“科学技術書・理工学書”読書室―SBR―                 科学技術研究者   勝 未来

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★バイオニュース★東京大学、マックスプランク研究所と理研、バイオマス生産性を向上させた環境ストレス耐性植物を開発

2018-10-09 09:29:45 |    ★バイオニュース★

 東京大学とマックスプランク研究所、理化学研究所の共同研究グループは、植物における環境ストレス耐性と成長のトレードオフの関係を打破できることを明らかにした。

 植物は環境ストレスを受けると、数多くの遺伝子の発現を変化させることにより、耐性を獲得する機構を持っている。その一方で、成長を調節して自らの生育を抑制してしまうため、環境ストレス耐性の獲得は植物の成長とトレードオフの関係にある。これまでに開発された乾燥ストレス耐性植物の多くは、バイオマス量や収量が減少し、農業への応用に課題が残されていた。

 今回、同研究グループは、バイオマス生産性を向上させた環境ストレス耐性植物を開発した。

 乾燥ストレス耐性遺伝子DREB1Aと成長促進遺伝子GA5の2つの遺伝子を植物に集積させる新たなアプローチによって、環境ストレス耐性が向上しながらもバイオマス生産性を高めることができることを明らかにした。

 同研究により、植物の環境ストレス条件下での成長制御機構の理解が進むとともに、干ばつや寒波よって起こる作物の減収を防ぐための技術として応用されることが期待される。

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★バイオニュース★丸紅など、米国バイオジェット燃料製造企業へ出資

2018-09-27 09:35:58 |    ★バイオニュース★

 丸紅は、日本航空および海外交通・都市開発事業支援機構と共同で、米国において一般廃棄物由来のバイオジェット燃料製造事業(Waste to Fuel事業)を行うFulcrum BioEnergy Inc.(Fulcrum社)に、2018年9月19日に出資した。

 Fulcrum社は、一般廃棄物からバイオジェット燃料を製造する技術を有しており、今後も米国内において複数のWaste to Fuel事業案件の開発を予定している。現在、米国ネバダ州において第1号プラントを建設しており、2020年に稼動開始、2021年より航空会社へのバイオジェット燃料供給を開始する予定。

 丸紅はFulcrum社への出資を端緒として、新エネルギー事業の開発に加え、更にEUサステイナビリティ戦略でもあるサーキュラーエコノミーにおいて重要な位置を占める廃棄物のエネルギー転換・再資源化ビジネスの取組拡大を目指すことにしている。

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★バイオニュース★理研など、バイオマスから油脂を生産する新種の酵母を発見

2018-09-25 09:29:05 |    ★バイオニュース★

 理化学研究所(理研)、明治薬科大学、龍谷大学、京都大学の共同研究グループは、バイオマス由来の発酵原料糖の主成分を成す2種類の糖から効率良く油脂を生産する新種の酵母を発見した。

 同研究成果は、油脂製造において石油からバイオマスへの原料の転換を進め、製造プロセスの効率化による消費エネルギーの削減に向けた研究を促進することで、低炭素社会の実現に貢献すると期待できる。

 油脂は、食品、医薬品、化成品の原料となることから、化学工業における基幹物質の一つ。現在、油脂の多くは石油から化学的に合成されているが、温室効果ガス抑制の観点から、酵母などの生物を用いた新たな油脂生産プロセスの開発が求められている。

 今回、共同研究グループは、沖縄県西表島などの植物と土壌から分離した酵母から、バイオマス由来の発酵原料糖であるグルコースとキシロースをほぼ同時に取り込み(グルコース抑制がない)、油脂を効率良く生産する酵母3株を発見した。
 
 この酵母は、系統解析や分類学的研究の結果、Cystobasidium属に属する新種であることが示されたため、「Cystobasidium iriomotense」と命名した。

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★バイオニュース★三菱マテリアル、埼玉県で食品廃棄物のバイオガス事業会社を設立

2018-08-29 09:32:44 |    ★バイオニュース★

 三菱マテリアルは、埼玉県富士見市、ふじみ野市、三芳町で構成する入間東部地区事務組合の敷地内に食品廃棄物のバイオガス事業を目的とした「ニューエナジーふじみ野株式会社」を5月30日に設立した。

 日本国内における廃棄物の最終処分場は、その残余年数が約15年といわれており、新設も難しいことから、廃棄物の最終処分量削減による延命対策が課題となっている。そのうち食品廃棄物は日本国内で年間約1,600万トン発生しており、現在2~3割は飼料や肥料としてリサイクルされているものの、大半が焼却処分されている。

 食品廃棄物の発生は都市部に多く、飼料や肥料によるリサイクルの拡大は難しいため、食品廃棄物をメタン発酵させるバイオガス化は、電気、熱などのエネルギーとして有効利用できるリサイクル技術として、焼却廃棄物の削減や地球温暖化防止などの観点から、近年注目されている。

