ライオンと日立製作所 は、研究所で開発した新たなハミガキの組成をもとに、実際に工場で生産する際に生じる課題を事前に予測し、製造プロセス上最適な組成情報や物性情報の案を自動提案するシステムを開発した。
先進デジタル技術を活用した同システムをさらに他の課題にも適用して運用することで、最大約40%の製造プロセス検討時間の削減が見込まれるため、ハミガキの製品開発のスピードアップが期待される。
ライオンは、同システムの運用により製品開発の効率化を図るとともに、効率化により創出された時間を、生活者のニーズ探索やそれに基づく技術・製品開発などに活用し、新たな価値を創造する。日立は、ヘルスケアにおける製品の高付加価値化に貢献し、消費財産業などの幅広い業種への展開とDX推進を加速していく。
今回、ライオンの主幹事業であるハミガキの開発において、製造プロセスを開発する際に課題となる"移送性"の解決に向けて、日立の「材料開発ソリューション」を活用導入することによる、業務効率化に取り組んだ。
同システムの導入により、組成開発の初期段階で、製造プロセス工程の課題を事前予測することが可能となるため、製造の妨げとなる事象の発生率低下に大きく貢献することができる。さらに、他の課題についても適用範囲を広げていくことで、最大で従来の開発業務時間の約40%を削減できると見込んでいる。
ライオンは、同システム導入によって新たな付加価値をつけた製品開発をさらに加速させる。また、同システムをより多くの生産課題や品質予測に活用するほか、他製品の製造プロセスへの応用を視野に検討を進める。
今回の取り組みのように、ライオンの事業領域で培われた技術と、社外共創による新たな技術を融合することにより、同社ならではの新たな価値を提案する。
日立は、同取り組みを通じて得た技術・ノウハウを活用して、化学・素材産業はもとより生活用品・医薬品産業など幅広い業種へ展開し、ユーザーのDX推進支援により社会・環境・経済価値の向上に貢献していく。<日立製作所>