“科学技術書・理工学書”読書室―SBR―  科学技術研究者  勝 未来

科学技術書・理工学書の新刊情報およびブックレビュー(書評)&科学技術ニュース   

●科学技術書・理工学書<新刊情報>●「ヒトという種の未来について生物界の法則が教えてくれること」(ロブ・ダン著/白揚社)

2023-01-31 10:05:04 |    生物・医学



<新刊情報>



書名:ヒトという種の未来について生物界の法則が教えてくれること

著者:ロブ・ダン

訳者:今西康子

発行:白揚社

 街のカラスの増加から、人類が抱える問題がわかる。細菌、樹木、虫、鳥、そしてヒト――あらゆる生き物を統べる法則にしたがえば、農業や感染症、生物多様性、気候変動などの問題は、まったく違って見えてくる。私たちや未来の子どもたちにとって大切な話題に、意外な視点から、楽しく、真面目に切りこむポピュラーサイエンス。・この先もパンデミックから逃げられないのは、なぜ?・気候変動に、人類は対応できる?・火星への移住はうまくいく?・ヒトが絶滅したらどうなる?…などなど。
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

●科学技術ニュース●ホンダとGSユアサ、高容量・高出力なリチウムイオンバッテリーに関する協業に向けた基本合意を締結

2023-01-31 10:03:18 |    電気・電子工学
 ホンダとGSユアサは、高容量・高出力なリチウムイオンバッテリーに関する協業に向けての基本合意を締結した。

 今後、2023年中の合弁会社設立を目指し、具体的な協議を開始する。

 両社は、急速に拡大するバッテリー需要に対応するため、グローバル市場において高い競争力を持つリチウムイオンバッテリーと、その製造方法を研究開発するとともに、主要原材料のサプライチェーンや効率的な生産システムを構築することを目指し、今回の合意に至った。<ホンダ>

 この合意に基づく、両社の合弁会社設立に向けた検討範囲は以下の通り。

・EV搭載用を中心とした高容量・高出力なリチウムイオンバッテリーおよび、その製造方法についての研究開発
・研究開発に関する特許等の知的財産の構築および管理
・研究開発による技術を用いた製品や販路の企画
・主要原材料のサプライチェーンを含めた効率的な生産オペレーションの設計等
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

●科学技術ニュース●産総研、近赤外帯域で高透明な世界最高電子移動度のフレキシブルフィルムを開発

2023-01-31 10:02:54 |    化学
 産業技術総合研究所(産総研)製造技術研究部門リマニュファクチャリング研究グループ 野本淳一 研究員と山口巖 上級主任研究員は、世界最高の電子移動度を特徴とする可視から近赤外帯域まで高透過なフレキシブルフィルムを開発した。

 この透明導電フィルムは、耐熱性の低いポリエチレンテレフタレート (PET) 樹脂基材上に形成した酸化インジウム (In2O3) 薄膜。

 微量の水素を添加した非晶質薄膜は、結晶化することで高い電子移動度を実現できる。ただ、150~200 ℃程度で熱処理する必要があるため、熱に弱い樹脂基材上では結晶化することができなかった。

 そこで、紫外線エキシマレーザー照射技術を採用することにより、基材に熱ダメージを与えずに透明導電膜層を結晶化することに成功した。

 これにより、従来材料であるフレキシブルスズ添加 In2O3 (通称:ITO) 透明導電膜の約 20 cm2/Vs を超える世界最高の高電子移動度 133 cm2/Vs を PET 樹脂基材上で実現した。

 さらに、この高い電子移動度により低い電子密度でも高い導電性が得られるため、可視から近赤外線帯域までの広い波長帯域で高い透明性を実現できる。

 これらの特性を透明ヒーターに適用し、視認性と防曇性に優れた監視カメラや車載カメラに応用できる。また、近赤外光を発電に利用するフレキシブル次世代太陽電池の変換効率の向上にも役立つ。

 従来材料と比べて透光性と導電性の高いフレキシブルフィルムを開発したことで、透明ヒーターやセンサー、フレキシブル太陽電池などを高機能化することができる。これを通じて、自動車産業向けの高機能化部材や、 IoT センサーなど国際的な競争が激しい製品開発に貢献する。今後は、開発した ICO:Hフィルムを用いて透明ヒーターやフレキシブル太陽電池を作製し、寒冷地等での過酷な使用環境下における実デバイスでの実証試験を進め、社会実装に向け取り組んでいく。<産業技術総合研究所(産総研)>
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

●科学技術書・理工学書<新刊情報>●「C#クックブック」(Joe Mayo著/オライリージャパン)

2023-01-31 10:01:58 |    情報工学



<新刊情報>



書名:C#クックブック

著者:Joe Mayo

訳者:鈴木 幸敏

発行:オライリージャパン(2023年2月3日発売予定/書籍の注文はオーム社サイト)

