“科学技術書・理工学書”読書室―SBR―  科学技術研究者  勝 未来

科学技術書・理工学書の新刊情報およびブックレビュー(書評)&科学技術ニュース   

●科学技術ニュース●NTT EDX、同志社大学とNTT西日本、教育・学習活動への生成AI活用実証事業開始

2023-11-28 09:37:49 | ●科学技術書・理工学書 <新刊情報> (2018年5月7日以後)●
 NTT EDX、同志社大学とNTT西日本は、生成AIを利活用した教育・学習支援に関する共同実証の事業を連携して実施し、学生や教職員らを対象とした新たな「教えと学び」の仕組みづくりに取り組む。

 同事業では、高等教育機関における学生個別の学習ニーズに最適化された学習環境を提供する仕組みを構築し、生成AIを効果的に利活用できる学習のあり方の確立をめざす。

 同志社大学では、「数理・データサイエンス・AI教育」に関して、全学部の学生を対象とした全学共通教養教育科目として2022年度から「同志社データサイエンス・AI教育プログラム(DDASH)」を開始し、生成AI等の革新的情報化技術を正しく理解し、利活用できる人物の育成に取り組んでいる。(DDASH:Doshisha Approved Program for Data Science and AI Smart Higher Education)

 今回の実証事業では、DDASHの授業科目において、教育・学習向けの生成AI利用環境を整え、新たな教えと学びの仕組みを生み出す。<NTT>


<生成AI利活用の概要>

(1)学生への学習支援の仕組み
(2)教職員の教育支援の仕組み
(3)生成AIの回答を電子教科書・電子教材に限定した利用検証
(4)生成AIの仕組みを学習向けにチューニングするノウハウの展開

 生成AIは、AIモデルをセキュアな環境で利用できる「Azure OpenAI Service」を採用し、電子教科書は、日本全国約250の高等教育機関の学生・教員が利用中のNTT EDXの電子教科書配信サービス「EDX UniText」にて提供する。(NTT EDXでは、個人情報や機密情報、著作権の保護等も踏まえ正しく活用するための仕組みを用意)

 生成AIと電子教科書の親和性は高く、効果的で利便性の高い学習環境を提供するとともに、学習状況を可視化することも可能。加えて、電子教科書を生成AIの学習源として利用することで、生成AIが返す回答の正確性を検証し、AIを活用する学習環境の信頼性を高める。

 これらの組み合わせによる教育・学習向けの生成AI環境では、学生や教職員が入力したデータを同志社大学のセキュアな情報環境内で、安心して利用できる仕組みとする。
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

●科学技術書・理工学書<新刊情報>●「江戸の好奇心」(池内 了著/集英社)

2023-07-25 09:35:22 | ●科学技術書・理工学書 <新刊情報> (2018年5月7日以後)●



<新刊情報>



書名:江戸の好奇心~花ひらく「科学」~

著者:池内 了

発行:集英社(集英社新書)

 日本の科学研究のルーツは江戸時代に遡る。長期に及ぶ政治的安定の中、人々は好奇心の趣くままに蒐集や実験、そして探究に没頭した。その分野は数学、博物学、物理学、生物学(動物の飼育法や植物の品種改良)、花火や時計等の職人技術と、膨大な範囲に及ぶ。さらに江戸の人々が熱中した「科学」の中には、今日の我々が失いつつある大切なものが隠れている。同書ではそうした知の蓄積を丁寧に辿り直し、近代科学とは一線を画す「もう一つの科学」の姿を浮かび上がらせる。『司馬江漢』『江戸の宇宙論』に続く「江戸三部作」、ここに堂々の完結。【目次】 第一章 和算 第二章 博物誌 第三章 園芸 第四章 育種 第五章 技術
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

●科学技術ニュース●国立環境研究所、商船三井と「燃料用重油・潤滑油類の主要炭化水素の事前網羅的分析とデータベース化」の共同研究開始

2023-04-28 09:38:23 | ●科学技術書・理工学書 <新刊情報> (2018年5月7日以後)●
 国立環境研究所は、化学物質の管理システムの方向性を環境施策として提示するための研究を、商船三井技術部技術研究所との共同研究を開始した。

 国立環境研究所は、災害環境研究プログラム「緊急時における化学物質のマネジメント戦略」において、突発的事故等に対処する情報基盤とリスク管理対応体制の構築に加えて、発災による化学物質の影響を迅速かつ的確に把握するための包括的調査手法を開発し、社会実装を図ることで、リスクに対処する科学的手法と将来的な化学物質の管理システムの方向性を環境施策として提示するための研究を行っている。
 
