“科学技術書・理工学書”読書室―SBR―  科学技術研究者  勝 未来

科学技術書・理工学書の新刊情報およびブックレビュー(書評)&科学技術ニュース   

●科学技術書・理工学書<新刊情報>「日本の品種はすごい」(竹下大学著/中公論新社)

2020-02-28 09:27:02 |    生物・医学

 

<新刊情報>

 

書名:日本の品種はすごい~うまい植物をめぐる物語~

著者:竹下大学 

発行:中公論新社(中公新書)

 より美味で、かつ丈夫、収穫量が多く、栽培しやすい品種を――。誰もが夢見る新品種を生むべく、自然と格闘する仕事が育種家だ。りんごの「ふじ」のように歴史に名を刻む有名種や、競争に敗れて頂点から転落した梨の「長十郎」など、品種改良をめぐる歴史は、育種家たちの情熱の結晶である。同書では、じゃがいもや大豆、大根、わさびなど7つの身近な食用植物を取り上げ、その進化と普及にいたるドラマを描き出す。

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●科学技術ニュース●産総研、疑似生体組織構築のためのマイクロマシンを開発

2020-02-28 09:26:39 |    生物・医学

 産業技術総合研究所(産総研)バイオメディカル研究部門次世代メディカルデバイス研究グループ 山添 泰宗 主任研究員、栗之丸 隆章 研究員と、セルメカニクス研究グループ 中村 史 研究グループ長(東京農工大学併任)は、生体組織と類似した人工の組織を構築するためのマイクロマシンを開発した。

 生体組織を模倣した人工組織は、けがや病気で損傷した組織の治療や動物実験に替わる新薬候補物質の評価に有用である。

 今回、同研究グループは、“マイクロマシンを利用して人工組織を構築する”という新たなアプローチを提唱した。この独自のアイデアをもとに、望みの数・形状・タイミングでさまざまな場所に細胞を輸送し配置できるマイクロマシンを開発した。

 このマイクロマシンを用いて細胞を操作すれば、従来の方法では困難であったさまざまな処理を行うことができ、より自在な人工組織構築の実現に貢献すると期待される。

 今後は、開発したマイクロマシンを用いて移植治療や薬剤評価に役立つ、より生体組織に類似した高度な人工組織の開発を行う。また、炎症性腸疾患の細胞治療への応用を図る。(「産業技術総合研究所(産総研)」ウェブサイトより)

 

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●科学技術書・理工学書<新刊情報>「東大塾 IoT講義 」(喜連川 優、野城智也編/東京大学出版会)

2020-02-28 09:26:13 |    通信工学

 

<新刊情報>

 

書名:東大塾 IoT講義  

編者:喜連川 優、野城智也 

発行:東京大学出版会

 あらゆるモノをネットワークでつなげるという1980年代以来の構想がいよいよ実現しはじめ、世界中の企業が次々と新たなサービスを生み出している。世界はどこまでデジタル化できるのか。IoT(Internet of Things)による生活と社会の変革の現状と未来を語る。

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●科学技術書・理工学書<新刊情報>「南方熊楠のロンドン」(志村真幸/慶応大学出版会)

2020-02-27 10:01:04 |    科学技術全般

 

<新刊情報>

 

書名:南方熊楠のロンドン~国際学術雑誌と近代科学の進歩~ 

著者:志村真幸

発行:慶応大学出版会

 イギリスと東洋が関係を深めつつあった19世紀末、当時、最先端の都市だったロンドンに留学し、大英博物館リーディング・ルームを主たる舞台として世界各国の辞書や事典を渉猟し、学問的研鑽を積んだ熊楠は、いかにして欧米の学術空間に受け入れられたのか。国際学術誌「ネイチャー」「ノーツ・アンド・クエリーズ」「フラヘン」に376篇もの英文論考を寄稿し、東洋からの知見の提供によって、近代科学の発展を支えた南方熊楠の営為を歴史的・国際的な視点から捉えなおす、気鋭の力作。 

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★炭素ニュース★NEDOと津田駒工業、国産初の小型ロボットタイプの炭素繊維複合材料(CFRP)曲面積層機を開発

2020-02-27 10:00:38 |    ★炭素ニュース★

 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)は、複雑形状に対する炭素繊維複合材料(CFRP)の自動積層技術開発に取り組んでいるが、今回、津田駒工業とともに、国産初となる小型ロボットタイプのCFRP曲面積層機(ロボットAFP)を開発した。

 同積層機は、高精度アームロボットに、津田駒工業の小型積層ヘッドを搭載することで、曲面など複雑形状のCFRP部品の自動積層を、国産機として初めて実現した。

 これにより、軽量で高強度なCFRP部品の生産性向上に加え、CFRP部品の適用拡大による航空機をはじめとする輸送機器の軽量化と二酸化炭素(CO2)排出削減が期待できる。

 今後、津田駒工業は同積層機を、航空機産業を中心に展開していく。また、将来はCFRPの利用拡大が期待される自動車産業などへの展開も図り、国内の素材産業や加工・製造分野の国際競争力強化に貢献する。(「NEDO」ウェブサイトより)

 

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●科学技術ニュース●名城大学など、世界初の中波長紫外線(UV-B)領域の半導体レーザを発明

2020-02-27 10:00:11 |    電気・電子工学

 名城大学の赤﨑 勇終身教授の研究グループの岩谷 素顕准教授らは、三重大学、旭化成の共同研究により世界初の中波長紫外線(UV-B波長領域)半導体レーザを発明した。

 レーザ光はLEDや太陽光など自然界に存在する光とは異なり波長・位相が制御された究極的な光源であり、医療・工業・家電・情報通信・計測・フォトニクスなどさまざまな新しい産業・学問分野が創造されている。レーザ光を生み出す装置のうち、半導体レーザは小型・高効率・低消費電力など優れた性能を有していることから、レーザ光の社会実装に大きく貢献している。これまで赤外線・赤色・緑色・青色レーザが実用化され社会実装されており、より波長が短くエネルギーの大きな紫外線(UV)領域のレーザの実現が強く望まれていた。

 紫外線は長波長紫外線(UV-A:光の波長が380~320nm)、中波長紫外線(UV-B:320~280nm)、短波長紫外線(UV-C:280nm以下)の3種類に分類される。既に、名城大学や浜松ホトニクなどのグループから長波長紫外線領域の半導体レーザが、旭化および名古屋大学のグループから短波長紫外線領域の半導体レーザの実現が報告されていた。同成果により、紫外線領域全域にわたって半導体レーザが実現できることが実証された。

 中波長紫外線領域の半導体レーザが実現できない理由はその領域の高品質な結晶が得られないことに起因していた。同グループでは、赤﨑 勇終身教授が青色LEDの発明でノーベル賞を受賞した窒化物半導体を用いた。

 基板にはサファイア基板を用い、三重大学の三宅 秀人教授が開発した高品質な窒化アルミニウム(AlN)テンプレート上に、赤﨑方式によって高品質かつ格子緩和した窒化アルミニウムガリウム(AlGaN)を開発した。これは長波長紫外線や短波長紫外線領域のレーザとは異なる方法であり、同グループ独自の手法。さらに絶縁体に相当する同材料の大電流密度動作を達成し、未踏領域の半導体レーザを発明した。

 紫外レーザは、医療・バイオサイエンス・化学・殺菌・工業用途など多くの分野での応用が期待できる。特に中波長紫外線は生体に対しての影響が大きいため、DNAシーケンサーや皮膚治療など他の波長域ではできないような新しい応用が期待できる。また、既存のガスレーザや固体レーザの紫外領域の市場が1,000億円/年以上あるとされていることから、優れた特性を持つ半導体レーザでそれが実現できることから従来の市場価値に加えてイノベーションの創出が期待できる。(「科学技術振興機構(JST)」ウェブサイトより)

