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“科学技術書・理工学書”読書室―SBR―  科学技術研究者  勝 未来

科学技術書・理工学書の新刊情報およびブックレビュー(書評)&科学技術ニュース   

●科学技術書・理工学書<新刊情報>●「化石ドラマチック」(土屋 健著/イーストプレス)

2020-09-03 09:35:19 | ●科学技術書・理工学書<ブックレビュー>●

 

<新刊情報>

 

書名:化石ドラマチック

監修:芝原暁彦

著者:土屋 健

絵:ツク之助 

発行:イーストプレス

 茶色くって地味~なイメージのある化石。でも、そこには何億年も前の時代を必死にいきた古生物の物語が詰まっている。2頭の恐竜が戦っているような姿のまま化石になったり、出産途中に頭だけ外にようやく出した状態で化石になったり……。巨大恐竜の足跡が底なし沼になり、そこにはまったまま息絶え、足跡ごと化石になったり……。死に場所の環境があまりによくて、全身がびっくりするほどきれいにのこったり…。化石にまつわる奇跡のエピソードの数々を、ドラマチックに紹介。著者は、「リアルサイズ古生物図鑑」(技術評論社)のヒットが記憶に新しい、土屋健氏。長年にわたって、古生物の一般普及を著作や講演などを通じて行い、昨年には古生物学会の功労賞を受賞。古生物の魅力を余すところなく伝える筆致と、学問的な正確性のあるライティングで、読者を古生物の世界へといざなう。

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●科学技術ニュース●三菱電機、5G基地局用GaN増幅器モジュールの小型・高効率化技術を開発

2020-08-24 09:32:14 | ●科学技術書・理工学書<ブックレビュー>●

 三菱電機は、第5世代移動通信システム(5G)基地局の小型化と設置性向上、低消費電力化に向けて、6mm×10mmと小型ながら世界最高の電力効率43%以上を実現したGaN増幅器モジュールの小型・高効率化技術を開発した。

 整合回路にコンデンサーやインダクターなど従来の金属箔の線路と比べてサイズの小さいチップ部品を適用し、高精度な電磁界解析手法に基づく独自高密度実装技術により、チップ部品間の干渉を抑制しながら高密度実装することで、当社従来比90分の1となる6mm×10mmの小型化を実現。

 増幅器モジュールの小型化により、アンテナや増幅器、他の周辺回路から構成される多素子アンテナを有する5G基地局の小型化と設置性の向上に貢献。

 今後は、出力電力や周波数などの仕様が異なる5G基地局用GaN増幅器モジュールへの同技術適用に向けて、研究開発を進める。(三菱電機)

 

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★炭素ニュース★東京大学、世界初となる窒素ドープ型ナノチューブ分子開発

2020-04-20 09:31:22 | ●科学技術書・理工学書<ブックレビュー>●

 東京大学大学院理学系研究科の磯部寛之教授(科学技術振興機構<JST> ERATO 磯部縮退π集積プロジェクト研究総括)の研究グループは、周期的に窒素原子が埋め込まれたナノチューブ分子(窒素ドープ型ナノチューブ分子)の化学合成に世界で初めて成功した。

 これは、昨年、独自に開発したばかりのナノチューブ分子の化学合成法に、窒素原子を埋め込む工夫を新たに凝らした結果。

 窒素ドープ型炭素材料には、半導体利用などの応用研究において注目されているが、同研究成果は、今後、こうした材料科学研究をより一層、加速させるものと期待される。

 今回の研究では、最先端X 線構造解析法により、窒素上の孤立電子対(ローン・ペア)の存在を明確にし、さらに理論計算によりその電子的寄与を明らかにした。

 その結果、窒素にはナノチューブに電子を注入させやすくする効果があることが見つかった。

 これまで窒素ドープナノチューブは、p 型半導体にもn 型半導体にもなることが報告されていたが、その由来や制御法は明らかになっていなかった。今回の研究成果は、窒素が電子を受け取り易くすることで、n 型半導体になりやすくさせることを明らかにしたもの。

 これらの新知見は、今後の窒素ドープナノカーボン材料の開発を加速することが期待される。(JST)

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●科学技術ニュース●早稲田大学、低温で化学反応が速く進む手法を世界で初めて発見

2020-03-19 09:39:25 | ●科学技術書・理工学書<ブックレビュー>●

 早稲田大学 大学院先進理工学研究科博士2年の村上 洸太氏および理工学術院の関根 泰教授らの研究グループは、外部から固体触媒に電位を与えることで、低温で化学反応が速く進む手法を世界で初めて発見した。

 これまで化学反応は高温ほど速く進むというアレニウスの法則が一般的だったが、その法則を打ち破る新しい概念。

 スウェーデンのスヴァンテ・アレニウスは、1884年に化学反応は高温になるほど速く進むことを明らかにし、アレニウスの法則として高校の教科書にも記載されるほど有名な原理となった。同研究グループは、外部から固体触媒に電位を印加すると、この法則に反して低温ほど反応が速く進むことを発見し、その原因を探ってきた。

 化学品や水素運搬体として期待されるアンモニアを、窒素と水素から作る反応はハーバーボッシュ反応として知られ、大規模に工業化されているが、400度程度の高温と250気圧程度の高圧が必要であった。

 同研究グループは、半導体性を有する固体触媒に、外部から電位を与えることで、この反応が200度以下の低温でも速やかに進むことを見いだした。さらに、200度以下の領域では、温度を下げたほうが反応速度が速くなる現象を発見した。

 一般的に、反応速度が低温で優勢になるのはアレニウスの法則に従い吸着現象のみであった。しかし反応速度と吸着の相関を検討したところ、触媒表面でイオンが動く際に、吸着が多くなる低温で反応速度が速くなるというメカニズムが明らかになった。これは化学反応速度がアレニウスの法則に従うという過去の常識を打ち破る、新しい概念である。

 温度を自在に制御できる反応装置に、独自の固体触媒を設置し、外部から電場を与えて反応速度を評価し、非アレニウス法則(アレニウスの法則に従わない)型の反応となることを示した。

 続いて、赤外スペクトルにおいて、透過法と反射法を駆使して、固体触媒表面への吸着量を電場の有無、温度の違いで丁寧に評価し、科学的なモデルを構築した。最後にモデルによる計算結果と実験結果を照らし合わせたところ、見事に整合することが実証され、非アレニウス法則型の反応がどうして、どのように起こるのかを、吸着と速度の関係から明らかにした。( 「科学技術振興機構(JST)」ウェブサイトより)

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●科学技術書・理工学書<新刊情報>●「よりよくわかるプロジェクトマネジメント」(日本プロジェクトマネジメント協会編/オーム社)

2019-12-18 09:29:37 | ●科学技術書・理工学書<ブックレビュー>●

 

<新刊情報>

 

書名:よりよくわかるプロジェクトマネジメント

編者:日本プロジェクトマネジメント協会

発行:オーム社

 プロジェクトとは、非定常業務であり、明確に目的・コスト・工期などの条件が決まっている仕事である。たとえば、ソフトウェア構築ではユーザーとベンダーの協議の中で仕様が固まるものであり、プロジェクトである。また、ビル建設では、手慣れたゼネコンが担当したとしても1棟ずつ条件が異なるので、これもプロジェクト。そして、プロジェクトの進め方は発生の都度、詳細に検討することになる。同書では、そんなプロジェクトのマネジメントの一例を、みんなが楽しい「家づくり」を題材に解説。

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★バイオニュース★ユーグレナとデンソー、微細藻類を活用した事業開発で包括的提携

2019-02-22 09:40:18 | ●科学技術書・理工学書<ブックレビュー>●

 ユーグレナとデンソーは、今回包括的提携し、微細藻類に関する互いの技術を融合させ、地球環境の保護と人々の健康的な暮らしに貢献していくことを目的として、事業における提携を進める。

