“科学技術書・理工学書”読書室―SBR―  科学技術研究者  勝 未来

科学技術書・理工学書の新刊情報およびブックレビュー(書評)&科学技術ニュース   

●科学技術書・理工学書<新刊情報>●「真の英語力を身につける 英文法・語法完全マスター」(植田一三、上田敏子、中坂あき子著/ベレ出版)

2024-03-29 09:54:23 |    語学



<新刊情報>



書名:真の英語力を身につける 英文法・語法完全マスター~中上級者のための英文法・語法教本~

著者:植田一三、上田敏子、中坂あき子

発行:ベレ出版

 中・上級の英語学習者が最も知りたい英文法・語法を10のカテゴリーに分け、それぞれのテーマごとにどんな問題にも答えられるように徹底解説。「人間の行動を決定づける動詞の語法・時間の流れを表す時制の用法・人の気持ちを表す助動詞の用法」から「論理的で引き締まった美しい英文をつくるためのパラレル・倒置・主語統一・強調・省略構文」までを一気にマスターできる構成。各セクションごとに、英語試験対策&英文ライティング力アップの「文法・語法訂正問題」を取り上げ徹底解説していく。最新の情報を押さえながら英文法・語法についてニュアンスの違いや用例を豊富に挙げながらハートとマインドに訴えるように解説しているので、この一冊で生きた英文法の知識が確実に身につく。
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●科学技術書・理工学書<新刊情報>●「ゲノム裁判」(ジョージ・L・コントレラス著/みすず書房)

2024-03-29 09:51:55 |    生物・医学



<新刊情報>



書名:ゲノム裁判~ヒト遺伝子は誰のものか~

著者:ジョージ・L・コントレラス

訳者:上原直子

発行:みすず書房

 科学技術の発展は、人類にとって歓迎すべきことだが、その利用が重大な人権問題につながる場合もある。嘘発見器による冤罪事件や、警察の捜査に利用されるDNA鑑定技術がはらむ諸問題、遺伝子情報を根拠にした差別的扱いなどが代表的だ。アメリカ自由人権協会(ACLU)科学顧問のターニャ・シモンチェリは、協会が管轄する、科学と人権が交わるこうした問題に、科学的助言を行う立場にあった。そんな彼女は2005年のある日、同僚にこんな相談をする。「“遺伝子特許”には問題がある」。この小さな相談が、世界中の注目を集める歴史的裁判のはじまりだった――。「ヒト遺伝子に特許は認められるのか?」このシンプルな問いに、合衆国最高裁が審判を下したのは2013年。足かけ8年の舞台裏には、がん患者や疾患の遺伝的保因者、研究の自由を求める科学研究者、特許で利益を得るバイオ業界、そして原告・被告双方の訴訟弁護士や特許を承認してきた政府の人間、事件を裁く判事たちのさまざまな思いが交錯するドラマがあった。一私企業がヒト遺伝子利用を独占する。長く定着していたこの慣行に初めて異を唱えた裁判の、手に汗握るドキュメンタリー。巻末に事件の法的意義の著者解説を収録。
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●科学技術ニュース●NTT、NTT版大規模言語モデル(LLM)「tsuzumi」サービス開始

2024-03-29 09:51:36 |    人工知能(AI)
 NTTは、軽量でありながら世界トップレベルの日本語処理性能を持つNTT版大規模言語モデル(LLM)「tsuzumi」の商用サービス提供を、NTTコミュニケーションズより開始する。

 今後、NTTグループ各社においても順次提供を開始する。
 
 「tsuzumi」はNTT版LLMの軽量モデル7Bをベースに、3つのご利用環境と、3つのソリューションメニューを組み合わせて利用可能。
 
 「tsuzumi」は軽量なLLMモデルであるため、大規模なハードウェア環境構築の必要がなく、ユーザーの事務所内などにおいてオンプレミス(企業などが自社で情報システムのサーバーなどのハードウェアを設置・導入し、管理・運用する形態)で利用可能。

