“科学技術書・理工学書”読書室―SBR―  科学技術研究者  勝 未来

科学技術書・理工学書の新刊情報およびブックレビュー(書評)&科学技術ニュース   

●科学技術書<新刊情報>●「ゲノム編集の衝撃」(NHK「ゲノム編集」取材班編著/NHK出版)

2016-10-31 10:54:51 | ●科学技術書・理工学書 <新刊情報>(2018年5月4日以前)●

 

<新刊情報>

 

書名:ゲノム編集の衝撃~「神の領域」に迫るテクノロジー~
 
編著:NHK「ゲノム編集」取材班

発行:NHK出版 

 生物の設計図、遺伝子。そこに書き込まれたすべての遺伝情報が、ゲノムだ。この驚異のテクノロジーは、ゲノムを〝編集〞することで、遺伝子を、そして生物そのものを変える。食料・エネルギー問題を解決する品種改良。根治できないとされてきた難病の治療。デザイナーベイビーという新たな課題。遺伝子を自由に操作する。ゲノム編集は、SFの世界を現実のものとした。同書は、次のノーベル賞候補と目される、この技術のメカニズムと最新成果を、国内外の研究者への取材を基に明らかにする。これは複雑な生命現象に、進化を続ける科学技術が対峙する瞬間を目撃したジャーナリストによるレポートである。

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◆科学技術テレビ番組情報◆NHK「サイエンスZERO」/BSフジ「ガリレオX」/BS朝日「WILD NATURE 地球大紀行」他

2016-10-31 10:54:29 |    ◆TV番組◆

 

<テレビ番組情報>

 

NHK-BSプレミアム  コズミックフロントNEXT   毎週木曜日 午後10時00分~11時00分
                                   再放送 翌週水曜日 午後11時45分~0時44分

11月3日(木) 休止

11月10日(木) ダイエット中? ブラックホールの意外な姿(再放送)

 今回の主役はブラックホール。でも、ブラックホールというと何でも吸い込んでしまう怖いイメージだ。しかし、その真逆のブラックホールがあるという。あるものは非常に活発であったり、あるものは実は非常におとなしかったりと、それぞれに個性があることがわかった。中でも天の川銀河の中心にあるブラックホールは、とても穏やかな性質を持っている。何も吸い込まない、ただの黒い球体だ。まるで人間のような個性をもつブラックホールだが、ある性質が深く関わっている。何でも吸い込むだけが特徴ではない、多種多様なブラックホール。その驚くべき素顔に迫る。

NHK-BSプレミアム  フランケンシュタインの誘惑~科学史 闇の事件簿~  
                                            毎月最終木曜日 午後9時00分~ 午後10時00分

11月24日(木) 水爆  裏切りと欲望の核融合

 Dr.ストレンジラブ(博士の異常な愛情)、これまでほとんど知られてこなかったエドワード・テラーの実像に迫まる。エドワード・テラー(1908年―2003年)は、ハンガリー生まれでアメリカに亡命したユダヤ人理論物理学者。アメリカの「水爆の父」として知られる。ローレンス・リバモア国立研究所は彼の提案によって設立された。

BS朝日 WILD NATURE 地球大紀行    毎週金曜日 午後9時~9時54分

11月4日(金) トラの王国!インド・ランタンボール国立公園~ベンガルトラの成長物語~

 インド北西部のランタンボール国立公園。環境破壊や密猟などで絶滅の危機にあるベンガルトラが住む「トラの王国」を、長年にわたり治めてきたメスのトラ、マッチェリ。10年以上に及び、湖畔の一等地を縄張りとして、時に勇猛に守り続け、多くの子孫を残し育ててきた。そして、貴重な生態を世界に伝えたことで、最も有名なトラとなった。時は過ぎ、年老いたマッチェリに世代交代が訪れた。闘いの末、長年支配し続けてきた縄張りを娘に明け渡した彼女は、新たな道を歩み始める。その力強い姿が多くの人々を魅了し、いつしか"トラの女王"と呼ばれるようになったマッチェリ。闘いと愛に満ちた成長の物語。

