“科学技術書・理工学書”読書室―SBR―  科学技術研究者  勝 未来

科学技術書・理工学書の新刊情報およびブックレビュー(書評)&科学技術ニュース   

●科学技術書・理工学書<新刊情報>●「自律神経の科学」(鈴木郁子著/講談社)

2023-04-28 09:39:22 |    生物・医学



<新刊情報>



書名:自律神経の科学~「身体が整う」とはどういうことか~

著者:鈴木郁子

発行:講談社(ブルーバックス)

 「心身の不調は自律神経が原因かもしれない」「自律神経のバランスが乱れている」などとよく耳にする。そもそも、自律神経とはどのような神経なのか?簡単に言えば「内臓の働きを調整している神経」。全身の臓器とつながり、身体の内部環境を守っている。自律神経に関わる歴史的な研究を辿りながら、交感神経・副交感神経の仕組みや新たに発見された「第三の自律神経」の働きまで、丁寧に解説。【目次】 第0章 神経について、基本をおさえる 第1章 自律神経とはなにか 第2章 涙や唾液と自律神経―瞳をみれば、自律神経の活動がわかる? 第3章 汗やホルモンと自律神経―皮膚への刺激で、自律神経の活動が変わる? 第4章 ストレスと自律神経―闘うか逃げるか、私たちを守るメカニズム 第5章 喜怒哀楽と自律神経―怒りや恐怖で、心拍や体温が変わるわけ 第6章 内臓の情報を伝える自律神経―新たにみつかった「第三の自律神経」とは 第7章 自律神経から考える「心身を整える方法」―不調の原因を探ってみる
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●科学技術ニュース●日本IBM、安田倉庫の総合物流情報システムをレッドハットのRed Hat OpenShift Service on AWSを活用しシステム構築

2023-04-28 09:38:49 |    情報工学
 安田倉庫と日本IBM、レッドハットは、安田倉庫の総合物流サービス事業のデジタル・トランスフォーメーション (DX)を支える「総合物流情報システム」において、Red Hat OpenShift Service on AWS を活用したハイブリッド・クラウド環境でモダナイゼーションが実現されたシステムを稼働させた。

 日本IBMが、モダナイゼーションのロードマップ策定から、概念検証(PoC)による実現性の確認、安田倉庫の基幹システムで利用しているIBM i とレッドハットとアマゾン ウェブ サービス (AWS)が共同で運営するターンキーアプリケーションプラットフォーム Red Hat OpenShift Service on AWSを基盤とするコンテナ技術と、業務を部品化したマイクロサービスを適用した基幹システムのモダナイゼーションを支援した。
 
 安田倉庫グループは、国内での労働力不足等を背景にしたAI・ロボティクス等新技術の活用促進や、ワークスタイル・ライフスタイルの多様化など、変化の激しい事業環境を踏まえ、顧客のニーズに柔軟に対応することが求められている。

 そこで、「長期ビジョン2030」とそれを実現するための中期経営計画「変わらず、変える。YASDA Next Challenge 2024」 を策定し、物流事業において付加価値の高いロジスティクス・サービスの提供による取引拡大や物流施設の増強など事業基盤の強化を図るなど、事業拡大に向けたグループ経営インフラの強化に取り組んでいる。

 この度Red Hat OpenShift Service on AWS上に稼働した「次世代総合物流情報システム」は、個別の顧客の商品特性や業務特性に対応した機能の提供スピードを向上させる同時に、新しいサービスを実現するための最新技術を活用することで、付加価値の高いサービスを継続的に提供することが可能になる。

 また、基幹システムの段階的なモダナイゼーションの最初のステップとして、インターネットを経由した顧客からの入出庫指示や作業状況などの物流情報をリアルタイムで顧客と共有し、さらに各倉庫現場での作業状況の全社レベルでの可視化や、PC、ハンディターミナル、スマートフォンなどのデバイスの活用により、業務のデジタル化と効率化を実現している。