 このような背景から、同社は2015年に環境省の補助事業として埼玉県本庄市においてバイオガス化の実証試験を実施し、事業化に向けた検討を進めてきた。2018年4月には、事務組合の所有する、浄化センター(し尿処理施設)の土地の一部を借り受けて、同社がバイオガス事業を実施することについて事務組合との間で協定を締結した。

 今後は、新社において許認可取得等の具体的な事業化に向けた手続きを進める。2018年度中に事務組合との間で賃貸借契約を締結し、2019年度中にプラントを建設、2020年4月に事業開始を予定している。

 同事業では、民間事業としてバイオガスプラントを建設・運営する計画であり、食品事業者から発生する食品廃棄物を対象として処理を行う。また、メタン発酵工程から得られるバイオガスによる発電を行うとともに、発生する汚泥等は同社セメント工場でリサイクル利用して最終処分廃棄物が発生しない独自の事業スキームを想定している。


 

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★バイオニュース★千代田化工建設、千葉県袖ケ浦市で国内最大級の7.5万kwバイオマス専焼発電所建設受注

2018-08-16 09:29:40 |    ★バイオニュース★

 千代田化工建設は、袖ケ浦バイオマス発電(大阪市中央区)が千葉県袖ケ浦市で計画している国内最大級の7.5万kwバイオマス専焼発電所建設に関わる設計、調達、建設、試運転(EPC)業務を受注した。

 発電設備については、再熱式循環流動床ボイラーと高効率スチームタービンを採用することで高効率発電を達成し、省エネルギー化を実現する。

 使用燃料は木質ペレット、運転開始は、2022年7月を予定している。

 なお、袖ケ浦バイオマス発電は、大阪ガスの100%子会社であるガスアンドパワーが同発電所の事業運営を目的に設立した会社。

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★バイオニュース★NEDO、地域特性を生かした最適システムを目指すバイオマスエネルギーの5テーマを新たに採択

2018-08-10 09:29:08 |    ★バイオニュース★

 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)は、「バイオマスエネルギーの地域自立システム化実証事業」において、バイオマスエネルギー導入のための技術指針・導入要件の策定に関する検討、事業性評価(FS)、実証事業の各事業で公募を行い、5テーマを採択した。

 同事業では、バイオマス種(木質系、湿潤系、都市型系、混合系)ごとに地域の特性を生かした最適なシステムとしての事業性評価(FS)および実証事業を行い、実用性の高い技術指針や導入要件として取りまとめ、毎年度公開する。また、今回の実証などを通じて技術課題が抽出された場合には、この課題の解決を図ることで、健全な事業運営が可能なバイオマスエネルギーの利用拡大につなげる。

①バイオマスエネルギー導入に係る技術指針・導入要件の策定に関する検討:みずほ情報総研

②廃棄バイオマスを利用したクリーニング工場への蒸気供給事業の事業性評価(FS):智頭石油株式会社、鳥取県

③地域材を利用した木質バイオマス熱供給事業の事業性評価(FS):坂井森林組合、福井県

④大規模採卵鶏舎で排出される鶏糞の一部を、鶏糞メタンガス発電システムの導入により熱・発電・温水利用し、鶏糞の残余および固液分離後の残滓を濃縮発酵鶏糞(普通肥料)化し、更にハイブリッド化することにより高付加価値肥料として外部販売することにより、鶏糞を廃棄物から収益源に転換し、且つ処理費用を最小限に止めるための事業性評価(FS):インターファーム、東京都

⑤家畜ふん尿由来のバイオガスエネルギーを利用した酪農地域自立システムの実証事業:阿寒農業協同組合、北海道

 

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★バイオニュース★横浜ゴム、理研と日本ゼオン、バイオマスから優れたイソプレン生成能を持つ細胞の創製に成功

2018-07-31 09:30:52 |    ★バイオニュース★

 横浜ゴムは、理化学研究所(理研)、日本ゼオンとの共同研究により、バイオマス(生物資源)から効率的にイソプレンを生成できる世界初の新技術を開発した。

 イソプレンは自動車タイヤなどの原料として使われる合成ゴム(ポリイソプレンゴム)の原料として使用される。現在、イソプレンはナフサ熱分解の副生成物として工業的に生産されているが、イソプレン生成技術を確立することにより、石油への依存度が低減でき、地球温暖化の原因とされる二酸化炭素削減に貢献できる。

 横浜ゴムと理研、日本ゼオンは2013年から共同研究を進め、2015年に「in silico代謝設計技術」を用いてコンピューター内でイソプレンの新規合成法を発見した。

