“科学技術書・理工学書”読書室―SBR―  科学技術研究者  勝 未来

科学技術書・理工学書の新刊情報およびブックレビュー(書評)&科学技術ニュース   

●科学技術書・理工学書<新刊情報>●「AIに振り回される社長 したたかに使う社長」(長尾一洋著/日経BP社)

2018-05-31 09:32:56 |    企業経営

 

<新刊情報>

 

書名:AIに振り回される社長 したたかに使う社長

著者:長尾一洋

発行:日経BP社

 同書の筆者は経営コンサルタントとして30年の経験があり、「IT」が経営の現場でどのように使われてきたのかをつぶさに見てきた。その経験から、「振り回され社長」はいかにして振り回され社長となり、「したたか社長」はいかにしてしたたか社長になったのかを、わかりやすく解説。

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★水素ニュース★東芝エネルギーと岩谷産業、北海道釧路市で水素サプライチェーンの実証実験開始

2018-05-31 09:32:35 |    ★水素ニュース★

 東芝エネルギーシステムズは、岩谷産業を共同事業者として、環境省の実証事業として採択された「小水力由来の再エネ水素導入拡大と北海道の地域特性に適した水素活用モデルの構築実証」において、北海道釧路市・白糠町等で、水素サプライチェーンに関する実証実験の本格運用を開始した。

 同実証は、環境省の「地域連携・低炭素水素技術実証事業」において、2019年度末までの期間、北海道・釧路市・白糠町と連携し、水素の製造から貯蔵・運搬・利用までの一貫した低炭素なサプライチェーンモデルの構築を図る。

 具体的には、白糠町にある庶路ダムに200kWの小水力発電所を建設し、当該発電所で発電した電気を使い、1時間あたり最大約35Nm3の製造能力がある東芝エネルギーシステムズ製の水電解水素製造装置で水素を製造する。
  
 製造した水素は岩谷産業が貯蔵・運搬し、釧路市内の福祉施設や、白糠町内の酪農家、白糠町温水プールに設置する東芝エネルギーシステムズ製燃料電池「H2Rex」や、トヨタ自動車士別試験場において燃料電池自動車の燃料として利用する。
 
 小水力発電の電気を直接利用して水素を製造する実証事業は国内で初めて。

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★科学技術ニュース★NIMS、超伝導はんだによる接合に成功し永久電流運転が可能な強磁場電磁石の開発加速へ

2018-05-31 09:32:14 |    物理

 物質・材料研究機構(NIMS)は、優れた磁場中超伝導特性を持つレアアース系酸化物超伝導線材を、超伝導はんだで接合し、超伝導状態を保ったまま通電することに初めて成功した。

 新薬開発に欠かせないNMR(核磁気共鳴)装置の永久電流運転が可能になるなど、超伝導線を使った強磁場磁石の開発が加速すると期待される。

 同研究では、超伝導はんだ接合を行う際に、超伝導層が大気にさらされないように保護層をスズ系合金で置換する初期の工程を詳しく調べ、スズ系合金はレアアース系酸化物超伝導層を侵食しやすく、超伝導状態を壊してしまうことを明らかにした。

 一方、置換する時間が短すぎても良好な電気的結合が得られないため、スズ系合金による置換プロセスの時間を最適化し、さらに接合面同士を合わせた状態で加圧熱処理し、薄い銅箔で接合部分を固定することで、初めてレアアース系酸化物高温超伝導線材の超伝導はんだ接合に成功した。。

 レアアース系酸化物超伝導線材での超伝導はんだ接合が可能になると、汎用のニオブ系超伝導線材との超伝導接合が可能となり、すべての実用見込みのある超伝導線材の接合が可能となる。

 これにより、強磁場永久電流運転電磁石の開発加速が期待できる。今後、レアアース系酸化物超伝導線材の優れた通電特性を永久電流運転で利用できれば、汎用NMR装置のコンパクト化も期待され、NMR市場の活性化にもつながる。

 

 

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●科学技術書・理工学書<新刊情報>●「例解 UNIX/Linuxプログラミング教室」(冨永和人、権藤克彦著/オーム社)

2018-05-31 09:31:53 |    情報工学

 

<新刊情報>

 

書名:例解 UNIX/Linuxプログラミング教室~システムコールを使いこなすための12講~

著者:冨永和人、権藤克彦

発行:オーム社

 同書は、2007年にピアソン・エデュケーションから発行された「例解 UNIXプログラミング教室~システムコールを使いこなすための12講~」の改訂版で、UNIX/Linuxの機能を使ったC言語プログラミングの解説書。同書は単なるインタフェースの解説書ではない。インタフェースの説明をしつつ、 UNIXの概観(エッセンス)を読者に理解してもらうことで、できるだけ楽に、しかも確かなUNIXシステムプログラミングができるようになってもらうことを目指した。また、豊富なサンプルコードと演習問題を掲載し、実践的なプログラミングの助けとなるようにしている。

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●科学技術書・理工学書<新刊情報>●「EV(電気自動車)ウォーズ」(永井 隆著/日本経済新聞出版社)

