“科学技術書・理工学書”読書室―SBR―  科学技術研究者  勝 未来

科学技術書・理工学書の新刊情報およびブックレビュー(書評)&科学技術ニュース   

●科学技術書<新刊情報>●「植物ウイルス大事典」(日比忠明、大木 理監修/朝倉書店)

2016-01-29 11:05:50 | ●科学技術書・理工学書 <新刊情報>(2018年5月4日以前)●

 

<新刊情報>

 

書名:植物ウイルス大事典

監修:日比忠明、大木 理

発行:朝倉書店

 現代の植物ウイルス学の発展は目覚ましく、主要な植物ウイルスはほぼすべてでゲノムの全塩基配列が明らかにされ、分子系統学的な分類体系が確立されている。同書はこうした状況を受け、わが国に発生する植物ウイルスについてまとめた待望の大事典である。第一線の研究者の編纂・執筆により、国際ウイルス分類委員会によるウイルス分類に基づいた最新の情報を盛り込んだ、実際の診断・同定はもとより今後のウイルス研究の発展のために必須の知識を得られる基礎資料。

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★科学技術ニュース★NIMSと東北大学、地震発生域における塩水の電気伝導度を理論的に解明

2016-01-29 11:05:27 |    宇宙・地球

 物質・材料研究機構(NIMS)の環境・エネルギー材料部門 ジオ機能材料グループの佐久間博主任研究員と、東北大学大学院理学研究科の市來雅啓助教からなる研究チームは、地下10~70km程度の高温・高圧環境でNaCl水溶液 (塩水) がどの程度の電気伝導度となるかを理論的に解明することに成功した。

 地中の電気伝導度の計測データと照らし合わせると、地下深部で塩水が存在することを示唆しており、地震発生や火山噴火に地下に存在する塩水が影響するという説を裏付けるものと考えらる。

 同研究チームは、水の超臨界状態を再現する分子モデルを開発することで、海水の6分の1から3倍のNaCl濃度の範囲で、実験では観測困難な高温高圧 (温度 : 673~2000 K、圧力 : 0.2~2 GPa) での塩水の電気伝導度を導出することに成功した。

 この電気伝導度データから、東北地方の地下を計測した際に見られた高い電気伝導度が、海水程度の塩濃度を持つ塩水の存在で説明できることが明らかになった。

 今後、この成果を各地の地殻の電磁気観測と組み合わせて、沈み込み帯などの地震・火山活動が活発な地下深部での塩水の存在を明らかにし、地震発生や火山噴火発生メカニズムの解明を目指した研究を実施していく方針。

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●科学技術書<新刊情報>●「ヒョウタン文化誌」(湯浅浩史著/湯浅浩史)

2016-01-29 11:04:56 | ●科学技術書・理工学書 <新刊情報>(2018年5月4日以前)●

 

<新刊情報>

 

書名:ヒョウタン文化誌~人類とともに一万年~

著者:湯浅浩史

発行:湯浅浩史(岩波新書)

 ヒョウタンといえば、あのユーモラスな姿を思い出す。しかしその奥は深く、1万年以上さかのぼる最古の栽培植物の一つとして、人類の歴史と結びついている。命をつなぐ水の容器として海洋での移動に役立ち、楽器の原点でもあり、神話や象徴など精神的な側面も併せ持つ。広さと深さを兼ね備えたヒョウタン文化の実像を描く。

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●科学技術書<新刊情報>●「脳には妙なクセがある」(池谷裕二著/扶桑社)

2016-01-28 07:24:49 | ●科学技術書・理工学書 <新刊情報>(2018年5月4日以前)●

 

<新刊情報>

 

書名:脳には妙なクセがある

著者:池谷裕二

発行:扶桑社(扶桑社新書)

 恋に必須の「シュードネグレクト効果」、「オーラ」「ムード」「カリスマ」…見えざる力に弱い理由、「他人の不幸」はなぜ蜜の味?、「損する」でも「宝くじ」を買う理由、就寝前が「記憶」のゴールデンアワー…などなど、最新の知見をたっぷり解説。楽しく、ごきげんに生きるために必読の一冊。
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★科学技術ニュース★NICT、暗号化したままデータを分類できるビッグデータ向け解析技術を開発

2016-01-28 07:24:07 |    情報工学

 情報通信研究機構(NICT)セキュリティ基盤研究室は、大量のデータを暗号化したまま複数のグループに分類できるビッグデータ向け解析技術を開発した。

 同技術は、NICTが開発していた準同型暗号技術SPHERE(スフィア)とロジスティック回帰分析技術を組み合わせることで実現したもの。

 暗号化した状態でデータを分類できるので、個人情報などの機微な情報を安全に効率よく分類することが可能になる。

 応用例の一つとして、同技術を用いて健康診断等のデータから病気の判定を行う際に、データ処理を行う第三者にデータの内容を開示せずに済み、プライバシーを保護できるようになると期待される。