 また、NTTグループのデータセンターで稼働するプライベートクラウドやパブリッククラウドでの利用など、ユーザーの利用環境に合わせて自由に選ぶことができる。

 オンプレミス環境での利用により、企業内データを外部に出すことなく安全に学習させることが可能となる。

 また、コンタクトセンターのオペレータ支援などのCXソリューション、業界別の知識が求められるマニュアル検索や議事録作成などのEXソリューション、ユーザーIT部門やヘルプデスク向けにIT運用自動化などの運用サポートソリューションといったさまざまな業界で利用できる3つのソリューションも提供。

 コンサルティング、導入支援からクラウド・データセンターなどのご利用環境まで、「tsuzumi」を活用したトータルソリューションサービスをご提供する。<NTT>
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●科学技術ニュース●産総研と愛知製鋼、高性能磁気センサーの感度を自動補正する集積回路を開発

2024-03-29 09:50:56 |    電気・電子工学
 産業技術総合研究所(産総研) 先端半導体研究センター 集積回路設計研究チーム 秋田 一平 主任研究員は、愛知製鋼株式会社と共同で、製造ばらつきや環境変動による検出感度の変動を自動補正できる高感度磁気センサーを開発した。

 小型で高感度な磁気センサーは、産業計測や生体計測などさまざまな分野で必要とされている。これをIoTなどの分野へ応用するには、その感度を一定に保たなければならない。感度を手動で調整するためにかかるコストが小型高感度磁気センサーの用途拡大を妨げていた。

 今回、産総研が独自設計した自動補正機能をもつ特定用途向け集積回路(ASIC)と愛知製鋼が開発した磁気インピーダンス素子(MI素子)を組み合わせることで、磁気検出感度のゆらぎを1/3に抑制できた。

 同自動補正技術は、補正のための特別なテストモードなどが不要で、通常のセンシング動作を行いながらバックグラウンドで実行可能なため、低コスト化が見込める。

 デジタル出力型とすることで、出力信号の扱いやすさと低消費電力化の両立を実現した。

 この技術により、小型高感度磁気センサーの応用範囲が広がることが期待される。

 今後は磁気センサーとして、より低消費電力、小型、高機能化を目指す。また、社会実装や課題解決、量産に適した回路技術の深耕を図る。さらに、産業計測や非破壊検査、生体磁気計測などの応用に向けたシステム提案を行う。<産業技術総合研究所(産総研)>
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●科学技術書・理工学書<新刊情報>●「死んだ動物の体の中で起こっていたこと」(中村進一著/ブックマン社)

2024-03-28 09:36:01 |    生物・医学



<新刊情報>



書名:死んだ動物の体の中で起こっていたこと

著者:中村進一

発行:ブックマン社

 「死んだ動物を診る」病理学専門の獣医が、亡骸と向き合う日々の中で学んだこと、感じたこと。動物たちが最期に伝えた言葉とは。コロナ禍のステイホームで急増したペット需要。ネット上に拡散される野生動物との触れ合い動画の数々。容易く供給される「かわいい」「癒される」のその先に、病気や事故、そして決して避けられぬ「死」があることを、私たちはどのくらいちゃんと理解できているか。動物も生きている限り、死に至る。それは、ごく自然の営みの中で起こることが大半だが、ロードキルや誤飲、中毒、寄生虫やウイルスへの感染、栄養不足、虐待や飼育放棄といった、直接・間接的に人間が関わっていることもある。そのことに目を背けず、「かわいい」だけではない動物たちの現実を知るということ。同書は、「死んだ動物を診る」病理学専門の獣医が、遺体と向き合う日々の中で学んだこと、感じたこと、最後の診断で聴いた動物たちからのラストメッセージを綴ったエッセイ。起きた出来事をただ嘆くのではなく、たくさんの「生」につなぐために―「命」への希望と責任を問う一冊。
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●科学技術ニュース●日産とホンダ、自動車の電動化・知能化時代に向けた戦略的パートナーシップの検討を開始

2024-03-28 09:35:41 |    輸送機器工学
 日産自動車と本田技研工業は、自動車の電動化・知能化に向け、戦略的パートナーシップの検討を開始する覚書を締結した。

 カーボンニュートラルおよび交通事故ゼロ社会に向けた取り組みをさらに加速するためには、環境対応技術・電動化技術・ソフトウェア開発などの領域に関する強化が不可欠となる。

 そこで両社の強みを持ち合い、将来的な協業を見据えた検討が必要と考え、今回の合意に至ったもの。

 具体的には、自動車車載ソフトウェアプラットフォーム、バッテリーEVに関するコアコンポーネント、商品の相互補完など、幅広いスコープで検討を進めていく。<日産自動車>
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●科学技術ニュース●産総研、化学品生産におけるCO2排出量と製造コストを最小化する溶媒の評価方法を開発

2024-03-28 09:35:14 |    ★炭素ニュース★
 産業技術総合研究所(産総研)化学プロセス研究部門 山木 雄大 主任研究員、片岡 祥 研究グループ長らは、化学品を生産する全工程を通してCO2排出量と製造コストを最小化する溶媒を、シミュレーションにより選択や評価できる方法を開発した。

 この方法は、合成反応に用いる溶媒について、目的化学品の反応収率だけでなく、物質の抽出や使用後のリサイクルプロセスまでも考慮している。

 化学品の合成反応では、反応収率の一番良い溶媒が用いられている。しかし、リサイクルプロセスの性能が悪い場合、反応収率が高く合成反応に最適と選択した溶媒が、生産プロセス全体ではCO2排出量と製造コストについて最適でないことがある。

 今回開発した評価方法では、目的化学品の反応収率だけでなく、抽出や溶媒のリサイクルプロセスまでシミュレーションを行うことで、化学品生産プロセス全体のCO2排出量と製造コストを数値化し、最適な溶媒を特定することが可能となった。

 N-メチル-2-ピロリドン(NMP)とIPAは、相対的な収率がともに1であっても、化学品生産プロセス全体のCO2排出量と製造コストは、NMPを用いた方がIPAと比較してそれぞれ15%と17%削減できることを見いだした。

 また、トルエンを用いた場合の収率は0.42だが、収率1のNMPを用いた場合と比較して、CO2排出量と製造コストはそれぞれ1.3倍と1.4倍程と、収率の違いから予想されるほどには増加しなかった。これは、トルエンのリサイクルがNMPよりも容易なため。

 ここでは、反応収率の高い溶媒が、CO2排出量と製造コストの点で優れている結果となったが、シミュレーションでは、トルエンの反応収率が向上したと仮定した場合、NMPやIPAを用いるよりもCO2排出量と製造コストを下げられる可能性があることも示した。

 これらの知見は、反応収率だけでは得ることができず、化学品生産プロセス全体の性能を考慮することで初めて明らかとなった。

 この方法は、さまざまな合成反応にも応用できる可能性があり、反応開発の段階から化学品生産プロセス全体のCO2排出量と製造コストを最小化するため、溶媒選択の最適化につながる。

 今後、反応開発や触媒開発と連携して、開発した評価方法の検証実験を行う。さらに、反応溶媒だけでなく抽出溶媒など適用範囲を広げていき、反応開発や触媒開発の指針の一つとして貢献できる技術開発に取り組む。<産業技術総合研究所(産総研)>
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●科学技術書・理工学書<新刊情報>●「実践 生成AIの教科書」(日立製作所 Generative AIセンター監修/リックテレコム)

2024-03-28 09:34:46 |    人工知能(AI)



<新刊情報>



書名:実践 生成AIの教科書~実績豊富な活用事例とノウハウで学ぶ~

監修:日立製作所 Generative AIセンター

発行:リックテレコム

 生成AI活用の最前線部隊が得た知見を大公開。日立グループは2023年、データサイエンティストやAIの研究者、広範なスペシャリストをGenerative AIセンターへ集結。全社での生成AI活用を推進し、そこで得た知見を顧客へ提供している。同書ではそうしたナレッジをいち早く紹介。一般的なデスクワークからコールセンター、システム開発、社会インフラの維持・管理、データサイエンスまで、国内屈指の実績に裏付けられたAI活用のノウハウを惜しみなく開示する。【対象読者】①生成AIによって業績をアップしたい経営企画部、DX推進部、情報システム部の方々②生成AIをソフトウェア開発やシステム開発に活用したいシステムエンジニア③生成AIを業務でフル活用したい一般の業務担当者④生成AIを活用して生産性を高めたいデータサイエンティスト⑤プロンプトエンジニアリングやRAGなど、生成AIの活用テクニックを学びたいエンジニア
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●科学技術書・理工学書<新刊情報>●「IT'S ELEMENTAL さぁ、化学に目覚めよう」(ケイト・ビバードーフ著/山と渓谷社)

