“科学技術書・理工学書”読書室―SBR―  科学技術研究者  勝 未来

科学技術書・理工学書の新刊情報およびブックレビュー(書評)&科学技術ニュース   

●科学技術書<新刊情報>●「高分子化学」(西 敏夫、讃井浩平、東 千秋、高田十志和著/裳華房)

2016-12-30 10:56:20 | ●科学技術書・理工学書 <新刊情報>(2018年5月4日以前)●

 

<新刊情報>

 

書名:高分子化学
 
著者:西 敏夫、讃井浩平、東 千秋、高田十志和

発行:裳華房(化学の指針シリーズ)

 高分子の構造と物性・合成から、高分子の機能性と使われ方(社会との関わり)、地球温暖化など環境問題への高分子の役割など、高分子化学(科学)の基礎と応用、未来への可能性を、幅広く、バランスよくカバー。

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★バイオニュース★日本製紙、富士工場にCNF強化樹脂の実証生産設備の設置を決定

2016-12-30 10:55:52 |    ★バイオニュース★

 日本製紙株は、このたび、ポリプロピレン(PP)やポリエチレン(PE)、ナイロンなどの樹脂にCNF(カーボンナノファイバー)を混練することにより得られるCNF強化樹脂の実用化を推進するため、富士工場(静岡県富士市)に実証生産設備を新たに設置することを決定した。

 2017年6月に稼働する予定で、年間10トン以上のCNF強化樹脂を生産でき、自動車、建材、家電など、幅広い産業へ向けてサンプル提供を行う。

 同社は、京都大学を拠点として実施されている新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)のプロジェクトに参画しており、CNF強化樹脂の開発に取り組んでいる。同プロジェクトでは、パルプの有効な疎水化法と、樹脂との混練時にナノ解繊することにより、安価で高品質なCNF強化樹脂を作り出す手法を開発している。

 今回、その中で得られた知見を利用し、CNF強化樹脂を大量生産する製造技術の実用化を目指すとともに、具体的な用途開発を進めていくことにしたもの。

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★科学技術ニュース★NIMSなど、超分子集合体で1つの初期状態から全く異なる2つの状態が得られる「分化現象」を発見

2016-12-30 10:55:23 |    化学

 物質・材料研究機構(NIMS)の研究チームは、静岡大学、京都大学と共同で、分子が自発的に集合して形成される超分子集合体について、1つの初期状態から全く異なる2つの状態が得られる「分化現象」を発見した。

 さらに、成長の「タネ」として添加する超分子集合体の種類を変えることで、1次元のファイバー状集合体と2次元のシート状集合体を選択的につくり分けることに成功した。「タネ」の量を調整することで長さや面積も制御できる。

 分子の自己組織化を制御する新手法として今後の材料創製研究に新たな展開をもたらすと期待される。

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●科学技術書<新刊情報>●「俯瞰図から見える IoTで激変する日本型製造業ビジネスモデル」(大野 治著/日刊工業新聞社)

2016-12-30 10:54:45 | ●科学技術書・理工学書 <新刊情報>(2018年5月4日以前)●

 

<新刊情報>

 

書名:俯瞰図から見える IoTで激変する日本型製造業ビジネスモデル

著者:大野 治

発行:日刊工業新聞社  

 いまだあやふやなイメージのIoTを技術要件で8つに分解、分析し、さらにそこに市場の全体像を重ね全貌を明らかにすることで、日本の製造業の進むべき道を示す。

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●科学技術書<新刊情報>●「トコトンやさしい 人工知能の本」(産業技術総合研究所人工知能研究センター編/日刊工業新聞社)

2016-12-29 13:12:56 | ●科学技術書・理工学書 <新刊情報>(2018年5月4日以前)●

 

<新刊情報>

 

書名:トコトンやさしい 人工知能の本

監修:辻井潤一  

編者:産業技術総合研究所人工知能研究センター

発行:日刊工業新聞社(今日からモノ知りシリーズ)

 人工知能について基礎知識から応用技術までやさしく紹介した入門書。研究の歴史や要素技術、基盤となっている基礎理論なども丁寧に解説したことで、今のブームの火付け役となったディープラーニングをはじめとする先端技術を、本質的に理解することができる。

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★バイオニュース★JAMSTECなど、海洋性細菌の酵素で木材成分のリグニンから機能性化学品をつくることに成功

2016-12-29 13:12:33 |    ★バイオニュース★

 海洋研究開発機構(JAMSTEC)は、京都大学、防衛大学校、埼玉工業大学と共同で、海洋から分離した細菌のもつ特異な酵素を組み合わせて利用し、木材から分離した天然リグニンから、さまざまなバイオプラスチックにも変換できる機能性化学品を生産する方法を見いだした。

 木材をはじめとする非可食のバイオマスに多量に含まれるリグニンは、化石資源に替わる新しい化学品原料として大きな期待を集めているが、今回同研究グループが天然リグニンから酵素生産することに初めて成功した化合物は、フェニルプロパノンモノマーと呼ばれる物質で、これまでその活用法についてほとんど検討されていなかった。