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●科学技術書<新刊情報>●「微生物が地球をつくった」(ポール・G・フォーコウスキー著/青土社)

2016-01-27 09:42:50 | ●科学技術書・理工学書 <新刊情報>(2018年5月4日以前)●

 

<新刊情報>

 

書名:微生物が地球をつくった~生命40億年史の主人公~ 

著者:ポール・G・フォーコウスキー

訳者:松浦俊輔

発行:青土社

 太古の地球の酸素化、光合成をする植物の誕生、動物たちの進化大爆発、人間界の発酵化学や遺伝子工学……。微生物たちがいなかったら全て不可能だった。目に見えないくらい小さな生物の、驚くほど壮大な世界をめぐる知の冒険。

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●科学技術書<新刊情報>●「菌世界紀行」(星野 保著/岩波書店)

2016-01-26 12:30:29 | ●科学技術書・理工学書 <新刊情報>(2018年5月4日以前)●

 

<新刊情報>

 

書名:菌世界紀行~誰も知らないきのこを追って~ 

著者:星野 保

発行:岩波書店(岩波科学ライブラリー)
 
 北極,南極,そしてシベリア。大の男が這いつくばって、世界中の寒冷地にきのこを探す。大型動物との遭遇、酔っぱらいとの遭遇、泥酔、そして拘束。幾多の艱難辛苦の果てに、菌たちとの感動の対面はかなうのか。雪や氷の下でしたたかに生きる菌たちの生態とともに綴る、爆笑・苦笑・失笑必至のとっておき“菌道中”。 

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★炭素ニュース★産総研、リサイクル炭素繊維を用いた熱硬化性CFRPの強度向上

2016-01-26 12:30:04 |    ★炭素ニュース★

 愛知県の産学行政連携の共同研究開発プロジェクト「『知の拠点あいち』重点研究プロジェクト」の「低環境負荷型次世代ナノ・マイクロ加工技術の開発プロジェクト」において、産業技術総合研究所(産総研)は、リサイクル炭素繊維を用いた熱硬化性CFRP(炭素繊維強化熱硬化性樹脂複合材料)の強度を向上させる製造プロセスを開発した。

 リサイクル炭素繊維は、新品の炭素繊維よりも、一般に強度が低下することが知られており、熱硬化性CFRPに利用した場合も強度が低下する。

 今回開発したプロセスでは、熱硬化性CFRP製造時の樹脂を硬化させる加熱工程において、従来のオーブンではなくマイクロ波を用いることで、従来法よりも樹脂と炭素繊維の密着性が上がり、熱硬化性CFRPの強度を向上させることができた。

 この開発によって、リサイクル炭素繊維を用いた熱硬化性CFRPの性能向上と製造コスト低減が期待できる。

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★科学技術ニュース★国立極地研、南極のクマムシ、30年を超える凍結保存から目覚め、繁殖に成功

2016-01-26 12:29:36 |    生物・医学

 国立極地研究所の辻本 惠 特任研究員を中心とする研究グループは、南極昭和基地周辺で1983年11月に採取され、30年と半年の間凍結保存されていたコケ試料からクマムシを取り出し、その蘇生直後の回復と繁殖の様子を記録することに成功した。

 クリプトビオシス(「隠れた生命」の意味で、蘇生可能な無代謝状態を示す用語)能力を持ち、「最強動物」とも呼ばれるクマムシの、これまでの最長生存記録は乾眠状態の室温保存で9年であったが、今回の研究ではその記録を大幅に更新した。

 また、クリプトビオシス能力で知られる動物の長期生存記録の中で、30年以上の保存からの蘇生だけではなく、蘇生直後の回復状態やその後の繁殖までを詳細に報告したのは同研究が初めて。

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●科学技術書<新刊情報>●「地図の世界史 大図鑑」(ジェリー・ブロットン著/河出書房新社)

2016-01-26 12:29:03 | ●科学技術書・理工学書 <新刊情報>(2018年5月4日以前)●

 

<新刊情報>

 

書名:地図の世界史 大図鑑

著者:ジェリー・ブロットン

発行:河出書房新社

 3500年前の岩石彫刻地図からグーグルアースまで、人類の地図の歴史を一望できる決定版図鑑。拡大図なども含め、図版総数600点、日本や中国などの古地図も充実した贅沢な一冊。

 

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