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★科学技術ニュース★日本原子力研究開発機構 、レーザー光により自在な切断が可能な制御装置を世界に先駆け開発

2018-06-26 09:33:16 |    機械工学

 日本原子力研究開発機構は、切断性能(切れ味)の状況を反射光(レーザー照射によって発生する光)により時間とともに変化する状況を監視し、切断性能が低下する兆候を検出した場合には、レーザー出力や切断速度を調整するなど状況変化に合わせて、常に適切な切断性能の維持が可能な適応制御装置を世界に先駆けて開発した。

 この適応制御方式は、形状を認識するためのレーザースキャナ、切断性能を監視する光検出器などを外界センサーとして利用し、金属材料に対する溶断と、セラミックス材料に対する破砕の各動作を、ロボットシステムと連動して行うもので、これまでの研究により基礎基盤的な観点からの基本性能が確認された。

 この技術は原理的に、コンクリート中に鉄筋を埋め込んだビル構造物などの解体作業にも適用することが可能。

 今後は応用研究を主体としたフェーズに移行する予定。平成30年度からは、文部科学省 平成28年度補正「地域科学技術実証拠点整備事業」として採択された「ふくいスマートデコミッショニング技術実証拠点」設備を用い、レーザー溶断・破砕 適応制御装置の実機適用性能を実証していく計画。

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★科学技術ニュース★ジャパンプローブ、光超音波リアルタイム3Dイメージングを実現する超音波センサの開発に成功

2017-07-21 10:59:40 |    機械工学

 内閣府 総合科学技術・イノベーション会議が主導する革新的研究開発推進プログラム(ImPACT)「イノベーティブな可視化技術による新成長産業の創出」の一環として、ジャパンプローブらの研究開発グループは、1024個の超音波受信用の圧電振動子を球面形状に配置した超音波センサを開発し、光超音波イメージング法によるリアルタイム3Dイメージングを実現した。

 従来の圧電振動子は、圧電効果を持つセラミックス製圧電振動子でできており、固いため、球面形状に成形することが困難であった。

 今回開発に成功した超音波センサでは、モールド法を用いて、薄くフィルム状の圧電振動子のシートを作製することで、球面形状に多数の素子を配置することが可能となった。また、圧電振動子をコンポジット振動子にすることで、周波数帯域1MHz~4MHz以上の広帯域な受信感度を実現した。

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★科学技術ニュース★NIMS、光のON-OFFで摩擦の増減を制御

2017-01-10 08:13:02 |    機械工学

 物質・材料研究機構 (NIMS) は、光の照射によって、物質間の摩擦力を制御する全く新しい手法を創出した。

 有機分子をコーティングしたカンチレバー (片持ち梁) 探針とサファイア基板との間で生じる摩擦力の大きさを、走査型プローブ顕微鏡技術の一つである摩擦力モードを用いて測定したところ、レーザー光を測定場所に照射することで、摩擦力が約15%増大することを明らかにした。

 さらに、レーザー光のON-OFFにより繰り返し摩擦力を増減することができた。

 今回見出された光による摩擦力制御は、マイクロマシンの運動制御を可能としたり、摩擦の基礎メカニズムの解明に寄与する結果と考えられる。また、今回は光によるナノレベルの摩擦力の制御だが、今後はマクロレベルの摩擦現象の制御へも展開されることが期待される。

 

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■科学技術ニュース■産総研とマグネスケール、超高精度、超高分解能のロータリーエンコーダー開発

2014-05-02 10:39:31 |    機械工学

 産業技術総合研究所(産総研)は、マグネスケールと共同で、超高精度で超高分解能のロータリーエンコーダーを開発した。

 今回開発したロータリーエンコーダーは、マグネスケールの高分解能ロータリーエンコーダーに、産総研が開発したSelfA(自己校正機能付き角度検出器)の技術を応用したもので、これまでの市販品では達成できなかった360°を2の33乗(約86億)に分割した超高分解能、±0.03″(角度秒)の超高精度で角度を計測できる。

 このロータリーエンコーダーを組み込んだ工作機械で、複雑なエンジンブレードなどの加工を行うと、形状精度が上がるだけではなく加工面の表面粗さが改善され、研磨せずに鏡面加工を行える可能性がある。

 また、タービン部品や風力発電の歯車のように大型化と精密加工の両立が必要となる部品の加工精度と生産性の向上が期待される。

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■科学技術ニュース■防災研、1月28日に吊り天井の脱落被害再現実験

2014-01-10 10:27:37 |    機械工学

 防災科学技術研究所は、実大三次元震動破壊実験施設(E-ディフェンス)を活用した、学校施設における大空間建築物の実験研究プロジェクトを立ち上げた。

 同プロジェクトは、大規模災害発生時に避難拠点となり得る学校体育館等の大規模空間を有する建築物に取り付けられた天井等非構造部材の耐震安全性向上を目指すもの。

 このプロジェクトの一環として、世界最大規模の天井面積を持つ体育館を模擬した試験体の加振実験を実施し、2011年東北地方太平洋沖地震時に多数の施設で発生した吊り天井の脱落被害の再現を行う。

