“科学技術書・理工学書”読書室―SBR―  科学技術研究者  勝 未来

科学技術書・理工学書の新刊情報およびブックレビュー(書評)&科学技術ニュース   

●科学技術書・理工学書<新刊情報>●「40人の神経科学者に脳のいちばん面白いところを聞いてみた」(デイヴィッド・J・リンデン編著/河出書房新社)

2019-12-27 09:33:52 |    生物・医学

 

<新刊情報>

 

書名:40人の神経科学者に脳のいちばん面白いところを聞いてみた

編著:デイヴィッド・J・リンデン

訳者:岩坂 彰

発行:河出書房新社

 科学界のエンターテイナー、リンデン教授率いる神経科学者のドリームチームが研究の一番面白いところを語る。10代の脳、双子の謎、知覚の不思議、性的指向、AIと心…脳を揺さぶる37話。

 

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●科学技術ニュース●NICTと高知県・高知市病院企業団立高知医療センターなど、災害に強くセキュアな電子カルテ保管・交換システムを開発

2019-12-27 09:33:08 |    情報工学

 情報通信研究機構(NICT)と高知県・高知市病院企業団立高知医療センター及び連携協力機関から成るチームは、秘密分散技術と秘匿通信技術を組み合わせることにより、電子カルテデータのセキュアなバックアップと医療機関間での相互参照、災害時の迅速なデータ復元を可能とするシステムを開発した。

 秘密分散技術と秘匿通信技術を組み合わせることにより、電子カルテデータのセキュアなバックアップと医療機関間での相互参照、災害時を想定した場合に必要とされる医療データ項目の迅速な復元が可能な、保健医療用の長期セキュアデータ保管・交換システム(H-LINCOS: Healthcare long-term integrity and confidentiality protection system)を開発した。

 同システムを用いた実証実験では、800 km圏のネットワークで結ぶ高知医療センターと大阪、名古屋、大手町、小金井にあるデータサーバに、1万人分の電子カルテの模擬データを分散保管した。

 次に、南海トラフ地震等により四国エリアが被災したというシナリオの下、それぞれのデータサーバから処方履歴、アレルギー情報などの災害時医療に必要とされるデータ項目を小金井のサーバ上に復元し、衛星回線経由で高知医療センターの端末に伝送した。

 その結果、高知医療センターの端末で患者検索してから9秒以内で医療データを復元することに成功した。これは、救急時の猶予時間といわれる15秒程度の要求に応えるもの。

 今回の結果により、災害時に必要な医療データを迅速に届けることが可能になり、災害医療に大いに役立つことが期待される。また、地上網が使える平時においては、医療機関の間で電子カルテデータを相互参照することが可能になる。

 今後、扱うデータサイズや接続する端末数を増やしながら、通信遅延や輻輳についての解析を進め、H-LINCOSの実用性を更に高めるための研究開発や実環境での運用方法についての検討を進めていく。また、災害時の保健医療活動の効率化に向けて、H-LINCOSと災害時保健医療福祉活動支援システム(D24H)の連携方法についても検討を進めていく。(「NICT」ウェブサイトより)

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●科学技術書・理工学書<新刊情報>●「トコトンやさしい建築材料の本」(大垣賀津雄、大塚秀三著/日刊工業新聞社)

2019-12-27 09:32:28 |    建築・土木

 

<新刊情報>

 

書名:トコトンやさしい建築材料の本

著者:大垣賀津雄、大塚秀三  

発行:日刊工業新聞社(今日からモノ知りシリーズ)

 建築材料は種類が多く、素材ごとに適した場所で使われている。同書は伝統的な材料から最新のものまで、多種にわたる建築材料について一つずつ取り上げ、材料ごとの特徴や使われ方、施工作業などをやさしく解説。

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●科学技術書・理工学書<新刊情報>●「高校数学でわかるディープラーニングのしくみ」(涌井貞美著/ベレ出版)

2019-12-26 08:22:36 |    人工知能(AI)

 

<新刊情報>

 

書名:高校数学でわかるディープラーニングのしくみ

著者:涌井貞美

発行:ベレ出版

 AIという言葉をメディアで目にしない日はない。これはArtificial Intelligenceの頭文字をとったもので、人工知能を意味する。1990年代には工場のラインを支えるロボットの「人工知能」が産業を大きく変えた。しかし、その時の人工知能は完全に人間から教え込まれるタイプのものであった。それに対し、現在の「AI」は、自ら学んでいくタイプのものである。それを実現する手段の一つがディープラーニング。同書では、人間の脳のニューロンの働きを数学的に抽象化し、人工的にネットワーク化した「ニューラルネットワーク」を基本とする、ディープラーニングのしくみを、高校までの数学で丁寧に解説。

