“科学技術書・理工学書”読書室―SBR―  科学技術研究者  勝 未来

科学技術書・理工学書の新刊情報およびブックレビュー(書評)&科学技術ニュース   

●科学技術書・理工学書<新刊情報>●「疲労とはなにか」(近藤一博著/講談社)

2024-01-31 09:35:46 |    生物・医学



<新刊情報>



書名:疲労とはなにか~すべてはウイルスが知っていた~

著者:近藤一博

発行:講談社(ブルーバックス)

 2023年に日本人10万人を対象に実施した調査によると、じつに78.5%の人が「疲れている」と答えたという。だが欧米では、「疲れているのに働く」ことは自己管理ができない、だらしない行為と見なされるため、疲労の科学的な研究は軽視されてきた。「疲労」が美徳とされ、お互いを「お疲れさま」と称えあう特異な国だからこそ、日本の疲労研究は世界のトップを走っている。同書は、その日本で疲労研究をリードする著者が、数々のノーベル賞級の新研究をなしとげて見えてきた、疲労の驚くべき実像を明らかにするものである。【目次】 序 章 疲労を科学するには 第1章 生理的疲労とはなにか 第2章 慢性疲労症候群 病的疲労の代表格 第3章 うつ病 究極の病的疲労 第4章 新型コロナ後遺症 見えてきた病的疲労の正体 第5章 ついにすべてがつながった 第6章 人類にとって疲労とはなにか 
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●科学技術ニュース●ラピダス、北海道千歳市に本社の出先機関として千歳事務所を開所

2024-01-31 09:35:12 |    電気・電子工学
 ラピダスは、北海道千歳市に本社の出先機関として千歳事務所を開所した。

 同社は、千歳市において2023年9月から、国内初となる2nm(ナノメートル)ノード以下の最先端ロジック半導体を製造する施設・IIM(Integrated Innovation for Manufacturing)を建設しているが、工事の進捗に伴い、千歳事務所を新設することにした。

 同事務所は、北海道における窓口として、地元企業様との面談や、総務・採用関連などに関しての業務を行う。

 同社は現在、世界最先端の半導体研究拠点の一つである米国ニューヨーク州のAlbany Nanotech Complexに研究員を派遣し、IBMとの協働により、2nmのロジック半導体生産に関する技術開発を進めている。

 また、ベルギーの国際的な開発機関imecにおいて、最先端半導体の生産に不可欠なEUV露光装置の技術を習得する予定。

 こうした技術を活用し、IIM-1において2025年4月にパイロットラインを稼働し、2027年には量産を開始する計画。

 同社は、北海道千歳市において最先端ロジック半導体の生産を実現させ、日本の産業力強化に貢献する。<ラピダス>

【千歳事務所の概要】

所在地: 北海道千歳市千代田町2丁目16 NTT千歳ビル

開所日: 2024年1月22日
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●科学技術ニュース●日本眼科学会と国立情報学研究所、眼底画像から個人の性別を推定するAIを開発し無償公開開始

2024-01-31 09:34:40 |    生物・医学
 日本眼科学会と国立情報学研究所(NII)は、日本医療研究開発機構(AMED)の支援により構築された学会主導データベース「Japan Ocular Imaging Registry: JOIR」で収集された画像データを用いて、眼底画像から個人の性別を推定するAIを開発し、無償公開を開始した。

 同成果を研究者が活用することにより、性別によって発症頻度に差がある疾患の病態を解き明かす一助になる可能性がある。

 今回研究開発したモデルは、性別のラベルが付与された17〜94歳の眼底写真131,031枚を学習データとし、性別を正解として深層学習を行った。

 学習に当たっては、深層学習モデルの中でも一般的な16個のモデル(DenseNet-121/169/201, Inception-V3, Inception-ResNet-V2, MobileNet, MobileNetV2, Xception, EfficientNet-B0/B1/B2/B3/B4/B5/B6/B7)を用いた。
 
 その結果、検証データの眼底画像から推定した性別が実際の性別と一致する精度は、最も高いモデルで92.0%(AUC 0.971)で、これまで他人種で行われた性別推定モデルと同等の結果であった。