NHKテレビ Eテレ  地球ドラマチック    毎週土曜日 午後7時00分~7時44分
                              再放送 毎週月曜日 午前0時00分~0時44分

11月5日(土)  イヌ vs. ネコ ペット徹底対決!(1)

 人間にとって最もなじみ深い動物、イヌとネコ。それぞれの多種多様な能力を最新の科学の力で明らかにする。「知力」では、数量の違いを見分けられるかを実験するとともに、イヌとネコの脳化指数を比較。「感覚」では、暗視カメラを使って暗闇での視力を比べる。また、イヌの類いまれな嗅覚の秘密、ネコの驚くべき聴覚も明らかに。「運動能力」では、ジャンプ力や持久力をテスト。果たして軍配はどちらに?(2016年イギリス)

BSフジ   ガリレオX    毎週日曜日 午前11:30~12:00 (隔週新作)

11月6日(日) 動物園デザイナー~若生謙二の仕事~

 今年リニューアルオープンした山口県宇部市の「ときわ動物園」。園全体で「生息環境展示」と呼ばれる新たな取り組みをはじめ注目を浴びている。動物園デザイナー若生謙二の提唱する「生息環境展示」とは?

主な取材先:若生謙二(大阪芸術大学)
        宮下 実(ときわ動物園園長)
        ときわ動物園
        大阪市天王寺動物園
        よこはま動物園ズーラシア
        熊本市動植物園
        飯田市立動物園
        大阪府立農芸高校

NHKテレビ Eテレ  サイエンスZERO    毎週日曜日 午後11時30分~0時00
                                再放送毎週土曜日 昼12時30分~1時00分

11月6日(日) 木星最接近! 探査機ジュノー最新報告

 今年7月、NASAの探査機「ジュノー」が木星に到着した。人類がまだ見ぬ木星の北極や南極、さらに巨大オーロラなど、数々の絶景を捉えると期待されている。今回、10月19日に行われたジュノーの最新発表に密着し、ミッションの最高責任者スコット・ボルトン博士への単独インタビューも敢行。さらにハッブル宇宙望遠鏡が衛星エウロパから水蒸気のようなものの噴出を確認したニュースなど、木星の最新情報を届ける。

ゲスト:渡部 潤一 (国立天文台副台長)

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●科学技術書<新刊情報>●「研究するって面白い!」(伊藤由佳理編著/岩波書店)

2016-10-31 10:53:22 | ●科学技術書・理工学書 <新刊情報>(2018年5月4日以前)●

 

<新刊情報>

 

書名:研究するって面白い!~科学者になった11人の物語~

編著:伊藤由佳理

発行:岩波書店(ジュニア新書)

 数学、医学、化学、農学、薬学、生物など理系の専門分野で活躍する女性科学者11人による研究案内。それぞれの研究内容やその魅力を余すところなく伝えると共に、どのようにして進路を決め、今があるのかについても語る。時に迷い、回り道をしながらもまい進していく姿に元気や生きるヒントももらえる。 

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●科学技術書<新刊情報>●「設計の科学 創造設計思考法」(飯野謙次著/養賢堂)

2016-10-28 10:58:28 | ●科学技術書・理工学書 <新刊情報>(2018年5月4日以前)●

 

<新刊情報>

 

書名:設計の科学 創造設計思考法~失敗知識のウェブ脳モデル~
 
著者:飯野謙次

発行:養賢堂

 同書では、新しい試みとして、これまで書き込まれることがほとんどなかった 「人による操作や判断」 を思考展開図に積極的に書き込んだ。これは,同書が失敗学を創造設計に積極的に組み込み、創造設計をより効果的に進める、すなわちすばやく有効解にたどり着くことを目指すためである。失敗事例を考えるときに、ヒューマンファクターを除外することはできない。また、創造設計で設計者が採用したすべての設計要素と、事故事例を集積した知識ベースに記録されている失敗要素 (失敗の軌跡) を自動的に比較するには、ヒューマンファクターは教訓として扱うだけではなく、解析のメカニズムに取り入れなければならない。創造と失敗は表裏一体である。失敗なくして創造はないし、創造活動をすれば、失敗は付き物である。同書は、創造設計に挑戦する者が、ウェブ技術を利用して他所で得られた失敗知識を活用し、有効な設計解を見つけるための手法を解説するもの。

