新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の委託事業である「革新的プラスチック資源循環プロセス技術開発」で、八戸工業大学は、東京電機大学、高砂熱学工業株式会社と共同で、温水から氷点下冷熱を製造する吸収冷凍機と氷スラリー製造機を組み合わせた「熱リサイクルパッケージ(冷熱出力3kW)」を開発し、低温温水から氷片と水が混合した流動体である氷スラリーを連続して製造することに成功した。
同パッケージは、廃プラスチックなどを燃焼によってエネルギー回収する際に排熱として捨てられている低温の未利用熱エネルギーを氷スラリーに変換するもので、排熱回収として高い熱利用効率を実現するとともに、農産物、水産物などの輸送時冷蔵保冷剤として年間を通じて排熱の利用を可能にする。
同パッケージを使うことで、工場などから排出される低温の未利用熱を、工業、運輸、農林水産といった分野と連携するハブとなり、脱炭素社会実現へ貢献する。
冷媒が水の場合、水は0℃以下で氷になる(凝固)ため、そのままでは氷点下冷熱の製造に使うことができない。そこで氷点下での凝固防止効果が期待でき、安定した溶解状態を保つアルコールを添加した。
水に溶解し、蒸気圧の低い1-プロパノールを使用し、水と1-プロパノールの組成比を調整した結果、凝固点がマイナス10℃の冷媒を得ることができた。
作動液は水、1-プロパノールと臭化リチウムの水溶液になる。この水溶液の結晶化温度を実測し、装置が作動する温度域で安定した溶解状態が得られる組成比に調整した。
2022年度には、冷熱出力4kWを目標とする氷点下冷熱を製造する吸収冷凍機を製作し、2023年度には、マイナス5℃の冷熱を7時間、安定製造することに成功した。
また、2023年11月には並行して開発した氷スラリー製造機と連結し、氷スラリーを7時間、安定製造することを確認した。連結試験では、吸収冷凍機を加熱する温水温度は65℃であった。
氷スラリー製造機は、水および水溶液を熱交換器(過冷却器)で過冷却状態にした後、過冷却状態を超音波照射によって解除することで氷スラリーを製造する。
氷と水の比率である氷分率の制御は、過冷却状態を維持した水溶液を循環させ、循環流路中に設置した過冷却解除器で徐々に氷を生成させることで行う。
氷粒子が粗大化すると配管の閉塞が起こる。これを防ぐため、氷粒子の粗大化抑制剤としてPVA(ポリビニルアルコール)を添加し、効果が得られることを確認した。<新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)>
同パッケージは、廃プラスチックなどを燃焼によってエネルギー回収する際に排熱として捨てられている低温の未利用熱エネルギーを氷スラリーに変換するもので、排熱回収として高い熱利用効率を実現するとともに、農産物、水産物などの輸送時冷蔵保冷剤として年間を通じて排熱の利用を可能にする。
同パッケージを使うことで、工場などから排出される低温の未利用熱を、工業、運輸、農林水産といった分野と連携するハブとなり、脱炭素社会実現へ貢献する。
冷媒が水の場合、水は0℃以下で氷になる(凝固)ため、そのままでは氷点下冷熱の製造に使うことができない。そこで氷点下での凝固防止効果が期待でき、安定した溶解状態を保つアルコールを添加した。
水に溶解し、蒸気圧の低い1-プロパノールを使用し、水と1-プロパノールの組成比を調整した結果、凝固点がマイナス10℃の冷媒を得ることができた。
作動液は水、1-プロパノールと臭化リチウムの水溶液になる。この水溶液の結晶化温度を実測し、装置が作動する温度域で安定した溶解状態が得られる組成比に調整した。
2022年度には、冷熱出力4kWを目標とする氷点下冷熱を製造する吸収冷凍機を製作し、2023年度には、マイナス5℃の冷熱を7時間、安定製造することに成功した。
また、2023年11月には並行して開発した氷スラリー製造機と連結し、氷スラリーを7時間、安定製造することを確認した。連結試験では、吸収冷凍機を加熱する温水温度は65℃であった。
氷スラリー製造機は、水および水溶液を熱交換器(過冷却器)で過冷却状態にした後、過冷却状態を超音波照射によって解除することで氷スラリーを製造する。
氷と水の比率である氷分率の制御は、過冷却状態を維持した水溶液を循環させ、循環流路中に設置した過冷却解除器で徐々に氷を生成させることで行う。
氷粒子が粗大化すると配管の閉塞が起こる。これを防ぐため、氷粒子の粗大化抑制剤としてPVA(ポリビニルアルコール)を添加し、効果が得られることを確認した。<新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)>