 この研究の一環として、令和4年6月から、商船三井技術部技術研究所との共同研究を開始した。

 同社が行っている、船舶航行に関わる主・補助機関の安定した運転管理のための、燃料油や潤滑油の品質性状試験に関する研究調査と、国立環境研究所が実施する燃料用重油・潤滑油類の主要炭化水素の事前網羅的分析に関する研究結果を組み合わせることで、今後の船舶事故により流出が想定される燃料重油や潤滑油の炭化水素組成の事前把握と環境中挙動と影響の予測、ならびに、船舶機関の良好な運転と保守のための燃料油と潤滑油の性状管理において、参照資料となる基礎的なデータベースを開発することを目的としている。<国立環境研究所>
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

●科学技術書・理工学書<新刊情報>●「ティラノサウルス解体新書」(小林快次著/講談社)

2023-04-14 09:33:05 | ●科学技術書・理工学書 <新刊情報> (2018年5月7日以後)●



<新刊情報>



書名:ティラノサウルス解体新書

著者:小林快次

発行:講談社

 ティラノサウルスと小林快次博士という訴求力満点の最強タッグが贈る、知的好奇心にこたえる一冊。これまで二十数種が見つかっているティラノサウルスの仲間。しかし、その全貌は複雑で、全体を解説している本や図鑑はなかった。同書は、これまでに発見されたティラノサウルス類のすべてを体系的に解説。ティラノサウルスは最も研究されている恐竜ではあるが、まだまだわからないことが多いのが実際のところ。たとえば「ティラノサウルスには羽毛は生えていたのか?」という一般的な問いにさえ、まだ確定した問いはない。一方で、ティラノサウルスの仲間は、北極に近いアラスカや日本にも生息していたことが分かっている。新たな発見があるたびに新しいことがわかり、そしてまた新たな謎が出てくるのがティラノサウルス研究なのである。同書では、第一部「ティラノ軍団の現在」で、ティラノサウルス類全種についての最新研究を紹介。第二部では、ティラノサウルスの特徴や生態について解説していく。ティラノサウルスという一つのグループを扱ったものとしては、圧倒的な情報量を誇る同書では、ティラノサウルスだけでなく、恐竜研究の最新の歩みをつぶさに辿ることができる。
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

●科学技術ニュース●HIS、宇宙の入り口への旅を実現するカナダの気球型宇宙船「ネプチューン」の販売権契約締結

2022-09-30 09:38:20 | ●科学技術書・理工学書 <新刊情報> (2018年5月7日以後)●
 エイチ・アイ・エスは、宇宙ベンチャー企業であるカナダ、スペース・パースペクティブ社と提携し、スペース・パースペクティブ社が提供する気球型宇宙船「スペースシップ・ネプチューン)」の日本・カナダにおける販売権契約を締結した。旅行会社による権利取得は、アジア地区において初。

 スペース・パースペクティブ社は、先駆的な新しいテクノロジーと世界で活躍するスペースバルーンの専門家による宇宙飛行体験を2024年後半より飛行予定。

 革新的なスペースバルーンを用いた、高度約30kmの宇宙の入り口までの旅は、無重力にはならないため、参加者の事前トレーニングや年齢制限、体重制限などもなく、誰でも参加できる。

 船内では自由に移動が可能で、上空では軽食の提供も予定されている。

 フロリダのケネディ宇宙センターあるいわ同地域の他の宇宙港から離陸し、約6時間の飛行。費用は1人12万5000ドル。<HIS>
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

●科学技術ニュース●大陽日酸、世界初、HVPE法で6インチウエハ上への酸化ガリウム成膜に成功

2022-03-17 09:41:31 | ●科学技術書・理工学書 <新刊情報> (2018年5月7日以後)●
 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の「戦略的省エネルギー技術革新プログラム」において、大陽日酸は、東京農工大学およびノベルクリスタルテクノロジーと共同で、次世代半導体材料として注目される酸化ガリウム(β-Ga2O3)をハライド気相成長(HVPE)法によって6インチウエハ上に成膜することに世界で初めて成功した。

 同成果は、大口径かつ複数枚のエピウエハを製造可能なβ-Ga2O3量産成膜装置の開発を大きく進展させ、成膜コストが課題となっていたβ-Ga2O3エピウエハの大口径・低コスト化の実現に繋がる。

 β-Ga2O3パワーデバイスが広く普及すれば、産機用モータ制御のインバーターや住宅用太陽光発電システムのインバーター、次世代EVなどの省エネルギー化が見込める。

 大陽日酸は、NEDO事業においてβ-Ga2O3成膜向け量産装置の開発を継続し、今後は6インチβ-Ga2O3ウエハを用いたエピ成膜を行い、β-Ga2O3薄膜の電気特性評価や膜中に存在する欠陥評価を通して、高品質なβ-Ga2O3エピ成膜技術の開発を実施する。また、β-Ga2O3エピウエハの量産技術を確立した後、2024年度に量産装置の製品化を目指す。

 HVPE法で製造したβ-Ga2O3エピウエハは主にSBDやFETに使われるため、2030年度には約590億円規模の市場に成長する見込み(富士経済「2020年版次世代パワーデバイス&パワエレ関連機器市場の現状と将来展望」による)。

