの拡大。まだまだ市場は黎明期で、インフラ整備を牽引役として高い成長がしばらく続く見通し。もう1つが宇宙発のイノベーションによる地上ビジネスへの応用。未来の地球を変えていくヒントが宇宙には多数眠っている。日本の企業も自社の強みを活かせばビジネスチャンスをつかめるはず。無限ともいえる宇宙ビジネスの可能性を、各方面への取材を通して明らかにする。・宇宙ビジネスの推進策は?高市早苗・内閣府特命担当大臣(宇宙政策)JAXA/NASA・イノベーションを起こす注目のスタートアップ STAR HARBOR/Planet/アストロスケール/Space BD ほか・地上発・宇宙発の技術革新 NTT/ANAホールディングス/ブリヂストン/IHIグループ/大林組/日清食品ホールディングス/森永乳業/プラダ/ポーラ ほか
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●科学技術書・理工学書<新刊情報>●「IoT電子工作 やりたいこと事典」(後閑哲也著/技術評論社)

2024-07-29 09:32:35 |    電気・電子工学



<新刊情報>



書名:IoT電子工作 やりたいこと事典[Arduino、M5Stack、Raspberry Pi、Raspberry Pi Pico、PICマイコン対応]

著者:後閑哲也 

発行:技術評論社

 ちょっとしたIoTシステムで、自分の身の回りのことを自動化してみたいとお考えの方も多いであろう。しかし、経験がある方でも、どういうデバイスやセンサを使ったらよいかわからなかったり、どれを使うか迷ったりすることがしばしばである。同書はそんな方々を対象に、多くの方法がある中からどれを選ぶかを決める手間を省くという趣旨で、代表的なエッジデバイスに使える機器やセンサなどを中心に、実際の製作例ではどんなものになるかを試した結果を解説。扱うデバイスは、Arduino、M5Stack、Raspberry Pi pico、ワンチップマイコン、Raspberry Pi。デバイスの特性によって、液晶や有機EL、センサ、サーボ、カメラ、Wi-Fiはもちろん、LoRa通信や、電池無し・配線無しで無線通信できるEnOceanの使い方なども紹介。さらには、サーバやクラウド側のアプリケーションの処理も詳細に説明。この1冊で,IoT電子工作の世界がさらに広がる。
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