 さらに、顧客ごとに特性の異なる商品や、入出庫に伴う固有業務への対応を容易にするため、安田倉庫はRed Hat OpenShift Service on AWSを通してマイクロサービスを適用することで、最適化した物流サービスを短期間で提供すると共に、現行システムの課題の1つであるプログラム資産の肥大化を抑制することを目指している。<日本IBM>
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●科学技術ニュース●国立環境研究所、商船三井と「燃料用重油・潤滑油類の主要炭化水素の事前網羅的分析とデータベース化」の共同研究開始

2023-04-28 09:38:23 | ●科学技術書・理工学書 <新刊情報> (2018年5月7日以後)●
 国立環境研究所は、化学物質の管理システムの方向性を環境施策として提示するための研究を、商船三井技術部技術研究所との共同研究を開始した。

 国立環境研究所は、災害環境研究プログラム「緊急時における化学物質のマネジメント戦略」において、突発的事故等に対処する情報基盤とリスク管理対応体制の構築に加えて、発災による化学物質の影響を迅速かつ的確に把握するための包括的調査手法を開発し、社会実装を図ることで、リスクに対処する科学的手法と将来的な化学物質の管理システムの方向性を環境施策として提示するための研究を行っている。
 
 この研究の一環として、令和4年6月から、商船三井技術部技術研究所との共同研究を開始した。

 同社が行っている、船舶航行に関わる主・補助機関の安定した運転管理のための、燃料油や潤滑油の品質性状試験に関する研究調査と、国立環境研究所が実施する燃料用重油・潤滑油類の主要炭化水素の事前網羅的分析に関する研究結果を組み合わせることで、今後の船舶事故により流出が想定される燃料重油や潤滑油の炭化水素組成の事前把握と環境中挙動と影響の予測、ならびに、船舶機関の良好な運転と保守のための燃料油と潤滑油の性状管理において、参照資料となる基礎的なデータベースを開発することを目的としている。<国立環境研究所>
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●科学技術書・理工学書<新刊情報>●「AIプロジェクトマネージャのための機械学習工学」(吉岡信和、鷲崎弘宜、内平直志、竹内広宜著/科学情報出版)

2023-04-28 09:37:51 |    人工知能(AI)



<新刊情報>



書名:AIプロジェクトマネージャのための機械学習工学

著者:吉岡信和、鷲崎弘宜、内平直志、竹内広宜

発行:科学情報出版

 【目次】 第1章 AIシステムの開発概論 第2章 AIシステムの要求工学 第3章 機械学習システムのアーキテクチャと設計 第4章 AIプロジェクトのマネジメント 第5章 AIプロジェクトにおけるステークホルダとの協働 第6章 機械学習工学の展望
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●科学技術書・理工学書<新刊情報>●「動物たちが夢を見るとき」(デイヴィッド・ピーニャ=グズマン著/青土社)

2023-04-27 10:39:35 |    生物・医学



<新刊情報>



書名:動物たちが夢を見るとき~動物意識の秘められた世界~

著者:デイヴィッド・ピーニャ=グズマン

訳者:西尾義人

発行:青土社

 ワモンダコは獲物を捕まえる夢を見るか? 動物たちは、いつ、なぜ、どのように夢を見ているのだろうか? 動物の睡眠に関する行動学的、神経科学的研究と夢に関する哲学的理論をもとに動物の意識の謎に気鋭が迫る。「タコは夢を見る。ネズミは悪夢を見る。手話を覚えたチンパンジーは眠っている時に話す。同書は動物たちの心が私たちと同様に生き生きとして、複雑であることを明らかにする。意識の神秘について理解を深めたいすべての人にとって、刺激的かつ必要不可欠な一冊」(サイ・モンゴメリー:「愛しのオクトパス」著者)
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●科学技術ニュース●ソフトバンクなど、空間IDを活用した、配送ロボットとARナビゲーションのデータ共有に関する実証実験を実施

2023-04-27 10:38:43 |    ロボット工学
 ダイナミックマッププラットフォーム、ソフトバンクおよびビーブリッジの3社は、デジタル庁から受託した「デジタルツイン構築に関する調査研究」の一環で、空間IDを活用した、配送ロボットとARナビゲーションのデータ共有に関する実証実験を、2023年2月に東京ポートシティ竹芝(東京都港区)で実施した。

 この実証実験では、空間情報(ロボットの配送地点や建物内の情報)や地図情報などのデータを空間IDに紐付けることで、ソフトバンクが開発した配送実証向けの自律走行ロボットや、ビーブリッジが提供するARナビゲーションアプリといった、異なる企業のシステム間でデータを共有することができた。

 この仕組みで共有されたデータを活用することで、地図の作成や位置情報の登録などの作業を効率化することができる。

 例えばソフトバンクの場合、従来自律走行ロボット用の地図の作成にかかっていた工数を、最大8割程度削減できると考えられる。また、ビーブリッジの場合、より効率よく、正確なARナビゲーションを提供することが可能になる。

 今後3社は、実証実験で得られた知見を基に、さまざまな企業のシステム間でデータの共有を進めることで、自律走行ロボットをはじめとする空間IDの活用事例の拡充を進めていく。<ソフトバンク>
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●科学技術ニュース●東京大学と日本IBM、127量子ビットのプロセッサーを搭載した量子コンピューターの導入に合意

2023-04-27 10:37:58 |    情報工学
 東京大学とIBMは、127量子ビットのプロセッサーを搭載した量子コンピューター「IBM Quantum System One with Eagleプロセッサー」を、2023年中に「新川崎・創造のもり かわさき新産業創造センター(KBIC)」において稼働させる。

 東京大学とIBMは、2021年7月より、クラウド経由で利用可能な日本初の量子コンピューター「IBM Quantum System One」をKBICにおいて稼働開始した。

 IBM Quantum System Oneの専有使用権を有し、アクセスを提供する東京大学は、量子イノベーションイニシアティブ協議会(QII)に参画する様々な企業、公的団体や大学等研究機関とともに量子コンピューターの利活用に関する研究を進めており、数多くの学術論文を発表するなどの成果をあげている。

 この度、東京大学とIBMは、127量子ビットのEagleプロセッサーを搭載したIBM Quantum System OneをKBICに設置することに合意した。

 このIBM Quantum System Oneについても、東京大学は、QIIに参画する様々な企業、公的団体や大学等研究機関とともに専有利用する予定。この127量子ビットのプロセッサーを搭載した量子コンピューターは、現在北米でのみ稼働しており、北米以外での稼働開始は日本が初となる。

 100超の量子ビットを備えた量子コンピューターが稼働することにより、日本における量子コンピューターの研究および産業革新が加速し、古典的コンピューターだけよりも量子コンピューターも組み合わせて利用するほうが、ビジネスや科学に関連する計算課題をより効率的に、費用対効果が高く、正確に実行できるようになる「Quantum Advantage」の目標達成がますます近くなることが期待されている。<日本IBM>
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●科学技術書・理工学書<新刊情報>●「<新版> はじめての電子状態計算」(小和田善之、小笠原一禎、水野正隆著/三共出版)

