“科学技術書・理工学書”読書室―SBR―  科学技術研究者  勝 未来

科学技術書・理工学書の新刊情報およびブックレビュー(書評)&科学技術ニュース   

◆科学技術書<新刊情報>◆月刊「ニュートン」/月刊「日経サイエンス」2013年9月号特集

2013-07-30 09:25:36 | ●科学技術書・理工学書 <新刊情報>(2018年5月4日以前)●


 <新刊情報>


月刊「ニュートン」2013年9月号

★特集 恐竜学の研究最前線 ~ティラノサウルス 血管や細胞の痕跡を発見!? 羽毛が生えていた?~

 近年,研究手法の進化によって,恐竜の姿形や生態が詳細に推定されつつある。最新の恐竜学とともに最強の肉食恐竜の姿を紹介していく。

 協力:小林快次/ジャック・ホーナー
 

★特集 大陸移動と超大陸 ~“大陸地図”でたどる,地球の歴史と恐竜の時代~

 長い地球の歴史の中で,大陸は一つに集合したり、分裂したりをくりかえして,生命の多様性を生んだ。6億年前から2億5000万年後まで,大陸の移動を地図でたどる。

 編集部 画像 ロナルド・ブレイキー

 

月刊「日経サイエンス」2013年9月号

★特集:越境する感覚

 視覚や聴覚,嗅覚などの五感がよく知られているが,人間はこれら以外に様々な種類の感覚を持つことが確認され,その数は増え続けている。人間の感覚の使い方は複雑・精妙で,音と匂いを合わせて知覚したり,相手の感情を読み取るのに顔の表情だけでなく,様々な感覚を総動員して周囲の状況を解釈している。盲目の人が,コウモリやイルカのように反響音を利用して障害物を避けたり,通常の視覚とは別の経路でおぼろげながら形を見分けられるといった例も報告されている。また,ふと嗅いだ匂いが遠い過去の思い出をよみがえらせるなど,感覚と記憶の間には深い関係がある。体の内外に張り巡らされているアンテナは,人間の自己意識の形成にも影響を与えている。

 五感を超えた力  A. ブライチャー 

 感情を読めるわけ  J. スーバート C. レーゲンボーゲン

 匂いと記憶の深い関係  M. コニコヴァ

★特集:未来へのタイムトラベル

 ジャーナリズムや政府機関がときどき実施する未来技術予測は,後から振り返るとお笑いぐさになる例も少なくない。一例は1956年に当時の米民間航空管理局が運用を認可した空飛ぶ車「エアロカー」で,結局のところ離陸しなかった。だが,50年後の現在,米欧の企業が試作機を開発するなど新たな動きがある。今から50年後,100年後,150年後に,車は空を飛んでいるか? あるいは核兵器は廃絶されているか? 気候変動は技術によって食い止められているか? コンピューターは存在しているか? 人類は地球を飛び出して火星などに移住を始めているか? その過程で人間にどんな変化が生じるか? 単なる未来予測ではなく,現在の世界を理解し,将来に考えをめぐらせるために,科学的事実に基づいた思考実験を試みた。

 50,100,150年後の世界 

   M. カミングズ/R. ローゼンバウム/R. ルイス/ T. ラブジョイ/D. W. キース/A. パーカー/E. レジス

  宇宙船新人類  C. M. スミス

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◆科学技術テレビ番組情報◆NHK「サイエンスZERO」/BS朝日「BBC地球伝説」/TBSテレビ「夢の扉+」/他

2013-07-29 10:46:14 |    ◆TV番組◆

 
<テレビ番組情報>
 
 

NHKテレビ Eテレ  サイエンスZERO 毎週日曜日 午後11時30分~0時00分
                          再放送毎週土曜日 昼12時30分~1時00分
 
8月4日(日) コミュニケーションの根源に迫る 自閉症スペクトラム最新研究

 携帯、メール、ソーシャルメディアなど、さまざまなコミュニケーションがあふれる現代社会。人とうまく関われない悩みを抱え、専門医を訪れる人が急増! 詳しく調べると、意外にも赤ちゃんのころの「あるもの」の使い方が、その後の人生における対人関係を大きく左右することが分かってきた。さまざまな実験を通して、コミュニケーションの不思議を徹底解剖。最近注目される「自閉症スペクトラム」という症状の最新研究にも迫る。