2018-05-30 09:55:31 |    輸送機器工学

書名:EV(電気自動車)ウォーズ

著者:永井 隆

発行:日本経済新聞出版社
  
 各国の規制強化の動きに伴い、一気に普及が加速するEV(電気自動車)。内燃機関を搭載しない、新たな乗り物は社会をどう変えるのか。いま大きな注目を集めている。日産、トヨタなど自動車メーカーはもちろん、電機メーカーなど業種を超えた企業が取り組む開発のドラマに密着、画期的な技術の開発に取り組む人々を紹介しながら、EVとは何か、これからどこに向かうのかまで詳細に解説するノンフィクション。

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★科学技術ニュース★JAMSTECと東京大学、窒素固定が北極海及び全海洋の窒素源としての重要性を明らかに

2018-05-30 09:55:09 |    宇宙・地球

 海洋研究開発機構(JAMSTEC)地球環境観測研究開発センターの塩崎拓平特任研究員らと東京大学大気海洋研究所の共同研究グループは、北極海の窒素固定(空気中の遊離窒素を用いて窒素化合物をつくること)の特異性と窒素循環における役割を明らかにした。同研究グループにより、海洋地球研究船「みらい」による調査を行った結果、北極海では広く窒素固定が行われ、貧栄養水塊では、重要な窒素供給源となっていることを明らかにしました。

 北極海の中でもカナダ海盆域では、近年の海氷融解によって貧栄養化が進行している。そのような海域では今後、窒素固定が生物生産の理解の要となる可能性が考えられる。

 また、窒素固定は貧栄養の水塊だけではなく、窒素栄養塩が十分にある海域でも観測されました。さらに、北極海に生息する窒素固定生物はシアノバクテリア主体の熱帯・亜熱帯貧栄養海域とは大きく異なり、嫌気性細菌が主体となることがわかりました。

 つまり、北極海の窒素固定は、光に依存しない可能性が高いことがわかった。これは北極海の中深層や冬期の極夜の時期でも窒素固定が行われている可能性を示唆する。

 海洋の窒素循環において、供給源である窒素固定と、除去プロセスである脱窒の収支が合わない(窒素固定が過小評価されている)問題が以前から指摘されており、北極海の窒素固定はこの問題を解決する鍵となると考えられる。

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●科学技術書・理工学書<新刊情報>●「無限」(イアン・スチュアート著/岩波書店)

2018-05-30 09:54:49 |    数学

 

<新刊情報>

 

書名:無限

著者:イアン・スチュアート

訳者:川辺 治之

発行:岩波書店(岩波科学ライブラリー)  

 哲学者・物理学者・数学者を魅了し、悩ませ続けた無限。なくてはならない概念であると同時に、ひとたび取り扱いを誤ると、とんでもないパラドックスに陥ってしまう。正しそうでもあり間違ってもいそうな9つの例を考えながら、無限の本質に迫る。


 

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●科学技術書・理工学書<新刊情報>●「『おいしさ』の科学」(佐藤成美著/講談社)

2018-05-29 09:34:51 |    生物・医学

 

<新刊情報>

 

書名:「おいしさ」の科学~素材の秘密・味わいを生み出す技術~

著者:佐藤成美

発行:講談社(ブルーバックス)

 「食の科学」の分野で活躍している大学研究者、メーカー研究者にサイエンスライターが取材し、「おいしさ」を感じるとはどういうことか、「おいしさ」を作るとはどういうことか、「食」分野での研究の最前線をわかりやすく紹介。また、食材のおいしさはどこから来るのか、その成分や、調理や熟成によってどのような化学変化がおこっておいしくなるのか、詳しく解説。

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★炭素ニュース★千葉大学、2000年代の陸域CO2吸収量が過去100年間で最大になったことを明らかに

2018-05-29 09:34:21 |    ★炭素ニュース★

 千葉大学環境リモートセンシング研究センター近藤雅征特任助教が率いる国際研究グループは、全球を対象とした陸域炭素収支のシミュレーション解析から、陸域の二酸化炭素の吸収量が1960年代から増加傾向にあり、2000年代において過去100年間で最大となったことを明らかにした。

 この主要な原因の一つが、過去の大規模な土地利用変化から回復した植生に起因しており、特に30~50年前に土地利用変化が活発であったアメリカ、ヨーロッパ諸国、中国の植生が、現在において大気CO2の大きな吸収源になっていることを検出した。

 同研究は、植生の再成長によるCO2吸収量を全球で定量化した世界で初めての事例であり、近年の地球温暖化に関連した炭素循環プロセスの理解において重要な役割を担うと期待される。

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★科学技術ニュース★NICT、超解像顕微鏡のための高精度色収差補正ソフトウェアを開発・無償公開 

2018-05-29 09:33:56 |    情報工学

 情報通信研究機構(NICT)は、未来ICT研究所において、超解像顕微鏡のための高精度色収差補正ソフトウェアを開発した。大阪大学、オックスフォード大学と共同で開発した同技術により、生命科学に用いる高度な蛍光顕微鏡における色収差補正精度を従来から約10倍向上させ、3次元で約15 nmの精度を達成した。

 これまで障壁となっていた観察対象の生体試料が引き起こす色収差を計測する技術を開発し、生命科学・医学研究にとって不可欠な多色観察の高解像度化を推進できるものと期待される。

 観察試料により変化する色収差のため、従来は3次元で約100~300nmの補正精度しか得られなかったが、同研究の方法を用いれば、3次元で約15nmの色収差補正精度を達成することができた。この方法により、近年飛躍的に分解能が向上した超解像顕微鏡の画像を正しく解釈できるようになる。

 今回、この技術を使用できるソフトウェアを無償公開した。

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