“科学技術書・理工学書”読書室―SBR―                 科学技術研究者   勝 未来

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●科学技術書<新刊情報>●「ル・コルビュジエの構想」(ノーマ・エヴァンソン著/井上書院)

2016-08-30 17:02:18 | ●科学技術書・理工学書 <新刊情報>(2018年5月4日以前)●

 

<新刊情報>

 

書名:ル・コルビュジエの構想~都市デザインと機械の表徴~[新装版]

著者:ノーマ・エヴァンソン

訳者:酒井孝博

発行:井上書院

 近代都市計画史上に確とした姿を見せるル・コルビュジエの都市理論やフィジカルプランニング、CIAM 活動等における構想の源泉をたどり、「300万人の都市」「ヴァオザン計画」「輝く都市」 とその後のシャンディガールに結実していく都市理論上の彷徨を、当時の時代相も踏まえながら豊富な図版とともに記述したユニークな伝記。(図版約100)

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★科学技術ニュース★NIMSなど、有機ラジカル単分子接合で巨大磁気抵抗効果を観測

2016-08-30 17:01:58 |    電気・電子工学

 物質・材料研究機構 (NIMS) 国際ナノアーキテクトニクス研究拠点の早川竜馬 主任研究員は、コンスタンツ大学とハンブルグ大学の研究グループと共同で、金属元素を含まない純粋な有機ラジカル1分子を電極間に架橋させて、巨大磁気抵抗効果を観測することに世界で初めて成功した。
 
 電子の持つ電荷としての性質に加えてスピンの自由度を利用するスピントロニクスデバイスは、次世代の論理回路やメモリ素子として期待されている。スピンを利用した論理回路を実現するためには、スピン情報を固体素子の中で散逸することなく伝搬させる必要がある。

 有機ラジカル分子は、金属元素を含まず軽元素のみから構成されているため、スピン軌道相互作用が弱く、伝導電子のスピン散乱がほとんど起こらない。そのため、スピン情報を失わずに伝搬できると期待されている。

 また、不対電子の持つスピンによって多彩な磁気特性 (強磁性、常磁性、反強磁性) を示すことが知られており、これまで有機分子の薄膜やバルク結晶で、磁気特性の評価が行われてきた。

 しかし、これらは分子の集合体であるため、分子間の結合部分で電気伝導性が低下し、無機材料と比べてスピンの拡散距離が短いことから、単分子レベルで磁気特性の変化を解明する必要があった。

 今回、同研究グループは、オリゴ(p-フェニレンエチニレン)分子にラジカル基 (不対電子) を結合させた安定な有機ラジカル分子を合成し、4 Kの低温において金ナノ電極間に有機ラジカル分子が1分子だけ架橋した単分子接合を形成した。

 磁場中で電気抵抗を評価した結果、4 Tの磁場において最大で287 % (平均値 : 44 %) に達する巨大磁気抵抗効果を観測した。

 不対電子スピンを持たない非ラジカル分子で同様の実験を行ったところ、2-4 %程度の磁気抵抗率しか観測されないことから、ラジカル基により母体分子の電気抵抗を桁違いに大きく変調できることが明らかになった。

 電流 - 電圧特性の解析から、観測された巨大磁気抵抗効果は、架橋された分子と電極との間の結合の強さが磁場によって減少することで起こっている可能性が示された。

 今回得られた結果は、不対電子スピンにより有機ラジカル分子の電気抵抗を制御できる可能性を示しており、有機分子の特徴を活かした新しいスピントロニクスデバイスの開発に繋がる成果。

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●科学技術書<新刊情報>●「フローチャートで考える 有機反応機構」(マーク・G・モロニー著/丸善出版)

2016-08-30 17:01:26 | ●科学技術書・理工学書 <新刊情報>(2018年5月4日以前)●

 

<新刊情報>

 