ゲスト:東京大学こころの発達医学分野助教 川久保友紀

女優:南沢 奈央/サイエンス作家:竹内 薫/アナウンサー:中村 慶子
 
BS朝日   BBC地球伝説 午後8時~9時
 
7月29日(月) NASA・宇宙への挑戦 Episode4 宇宙の未来
7月30日(火) スパイカメラが見た!野生のトラ一家に密着 1 誕生
7月31日(水) スパイカメラが見た!野生のトラ一家に密着 2 成長
8月1日  (木) スパイカメラが見た!野生のトラ一家に密着 3 自立

「NASA・宇宙への挑戦」(4回シリーズ)
 
 1958年7月、宇宙探索と科学発見の未来を切り開く組織としてアメリカ政府によって創設された、アメリカ航空宇宙局、NASA。ロケットの打ち上げや有人宇宙飛行、人類発の月面着陸、そしてスペースシャトル、国際宇宙ステーションなどを展開。最新の映像技術で美しくよみがえったオリジナル・フィルムに、新たに発掘された未公開のアーカイブ映像を盛り込んで、NASAの実像を浮き彫りにしながら、人類の宇宙への挑戦に迫る。

 
TBSテレビ   夢の扉+ 毎週日曜日 午後6時30分~7時
                                    BS-TBS:毎週木曜日 午後11時~
 
2013年8月4日 いのちを守る“レントゲン”革命!

ドリームメーカー:東北大学多元的物質科学研究所教授 百生敦

 これまでのレントゲンでは見分けることが難しかった乳がんを、一目で突き止めるスーパーレントゲン!たたき上げの工学博士が医療の現場を変える瞬間を追った。

NHKテレビ Eテレ   地球ドラマチック 毎週土曜日 午後7時00分~44分
                            再放送 毎週月曜日 午前0時00分~0時44分
 
8月3日(土) 隕石(いんせき)の衝突を防げ!

 今年2月、隕石の衝突に見舞われたロシア。地球は常に隕石の脅威にさらされている。隕石の到来を予測し、衝突を未然に防ぐことはできるか。隕石研究の最前線を追う。1500人以上の負傷者を出したロシアでの隕石(いんせき)衝突。実は同じ日、別の小惑星も地球をかすめていた。これまで何度となく地球に衝突してきた隕石。その衝撃は恐竜を絶滅させるほど…。私たち人類にも同じことが起こるかもしれない。NASAでは衝突する可能性のある天体の通り道を100年先まで予測。また地球への衝突を防ぐため、天体の軌道の変更を試みる壮大な実験も始まっている。(2013年オーストリア)で見つかった北アメリカ最古の人骨やDNA解析の結果から新たな事実が浮かび上がる。(2009年イギリス)

NHK-BSプレミアム   コズミック フロント 毎週木曜日 午後10時00分~11時00分
                            再放送 月曜日 午後11時45分~0時44分
 
8月29日(木) キュリオシティの冒険 ~火星探査の1年~

 NASAの探査車キュリオシティが、火星着陸に成功してから1年。この史上最大の火星探査車は、今も冒険の日々を送ってる。人類ははるか昔から、火星に生命の存在を夢見てきた。ところが、これまでの着陸探査によって明らかになったのは、火星大気には想像を絶する酸化力があり、微生物ですら分子レベルにまで分解されてしまうという衝撃の事実。そこでキュリオシティに与えられたのは、酸化が及ばない深さにまでドリルで穴を掘り、そこに生命の痕跡が隠れていないか探し出すこと! メインコンピューターの深刻なトラブルや、通信を妨害する強烈な太陽風など、さまざまな難関をくぐりぬけたキュリオシティは、ついに「大発見」をものにする。着陸以来1年に及ぶ探査車キュリオシティの冒険物語と、地上でそれを支えるクルーたちの壮絶な奮闘。火星に生命を探す一大ロマンが楽しめる。

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◆科学技術書<新刊情報>◆「円周率が歩んだ道」(上野 健爾著/岩波書店)

2013-07-26 09:33:59 | ●科学技術書・理工学書 <新刊情報>(2018年5月4日以前)●

書名:円周率が歩んだ道 

著者:上野 健爾

発行:岩波書店
 
 直径と円周の比である円周率は,古代ギリシアをはじめ,インド,中国,日本など,世界各地で独立に探求されてきた。やがて円周率は円周とは関係のない無限級数に現れる不思議な数であることもわかった。同書は,円周率を主題に,さまざまな文化のなかで数学が担ってきた役割と歴史を解説する。いまなお円周率は新たな数学を生み出す。

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■科学技術ニュース■東北大学と名古屋大学、光を用いた「小澤の不等式」の新たな検証実験に成功

2013-07-25 10:10:44 |    物理

 東北大学電気通信研究所・枝松圭一教授,名古屋大学大学院情報科学研究科・小澤正直教授らの研究グループは,量子力学の基本原理のひとつである「測定誤差と擾乱に関する不確定性関係」として知られるハイゼンベルクの関係式が破れており,小澤教授が発見した新しい関係式が成立していることを,光を用いた実験で明瞭に検証することに成功した。

 量子力学では,二つの物理量(例えば位置と運動量)の測定に関して,一方の物理量の測定誤差と,その測定によって他方の物理量が乱される量(擾乱)との間には,一般に,一方を小さく
しようとすれば他方を犠牲にしなければならないトレードオフの関係があるとされている。

 この関係は,1927 年にハイゼンベルクによって提唱された「ハイゼンベルクの不等式」と呼ばれる関係式によって表現され,「測定誤差と擾乱に関する不確定性関係」として知られてきた。従
来はこの関係式が一般的に成立するものと思われてきたが,小澤は,ハイゼンベルクの不等式は無条件に成立するものではないこと,運動量を乱さずに位置の測定が可能な特別な場合があることを理論的に明らかにし,2003 年にハイゼンベルクの不等式に代わって常に成立する新たな
関係式(小澤の不等式)を提唱した。

 同研究グループは,光の粒子である光子の偏光について,測定の強さを連続的に変化させなが
ら誤差と擾乱を計測する実験系を準備し,縦横方向の偏光の測定誤差と,その測定によって斜め45 度方向の偏光が受ける擾乱の関係を実験的に計測した。

 そして,それらの間の関係を調べた結果,ハイゼンベルクの不等式が明瞭に破れ,小澤の不等式が成立していることが検証されました。

 ハイゼンベルクの不等式の破れと小澤の不等式の検証については,昨年来,中性子や光を用いた実験で報告されているが,測定方法が限られていたことや,誤差や擾乱の計測精度が低い等の問題があった。

 今回の実験結果は,測定の強さを変化させる一般的な測定においてもハイゼンベルクの不等式が破れ,小澤の不等式が成立していることを明瞭に検証したもので,「測定誤差と擾乱に関する不確定性関係」という量子力学における基本原理の見直しとなることはもちろん,従来のハイゼンベルクの不等式の限界を超えた超精密測定技術や普遍的な誤差・擾乱関係に基づく新たな量子情報通信技術の開発が期待される。

 また,我が国の研究者が発見した基本的かつ重要な理論提案が我が国において実験的に検証されたという点においても,我が国の科学技術史上特筆すべき成果と考えられる。

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◆科学技術書<新刊情報>◆「日本は資源大国になれる!!」(小須田 道彦著/東京図書出版)

2013-07-23 10:37:28 | ●科学技術書・理工学書 <新刊情報>(2018年5月4日以前)●

 

<新刊情報>

 

書名:日本は資源大国になれる!!

著者:小須田 道彦

発行:東京図書出版 

 第一線の資源エンジニアが語る、日本の資源とエネルギー。日本の貴重な資源の有効活用と循環型社会について詳細に解説。原子力発電に頼らないエネルギー源を考える。
 

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◆科学技術テレビ番組情報◆NHK「サイエンスZERO」/BS朝日「BBC地球伝説」/TBSテレビ「夢の扉+」/他

2013-07-22 10:12:02 |    ◆TV番組◆


 

<テレビ番組情報>
 
 
 

NHKテレビ Eテレ  サイエンスZERO 毎週日曜日 午後11時30分~0時00分
                          再放送毎週土曜日 昼12時30分~1時00分
 
2013年7月28日(日)  珍種だらけ!南極大陸に秘密の楽園

 超キテレツな姿のカイメンや踊るナマコ、驚異的なウミグモなど。地球とは思えない不思議な世界が広がる南極大陸! 最新の探索で、氷の下に眠る「氷底湖」や巨大な「棚氷」の下に、不思議な生態系が広がっていることが分かった! そもそも南極は、厚さ2000メートルもの氷の重さで、大陸のほとんどが水面下に沈没しているなど不思議がいっぱい! 人知れず息づいてきた「秘密の楽園」がついにベールをぬぐ!