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★水素ニュース★関西学院大学、大阪大学と大型放射光施設、光をあてることで、水を分解して水素を発生させる新たな多孔性物質を開発

2019-12-26 08:22:11 |    ★水素ニュース★

 関西学院大学理工学部の鎌倉吉伸氏、田中大輔准教授らの研究チームと大阪大学および大型放射光施設「SPring-8」の共同研究グループは、光を照射することで水を分解して水素を発生させる新しい多孔性物質の開発に成功した。

 同研究で開発された多孔性物質は、金属-有機構造体(MOF)や多孔性配位高分子(PCP)と呼ばれ、理想的なナノ空間を持つ物質として世界中で研究されている材料の一種。

 同研究では、一般的には合成が難しいとされていた硫黄を含んだMOFの合成に成功した。さらに、硫黄が含まれることによって、従来知られていたMOFでは実現困難な電気伝導性や触媒特性が発現することを実証した。同物質の開発で得られた知見を基にして、さらなる新触媒や半導体材料の発見が促進されることが期待される。

 半導体特性を持つ材料に分子サイズの無数の穴を自在に開けることができれば、さまざまな触媒反応や電池の電極材料などへの応用が期待される。同研究の詳細な解析から、開発したMOFの優れた特性は、硫黄を含むことで発現したことが明らかとなった。今後はこれらの知見を生かして、さまざまな種類の硫黄を含んだMOFが合成されることとで、より優れた特性を持つ材料の開発が期待される。特に、水から太陽エネルギーによって水素を発生させる触媒は、燃料電池によるクリーンなエネルギー源に応用できるため、さらなる高性能材料の開発が求められる。

 一方で、そのような硫黄を含むMOFを合成することは難しく、合成のための反応条件の探索には膨大な試行錯誤が必要となる。今後は、このような合成の難しい材料を効率的に探索するために、人工知能を活用したマテリアルズインフォマティクス(MI)の手法の活用が期待される。(「科学技術振興機構」ウェブサイトより)

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●科学技術ニュース●理研、神経幹細胞の再生能を発見

2019-12-26 08:21:32 |    生物・医学

 理化学研究所(理研)生命機能科学研究センター 非対称細胞分裂研究チームの松崎文雄チームリーダー、藤田生水研究員、下向敦範専門職研究員らの研究チームは、哺乳類の脳が作られる際に神経幹細胞が柔軟に「形」を再生する仕組みを発見した。

 同研究成果は、脳が形作られる基本的な仕組みや、その形成不全に伴う脳疾患の原因解明に貢献すると期待できる。

 脳の神経細胞(ニューロン)やグリア細胞を生み出す神経幹細胞は、非常に細長い柱状の細胞であり、発生途中の脳組織は、この柱が無数にひしめき合って構成されている。

 今回、同研究チームは多光子顕微鏡などを用いて、マウス胎仔の脳組織に存在する神経幹細胞の形状変化を鮮明に捉えることに成功し、神経幹細胞が柱状の形態を柔軟に再形成することを明らかにした。

 この再生能により、脳発生初期に神経幹細胞が細胞分裂するとき柱状構造が分断されたとしても、脳組織の細胞配置が保たれる。

 脳発生後期になるとこの性質は失われ、柱状構造が分断された神経幹細胞が次第に蓄積していき、脳組織の中には別の神経幹細胞層が出現することも分かった。

 この新たな幹細胞層の出現は、特にヒトのように大きくしわのある脳が形作られる際に見られる特徴であることが分かっており、今回の発見はその裏に潜む細胞の振る舞いを明らかにしたといえる。

 今回、LGN(GPSM2<ショウジョウバエではPins>とも呼ばれ、ショウジョウバエから哺乳類まで広く保存されたタンパク質で、細胞が分裂するときに形成される紡錘体の末端と細胞膜をつなぐ役割を持つ)による分裂軸の厳密な制御をなくしても増殖期には頂端面が高効率で再形成されたことから、分裂軸の厳密な制御は放射状グリアの対称分裂に不要であることが明確となった。このことから、従来のモデルは見直しが必要となった。また、新たに発見した神経幹細胞の持つ「形」の再生能力は、哺乳類の脳発生と進化に新しい知見を与え、ヒトを含む脳の発生をつかさどる機構の研究が一層活性化されると期待できる。(「理化学研究所」ウェブサイトより)