書名:フローチャートで考える 有機反応機構

著者:マーク・G・モロニー

訳者:上村明男

発行:丸善出版

 この1冊が、これまでの有機化学の印象を変えるかもしれない。勉強にほとほと困る有機化学。丸暗記ではとても追いつかないほど、途方に暮れる反応式の多さ。有機ってどうやって考えるものなの? 今度の試験にどうやったら対応できる? 何か新しくていい教え方はないだろうか? そんな悩みの種を解決する新しい方法がここにある。同書では、有機化学に立ち向かうための考え方を「フローチャート」として明示し、これに従えばどんな問題にも立ち向かうことができる。フローチャートやヒントに従って、問題を解いてみると、知らず知らずのうちに有機化学の問題を解く力がついてくるだろう。既に有機化学を学んでいる大学高学年の学生や研究者、教員の方々が、有機化学の考え方を復習、整理するのに適した教科書である。そのため、一般的な化学の基礎事項の説明は省いているので、もし基礎事項があやふやであれば、もう一度復習をしてから同書に臨もう。

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●科学技術書<新刊情報>●「ゲノム編集とは何か」(小林雅一著/講談社)

2016-08-29 10:00:41 | ●科学技術書・理工学書 <新刊情報>(2018年5月4日以前)●

 

<新刊情報>

 

書名:ゲノム編集とは何か~「DNAのメス」クリスパーの衝撃~

著者:小林雅一

発行:講談社(講談社現代新書)

 いま、グーグルやアマゾンといった世界的なハイテクIT企業が、その巨大なビジネス・ポテンシャルに魅かれ、巨額の投資をしている超先端技術をご存じだろうか。「ゲノム編集」である。この史上空前の技術、そしてそれが私たちの人生や暮らし、さらには社会に与えるインパクトなどをわかりやすく解説するとともに、熾烈な特許争いの舞台裏や科学者に群がる巨大企業の実態にも迫った、必読書。

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◆科学技術テレビ番組情報◆NHK「サイエンスZERO」/BSフジ「ガリレオX」/BS朝日「奇跡の地球紀行」他

2016-08-29 10:00:18 |    ◆TV番組◆


 <テレビ番組情報>

 

NHKテレビ Eテレ  サイエンスZERO    毎週日曜日 午後11時30分~0時00
                                再放送毎週土曜日 昼12時30分~1時00分

9月4日(日) “記憶”のミステリー~最新脳科学が解き明かす記憶の正体~(アンコール放送)

 記憶 ― それは、ヒトの持つ、知識・意識・思考といったあらゆる機能の根幹だ。では、記憶はどこに保管され、どう思い出されているのか? 脳科学の長年の謎が、今、急速に解明されつつある。さらに記憶を人工的に作ったり切り離したりと、「記憶を操れる」可能性さえ見えてきたのだ。どうすれば記憶力がよくなるのか、といった素朴な疑問から医療への応用まで、新たなステージに入った“記憶”の科学。記憶の正体に迫る。

ゲスト:井ノ口 馨 (富山大学大学院医学薬学研究部教授)

BSフジ   ガリレオX    毎週日曜日 午前11:30~12:00 (隔週新作)

9月4日(日) 真珠貝の声を聴く~ついに解明!真珠形成の謎~(再放送) 

 アコヤガイなどの貝がつくり出す美しい宝石“真珠"。日本が世界をリードする真珠の養殖技術の世界では、近年遺伝子レベルの研究が進んでいる。その結果、およそ100年のあいだ謎となっていた真珠形成に関わる詳細な原理が明らかとなった。日本が世界に誇る宝石“真珠"。知られざる真珠研究の最前線に迫る。

主な取材先:淡路雅彦(水産研究・教育機構 増養殖研究所)
        永井清仁(ミキモト 多徳養殖場)
        木下滋晴(東京大学 水圏生物工学研究室)

NHK-BSプレミアム  コズミックフロント☆NEXT   毎週木曜日 午後10時00分~11時00分
                                   再放送 翌週水曜日 午後11時45分~0時44分

9月1日(木) 抱き続けた宇宙への野望~フォン・ブラウンの人心掌握術~

 1969年、人類初の月への有人宇宙飛行を実現したアポロ計画。その立役者、ヴェルナー・フォン・ブラウンの素顔に迫る。もともとナチス・ドイツのロケット科学者だった彼は、敗戦後126人の技術者を率いてアメリカへと渡り、「サターンⅤ」と呼ばれる最強のロケットを開発。その成功の裏には、是が非でも宇宙をめざそうとする彼の野望と、したたかな人心掌握術があった。もともと理科や数学が苦手で成績も平凡だった彼が、いかにして当時最先端のロケットを作り上げることができたのか? 敗戦国の科学者にもかかわらず、なぜアメリカで大活躍することができたのか? また、アポロ計画の華々しい成功の陰で、彼が密かに不満を抱いていたという。 さらに、今注目を集める火星への有人飛行も、半世紀も前にフォン・ブラウンによって計画されていた。貴重な証言や初公開の資料から、これまで明かされることの無かったフォン・ブラウンの素顔が明らかになる。

BS朝日 ワイルドネイチャー いきもの大紀行    毎週土曜日 午後6時54分~8時54分

9月3日(土) BBCスペシャル 世界遺産の島・コルシカと美しきアルプスの大自然
 
 アルプスの山々や世界遺産の島など、美しい地形に恵まれたフランスは、知られざる大自然の宝庫であり、ヒグマ、イヌワシ、オオカミといったさまざまな動物が暮らしている。そんなフランスの大自然に生きる動物の暮らしに密着し、その生態に迫るドキュメンタリー。大西洋沿岸の湿地帯は、豊かな水に恵まれた場所。そこでは、コウモリの貴重な出産の瞬間の撮影に成功。生まれたばかりの子どもに、母親は惜しみない愛情を注ぐ。さらにヨーロッパ最も深いと言われるヴェルドン渓谷では、断崖絶壁に巣を作る珍しくて美しい鳥、カベバシリに出会う。垂直の崖で生き抜くための、驚くべき身体機能と能力とは?
そして、地中海に浮かぶコルシカ島では、世界自然遺産に登録されたスカンドラ自然保護区の海中で、なかなか見られない貴重なハタ科の魚の生態に迫ります。

NHKテレビ Eテレ  地球ドラマチック    毎週土曜日 午後7時00分~7時44分
                              再放送 毎週月曜日 午前0時00分~0時44分

9月3日(土) レンガを運び続けて~バングラデシュの子どもたちは今~(再放送)

 11歳の少女タジンは家族と地方の貧しい村から首都ダッカに来た。レンガ工場で頭上に8個ずつレンガを載せ、毎日運び続ける。12時間がかりで千個運んでも100円たらず。学校には通わず、家計を助けるために働く。鉄工所で働く14歳と13歳の兄弟の夢は、8歳の弟がいつか小学校を卒業すること。弟を学校に通わせていることが兄弟の誇りだ。前を向いてひたむきに生きる子どもたちの今を伝える。(2012年韓国)

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●科学技術書<新刊情報>●「イノベーション・マネジメント」(野城智也著/東京大学出版会)

2016-08-29 09:59:55 | ●科学技術書・理工学書 <新刊情報>(2018年5月4日以前)●

 

<新刊情報>

 

書名:イノベーション・マネジメント~プロセス・組織の構造化から考える~

著者:野城智也

発行:東京大学出版会

 なぜ、日本では思うようにイノベーションが進まないのか? その疑問に答え、日本変革へ一石を投じる書。現代イノベーションがもつダイナミズムの構造を、プロセスと組織の「設計図」から読み取っていくことによって、いつでも、どこでも、だれでもがイノベーションに関与していく「国民皆革」の途を探っていく。東京大学技術経営戦略学専攻の講義をベースに書籍化。

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●科学技術書<新刊情報>●「知能と人間の進歩」(ジェームズ・フリン著/新曜社)

2016-08-26 10:56:31 | ●科学技術書・理工学書 <新刊情報>(2018年5月4日以前)●

 

<新刊情報>

 

書名:知能と人間の進歩~遺伝子に秘められた人類の可能性~

著者:ジェームズ・フリン

訳者:無藤 隆、白川佳子、森敏昭

発行:新曜社

 人間の知能は向上しているか?著者のフリンは政治哲学者・道徳哲学者にして心理学者で、人類の知能は産業化・情報化とともに向上しているという「フリン効果」で世界的に著名。確かに遺伝はその人の基本的知能のあり方を決めるが、結果としての知能、つまり思考の水準は、環境の手助けがあれば伸びていく。それが教育であり、また知的な仕事の機会である。時に人は、人種や階層や男女や文化によって知能が本来的に異なるのだと考えがち。フリンは一つ一つ証拠を吟味し、そういう集団差には根拠がないこと、主として社会の産業化と情報化によって、抽象的仮説的な思考の習慣が求められるようになることで知能が向上することを明らかにした。
 

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★科学技術ニュース★金沢大学など、世界初となる反転層型ダイヤMOSFETの動作実証に成功

2016-08-26 10:56:04 |    電気・電子工学

 金沢大学は、産業技術総合研究所、デンソーとの共同研究により、世界で初めてダイヤモンド半導体を用いた反転層チャネルMOSFETを作製し、その動作実証に成功した。

 これまで、高品質な酸化膜およびダイヤモンド半導体界面構造の形成が困難であるため、パワーデバイスにおいて重要なノーマリーオフ特性を有する反転層チャネルダイヤモンドMOSFETは実現していませんでした。

 今回、同研究グループは、独自の手法で母体となるn型ダイヤモンド半導体層および酸化膜とダイヤモンド半導体層界面の高品質化に成功した。

 それらを用いた反転層チャネルダイヤモンドMOSFETを作製し、その動作実証に成功したもの。

 将来、ダイヤモンドパワーデバイスが自動車や新幹線、飛行機、ロボット、人工衛星、ロケット、送配電システムなどに導入されることで、ダイヤモンドパワーエレクトロニクスの道を切り開き、省エネ・低炭素社会への貢献が期待される。

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●科学技術書<新刊情報>●「低温環境の科学事典」(河村公隆 他編/朝倉書店)

2016-08-26 10:55:43 | ●科学技術書・理工学書 <新刊情報>(2018年5月4日以前)●

 

<新刊情報>

 

書名:低温環境の科学事典

編者:河村公隆 他

発行:朝倉書店
  
 人間生活における低温(雪・氷など)から、南極・北極,宇宙空間の低温域の現象まで、約180項目を環境との関係に配慮しながら解説。物理学、化学、生物学、地理学、生態学、地質学など学際的にまとめた低温科学の読む事典。〔内容〕超高層・中層大気/対流圏大気の化学/海洋化学/海氷域の生物/海洋物理・海氷/永久凍土と植生/微生物・動物/雪氷・アイスコア/大気・海洋相互作用/身近な気象/氷の結晶成長,宇宙での氷と物質進化

 

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●科学技術書<新刊情報>●「宇宙エレベーター」(佐藤 実著/祥伝社)

2016-08-25 05:55:51 | ●科学技術書・理工学書 <新刊情報>(2018年5月4日以前)●

 

<新刊情報>

 

書名:宇宙エレベーター~その実現性を探る~

著者:佐藤 実
 
発行:祥伝社(祥伝社新書)

 それはSFでも、夢幻(ゆめまぼろし)でもない。地上のエレベーターと同じように、ケーブルを使って宇宙を“昇(のぼ)り降(お)り”する―これはSFの世界ではない。その原理は、科学的に認められているのだ。原理だけでもない。2013年、IAA(国際宇宙航行アカデミー)は実現可能性を評価、翌年には常任委員会を設置した。また、大林組では、実現に向けたプロジェクトが立ち上がっている。同書は宇宙エレベーターのしくみをやさしく解説、宇宙開発の歴史や最新情報(インタビューあり)を通して、その実現性を探るもの。100万円で宇宙に行ける!? 本格的な宇宙時代の到来に、乗り遅れずに。

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