ゲスト:北海道大学低温科学研究所講師 杉山慎

 女優:南沢 奈央/サイエンス作家:竹内 薫/アナウンサー:中村 慶子
 
BS朝日   BBC地球伝説 午後8時~9時
 
7月22日(月) 休止
7月23日(火) 休止
7月24日(水) NASA・宇宙への挑戦 Episode2 アポロ計画
7月25日(木) NASA・宇宙への挑戦 Episode3 スペースシャトル時代

「NASA・宇宙への挑戦」(4回シリーズ)
 
 1958年7月、宇宙探索と科学発見の未来を切り開く組織としてアメリカ政府によって創設された、アメリカ航空宇宙局、NASA。ロケットの打ち上げや有人宇宙飛行、人類発の月面着陸、そしてスペースシャトル、国際宇宙ステーションなどを展開。最新の映像技術で美しくよみがえったオリジナル・フィルムに、新たに発掘された未公開のアーカイブ映像を盛り込んで、NASAの実像を浮き彫りにしながら、人類の宇宙への挑戦に迫る。

 
TBSテレビ   夢の扉+ 毎週日曜日 午後6時30分~7時
                                    BS-TBS:毎週木曜日 午後11時~
 
7月28日(日) わずかな身体の動きでスイッチをオン!
           ~“どこでもスイッチ”開発?最先端のコミュニケーションツールで、不可能を可能に!?~ 
 
ドリーム・メーカー:東京大学 先端科学技術研究センター 巖淵守 准教授

ナレーター:坂口憲二

 ほんの少し首を傾ける、指を動かす、強く目を閉じる。たったそれだけの動きで、家電のスイッチをオンにしたり、メールを打ったりできるという夢の新技術。開発したのは、東京大学・先端科学技術研究センターの巖淵守准教授。この機器があれば、身体を動かすことが難しい重度の障がいがある人も、自分の意志で家電を操作したり、自分の想いを伝えたりできる、画期的なコミュニケーションツールだ。「技術の力で、障がいがある人の能力・可能性を最大限引き出したい」、巖淵は、今年3月に完成した“どこでもスイッチ”を携えて、長野へと向かった。出会ったのは、脳性麻痺で重い障がいが残る、中学生の長田君。巖淵が開発したスイッチで、長田君は新たなコミュニケーションの扉を開けることができるのか。

NHKテレビ Eテレ   地球ドラマチック 毎週土曜日 午後7時00分~44分
                            再放送 毎週月曜日 午前0時00分~0時44分
 

7月 27日 (土)  人類 遥(はる)かなる旅路Ⅲ~最後の大陸 アメリカ~

 人類が世界に広がった足跡をたどるシリーズの最終回は、最後の大陸アメリカへの旅路。海と氷に隔たれた大陸に人類はどのようにして到達したのかの3回シリーズ。7万年前にアフリカを出て、4万年前にはアジアやヨーロッパなどに広がっていた人類が、最後にたどり着いたのがアメリカ大陸だった。しかしどうやって到達したのかは謎のままだ。大陸の北は厚い氷で閉ざされていたが、その氷の壁を越えて来たのか。それとも太平洋をはるばる渡って来たのか。カリフォルニア沖の島で見つかった北アメリカ最古の人骨やDNA解析の結果から新たな事実が浮かび上がる。(2009年イギリス)

NHK-BSプレミアム   コズミック フロント 毎週木曜日 午後10時00分~11時00分
                            再放送 月曜日 午後11時45分~0時44分
 
7月25日(木) 太陽系の歩き方 天王星と海王星

 これまでに木星や土星などを紹介してきた、シリーズ「太陽系の歩き方」。今回とりあげるのは、"最果ての惑星"天王星と海王星への旅だ。青みを帯びた美しい姿を持つ2つの惑星は、これまでに訪れた探査機が1980年代のボイジャー2号しかない。惑星の中でただ一つ横倒しになって太陽を回る天王星は、どうしてこのような姿になったのか? 海王星の表面を吹き荒れる、太陽系最速と言われる暴風はなぜ生じるのか? 海王星の衛星トリトンには間欠泉のような活発な噴出活動が見られ、わずかながら大気も存在するが、地球外生命につながる可能性はあるのか?・・・こうした多くの謎に包まれている。

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◆科学技術書<新刊情報>◆「オイラーの公式がわかる」(原岡喜重著/講談社)

2013-07-19 10:23:36 | ●科学技術書・理工学書 <新刊情報>(2018年5月4日以前)●

書名:オイラーの公式がわかる~数学の至宝を知る~

著者:原岡喜重

発行:講談社(ブルーバックス)

 もっとも美しい公式は、もっとも働きものの公式だ。e、sinとcos、それらが虚数単位iで結びついた簡素で美しい公式が、オイラーの公式。「数学の至宝」とも言われるこの公式を、オイラーが発見した道筋と、この美しい公式のすばらしい活躍ぶりを、わかりやすく解説する。


 

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■科学技術ニュース■防災科研、「地震ハザードカルテ」(あなたの街の地震危険度診断)を実験的に公開

2013-07-18 10:31:34 |    宇宙・地球

 防災科学技術研究所(防災科研/NIED) は、「地震ハザードカルテ」を実験的に公開した。

 「地震ハザードカルテ」とは、各地点の地震ハザード情報をまとめたもので、任意の場所を検索して、その場所に関する地震危険度の診断書を作成することができる。

 これは、国により一元的に評価された地震ハザード情報の見せ方の一つとして、検討中のコンテンツを用いて実験的に開発したサービスで、健康診断の結果通知書のように地震の危険度を一覧表示することができる。

 「地震ハザードカルテ」では、その場所がある一定期間に見舞われるであろう震度(5弱以上、5強以上、6弱以上、6強以上)に関する確率などの情報や、その場所における地盤が軟弱であるか否かの情報などと、それらをまとめた総合評価の情報を閲覧することができ、地震の揺れの危険に対する認識を広めることが可能となる。

 「地震ハザードカルテ」は、J-SHIS ラボより利用できる。

 「地震ハザードカルテ」は、防災科学技術研究所の提供する全国地震ハザードの公開API JSHIS Web API(http://www.j-shis.bosai.go.jp/api-list)を利用して、レスポンス(返値)の結果を図やチャートを用いて表現し、A41枚に出力して閲覧することを実現。

 診断結果をPDF 形式でダウンロードし、プリンタ等で出力することができる。

 「地震ハザードカルテ」URL : http://www.j-shis.bosai.go.jp/labs/karte

 今後、より詳細なハザード情報、人や社会の情報も含めた地震リスクカルテ(仮称)等を、確定版の地震ハザード評価データを元に提供することを目標としている。

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■科学技術書・理工学書ブックレビュー■「古代日本の超技術 改訂新版」(志村史夫著/ブルーバックス)

2013-07-16 10:15:35 |    科学技術全般

 

 

書名:古代日本の超技術 改訂新版~あっと驚くご先祖様の智慧~

著者: 志村史夫

発行所:講談社(ブルーバックス)

発行日:2012年12月20日

目次:第1章 五重塔の心柱
    第2章 日本古来の木材加工技術
    第3章 “呼吸する”古代瓦
    第4章 古代鉄と日本刀の秘密
    第5章 奈良の大仏建立の謎
    第6章 縄文時代の最新技術

 このほど「第42回技能五輪国際大会」がドイツのライピチヒで行われ、参加国・地域の獲得メダル数が発表された。それによると第1位 韓国(金12、銀5、銅6)、第2位 スイス(金9、銀3、銅5)、第3位 台湾(金6、銀4、銅8)と続き、日本は第4位(金5、銀4、銅3)となった。これにより日本は、1999年のカナダ・モントリオール大会以来守ってきた3位以上の地位を逃した、と報じられたが、まあ、事実はそうであろうが、世界で4位の地位を得たことは賞賛されることではなかろうかと私などは思う。むしろ私が不思議に思うのが、米国はこの大会に参加したのかどうか知らないが、メダル獲得リストに掲載されておらず、GDP世界2位の中国のメダル獲得数も極端に少ない。まさか大国は、「自国に技能者は必要ない。優れた技能者を外国から呼び寄せればいいじゃないか」と考えているわけではなかろうが・・・。スポーツのオリンピックでは何時もメダル数1、2位を争う大国同士が、技能五輪となると、さっぱり振るわなくなるのは何が原因なのであろうか、知りたいものだ。

 ところで、今、日本の若い技術者が「技能五輪」において、花を咲かせている高度の技術は、何も最近になって身に付いたものではない。極端に言えば太古の昔から、日本は高度な技術を身につけた国の一つであったのである。そして、このことを裏付ける“証拠”を掘り起こし、我々の目の前に示してくれた書籍が「古代日本の超技術 改訂新版~あっと驚くご先祖様の智慧~」(志村史夫著/講談社<ブルーバックス>刊)なのである。通常、このような書籍の著者は、古代史家などの歴史家が多いのであるが、著者の志村史夫氏は、最近まで世界の半導体の最前線で活躍していた第一線の技術者であることが、この著書が説得力を持つ一つの根拠として挙げられる。つまり、昔の文献を書庫から取り出してきて紹介するのではなく、第一線の技術者としての眼力で、古代の日本の技術力を、今客観的に評価したレポートとなっているのである。

 そのことは、「第1章 五重塔の心柱」を読めばたちどころに分る。今人気絶頂の東京スカイツリーには、塔のど真ん中に鉄筋コンクリート製、高さ375mの心柱”を挿入した「世界初」の制振システムが使われている。この心柱は、ツリー本体とは分離した形で立っており・地震や強風で本体が揺れる際に、本体とは異なる動きをして、結果的にツリー全体の揺れを抑えるはたらきをするのだ。実は、この制振システムは、現存する世界最古の木造建築である法隆寺五重塔をはじめとする日本古来の木塔(五重塔、三重塔など)に必ず使われた、古代日本が誇る伝統的な技術なのである。日本には、木造の仏塔は500以上あり、これまで、その多くが建て替えを繰り返してきているが、これまで地震多発国の日本にあって、木造の高層建築物である木塔が、地震によって倒された例がほとんどないそうなのである。これは驚嘆すべきことには違いあるまい。恐るべき日本の古来の建築技術というほかない。これは、今でも脈々と息づいており、東京スカイツリーが建設中に起きた東日本大震災の地震でも、東京スカイツリーは耐え切ったのだ。

 この本の白眉は、古来日本の技術が息づいてきた木造加工技術へ対する著者の見識の高さと、洞察力であろう。著者の志村史夫氏は、それらの日本の伝統建設技術を現在まで維持発展させてきた第一線の技術者を、著者の志村史夫氏は棟梁”と呼び、最大限の敬意を払っているのである。志村氏の専門である半導体と木造建築は、相当隔たりがあるかと思えるが、志村氏は棟梁”たちから教えを請い、古代から伝わる日本の伝統的な優れた技術を詳細に分析し、それを読者の紹介するくだりなどは、感動的な気持ちにさせられる。特に、大工道具についての紹介は、一層力が入る。これは半導体の加工技術にも繋がる何かがあるのかもしれない。半導体の技術に最も近い日本古来の技術である製鉄法「たたら」の記述では、日本の古来の技術者が、今の技術でも追いつけないような高みに達していたことを発見するが、それら古の技術者へ対する尊敬の念が文章の端からこぼれてきて、読み手の方も自然に力が入る。この書は、日本古来の技術をただ紹介しただけでなく、その背景を克明に追った力作である。読み終わった後、今後も長く愛読されることを願いたい気持ちが、自然に湧き上がって来る。(勝 未来)

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◆科学技術テレビ番組情報◆NHK「サイエンスZERO」/BS朝日「BBC地球伝説」/TBSテレビ「夢の扉+」/他

2013-07-15 10:28:30 |    ◆TV番組◆

 

<テレビ番組情報>
 
 
 

NHKテレビ Eテレ  サイエンスZERO 毎週日曜日 午後11時30分~0時00分
                          再放送毎週土曜日 昼12時30分~1時00分
 

7月21日(日) トラブルから学ぶ“電気飛行機”徹底解明!
 