 今回公開する実験は、吊り天井の落下被害の再現を行い、そのメカニズム解明を行うことを目的とした実験。同実験で使用する試験体は、平面寸法 18.6m×30m の山形屋根を有する体育館を模擬した試験体。

 この平面寸法は、バスケットコート(28m×15m)ならば 1 面、バレーコート(18m×9m)ならば 2 面確保することが出来る大きさで、小中学校で使用される体育館とほぼ同等の大きさの試験体。

 E-ディフェンス震動台(15m×20m)を大きく超える寸法の試験体で、これまで実施してきたE-ディフェンス振動実験の試験体の中でも最大の平面寸法を有している。

1. 日時:平成26年1月28日(火)12時00分受付開始(12時30分受付締切)

2.場所: 防災科学技術研究所 兵庫耐震工学研究センター

 

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■科学技術ニュース■京都大学、変速時に駆動力抜けのない変速システムを開発

2013-12-20 10:39:54 |    機械工学

 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の若手研究グラント(産業技術研究助成事業)の一環として、京都大学は、変速時に駆動力抜けのない変速システムを開発した。

 新開発の変速システムは、減速比を滑らかに変化させることができる非円形歯車を採用しており、変速中でも駆動力を伝えることが可能となる。

 この変速システムを電気自動車に搭載した場合、通常の走行性能の向上に加え、走行時の電力消費量も軽減でき、従来の変速機非搭載の電気自動車と比較して、10%程度の走行距離延長効果が期待できる。

 同プロジェクトにおいては、同変速システムを実際に実験用車両に搭載した。

 主な特徴は、(1)電気自動車に適した変速システムにより走行距離を伸ばし、電気自動車の普及に貢献(2)エンジン搭載車用の多段変速システムの実現(3)出力軸の回転を正確に制御することが可能、など。

 すでに、市販の自動車用変速機で使用されている歯車やクラッチを用いた本変速システムを構築し、変速実験に成功している。今後京都大学では、電気自動車「EVUT(Electric Vehicle with Uninterrupted Transmission)」として、様々な実証実験を行うことにしている。

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■科学技術ニュース■慶應大学、 書道の達人の筆使いを忠実に再現するシステムの開発に世界初めて成功

2012-10-11 10:32:02 |    機械工学

 慶應義塾大学理工学部の桂 誠一郎准教授は、NEDO の産業技術研究助成事業の一環として、書道の達人の動作情報から細やかな力加減を抽出・保存し、ロボットにより忠実に再現する「モーションコピーシステム」の開発に世界で初めて成功した。

 今回、書道家の佐渡壽峰氏の協力の下、「モーションコピーシステム」による書道動作の保存・再現の検証を行い、書かれた文字を高い精度で再現することが可能であることを明らかにした。「モーションコピーシステム」を使用することで、どのような文字でも動作情報を記録し、再現が可能となる。同技術により、インターネット等を利用したスキルのトレーニングなどに応用することも可能。

 特に、力加減は他者に伝えることが困難だったために、熟練技能の習得には長時間の修業が必要であった。「モーションコピーシステム」のスキルトレーニングへの応用により、これまで「勘と経験」に頼っていた熟練技能の伝承を効率良く達成できるものと期待される。

 「モーションコピーシステム」は動作を保存するための「モーション保存システム」と再現するための「モーション再現システム」の2つのプロセスによって構成されている。まず動作の保存プロセス
は「録触」に相当するもので、操作者にアクチュエータ(マスタシステム)を装着して動作における動きと力加減をデジタル情報として抽出し、操作者の動作を代行するアクチュエータ(スレーブシステム)によって再現させることで、実世界における作用力と反作用力を分離して抽出することが可能になる。

 一度抽出した動作はデジタル情報として保存されるので、「いつでも・どこでも」ユビキタスに再現することができる。再現プロセスでは、スレーブシステムのみを使用して動きと力加減を再現する。同技術では、加速度制御に基づいて動作を再現するため、双対性の関係がある動きと力加減の双方を忠実に再現することに成功した。

 「モーションコピーシステム」は従来のモーションキャプチャなどとは異なり、「力の入れ加減」や、「ものに触れた時の感覚」も記録、再現できるのが特徴。さらに、インターネット等を利用して遠隔地間で情報をやり取りすることで、スキルのトレーニングに応用することも可能。特に、力加減は他者に伝えることが困難だったために、熟練技能の習得には長時間の修業が必要であった。「モーションコピーシステム」のスキルトレーニングへの応用により、これまで「勘と経験」に頼っていた熟練技能の伝承を効率良く達成できるものと期待される。

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