 有用性が特に高く、生産性の向上や高品質なコードを担保するようなC#の機能について、遭遇する問題とその解決策を提示するレシピ集。C#の開発者が知っておくと役に立つ情報を厳選。言語仕様や基本など入門の内容は割愛し、脱初心者を目指す開発者、中級以上の開発者向けに、生産性を高め、コードの品質を高めることができるレシピを多数紹介。前半は実際にコーディングする手順に沿って、型の組み立て、アプリケーションの構築、アルゴリズムの実装、品質の向上・維持に関するテクニックを、後半ではLINQ、リフレクション、非同期プログラミングといったC#を特徴付ける機能と、データ分析、パターンマッチといった近年ますます重要視されているテーマを取り上げる。
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

●科学技術書・理工学書<新刊情報>●「空間の名づけ」(塩崎太伸著/NTT出版)

2023-01-30 11:17:13 |    建築・土木



<新刊情報>



書名:空間の名づけ~ Aと非Aの重なり~

著者:塩崎太伸 

発行:NTT出版

 2022年住宅建築賞受賞の建築家、初の思索的エセー。建築論・都市建築表象論に内省的問いを投げかける。「空間とは何か?」「空間になぜ名前があるのか?」「空間になぜ私たちは名を与えるのか?」という原初的な問いにあえて立ち戻りながら、つくる側とつかう側の「重なり」をあらためて探求するのが、同作品。
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

◆科学技術<テレビ番組情報>◆NHK「サイエンスZERO」/BSフジ「ガリレオX」他>

2023-01-30 11:16:51 |    ◆TV番組◆



<テレビ番組情報>




コズミック フロント  NHK‐BSプレミアム  毎週木曜日 午後10時~11時00分

2月2日(木) 謎の記号 祖先からのメッセージ

 祖先が洞窟に描いた壁画はよく知られるが、実は一見しただけでは意味が分からない記号も数多く描かれていることが最近の研究で明らかになってきた。どんな意味があるのか?

地球ドラマチック  NHK‐Eテレ  毎週土曜日 午後7時~7時45分

2月4日(土) アンデスの奥地 幻のクマを守れ!

 南米大陸に生息する唯一のクマ、メガネグマ。生態系の維持に欠かせない存在だが、警戒心が強く野生での観察は難しい。詳しい生態はわからないまま、絶滅の危機に瀕している。研究者らは森にカメラを設置。行動を解明し、保護につなげようと奮闘する。外敵が少ない木の上で子育てをするなど貴重な姿が明らかに。一方で、クマに畑を荒らされることを恐れる人々も。共生の行方は?(フランス・チリ・エクアドル2020年)

ガリレオX  BSフジ  毎週日曜日 午前11:30~12:00分(隔週新作)

2月5日(日) 午後2時~午後2時30分 ドローン研究最前線

 これまで私たちにとって遠い存在だった空の世界を身近なものにした、無人航空機「ドローン」。ドローンと聞くと、まずダイナミックな空撮映像などのエンターテイメントをイメージをするかもしれないが、一方、災害現場で消防隊員が人名救助に活用しているという一面もある。このようなドローンの技術は近年目覚ましい進展を遂げ、今もなお、様々な研究が進んでいる。それにより一体どのような社会へと変わるのだろうか?SF作品のような無数のドローンが街中を飛び交う未来は訪れるのだろうか?空の世界を大きく変えるドローン研究の最前線に迫まる。

主な取材先:野波健蔵(先端ロボティクス財団)
      山本嶺(電気通信大学)
      松田隆志(報通信研究機構)
      ハミングバード ドローンスクールお台場
      焼津市消防団 ドローン隊「SKY SHOOT」

サイエンスZERO  NHK‐Eテレ  毎週日曜日 午後11時30分~0時00

2月5日(日) ウイルスでがんをやっつけろ!最新治療の新戦略(アンコール放送)

 ウイルスを使った悪性脳腫瘍に対する「がん治療薬」が承認された。重い脳腫瘍患者対象の治験で、従来の標準治療で15%だった1年生存率が84.2%に上昇。カギはウイルスの増殖力。遺伝子組み換え技術で、ウイルスをがん細胞でだけ増殖、がんを破壊させることを可能にした。多様な固形がんに応用する臨床試験も開始、転移したがんへの効果も期待される。私たちの“敵”ウイルスでがんを治療する新戦略に迫る。
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

●科学技術書・理工学書<新刊情報>●「メタネーションの技術と市場」(幾島賢治、幾島嘉浩、幾島將貴著/シーエムシー出版)

2023-01-30 09:33:45 |    化学



<新刊情報>



書名:メタネーションの技術と市場

監修:シーエムシー出版編集部

著者:幾島賢治、幾島嘉浩、幾島將貴

発行:シーエムシー出版

 日本の産業・民生分野のエネルギー消費量においては、熱消費量が6割を占めている。政府は2050年のカーボンニュートラルの実現へ向けて,熱エネルギーを供給するガス事業の脱炭素化を進めている。ガスの脱炭素化には、メタネーション(再生可能エネルギー由来等の水素とCO2から合成される合成メタン)や水素の直接利用などが考えられている。これらの取り組みにより、次世代熱エネルギー産業(カーボンニュートラルを達成した次世代の熱エネルギーを供給する産業)が生まれることが予測されている。また、ガスの脱炭素化には,ガス供給事業者などの供給サイドだけでなく,需要サイドを巻き込む取り組みが必要とされている。同書はメタネーションを中心に次世代熱エネルギー産業の方向性をまとめた。様々な分野でエネルギーに携わる方々に最新の情報が提供できれば幸甚に存じます。(「刊行のねらい」より抜粋)
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