 新技術はこれを進化させたもので、世界初となる新しい人工経路の構築と高活性酵素の作成により、優れたイソプレン生成能を持つ細胞を創製。この細胞内(in vivo)で出発原料であるバイオマス(糖)からイソプレン生成までを一貫して行うことに成功した。

 さらに生成したイソプレンを重合してポリイソプレンゴムの合成を実現した。研究にあたっては理研・環境資源科学研究センター(CSRS)が保有する細胞設計技術、植物科学技術を活用。

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★バイオニュース★NEDO、東レ、三井製糖と三井物産、タイでサトウキビ搾りかすからエタノール原料などを製造する実証プラント完成

2018-07-12 09:31:08 |    ★バイオニュース★

 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)と東レ、三井製糖、三井物産は、タイでバガスと呼ばれるサトウキビ搾汁後の搾りかすからバイオエタノール原料となるセルロース糖に加え、ポリフェノール、オリゴ糖といった高付加価値品を併産する、バガスを原料とした世界最大規模の実証プラントを完成させた。

 同実証では、バガスから糖液を濃縮する工程で日本発の分離膜技術を活用することで、従来の蒸発法による濃縮工程と比べ50%以上の消費エネルギーの削減を目指す。

 2018年7月下旬から運転を開始し、省エネルギー性能や高付加価値品併産の有効性を検証する。

 将来は、世界有数のサトウキビ産地のタイにおいて、同システムの普及を図る計画。

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★バイオニュース★日立グリーンエナジー、JAゆうき青森の“長芋”を使ったバイオガス発電事業に出資

2018-07-05 10:39:30 |    ★バイオニュース★

 日立キャピタルの子会社の日立グリーンエナジーは、青森県上北郡東北町において、自然エネルギーベンチャーのイーパワーを中心に、ゆうき青森農業協同組合(JAゆうき青森)の農業物残渣(非食用部)などを活用したバイオガス発電事業を行う合同会社に対し出資を行った。

 同事業では、日量4トン強の長芋残渣などをメタン発酵槽に投入してバイオガスを発生させ、年間約16万kWh(標準世帯の電力使用量を3000kWhとして53世帯分)の電気を、固定価格買取制度を使って東北電力に売電する。

 バイオガス発電は発電量は少ないものの、太陽光や風力とは異なり、24時間の発電が可能なベースロード電源であり、廃棄物有効利用に加えて、廃棄物処理コストを削減できる効果が見込める。さらに、JAゆうき青森では、発電機から回収する排熱を隣地に新設するビニールハウスにおいて有効活用して、課題である冬場の農業を可能とする仕組みづくりに挑戦する。

 同事業では、豊橋技術科学大学とイクナム研設などを中心とする産学コンソーシアムが開発した、豊橋式バイオガス発電システムを採用する。豊橋式システムはバイオガス発生量に合わせた規模のメタン発酵槽を発生地に設置することが特徴。

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★バイオニュース★「ひろ自連」とユーグレナ、自動車用次世代バイオ燃料の普及拡大に向けた広 島での実証事業開始

2018-06-22 09:31:36 |    ★バイオニュース★

 ひろしま自動車産学官連携推進会議(ひろ自連)とユーグレナは、自動車用次世代バイオ燃料の普及拡大に向けた広 島での実証事業計画「ひろしま “Your Green Fuel” プロジェクト」を開始する。。

 ひろ自連は、サステイナブル(地球環境を保全しつつ持続が可能な産業や開発)な自動車社会の実現に向け、化石燃料に代わるカーボンニュートラルな自 動車用燃料の地産地消モデルの構築を目指している。

 一方、ユーグレナは 2020 年に向けた国産 バイオジェット・ディーゼル燃料の実用化計画(国産バイオ燃料計画)に取り組んでいる。

 この 度、両者はエネルギーと自動車の分野を超えた協業により、両者の間で広島での次世代バイオ燃料の 実証事業計画を推進していくことで合意した。

 同プロジェクトでは、ユーグレナが推進する「国産バイオ燃料計画」と連携し、カーボンニュートラルな 次世代バイオ燃料の原料製造・供給から利用に至るまでのバリューチェーン全体を広島地域で支える地 方創生モデルを構築することを目指し、次世代バイオ燃料の普及拡大に努める。

 具体的には、ミドリム シなどの微細藻類由来の油脂や広島地域の家庭や企業から排出される使用済みてんぷら油などを原 料としたバイオ燃料をつくり、広島地域での乗用車などでこれを使用する取組みを、2020 年を目途に開 始する計画。

 また、広島県内の事業者が排出した CO2 などを活かした広島での微細藻類の培養に 加え、微細藻類残渣を用いた農・畜・水産向け肥料・飼料の研究などについても可能性を検討する。

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