 このうち、最も精度の高かったEfficientNet-B7と軽量かつ精度の高かったMobileNetの二つのモデルを公開する。

 同成果を研究者が活用することにより、性別によって発症頻度に差がある疾患の病態を解き明かす一助になったり、また、研究等において性別の情報が欠落している場合に、その情報を補完するために活用されたりする可能性があると考えられる。

 同研究は、日本医療研究開発機構(AMED) 臨床研究等 ICT 基盤構築・人工知能実装研究事業「次世代眼科医療を目指す、ICT/人工知能を活用した画像等データベースの基盤構築」(課題番号:JP17lk1010024/研究代表者: 大鹿哲郎)および「医療ビッグデータ利活用を促進するクラウド基盤・AI 画像解析に関する研究」(課題番号:JP18lk1010028・JP19lk1010036/研究代表者: 合田憲人)の支援を受けた。モデルは森健策(NII RCMBセンター長・名古屋大学教授)と小田昌宏(名古屋大学准教授)が開発した。<国立情報学研究所(NII)>
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●科学技術書・理工学書<新刊情報>●「環境と建築」(日本建築学会編/技報堂出版)

2024-01-31 09:33:56 |    建築・土木



<新刊情報>



書名:環境と建築~2023年度日本建築学会設計競技優秀作品集~

編者:日本建築学会

発行:技報堂出版

 1952年から開催されてきた「日本建築学会設計競技」の2023年度の課題は「環境と建築」。建築は環境の中にたち、そしてそこに、新しい環境を創り出す。建築は、どういう環境を創り出せるのか。建築と環境がどのような創造的な関係を生み出せるか、建築が環境創造にどう関われるか、さまざまな提案をする。応募総数300作品の中から審査を経て入選した70の優秀作品を、講評とともに掲載。建築家を目指す若い設計者、学生の皆さんは、どうか参考にしていただきたい。
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●科学技術書・理工学書<新刊情報>●「技術革新と不平等の1000年史<上><下>」(ダロン・アセモグル、サイモン・ジョンソン著/早川書房)

2024-01-30 09:33:47 |    科学技術全般



<新刊情報>



書名:技術革新と不平等の1000年史<上><下>

著者:ダロン・アセモグル、サイモン・ジョンソン

訳者:鬼澤 忍、塩原 通緒

発行:早川書房

 「国家はなぜ衰退するのか」「自由の命運」の著者が、テクノロジーの進歩を軸に人類の歴史と社会を再考する大著。技術革新は往々にして支配層を富ませるだけで、労働者の待遇を引き上げることはなかった。こうした構造は変革しうるか? 水車の発明から産業革命、ChatGPTまで千年にわたる文明史を分析し論じる。マイケル・サンデル、ジャレド・ダイヤモンドら絶賛。
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●科学技術ニュース●シャープと東北大学、量子アニーリング技術を応用した自動搬送ロボットの多台数同時制御に関する研究を開始

2024-01-30 09:33:15 |    ロボット工学
 シャープは、東北大学と共同で、量子コンピューティング技術の一種である量子アニーリングを応用した自動搬送ロボットの多台数同時制御に関する研究を開始した。

 物流倉庫における千台規模の自動搬送ロボットの最適経路を、瞬時に計算可能な高速計算機の開発に取り組む。

 量子アニーリングは、膨大な組み合わせパターンから最適解を高速で導き出すのに適した計算技術。

 同研究・開発では、量子アニーリングの計算方法を汎用コンピュータ上で疑似的に再現する「シミュレーテッド量子アニーリング(SQA)」技術を応用する。

 一般的に、自動搬送ロボットが一台増えると、最適経路の計算量は指数関数的に増大することから、千台規模を一元管理するための計算には数日を要してしまうため、実用化が困難であった。

 今回、開発を目指す高速計算機は、汎用コンピュータによる通常の処理と比べて数百から数千倍の速度での計算が可能になり、千台規模の自動搬送ロボットの最適経路も瞬時に計算することができる。

 取り扱う商品が多量・多品種化し、倉庫内のロボットオペレーションが複雑化する中、大規模倉庫における自動搬送ロボットの多台数同時制御を実現する。

 さらにはピッキングの順序や商品配置、倉庫全体のレイアウト設計などにも応用することで、倉庫運営効率の大幅な向上に貢献する。

 2024年度中に試作機を用いた実証実験を行い、2025年度中の実用化を目指す。<シャープ>
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●科学技術ニュース●NII、量子技術高等教育拠点でオンライン講義の配信を強化し九大、慶大、名大、東大との協働で量子技術の人材育成  

2024-01-30 09:32:54 |    物理
 国立情報学研究所(NII)は、大学等が共同で利用できる量子技術教育のシステムで、量子科学技術のオンライン講義の配信を強化した。

 今回のオンライン講義配信強化は、量子技術高等教育拠点で一般に公開するオンライン講義を増やし、大学の講義やゼミでの活用だけでなく、広く一般にオンライン講義の活用を促進することを目指したもの。

 今回の配信強化では、第一弾として「量子インターネット」の講義コースの配信を開始した。

 量子技術高等教育拠点では、引き続き国立情報学研究所、九大、慶大、名大、東大が協働してオンライン講義の充実し、配信を進める。

 新しいオンライン講義コースとして学部3年生以上レベルを対象とした「量子インターネット」を慶應義塾大学で開発、一般公開する。日・英でのオンライン講義を揃えており、留学生の多い教室環境でも十分に理解が進むよう配慮されている。

 今後は、オンライン講義の充実を図るとともに、使いやすいシステムづくりを進めていく。

 公開講義とは別に、すでに全国の大学で利用されている「学認」のユーザ認証制度を通して、更に豊富なオンライン講義を利用でき、また受講者一人ひとり管理することができるので、大学での講義やゼミにも是非、ご活用ください。

 なお、同研究は文部科学省 光・量子飛躍フラッグシッププログラム(Q-LEAP)(研究開発期間<2020~2026年>)の助成を受けたもの。<国立情報学研究所(NII)>
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●科学技術書・理工学書<新刊情報>●「図解 深層学習」(小池 敦著/近代科学社)

2024-01-30 09:32:17 |    人工知能(AI)



<新刊情報>



書名:図解 深層学習~数理で理解する基本原理~

著者:小池 敦

発行:近代科学社

 同書では「深層学習に使用する数学」について、意味を直感的に理解できるように図を多用することで式を補完する。第I部では深層学習についての基礎事項と次の部で使用する数学について、第II部ではニューラルネットワーク(深層学習)の中身について、第III部では深層学習の自動チューニングについてそれぞれ詳述。深層学習の実践・応用へステップアップするための基礎がじっくりと学べる、第一歩に相応しい一冊。
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●科学技術書・理工学書<新刊情報>●「生成AIで世界はこう変わる」(今井翔太著/SBクリエイティブ)

2024-01-29 09:32:45 |    人工知能(AI)



<新刊情報>



書名:生成AIで世界はこう変わる

著者:今井翔太

発行:SBクリエイティブ

 新進気鋭のAI研究者が大予測! 生成AIで変わる私たちの仕事・くらし・文化。話題の生成AI、どこまでなにができる?AIって結局、どんなしくみで動いているの?最新テクノロジーで私たちの仕事は奪われる?AIで働き方や生活がどう変わるのか知りたい…。【目次】 第1章 「生成AI革命」という歴史の転換点――生成AIは人類の脅威か? 救世主か? 第2章 生成AIの背後にある技術――塗り替わるテクノロジーの現在地とは? 第3章 AIによって消える仕事・残る仕事――生成AIを労働の味方にするには? 第4章 AIが問い直す「創作」の価値――生成AIは創作ツールか? 創作者か? 第5章 生成AIとともに歩む人類の未来――「人類の言語の獲得」以来の革命になるか? 特別師弟対談(対談相手:松尾豊氏)
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◆科学技術<テレビ番組情報>◆NHK「サイエンスZERO」/BSフジ「ガリレオX」他>

2024-01-29 09:32:11 |    ◆TV番組◆



<テレビ番組情報>




フロンティア NHK‐BS  毎週水曜日 午後9時~10時00分

1月31日(水) 世界都市ローマ 永遠の都の秘密

 永遠の都ローマ。巨大国家「ローマ帝国」の首都として、世界中に信仰を広げた「キリスト教世界」の中心として、ルネサンス、バロック、現代までつながる「新たな文化・芸術の発信地」として、2000年以上の間、世界を魅了し続けてきた。なぜローマは「永遠」なのか?浮かび上がるのは、光と影の歴史を生き抜いてきたローマの不屈の精神。膨大な芸術品や建築物を読み解きながら、「永遠」の秘密に迫っていく。語り・オダギリジョー

居間からサイエンス BSテレ東 毎週水曜日 午後10時~10時55分

1月31日(水) ペロブスカイト太陽電池 宮坂 力(桐蔭横浜大学 特任教授)

 次世代エネルギーとして注目を集める「ペロブスカイト太陽電池」。その最大の特徴は、軽くて曲げられること。ビルの壁面やドローンへの装着など、様々な実用化に向けて、世界中で開発競争が進んでいるが…実は、発明したのは日本人、桐蔭横浜大学の宮坂力氏だ。ノーベル賞候補と呼ばれるサイエンティストをゲストに迎え、加藤浩次と徹底的にトークしていく。東京大学など3つの大学で肩書きを持つ宮坂氏だが、意外なことに、前職は「富士フイルム」に20年在籍したサラリーマン研究員。そんな大企業を辞めてまで選んだのが「大学教授」だった。研究環境が恵まれているわけでなく、年収は300万円も減ることを知ったが、宮坂氏は、「サイエンティスト」の道を選んだという。大企業の安定した収入を失ってでも、宮坂氏のやり遂げたかった思いとは…その決断の舞台裏に迫る。

出演:宮坂 力(桐蔭横浜大学 特任教授)

司会:加藤浩次、須黒清華

地球ドラマチック  NHK‐Eテレ  毎週土曜日 午後7時~7時45分

2月3日(土) カメレオンの楽園! マダガスカル島

 カメレオンといえば、色が変わる体に、ゴムのように伸縮する舌。しかし、面白い生態はそれだけではなかった。命がけの産卵や、赤ちゃんカメレオン初めての狩り、そして尻尾を木に巻き付けて寝る愛らしい姿など…貴重な映像と共にその知られざる生態に迫る。体長70センチの世界最長のものから、1.5センチの世界最小のものまで、マダガスカルの豊かな自然が生んだカメレオンたちのめくるめく不思議な世界。(独仏伊2023年)

ガリレオX  BSフジ  毎週日曜日 午前8:28〜9:00(隔週新作)

2月4日(日)「ネコ」という動物 猫と人のこれからの関係(再放送)

 およそ1万年近くも前から人類との共生をはじめ、現代に至るまでその本能も、姿形も大きく変えずに気ままに暮らしている動物、“ネコ”。近年、伴侶動物としての猫の存在感は高まっており、国内ではその飼育頭数が2014年には犬を追い越し、さらに世界的にも最も多く飼育されている動物となっている。ところで、なぜネコはここまで多くの人々に愛されているのだろうか?実は日本人には特有の “ネコ観”があるといわれており、またさらに、ミステリアスなネコの”心の中”を覗き見ようという研究が進められている。現代に至っても私たちに寄り添ってくれる猫。ネコと私たちヒトとの関わりの系譜と、これからの関係を探る。

主な取材先:山根明弘 (西南学院大学)
      高木佐保 (麻布大学)
      東海大学 ねこだんご

サイエンスZERO  NHK‐Eテレ  毎週日曜日 午後11時30分~0時00

2月4日(日) 単細胞の“知性”に迫る 謎多き粘菌の世界(アンコール放送。初回放送日: 2022年11月13日)

 人類誕生以前から地球で暮らす“粘菌”。たった一つの細胞で生きる単細胞生物で、脳も神経もないが、高度な情報処理能力を持つことが明らかに!その情報処理のアルゴリズムを解明し、“知性”の根源に迫る研究が進む。さらに、粘菌の情報処理能力を生かした新型コンピューターも紹介。生命進化の謎に迫る最新研究も。単細胞のカラダに秘められた、不思議な粘菌パワーを徹底解剖!粘菌の美しい姿もたっぷりと。
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