2023-04-27 10:37:24 |    化学



<新刊情報>



書名:<新版> はじめての電子状態計算~DV-Xα分子軌道計算への入門~

著者:小和田善之、小笠原一禎、水野正隆

発行:三共出版

 1998年に刊行した「はじめての電子状態計算」は、わかりやすい丁寧な解説とCD-ROM付でDV-Xαプログラムがパソコン上で簡単にできるということで好評を博してきたが、今回、進化する量子化学に合わせて本文を全面的に改訂し、プログラムもリニューアルした。さらにプログラムは同書記載のアカウントよりダウンロードできるようになり、より使いやすくなっている。【プログラム内容】◆DV-Xα分子計算プログラム◆光電子スペクトルおよびX線吸収スペクトル計算プログラム◆秀丸エディタを使用したDV-Xα法のための統合支援環境◆相対論DV-Xα法計算プログラム◆非相対論DVME法計算プログラム 【目次】 1 電子状態計算とは 2 必要な計算環境の構成 3 DV-Xα 分子軌道計算の基本操作 4 各種プログラムの解説 5 クラスター法による結晶の計算 6 DV-Xα法のための統合支援環境 7 いろいろな計算 8 付録
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●科学技術書・理工学書<新刊情報>●「あのSFはどこまで実現できるのか」(米持幸寿著/集英社)

2023-04-26 09:35:15 |    科学技術全般



<新刊情報>



書名:あのSFはどこまで実現できるのか~テクノロジー名作劇場~

著者:米持幸寿

発行:集英社(インターナショナル新書)

 空想科学 VS 現代科学。昭和から平成のSF作品(映画、漫画、アニメ)に描かれた、心躍るような科学技術の数々。ネットワークテクノロジー、自動運転化技術、AI技術、ロボット工学、太陽エネルギーの運用、音声認識技術など、テクノロジーの現在地を、名作を振り返りながら検証する。◆「バベルの塔」を拠点に主人公たちが活躍する漫画『バビル2世』に登場するコンピューターを、コスト・スペックなどの面から現代のスパコンと比較するとどうなるか?◆ドリームカー「K.I.T.T.」が疾走するドラマ『ナイトライダー』。搭乗者と会話し、自動運転もなんのその……そんな車は作れるのだろうか?◆1980年代の漫画『わたしは真悟』では、すでに「AIに仕事を奪われる恐怖」が描かれていた!?◆手塚治虫不朽の名作、漫画『火の鳥』。『未来編』『復活編』に登場する「ロビタ」のロボティクス技術を検証。このほかにもテクノロジーに関する知的好奇心をくすぐるテーマが満載!
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●科学技術ニュース●三菱電機、隠れたものをミリメートル精度で可視化する300GHz帯テラヘルツ波を使用した断層イメージング技術を開発

2023-04-26 09:34:30 |    通信工学
 三菱電機は、300GHz帯のテラヘルツ波を用いて、一方向から一回の照射により任意の深さで対象物の断層イメージングを行う業界初の技術を開発した。生体への影響が小さく、移動する対象物も数ミリメートルの解像度で撮像する。

 近年、空港や駅、スタジアムなど公共空間における安心や安全への関心が高まり、セキュリティー対策の一つとして不審な所持品などを調べるスキャン装置の導入が進んでいる。しかしこれらに多く用いられているX線検査装置は、主に手荷物検査などに用途が限定されている。また、ミリ波を用いたボディースキャン装置は、人物が静止した状態で周囲180度の測定が必要なことから、装置が大型化する傾向があった。そのため、これらスキャン装置は空港以外の公共空間への導入はあまり進んでいなかった。

 この他、製造現場では人手不足を背景に、生産や検査ラインの自動化・省力化のニーズが高まっている。しかし従来の光学カメラや赤外線カメラを用いた製品検査は、外観検査に用途が限られており、例えば、食品工場で容器の内部を検査する際は、抽出したサンプル品の蓋を開けて人手で調べる必要があった。

 今回、同社が開発した技術は、生体への影響が小さいテラヘルツ波を用い、一方向から一回の照射で対象物の断層イメージングを行うバーチャルフォーカスイメージング技術と複数のイメージを合成し誤検出を低減するマルチモードビームフォーミング技術を組み合わせた技術。

 移動する物体の撮像が可能で、ウォークスルー型のセキュリティーゲートや、ベルトコンベアなどで流れてくる生産ライン上での非破壊検査にも適用可能。また、スキャン装置の小型化が可能で、さまざまな場所への導入にも貢献する。<三菱電機>
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