 包括的提携の項目は以下の通り。

    1.バイオ燃料事業の開発
    2.微細藻類培養技術の研究開発
    3.藻類の食品・化粧品等への利用
    4.微細藻類による物質生産

 同提携では、バイオ燃料事業を産業として確立することを目指し、複数の微細藻類を原料としたバイオ燃料の製造を実現することで、将来的な原料調達の多様化と安定的なバイオジェット・ディーゼル燃料供給に向けた研究を加速させる。

 具体的にはユーグレナ社のバイオ燃料製造実証プラントにおける原料の一部として、微細藻類ユーグレナの油脂に加えてコッコミクサKJから抽出される油脂を使用し、バイオ燃料を製造・供給することを目指しており、デンソーは製造されたバイオディーゼル燃料の一部を社内運行バスに使用することも検討している。

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●科学技術書・理工学書<新刊情報>●「無人化と労働の未来」(コンスタンツェ・クルツ、フランク・リーガー著/技術評論社)

2019-02-14 09:48:45 | ●科学技術書・理工学書<ブックレビュー>●

書名:無人化と労働の未来~インダストリー4.0の現場を行く~

著者:コンスタンツェ・クルツ、フランク・リーガー

訳者:木本 栄  

発行:岩波書店

 世界に先駆けて“第四次産業革命”を打ち出し、ソフトウェア、ロボットとネットワーク化による製造現場の変革を進めてきたドイツ。これまで人間が担ってきた労働は、どんな機械により、どのくらい代替されているのか? 様ざまな分野の現場を丹念に描くとともに、頭脳労働の自動化も視野に入れ、“無人化”により社会が直面する課題を浮き彫りにする。

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●科学技術書・理工学書<新刊情報>●「『ロウソクの科学』が教えてくれること」(マイケル・ファラデー、ウィリアム・クルックス著/SBクリエイティブ)

2019-01-11 09:29:24 | ●科学技術書・理工学書<ブックレビュー>●

書名:「ロウソクの科学」が教えてくれること~炎の輝きから科学の真髄に迫る、名講演と実験を図説で~

著者:マイケル・ファラデー、ウィリアム・クルックス

監修:白川英樹 
 
編訳:尾嶋好美

発行:SBクリエイティブ(Si新書)
 
 1860年の暮れ、イギリス・ロンドンにある王立研究所の一角に、たくさんの少年少女、そして大人たちが集まりまった。ある人の登場を今か今かと待っている。その人は、当時69歳だったマイケル・ファラデー。「もしその時代にノーベル賞があったら、彼は幾度も受賞したはず」と異口同音に言われるほど、多くの業績を上げた化学・物理学者。やがて現れた偉大な科学者は、1本のロウソクを手に、優しく、そして楽しげに語り始めた......。この講演、“The Chemical History of a Candle”は書籍にまとめられ、世界的なベストセラーとなった。日本でも「ロウソクの科学」として知られている。産業革命によって大きく時代が動いた当時と同じように、現代にも通じる知恵がつまった歴史的名著。同書では、今までの国内翻訳書にはない、再現可能な実験の写真や図解を掲載し、完訳ではなく、抄訳によって、話の流れをわかりやすくしている。

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●科学技術書・理工学書<新刊情報>●「絶滅できない動物たち」(M・R・オコナー著/ダイヤモンド社)

2018-11-12 09:30:37 | ●科学技術書・理工学書<ブックレビュー>●

 

<新刊情報>

 

書名:絶滅できない動物たち

著者:M・R・オコナー

訳者:大下英津子

発行:ダイヤモンド社

 厳重に「保護」された滅菌室にしか存在しないカエル、軍に囲まれて暮らすキタシロサイ、絶滅させた人間によってDNAから「復元」されつつあるリョコウバト……。人が介入すればするほど、「自然」から遠ざかっていく、自然保護と種の再生テクノロジーの矛盾を、コロンビア大学が生んだ気鋭のジャーナリストが暴く。

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