 今後は量産装置を実現し、β-Ga2O3成膜装置市場への参入とGa2O3パワーデバイスの普及による次世代EVなどの省エネルギー化促進に貢献していく。<新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)>
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

●科学技術書・理工学書<新刊情報>●「ニュートン式超図解 宇宙の終わり」(ニュートンプレス)

2022-03-07 10:01:05 | ●科学技術書・理工学書 <新刊情報> (2018年5月7日以後)●



<新刊情報>



書名:ニュートン式超図解 宇宙の終わり~凍る,つぶれる,生まれ変わる!すべてのシナリオがわかる!!~

発行:ニュートンプレス

 今から138億年前に誕生したといわれる、私たちの宇宙。この宇宙は、永遠の存在なのか。科学者によると、宇宙はけっして永遠の存在などではないという。宇宙はいつか、終わりをむかえると考えられている。宇宙の終わりについては、さまざまな可能性が考えられている。たとえば、「宇宙がほとんど空っぽになる」「宇宙が1点につぶれる」「宇宙が引き裂かれる」といったもの。そして私たちの宇宙がいったん終わりをむかえたあとで、まったく別の新しい宇宙に生まれかわるという説もある。いったい宇宙に、何がおきるというのか。同書は、宇宙の終わりのさまざまなシナリオを、ゼロから学べる1冊。“最強に”面白い話題をたくさんそろえたので、どなたでも楽しく読み進めることができる。
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

●科学技術書・理工学書<新刊情報>●「宇宙を支配する「定数」」(臼田 孝著/講談社)

2022-03-01 09:36:30 | ●科学技術書・理工学書 <新刊情報> (2018年5月7日以後)●



<新刊情報>



書名:宇宙を支配する「定数」~万有引力定数から光速、プランク定数まで~

著者:臼田 孝

発行:講談社(ブルーバックス)

 万有引力定数=G、光速=c、プランク定数=h……など、根源的な自然法則に現れる「物理定数」。科学はいかにして「その値」にたどり着いたか?万有引力の法則から相対性理論、量子力学まで、宇宙の成り立ちを説明する物理法則には、必ず「固有の値」=物理定数が登場する。物理定数とは何か? なぜ、一定の値をとるのか?その値はどう決まるのか? そして、本当に「一定不変」か?宇宙の誕生と進化を司る「究極の値」のすべて──。
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

●科学技術ニュース●2021年度第9回 「湯浅年子賞」、野尻美保子氏が受賞

2022-02-22 10:06:37 | ●科学技術書・理工学書 <新刊情報> (2018年5月7日以後)●
 第9回「湯浅年子賞」は、野尻美保子氏(高エネルギー加速器研究機構素粒子原子核研究所理論センター 教授 )が受賞した。

 業績「宇宙暗黒物質の創成と検出に関する研究」
 
 野尻氏は、これまで弱く相互作用する暗黒物質粒子が、原初宇宙においてどのように作られたか、そして実験でどのように探索することができるかというテーマについて、理論の立場から数多くの研究を行ってきた。野尻氏は、実験家と密接な共同研究関係を築き、実験家との協力により粒子の検出の可能性を明らかにしており、最近は、深層学習のコライダー実験への応用を推進している。野尻氏の研究は、海外からも評価が高く、この分野の代表的な国際会議においてプレナリー講演を行うなど、多くの国際会議において招待講演を行っている。また、国内外の多くの学会の理事、委員を務め、学界の発展に貢献している。


 お茶の水女子大学は、大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構(KEK)が日仏共同事業として運営する「湯浅年子ラボラトリー(TYL)」の協力を得て、湯浅年子博士の自然科学及びその関連分野に対する功績を記念して「湯浅年子賞」を設立。

 湯浅年子博士(1909―1980)は、1931年に東京女子高等師範学校(現お茶の水女子大学)理科を卒業後、東京文理科大学(現筑波大学)物理学科に入学し、卒業後同校副手となり、1938年からは東京女子高等師範学校助教授に就任。1939年にフランス政府給付留学生試験に合格、1940年に渡仏し、フデレリック・ジョリオ・キュリー博士を師としてコレージュ・ド・フランス原子核化学研究所において研究を開始し、1943年には仏国理学博士号を取得した。
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

●科学技術書・理工学書<新刊情報>●「寄生生物の果てしなき進化」(トゥオマス・アイヴェロ著/草思社)

2022-02-15 09:52:17 | ●科学技術書・理工学書 <新刊情報> (2018年5月7日以後)●



<新刊情報>



書名:寄生生物の果てしなき進化

著者:トゥオマス・アイヴェロ

訳者:セルボ貴子

発行:草思社

解説:目黒寄生虫館

 他の生物を搾取して生きる寄生生物たちは、どこで誕生し、どう進化し、今日まで生きながらえてきたのか。進化生物学で見る寄生生物の物語。
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする