“科学技術書・理工学書”読書室―SBR―  科学技術研究者  勝 未来

科学技術書・理工学書の新刊情報およびブックレビュー(書評)&科学技術ニュース   

●科学技術書・理工学書<新刊情報>●「<新装版>アフリカで誕生した人類が日本人になるまで」(溝口優司著/SBクリエイティブ)

2020-10-30 09:36:11 |    生物・医学

 

<新刊情報>

 

書名:<新装版>アフリカで誕生した人類が日本人になるまで

著者:溝口優司

発行:SBクリエイティブ

 形質人類学研究における第一人者が、独自の切り口から日本人のルーツの謎に迫る1冊。「日本人誕生の謎」を探る旅へ出かけよう。私たち日本人は、どのようにして生まれたのか。700万年前に最初の人類でもある猿人がアフリカで誕生し、そこからさまざまな淘汰を繰り返しながら、ホモ・サピエンスへと進化する。そしてホモ・サピエンスはアフリカを出て、ユーラシア大陸に拡散し、ついには日本列島にたどり着く──それは、果てしない時空を超えた壮大な物語だ。これまで日本人のルーツについてさまざまな説が論じられてきたが、人類学による最新の研究結果から、これまでの通説とは異なる新たな仮説が浮かび上がってきた。形質人類学研究における第一人者が、独自の切り口から日本人のルーツの謎に迫る。累計5万部突破、第二回「弘栄堂ベスト~新書編」大賞受賞を受賞した人気作が9年の時を経て新版として登場。

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●科学技術ニュース●凸版印刷、NICT、QunaSys、ISARAの4者、量子セキュアクラウド技術で連携し2025年に限定的な実用化を目指す  

2020-10-30 09:35:28 |    情報工学

 凸版印刷、情報通信研究機構(NICT)、QunaSys及び米国ISARAは、高度な情報処理と安全なデータ流通/保管/利活用を可能とする量子セキュアクラウド技術の確立に向け4者連携を開始する。
 
 量子コンピューティング技術とは、量子力学的な現象を持つ量子ビットを用いた計算処理技術であり、高い計算処理能力を有する次世代のコンピューティング技術として期待されています。
 
 量子セキュアクラウド技術は量子暗号技術と秘密分散技術を融合し、データの安全な流通/保管/利活用を可能とするクラウド技術。量子セキュアクラウド技術の確立により、改ざん・解読が不可能な高いセキュリティ性を担保するだけでなく、例えば、医療、新素材、製造、金融分野で蓄積された個人情報や企業情報など秘匿性の高いデータの収集/分析/処理/利用を可能とする。

 凸版印刷、NICT、QunaSys及びISARAの4者は連携して、量子セキュアクラウド技術の開発を推進し、2022年度中に社会実装に向けたアプリケーションソフトウェアの実証実験を開始する。2025年に限定的な実用化を、2030年にサービス化を目指す。

【具体的な連携内容】

(1)量子セキュアクラウド技術の確立

 システム設計や仕様検討、最新の量子暗号技術の実装、秘密分散技術を利用したバックアップやデータ保管の実装、耐量子-公開鍵暗号によるデジタル署名の開発などにより、データ保管/交換基盤及び耐量子-公開鍵認証基盤となる量子セキュアクラウド技術を確立する。

(2)量子セキュアクラウド技術の国際標準化の推進

 NICTは戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)において、量子ICTフォーラム/量子鍵配送技術推進委員会やITU-T(国際電気通信連合/電気通信標準化部門)、ISO/IEC(国際標準化機構/国際電気標準会議)やETSI(欧州電気通信標準化機関)等の国際標準化組織へ、2022年度までにネットワーク要件、ネットワークアーキテクチャ、ネットワークセキュリティ要件、及び鍵管理、量子暗号モジュールの評価・検定に関する提案を行い、国際標準化を推進していく。凸版印刷はICカードに関する知見を活かし、NICTをサポートしていく。(情報通信研究機構<NICT>)

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●科学技術書・理工学書<新刊情報>●「光合成細菌」(嶋田敬三、高市真一編集/裳華房)

2020-10-30 09:35:07 |    生物・医学

 

<新刊情報>

 

書名:光合成細菌~酸素を出さない光合成~
 
編集:嶋田敬三、高市真一

著者:浅井智広、井上和仁、大友征宇、嶋田敬三、高市真一、塚谷祐介、永島賢治、原田二朗、平石 明

発行:裳華房
 
 「光合成」というと、植物が行う“酸素を発生し、炭酸ガスから有機物を合成する働き”を思い浮かべる人が多いだろう。しかし、酸素を発生しない光合成を行う生物も古くから知られており、これらは「光合成細菌」と呼ばれてきた。植物型光合成と同様の原理で光エネルギーを変換するが、そのシステムは簡素で、以前から光合成機能解明の研究材料として用いられてきた。同書では、近年の進展を含めた光合成細菌に関する幅広い知識を紹介・解説する。光合成の機構とともに、光合成細菌が生態学的にも進化学的にも興味深い研究対象であること、取り扱いやすい将来性豊かな素材であることも認識してもらえれば幸いである。

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●科学技術書・理工学書<新刊情報>●「中国デジタル・イノベーション」(岡野寿彦著/日本経済新聞出版社)

2020-10-29 09:43:50 |    企業経営

 

<新刊情報>

 

書名:中国デジタル・イノベーション~ネット飽和時代の競争地図~

著者:岡野寿彦 

発行:日本経済新聞出版社

 世界の注目を集めた中国プラットフォーマーのビジネスモデルには限界が見えてきた。アリババもテンセントも、これまでの手法では先がない。ネット展開はすでに飽和。中国のプラットフォーマーたちはリアルとの融合に戦略転換し始めた。消費者の安全性、信頼性への要求が高まり、競争の焦点が消費者接点から、商品やサービスそのものへとシフトしつつある。その中で、主要なプレーヤーのBAT(百度、アリババ、テンセント)に加え、TMD(バイトダンス、美団点評、滴々出行)が新たな主役として登場してきている。この変化は、リアルに強い日本企業にとっても有利になる時代がやってくることを意味する。第二幕に入った中国デジタル革命の実態を、「コロナ後」の展望も含め、中国ITビジネス・経営に精通する専門家が詳細に解説する。

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●科学技術ニュース●NEDOとPETRA、世界初となるデータセンター用サーバーの計算速度を光配線で一桁高速化

2020-10-29 09:43:16 |    情報工学

 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)は、光電子融合基盤技術研究所(PETRA)と共同で、サーバーボードにデータ転送先を切り替えるスイッチング機能を実装し、全サーバーボード間を光配線で直結したラック型サーバーシステムを世界で初めて完成した。

 電気スイッチで中継することなくサーバーボード間のデータを通信できることから、電気スイッチを介してデータ伝送を行う従来システムと比べ、計算速度を一桁高速にすることに成功した。

 これによりデータセンターの消費電力量を低減できるため、多くの電力量と計算時間が必要となるビッグデータやAIの利用を促進する効果も期待できる。

 例えば心臓や肺の診断などに用いられる3次元CT(コンピューター断層撮影法)の画像処理では、電気スイッチを介した電気接続によるコンピューターシステムで5分を要していた処理時間を30秒に短縮できる。

 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)と光電子融合基盤技術研究所(PETRA)は、2012年度から10年間の「超低消費電力型光エレクトロニクス実装システム技術開発」として光配線技術や光トランシーバー技術の開発を進めている。

 すでに成果も挙げており、2014年度までにシリコンフォトニクス技術を用いた世界で最も高速・小型・低消費電力・低コストを実現した5mm角の超小型光トランシーバー「光I/Oコア」を開発し、LSI近傍に光トランシーバーを実装することを可能にした。

 これによりLSIの電気信号をすぐに光信号へ変換できるようになり、消費電力を抑えてデータを伝送することが可能になった。

 また2016年度までには光I/Oコア8個をLSI近傍に実装したアクセラレータボードを開発し、大容量LSIのデータの入出力に必要とされる、送受信で1.6Tbpsの伝送速度を達成した。(新エネルギー・産業技術総合開発機構<NEDO>)

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●科学技術書・理工学書<新刊情報>●「有限要素法解析ソフト Ansys工学解析入門<第3版>」(吉本 成香 、中曽根 祐司、菊池 耕生、松本 真周著/オーム社)

2020-10-29 09:42:48 |    物理

 

<新刊情報>

 

書名:有限要素法解析ソフト Ansys工学解析入門<第3版>

著者:吉本 成香 、中曽根 祐司、菊池 耕生、松本 真周 

発行:オーム社

 線形・非線形構造解析に加え、衝撃・爆発解析、伝熱解析、電磁界解析、熱流体解析、連成解析など、多種類の解析が「Ansys Workbench」で実行できる。同書は汎用有限要素法解析ソフトウェア「Ansys」(アンシス)使った工学解析の実際をソフトの使い方を含め、わかりやすく解説。第3版は「Ansys 2019 R2」をベースに解説していく。

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●科学技術書・理工学書<新刊情報>●「こうしてヒトになった」(マイケル・ブライト著/化学同人)

2020-10-28 09:37:41 |    生物・医学

 

<新刊情報>

 

書名:こうしてヒトになった~人類のおどろくべき進化の旅~

著者:マイケル・ブライト 

絵:ハンナ・ベイリー 

訳者:堀江里美 

発行:化学同人

 時間を巻きもどしてみましょう。一匹の賢いサルが木から下りて、世界をすっかり変えてしまった。ほかのどんな動物にもできなかったことである。わたしたちの起源をたどり、人類の歴史にその名を刻んだ親せきたちに会いにいこう。 

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●科学技術ニュース●NIMSと日油、柿渋をヒントに、汎用性の高く多機能な接着材料を開発しサンプル出荷を開始

2020-10-28 09:37:05 |    化学

 物質・材料研究機構(NIMS)と日油は、日本古来の天然塗料である柿渋をヒントに、金属、セラミックス、有機材料など様々な材料に接着し、防錆などの機能を付加できる高分子を開発、サンプル出荷を開始した。

 使用先の材料を選ばず、様々な機能を付加できる汎用的な接着材料として、インフラ・半導体・自動車産業など幅広い分野での利用が期待される。

 NIMSと日油の共同研究チームは、汎用性の高い接着材料の実現を目指し、柿渋に注目して開発を行った。柿渋は日本古来から用いられてきた天然由来の防水塗料であり、魚網や釣り糸、うちわや傘などに使用されてきた実績がある。

 この渋柿の接着成分であるポリフェノールを活用することで、金属や無機・有機材料など様々な材料の表面によく接着する高分子材料の開発に成功した。

 さらに、開発材の汎用性の高さを生かし、金属の防水・防錆剤としての用途のみならず、シリコン半導体用のフォトレジスト材料や、積層セラミックコンデンサに使われる無機微粒子や、導電性インクに用いられる金属微粒子の分散剤としての有用性も見出した。

 同材料は、日油  からサンプル出荷を開始する。

 今後、ディスプレイや半導体産業、自動車産業、インフラ補修などの分野での実装を進めるとともに、接着技術が必要とされる多様な分野へ展開していく。(物質・材料研究機構<NIMS>)

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●科学技術書・理工学書<新刊情報>●「材料力学<増補>」(戸伏 壽昭、稲葉 忠司、池田 忠繁、竹市 嘉紀、小野 勇一、松井 良介著/コロナ社)

2020-10-28 09:36:40 |    機械工学

 

<新刊情報>

 

書名:材料力学<増補>~機械設計の基礎~

著者:戸伏 壽昭、稲葉 忠司、池田 忠繁、竹市 嘉紀、小野 勇一、松井 良介 

発行:コロナ社

 材料力学は、機械要素の設計において基礎となる重要な学問である。同書では、大学での教育・研究および企業における実務経験に基づき、材料力学で重要な基本的な内容をわかりやすく解説しながら、機械要素の設計で必要な課題を解決するための内容も取り上げ、15章構成とした。

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●科学技術書・理工学書<新刊情報>●「すごい物理学入門」(カルロ・ロヴェッリ著/河出書房新社)

2020-10-27 09:36:51 |    物理

 

<新刊情報>

 

書名:すごい物理学入門

著者:カルロ・ロヴェッリ 

監訳:竹内 薫 

訳者:関口英子

発行:河出書房新社(河出文庫)

 『すごい物理学講義』や『時間は存在しない』で世界的にベストセラーを誇る天才物理学者ロヴェッリの最初の邦訳書、ついに文庫化。難解な物理学の全容を世界一わかりやすく説明した名著。

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