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●科学技術書・理工学書<新刊情報>「わかりやすい ロボットシステム入門」(松日楽信人、大明準治著/オーム社)

2020-02-27 09:59:36 |    ロボット工学

 

<新刊情報>

 

書名:わかりやすい ロボットシステム入門~メカニズムから制御、システムまで~<改訂3版> 

著者:松日楽信人、大明準治

発行:オーム社 

 人工知能技術に代表される知能化や開発環境の変化、掃除ロボットの普及、サービスロボットの実用化、自動運転関連技術の進展など、ここ数年、ロボットやその技術を取り巻く環境は大きく変化している。同書は、旧版の内容を見直し、これらの技術的・社会的な変化を取りこみつつ、ロボットシステムの基礎から応用技術までを丁寧に解説。 

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●科学技術書・理工学書<新刊情報>「フラクタル」(ケネス・ファルコナー著/岩波書店)

2020-02-26 09:28:12 |    数学

 

<新刊情報>

 

書名:フラクタル

著者:ケネス・ファルコナー

訳者:服部久美子

発行:岩波書店(岩波科学ライブラリー )

 どれだけ拡大しても元の図形と同じ形が現れ、次元は無理数、長さは無限大。海岸線や山の稜線から株価のグラフにまで関係している。そんな図形たちの不思議な性質をやさしい数学でわかりやすく解説。自己相似性やフラクタル次元といったキーワードから医学への応用など現実世界との関わりまで紹介する、コンパクトな入門書。 

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●科学技術ニュース●理研と東工大、「シリコンスピン量子コンピュータ」の実現へ向けシリコンスピン量子ビットの高速読み出しに成功

2020-02-26 09:27:51 |    電気・電子工学

 理化学研究所(理研)創発物性科学研究センター量子機能システム研究グループの野入亮人特別研究員、武田健太研究員、樽茶清悟グループディレクター、東京工業大学の小寺哲夫准教授の共同研究チームは、シリコン量子ドットデバイス中の電子スピンの高速読み出しに成功した。

 同研究成果は、高精度制御と将来的な集積性の観点から近年注目を集めている「シリコンスピン量子コンピュータ」の実現において、重要な課題となっている、「高速量子ビット読み出しが可能な試料設計」に指針を与えるもので、今後の研究開発をより一層加速させると期待できる。

 通常、シリコンスピン量子コンピュータでは、スピンの情報を電荷状態の情報に変換し、電荷検出測定を行うことで量子ビットを読み出している。この際重要となる電荷検出の性能は、「高周波反射測定法」の適用によって向上できると考えられる。しかしながら、従来、シリコン量子ドットと高周波反射測定法には互換性がなく、試料設計において重要な問題となっていた。

 今回、同共同研究チームは、高周波反射測定法が適用可能なシリコン量子ドット試料の設計を明らかにし、この技術を用いて電子スピン量子ビットの読み出し時間を従来の10分の1に低減することに成功した。(「理化学研究所」ウェブサイトより)

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●科学技術書・理工学書<新刊情報>「宇宙物理学ハンドブック 」(高原文郎、家正則、小玉英雄、高橋忠幸編/朝倉書店)

2020-02-26 09:26:41 |    宇宙・地球

 

<新刊情報>

 

書名:宇宙物理学ハンドブック 

編者:高原文郎、家正則、小玉英雄、高橋忠幸 

発行:朝倉書店

 重力理論、宇宙線、素粒子・原子核、プラズマ・流体などの広範な分野と深いかかわりをもち、相対論的宇宙論、ブラックホールや中性子星を中心に発展を遂げてきた宇宙物理学。近年、電磁波観測からニュートリノ、重力波へとさらなる展開をみせている。その全体像と正確な知識を提供。学部上級以上対象。〔内容〕宇宙物理学の概観/天体の物理/宇宙論/相対論的天体と高エネルギー宇宙物理学/宇宙の観測/付録(輻射過程、熱・統計力学、流体・プラズマ、素粒子・原子核)

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