●科学技術書・理工学書<新刊情報>●「世界を変えた100の化石<新装版>」(ポール・D・テイラー、アーロン・オデア著/エクスナレッジ)

2023-01-27 09:50:33 |    生物・医学



<新刊情報>



書名:世界を変えた100の化石<新装版>

著者:ポール・D・テイラー、アーロン・オデア

監修:真鍋 真

発行:エクスナレッジ

 イギリス・大英自然史博物館で大人気を博した展覧会が 書籍になって日本上陸。新たな情報と化石の和名表記を加えた 、よりわかりやすい<新装版>。始祖鳥やティラノサウルスなど誰もが知る生物の化石だけでなく、光合成の痕跡、恐竜の卵、サメの糞、火山灰に埋もれた足跡など当時の状況を語る化石も網羅。 まだ知らなかった化石に出会える、至極の一冊。 地質年表、一部復元図付き。
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

●科学技術ニュース●KDDI、ドローン運航管理システムのプロバイダ認定要件に関する研究開発を開始

2023-01-27 09:50:10 |    ロボット工学
 KDDIは、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構 (NEDO) や経済産業省、国土交通省をはじめ、公的機関や研究機関などと連携し、ドローン運航管理システムのプロバイダ認定要件の検討に関する研究開発を開始する。

 同取り組みは、NEDOが推進するプロジェクト「次世代空モビリティの社会実装に向けた実現プロジェクト (ReAMo (リアモ) プロジェクト)」 の採択を2022年8月2日に受け、実施するもの。

 ドローン同士が衝突を回避し安全な飛行を可能にするためのドローン運航管理システムは、現在多くのプロバイダが開発している。

 2022年12月に「有人地帯における補助者なし目視外飛行 (レベル4飛行)」が解禁されるなど、ドローンの運航頻度は今後高まり、空域が混雑するにつれてドローン運航管理システムの普及が進むことが想定される。

 そのため、ドローン運航管理システムに対し、複数ドローンの飛行計画や飛行状況、地図・気象情報などを集約・共有する機能や有人機の位置情報を共有する機能など、技術的な要件を定める必要がある。

 また、ドローン運航管理システムを提供するプロバイダに対しても、システムを安定的に提供できるかなどの要件を定める必要がある。

 同取り組みでは、「運用コンセプトの検討」「技術基準および運用体制の検討」「性能要件の検討」「ドローン運航管理システム同士の接続インターフェースの設計および開発」の4つについて、研究開発する。<KDDI>
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

●科学技術ニュース●産総研と量研、光を99.98%以上吸収する世界一の黒さを達成した”至高の暗黒シート”を開発

2023-01-27 09:49:41 |    化学
 産業技術総合研究所(産総研)物理計測標準研究部門 応用光計測研究グループ 雨宮 邦招 研究グループ長、清水 雄平 主任研究員、光放射標準研究グループ 蔀 洋司 研究グループ長と、量子科学技術研究開発機構(量研)量子ビーム科学部門 越川 博 主幹技術員、八巻 徹也 研究企画部長は、漆類似成分のカシューオイル黒色樹脂の表面に微細な凹凸を形成して光を閉じ込めることで、可視光の99.98%以上を吸収する「至高の暗黒シート」を開発した。

 この技術は、イオンビーム照射と化学エッチングで微細な円錐状の凹凸(光閉じ込め構造)の原盤を形成し転写する方法を幅広い素材に拡張したもので、今回、光吸収率が格段に向上した新しい暗黒シートの開発に成功した。

 中でも、カシューオイル黒色樹脂は素材内部からの散乱反射(くすみ)が特に少ないという特徴を持ち、光閉じ込め構造によって素材表面の鏡面反射(ぎらつき)も抑えることで、レーザーポインターが消えて見えるほどの深い黒を実現。

 従来の暗黒シートと比較して可視光の半球反射率が一桁以上低い0.02%以下となり、触(さわ)れる耐久性を有する素材としては世界一の黒さを達成した。

 この至高の暗黒シートは、明るい場所でも沈む圧倒的な黒さを実現でき、背景の映り込みを防止できるため、視覚表現にこれまでになく高いコントラストを提供する。

 今後は、具体的な用途開発や実用化に向けた検討を進める。例えばライセンス契約のもと、素材メーカーなどに技術移転を行っていく。将来的には光の乱反射を極力抑えたいプロ用途だけでなく、身近な場面も含め、光制御・利用技術の格段の性能向上に貢献する。<産業技術総合研究所(産総研)>
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする