“科学技術書・理工学書”読書室―SBR―  科学技術研究者  勝 未来

科学技術書・理工学書の新刊情報およびブックレビュー(書評)&科学技術ニュース   

●科学技術書・理工学書<新刊情報>●「重力のからくり」(山田克哉著/講談社)

2023-08-31 09:54:21 |    物理



<新刊情報>



書名:重力のからくり~相対論と量子論はなぜ「相容れない」のか~

著者:山田克哉

発行:講談社(ブルーバックス)

 「弱すぎる重力」はなぜ、宇宙を支配する力になりえたのか?ブルーバックスを代表する人気企画、「からくり」シリーズ最新刊。「質量」と「重さ」の違いとは?素朴な問いから「物理学最大の難問」まで一気読み!自然界を支配する4つの力の中で、最も身近で最弱の力。この宇宙に現在の構造をもたらした最大の貢献者でありながら、なぜか「標準模型」に含まれない異端児。そして、その発生源である質量が重力を生み出す理由は不明のまま──。「ニュートンが考えた重力」と「アインシュタインが考えた重力」はどう違う?「重力と加速度が等しい」とはどういうことか?「見えない質量」=ダークマターを見る方法は?万有引力のふしぎを徹底的に解き明かす。【目次】 第1章 「質量」と「重さ」のからくり 第2章 「万有引力」のからくり 第3章 「質量保存の法則」とエネルギーのからくり 第4章 「見えない力」のからくり 第5章 「見えない質量」のからくり 第6章 重力のからくり
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●科学技術ニュース●ENEOSとPFN、石油精製・石油化学プラントを自動運転するAIシステムの常時使用を開始

2023-08-31 09:54:00 |    人工知能(AI)
 ENEOSとプリファードネットワークス(PFN)は、石油精製・石油化学プラントを自動運転するAIシステムの常時使用をENEOS川崎製油所石油化学プラント内のブタジエン抽出装置で開始し、手動操作を超える経済的で高効率な運転を達成した。

 同AIシステムは、大規模かつ複雑であり、長年の経験に基づいた運転ノウハウが求められるプラントを自動運転するシステムとしてENEOSとPFNが共同開発したもの。

 同開発は、人の技量に左右されないプラント安定運転の確立による保安力の向上に貢献するものであり、制御対象としている要素数(13個)や、予測に用いる入力センサー数(363個)において、AI技術を用いた実際のプラントでの自動運転の事例においては最大級の取り組み。

 両社はブタジエン抽出装置による2日間の自動運転実施後も試験運転を重ねてきた。

 その過程で、プラント自動運転AIシステムによってプラント内の温度、圧力、流量および製品性状などの13個の運転重要因子の常時監視と9個のバルブ同時操作を行うことで、装置全域に対して原料処理量の変更などに伴う運転変動を安定化させると共に、手動操作を超える経済的で効率的な運転を達成した。  

 同活動では、ブタジエン抽出塔と並行して常圧蒸留装置などの主要プラントの自動最適化AIシステムの開発も実施しており、今後、ENEOSの他製油所への展開並びに、ソリューションパッケージとして一般販売することを計画している。<プリファードネットワークス(PFN)>
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●科学技術ニュース●東京大学など、与えられた多面体を自動的に折る技術を開発

2023-08-31 09:53:40 |    物理
 東京大学 大学院工学系研究科の鳴海 紘也 特任講師、川原 圭博 教授、大学院総合文化研究科の舘 知宏 教授、大学院情報理工学系研究科の五十嵐 健夫 教授、宮城大学 事業構想学群の佐藤 宏樹 准教授、Nature Architectsの須藤 海 氏、エレファンテックの杉本 雅明 氏らによる研究グループは、熱収縮性のシートに折紙のパターンを印刷し、そのシートを加熱することによって、与えられた多面体を自動的に折る技術を開発した。

 これまでも折紙構造を自動で折る「自己折り」の技術は複数提案されてきたが、自動で折れる折り線や面の数は最大で100程度しかなく、作れる形状に大きな制約があった。

 同研究では、インクジェット印刷の解像度を活用することにより、従来の1200倍以上の解像度を実現し、最大で10万本以上の折り目と数万個の面を持つ折紙を自己折りすることに成功した。