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●科学技術書・理工学書<新刊情報>●「生物の発光と化学発光」(松本正勝著/共立出版)

2019-12-26 08:20:50 |    生物・医学

 

<新刊情報>

 

書名:生物の発光と化学発光

編者:日本化学会

著者:松本正勝

発行:共立出版(化学の要点シリーズ )

 同書は、基礎があっての応用という考えから、生物の発光と化学発光がどのような仕組みで起こるのかについて学ぶことを主眼としている。まず導入として、私たちの身の周りの光と‘光と分子の関係’を中心に知識を共有し、日ごろ何げなく目にする発光という現象について概観する(第1~3章)。第4章ではどのような生物が発光するのか、発光のもととなる物質は何か、それらがどのように反応して発光するのかについて話す。第5章では古くから知られているいくつかの化学発光をとりあげる。第6章ではジオキセタンの化学について話す。ジオキセタンは生物発光の研究から誕生した化学発光基質で、化学的にきっちりと調べることが可能なただ1つの生物発光や化学発光の高エネルギー中間体である。それぞれの章では応用研究についてもふれ、締めくくりでは生物発光や化学発光の研究の展望について記す。

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●科学技術書・理工学書<新刊情報>●「数理工学の世界」(中村佳正著/日本評論社)

2019-12-25 09:24:52 |    数学

 

<新刊情報>

 

書名:数理工学の世界

著者:中村佳正

発行:日本評論社

 AIやデータサイエンスが注目される近年、ますます重要性を増す数理工学。多様な研究の基礎から現状までを初学者向けに明快に解説。

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●科学技術ニュース●NEDOと産総研、AIの動画認識やテキスト理解の基盤となる事前学習済みモデルを構築・公開

2019-12-25 09:24:25 |    人工知能(AI)

 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)と産業技術総合研究所は、実世界のデータを活用する次世代人工知能(AI)技術のソフトウェアモジュール構築の一環として、AIによる動画認識とバイオ分野に関する自然言語テキストの理解のための転移学習の基盤となる事前学習済みモデルを構築し、公開した。

 今回構築した事前学習済みモデルには、実世界の大量の動画やテキストデータをあらかじめ学習させているため、AI開発に用いることで、少量の学習用データでも次世代AIのソフトウェアモジュールを構築・利用できるようになる。

 これにより、例えば少量の動画データによる医療動画診断支援向けAIなど、実世界のデータを活用する次世代AI技術の開発と社会実装の促進が期待できる。

 今回構築した事前学習済みモデルには、実世界の大量の動画やテキストデータをあらかじめ学習させているため、AI開発に用いることで、少量の学習用データでも次世代AIのソフトウェアモジュールを構築・利用できるようになる。

 利用にあたっては、産総研人工知能研究センターのウェブサイト(https://www.airc.aist.go.jp/achievements/ja/)に掲示された公開用ウェブページからモデルをダウンロードして、特定応用のデータで追加的な学習を行う。深層学習の知識があれば利用可能。これにより、例えば少量の動画データによる医療動画診断支援向けAIなど、実世界のデータを活用する次世代AI技術の開発と社会実装の促進が期待できる。(「産業総合研究所」ウェブサイトより)

 

 

 

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●科学技術書・理工学書<新刊情報>●「マスタリングTCP/IP 入門編(第6版)」(井上直也、村山公保、竹下隆史、荒井 透、苅田幸雄著/オーム社)

2019-12-25 09:23:59 |    通信工学

 

<新刊情報>

 

書名:マスタリングTCP/IP 入門編(第6版)

著者:井上直也、村山公保、竹下隆史、荒井 透、苅田幸雄

発行:オーム社

 同書は、ベストセラーの「マスタリングTCP/IP 入門編」を時代の変化に即したトピックを加え、内容を刷新した第6版として発行するもの。豊富な脚注と図版・イラストを用いたわかりやすい解説により、TCP/IPの基本をしっかりと学ぶことができる。プロトコル、インターネット、ネットワークについての理解を深める最初の一歩として活用できる。

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