2024-03-27 09:34:39 |    化学



<新刊情報>



書名:IT'S ELEMENTAL さぁ、化学に目覚めよう~世界の見え方が変わる特別講義~

著者:ケイト・ビバードーフ

訳者:梶山あゆみ

発行:山と渓谷社

 ニューヨーク・タイムズ、ウォール・ストリート・ジャーナル絶賛の全米ベストセラー。刺激的、根源的、すこぶる楽しい!アメリカで人気爆発の化学者“KATE THE CHEMIST”が教える知的で愉快な化学の話。たとえば朝、目覚めのコーヒーを飲むときにカフェインが体内でどのように眠気を覚ます?コーヒーを美味しく入れるために湯を沸騰させてはいけない理由とは?シャワーを浴びるときに使うシャンプーの成分の機能を知ってる?じゃあ、日焼け止めを塗ることで紫外線を防げる理由とは?テキサス大学教授として文系の学生に向けた授業を担当し、自他ともに認める化学オタクの著者が、高校から大学の教養レベルで学ぶ化学の基本原理と、日常にあふれる化学反応をわかりやすく、ユーモアたっぷりに紹介する。掃除をしたり、運動をしたり、バーでカクテルを飲み、愛する人とベッドに入るまで、実は化学が身近で親しみやすい存在であることを感じられる一冊。元素周期表の見方についても詳しい解説があり、化学を学ぶ学生にも、学び直しをしたい大人にもおすすめである。
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●科学技術ニュース●NECとNTT、世界初、12コア光ファイバーによる7,000km以上の長距離伝送実験に成功し大洋横断級光海底ケーブルの大容量化に向けて前進

2024-03-27 09:34:11 |    通信工学
 NECとNTTは、世界で初めて、標準的な外径(0.125mm)の光ファイバーに光信号の伝送路を12本設けた12コア結合型マルチコアファイバーを用いて、大洋横断級7,280kmの伝送実験に成功した。

 同成果は、将来の光海底ケーブルをはじめとする大容量光ネットワークの実現に貢献する、次世代の伝送基盤技術として期待される。

 グローバルにおける5Gの普及や分散するデータセンター間の通信増などにともない、2018年から2022年における国際インターネット通信量は年平均成長率30%で増加し、この傾向は今後も続くと予想されている。

 旺盛な通信需要に対応するため、光海底ケーブルの増設に加え、光海底ケーブルシステム当たりの伝送容量を増加するニーズが高まっている。

 既存の光海底ケーブルには、1本のファイバー内にコアと呼ばれる光伝送路を1本設けたシングルコアファイバーが用いられています。

 これに対し、ファイバーを標準的な外径から変えずに複数のコアを設けて通信容量を増やすマルチコアファイバーを用いることで、ケーブルの大容量化をめざす研究開発が世界中で進められており、NECは現在、光伝送路を2本設けた2コアのマルチコアファイバーを用いた長距離光海底ケーブルシステムの敷設プロジェクトを手掛けている。

 標準的な外径の光ファイバーにコアを増やしていくと、コアから漏れた光信号が隣接するコアの光信号に干渉し混信することで、お互いの通信品質が劣化するクロストークが発生する。

 特に長距離の伝送では、クロストークの深刻化に加え、光信号間の遅延や損失の不均一性などが原因で、送信した信号を正確に受信することが困難になる。

 今回、これらの課題に対して、NECとNTTが開発した技術は、 MIMO (Multiple Input Multiple Output)技術により受信信号の復調を実現したアルゴリズムの開発(NEC)、12コア結合型マルチコアファイバー光伝送路の開発(NTT)。

 両社はこれらの技術を組み合わせ、大洋横断級の光海底ケーブルを想定した7,280kmの長距離伝送実験を行い、12空間多重光信号のオフラインでの正確な復調に世界で初めて成功した。<NEC>
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