 折紙の研究分野では、理論上あらゆる多面体を1枚の紙から折れることが知られている。しかし、そのような折紙パターンを手で折ると数時間から数十時間の作業が必要になる。

 同研究成果により、それらの非常に複雑な折紙パターンを数秒から数分で自己折りすることが可能になった。これにより、実質的にはどんな立体形状でも2次元の製造プロセスと自動変形により実現できることが明らかになった。<科学技術振興機構(JST)>
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●科学技術書・理工学書<新刊情報>●「機械学習システムデザイン」(Chip Huyen著/オライリージャパン)

2023-08-31 09:53:13 |    人工知能(AI)



<新刊情報>



書名:機械学習システムデザイン~実運用レベルのアプリケーションを実現する継続的反復プロセス~

著者:Chip Huyen

訳者:江川 崇、平山 順一 

発行:オライリー・ジャパン

発売:オーム社

 ビジネスとしての機械学習システムの設計や運用についての解説書。同書では、機械学習の最前線で活躍する著者の豊富な経験と知識に基づき、エンド・ツー・エンドの機械学習システムを設計・構築するための基本原則を明らかにする。訓練データの処理方法、特徴の使い方、モデルを再訓練する頻度、監視すべき項目・・・このような設計上の決定がシステム全体の目的達成にどのように寄与するのかを、実際のケーススタディを通じて理解する。機械学習プロジェクトを成功に導く上で必要な信頼性、拡張性、保守性、およびビジネス要件の変化への適応性を備えた機械学習システムを設計する包括的なアプローチを同書で学ぶことができる。
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●科学技術書・理工学書<新刊情報>●「カブトムシの謎をとく」(小島 渉著/筑摩書房)

2023-08-30 09:34:30 |    生物・医学



<新刊情報>



書名:カブトムシの謎をとく

著者:小島 渉

発行:筑摩書房(ちくまプライマリー新書)

 ほんとに夜型? 天敵は何? 大きさはどうやって決まる? カブトムシの生態を解き明かし、仮説の立て方、調査方法なども解説。自然研究の魅力はここにある。
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●科学技術ニュース●NECプラットフォームズ、注文から会計まで一連の店舗運営機能と配膳ロボットの連携を実現

2023-08-30 09:34:05 |    ロボット工学
 NECプラットフォームズは、飲食店向けPOSシステム・オーダーエントリーシステム(OES)の「FoodFrontia」において、店舗での料理の注文から会計まで一連の店舗運営機能と、複数機種の配膳ロボットの連携を実現するサービス「マルチ配膳ロボット連携」を提供開始した。

 同サービスは、ハンディ端末やセルフオーダー端末からの遠隔操作や会計機能との連携などにより、配膳ロボットの効率的な運用で下げ膳所要時間が1回あたり約40%削減可能になるなど、店舗の業務効率化や顧客満足度向上を支援する。

 また、配膳ロボットの配膳する料理が到着する前にセルフオーダー端末での確認や、セルフオーダー端末から食器類の下げ膳を配膳ロボットに依頼できるなど、ホールスタッフの負担軽減だけでなく店舗利用者の快適性向上も実現する。

 今回、注文から会計まで一連の機能と配膳ロボットが連携できる仕組みは国内初であり、NECプラットフォームズは配膳ロボットとの連携機能の一部について特許出願。<NEC>
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●科学技術ニュース●東京大学など、新開発の超高感度電子顕微鏡法によりゼオライト原子配列の直接観察に成功し最先端材料開発を加速

2023-08-30 09:33:22 |    化学
 東京大学 大学院工学系研究科 附属総合研究機構の関 岳人 助教、柴田 直哉 機構長・教授、大江 耕介 大学院生(研究当時、現:日本学術振興会 特別研究員(CPD)、ファインセラミックスセンター 客員研究員)、幾原 雄一 教授らのグループは、ファインセラミックスセンターの吉田 要 主任研究員、日本電子の河野 祐二 スペシャリストと共同で、新開発の電子顕微鏡法を用いてゼオライトの原子配列を直接観察することに成功した。

 ゼオライトは、ナノメートルサイズの空間(ナノ空間)を持つ多孔質材料であり、分子ふるい、イオン交換、触媒などの機能を持つ。

 これらの機能はナノ空間における分子・イオンとゼオライトの骨格原子構造との相互作用によって生み出されるため、原子スケールでの可視化技術が求められてきた。

 しかし、ゼオライトは電子線により容易に構造が破壊されるため、電子顕微鏡でその原子配列を直接観察することは長年困難とされてきた。

 今回、試料に照射する電子線量を大幅に減らし、試料のダメージを最小化できる超高感度電子顕微鏡法を新しく開発することで、ゼオライト中の原子配列の直接観察に成功した。これによって、ゼオライトの局所構造や分子・イオンとの相互作用を可視化できるようになった。

 同研究成果は、ゼオライトの他、金属有機構造体、2次元物質、有機材料などの電子線によるダメージを受けやすい材料についても、電子顕微鏡による原子・分子配列の観察を可能にするとともに、最先端マテリアルの研究開発を加速する画期的な計測技術につながると期待される。<科学技術振興機構(JST)>
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●科学技術書・理工学書<新刊情報>●「図解と画面で直感体得 Godotかんたん入門」(勝村友博著/リックテレコム)

2023-08-30 09:32:53 |    情報工学



<新刊情報>



書名:図解と画面で直感体得 Godotかんたん入門

著者:勝村友博

発行:リックテレコム

 世界が注目するゲームエンジンAR/VR開発もオープンソースで楽々!Ver.4.0に対応。OSSの簡単ゲームエンジン「Godot」なら、無償で利用でき、UIや操作がとてもシンプルなので、UnityやUE4で挫折した人でも大丈夫。複雑なゲームは作れないが、2D/3Dグラフィックスやアニメーション、AR/VR開発も効率化できる。同書では「とりあえず簡単なアクションゲームを作れるようになる」だけではない。ゲームの構造や考え方を正しく理解して、他のゲームエンジンへのステップアップや、より幅広い活用ができるよう、楽しく読者を導く。内容は2023年3月のメジャーバージョンアップ(Ver.4.0)に対応。
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●科学技術書・理工学書<新刊情報>●「身近な気象のふしぎ」(近藤純正著/東京大学出版会)

2023-08-29 09:58:50 |    宇宙・地球



<新刊情報>



書名:身近な気象のふしぎ

著者:近藤純正

発行:東京大学出版会

 地球温暖化によって雨は増えるのか? 晴れた日の夜はなぜ冷え込むのか? 火山噴火が夏の気温に与える影響とは? 身の回りやニュースで目にする天気の疑問や不思議を考えることで、自然現象の原理とそのおもしろさを学びながら、気象学の基本を身につける。
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●科学技術ニュース●三菱重工と日本触媒、水素利用拡大に向けアンモニア分解システムの共同開発契約を締結

2023-08-29 09:58:16 |    ★水素ニュース★
 三菱重工業と日本触媒は、水素・アンモニアサプライチェーンの導入と大量輸送の本格化を見据え、アンモニア分解システムの共同開発契約を締結した。

 アンモニアは、燃焼してもCO2を排出しないゼロエミッション燃料である水素を、安全かつ大量に長距離輸送・貯蔵することが可能な水素キャリアの1つとして注目されている。

 日本の「燃料アンモニアサプライチェーンの構築」プロジェクトをはじめ、欧州などの国内外においてサプライチェーン構築が計画されており、今後の市場の伸長が期待されている。

 アンモニア分解技術はアンモニアから水素を取り出すために不可欠であり、サプライチェーン構築の実現において重要な役割を担う。アンモニア熱分解触媒を用いた最適なシステムの共同開発に当たり、三菱重工は、アンモニア製造プラントをはじめとした国内外における多数の化学プラント納入実績や、これまで培ってきたアンモニアや水素のハンドリング技術に関する深い知見を生かす。

 また、日本触媒は、アクリル酸触媒をはじめとするプロセス触媒や、自動車触媒、排ガス触媒などの環境触媒を多数開発・実用化してきた触媒技術の実績と知見を生かす。

 同分解システムから取り出された水素は、クリーンな原料・燃料として使用することが可能であり、早期実用化を目指し開発を推進していく<三菱重工>。
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