 同研究では、天然リグニンから酵素でこの化合物を生産する手法に加えて、簡便な化学的手法によりバイオプラスチックや医薬・化粧品などの機能性化学品に変換できることを示した。

 これらの成果は、酵素や微生物などの生体触媒の機能を化学産業に活用する異分野融合新技術(ホワイトバイオテクノロジー)に新しい展開をもたらすことが期待される。

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★科学技術ニュース★京大など、タンパク質中の原子の動きを自由電子レーザーにより動画撮影に世界で初めて成功

2016-12-29 13:12:15 |    生物・医学

 京都大学、理化学研究所、東京大学、神戸大学、大阪大学、ヨーテボリ大学による共同研究グループは、X線自由電子レーザー(XFEL)施設SACLAの高品質な光を利用して、膜タンパク質が働く瞬間を原子レベルで、コマ送り動画のように捉えることに世界で初めて成功した。

 タンパク質は生命において重要な役割を果たしており、機能する瞬間にその形を変えることが知られている。しかし、従来のX線結晶構造解析法では止まっている状態しか観測できず、動いている状態の観測は困難でった。

 今回の研究では、XFEL施設を用いて動いているタンパク質の形を調べることができる実験装置を開発し、また、実際にSACLAの実験で光を受けて水素イオンを輸送する膜タンパク質を使い、膜タンパク質が働く瞬間の動画撮影に成功しましたもの。

 今回の成果により、タンパク質が「動いている」状態を原子レベルで解明することができるようになった。将来的には医薬品や機能性分子の設計開発など、医療や工業への幅広い応用も期待される。

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●科学技術書<新刊情報>●「日本企業は次に何を学ぶべきか」(鷲田祐一編著/同文館出版)

2016-12-29 13:11:45 | ●科学技術書・理工学書 <新刊情報>(2018年5月4日以前)●

 

<新刊情報>

 

書名:日本企業は次に何を学ぶべきか

編著者:鷲田祐一

発行:同文館出版 

 日本企業が世界で負けない競争力を再び獲得するためには?UX(消費者経験)、ローカルフィット、Japanブランド、人材活用、リバースイノベーションなど、様々な事例をもとに戦略立案や事業展開への新たな視点を提案する。

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●科学技術書<新刊情報>●「受動歩行ロボットのすすめ」(衣笠哲也、大須賀公一 、土師貴史著/コロナ社)

2016-12-27 09:08:20 | ●科学技術書・理工学書 <新刊情報>(2018年5月4日以前)●

 

<新刊情報>

 

書名:受動歩行ロボットのすすめ~重力だけで2足歩行するロボットのつくりかた~

著者:衣笠哲也、大須賀公一 、土師貴史

発行:コロナ社
 
 同書は受動歩行ロボットを実際につくって動かすことを目指す。Part Ⅰで第一義的に「つくる」ことを目指す。また、Part Ⅱでは数理的な考察が展開できるように、受動歩行ロボットの力学についてのポイントを述べる。
 
 

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★科学技術ニュース★東京電機大、リチウムイオン蓄電池の高容量化実現につながる正極材料を発見

2016-12-27 09:07:54 |    電気・電子工学

 東京電機大学工学部環境化学科の藪内直明准教授らの研究グループは、リチウムイオン電池用電極材料として酸素の酸化還元を充放電反応に用いる、汎用元素から構成された新規岩塩型酸化物の合成に成功した。

 近年、次世代の正極材料として「酸素分子」が注目されている。しかし、空気中の酸素分子を利用するリチウム・空気電池の理論エネルギー密度は高いものの、一般的なリチウムイオン電池と比較して構造が大きく異なり、実用化へ向けて解決すべき多くの課題がある。

 一方、同じ酸素を固体である「酸化物イオン」として用いることで、従来のリチウムイオン電池と全く同じ構造のまま、空気電池に匹敵するエネルギー密度を目指す研究が行われている。その結果、藪内准教授らは、昨年度までにニオブを用いることで高容量が得られることを確認した。

 しかし、ニオブは高価な元素であり、電気自動車やスマートグリッド用途への展開は難しいと考えられていた。そこで、ニオブ系材料の反応機構を詳細に解析した結果、ニオブをチタンに代替できる可能性を見出し、実際にチタン・マンガン系材料を合成したところ、ニオブ系材料以上の高エネルギー密度が得られることが確認できた。
 
 この新規チタン・マンガン系材料 (Li1.2Ti0.4Mn0.4O2) のエネルギー密度 (正極重量ベース) を評価したところ、既存の電気自動車用のリチウム電池で広く用いられているスピネル型リチウムマンガン酸化物 (LiMn2O4) やリン酸鉄リチウム (LiFePO4) を大きく上回る 1000 mWh/g 以上のエネルギー密度が得られることがわかった。

 

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