 1月に相次いでバッテリーからの発煙・発火トラブルを起こし、運航停止になっていた、新型旅客機ボーイング787。ついに6月から再び世界の空を飛び始めた。はたして空の安全は取り戻されたのか? そこで、旅客機として初めて本格的な“電化”に踏み出したとされる787型機の知られざる電気システムを徹底解剖。すると、今回のバッテリートラブルの意外な真相や、空の安全をめぐる新たな事実が浮かび上がってきた!

ゲスト:東京大学教授 鈴木真二

 女優:南沢 奈央/サイエンス作家:竹内 薫/アナウンサー:中村 慶子
 
BS朝日   BBC地球伝説 午後8時~9時
 
7月15日(月)発見!世界大航海 歴史を変えた男たち 3.ナンセンの北極探検
7月16日(火)発見!世界大航海 歴史を変えた男たち 4.地球を測った男たち
7月17日(水)発見!世界大航海 歴史を変えた男たち 5.史上初!海底レスキュー隊
7月18日(木)NASA・宇宙への挑戦 Episode1 人類、初の領域へ

発見!世界大航海 歴史を変えた男たち
 
 世界一周のマゼラン、オーストラリア開国の父といわれるキャプテン・クック、北極点を目指し冒険の旅に出たナンセン、さらにメートル法を考案した大航海、海底レスキュー隊など、歴史に名を残すさまざまな海の冒険に迫る 。
 
TBSテレビ   夢の扉+ 毎週日曜日 午後6時30分~7時
                                    BS-TBS:毎週木曜日 午後11時~
 

7月21日(日) 巨大海上都市が人類を救う!

 水没する国々を救え!赤道直下の海上に、10万人が暮らす巨大都市を築くグリーンフロート構想。世紀のビッグプロジェクトを率いる日本人の挑戦。
 
ドリームメーカー:グリーンフロートプロジェクトリーダー 竹内真幸
 

 NHKテレビ Eテレ   地球ドラマチック 毎週土曜日 午後7時00分~44分
                            再放送 毎週月曜日 午前0時00分~0時44分
 
7月 20日(土) 野生ヒョウのマナナ~絆を深めた17年間~(アンコール放送)

 野生のヒョウ「マナナ」の17年に及ぶ一生を、あるカメラマンが記録。愛らしい赤ちゃんはやがて一頭の立派なメスに育ち、子育てに奮闘。そして異例の長寿をまっとうする。個体数が激減しているアフリカの野生のヒョウ。ある保護区で1人のカメラマンが、母親を亡くした生後10日ほどの小さなメスのヒョウと出会う。愛らしいヒョウの赤ちゃんは、やがて一頭の立派なメスに成長する。数々の試練に直面したマナナの17年に及ぶ一生の記録。いまだ知られていない野生のヒョウの生態についての貴重な記録であり、人間と野生動物の絆を刻んだ貴重な映像だ。(2010年南アフリカ)

NHK-BSプレミアム   コズミック フロント 毎週木曜日 午後10時00分~11時00分
                            再放送 月曜日 午後11時45分~0時44分
 
7月18日(木) 世界最古の天文盤 謎のネブラ・スカイディスク

 今年6月、世界最古の天文盤としてユネスコの世界記憶遺産に登録された「ネブラ・スカイディスク」。いちはやく、その天文盤に秘められた驚異の天文知識、謎の古代ヨーロッパ文明に迫っていく。およそ10年前、ドイツのネブラ村の近くで盗掘犯が見つけた天文盤。噂を聞きつけた考古学者のメラー博士は、警察に協力し、自らおとりとなって奪い返えす。直径30cmの青銅盤には、金でかたどった満月と三日月、そして32個の星が描かれていた。これまで類似の遺物はなく、天文学者や考古学者、歴史学者までも加わって分析が行われた。その結果、天文盤は、今から3600年前に制作され、これまでの常識を超える高度な天文知識が刻まれていることがわかった。

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