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★科学技術ニュース★理研、嬉しい体験細胞と嫌な体験細胞は別領域で互いに抑制することを発見

2016-10-28 10:58:07 |    生物・医学

  「嬉しい」「嫌だ」といった情動体験は、その体験に特有な行動を引き起こします。マウスでは、嬉しい体験は繰り返そうとし、嫌な体験にはすくみ行動(じっとその場に動かなくなる行動)をとったり、その体験を避けたりする。これまでの研究により、どちらのタイプの行動も脳内の扁桃体にある基底外側核の働きによって引き起こされることが知られていた。しかし、嬉しい体験で働く神経細胞(嬉しい体験細胞)と嫌な体験で働く神経細胞(嫌な神経細胞)が基底外側核内で混在している説と異なる領域に局在している説があり、これまでその詳細は不明であった。

 今回、理研の研究チームは、行動中に活動した神経細胞を標識する遺伝学的手法を用いて、嬉しい体験細胞と嫌な体験細胞の特徴を調べた結果、嬉しい体験細胞は、Pppr1r1b遺伝子を発現し扁桃体基底外側核の“後方”に局在し、嫌な体験細胞は、Rspo-2遺伝子を発現し扁桃体基底外側核の“前方”に局在していることが分かった。

 また、マウスの脚に軽い電気ショックを与えながら、嫌な体験細胞の働きを「光遺伝学」で人工的に抑えるとすくみ反応が減少した。

 また、マウスが鼻先を壁の穴に入れると報酬の水をもらえる装置で、マウスが水をもらっている最中に嬉しい体験細胞の働きを人工的に抑えると、鼻先を穴に入れる回数が減少した。

 このことから、嬉しい体験細胞および嫌な体験細胞の活動が、それぞれの体験に特有な行動を“実際に”引き起こすことが明らかになった。

 さらに、電気生理学的手法を使って、嬉しい体験細胞と嫌な体験細胞は、それぞれの働きを“互いに抑制し合う”ことを突き止めた。

 今後、うつ病に代表されるような情動障害において、嬉しい体験細胞と嫌な体験細胞を別々に操作することができれば、新しい治療法の開発への道を拓くことができる。また、それぞれの細胞群の特徴に照準を絞って治療薬の探索を行うことで、より的確な情動障害治療の創薬につながると期待できる。


 

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●科学技術書<新刊情報>●「金融情報システムのリスクマネジメント」(遠藤正之著/日科技連出版社)

2016-10-28 10:57:37 | ●科学技術書・理工学書 <新刊情報>(2018年5月4日以前)●

 

<新刊情報>

 

書名:金融情報システムのリスクマネジメント~大規模開発からFinTechまで6観点(CORE-OQ)の戦略的適用~
 
著者:遠藤正之

発行:日科技連出版社
 
 金融事業者の情報システム(金融情報システム)は、重要な社会インフラである一方、FinTechと呼ばれるイノベーションの流れが注目されている。経営戦略を実現するためには、金融情報システムで障害を発生させないリスクマネジメントを行いながら、イノベーションを促進させるという、難しい運営が必要となる。同書は、延べ800項目のマネジメント項目を経営者視点で集約した「リスクマネジメント戦略の6観点(CORE-OQ)」により、大規模システム開発からFinTech対応に至る経営視点を提言し、金融情報システム関係者の羅針盤となるもの。

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●科学技術書<新刊情報>●「数学フリーの『物理化学』」(小林 憲正著/筑摩書房)

2016-10-27 10:43:56 | ●科学技術書・理工学書 <新刊情報>(2018年5月4日以前)●

 

<新刊情報>

 

書名:数学フリーの「物理化学」

著者:齋藤勝裕

発行:日刊工業新聞社 

 物理化学は理論化学であり、すべての化学の基礎。同書は、その物理化学について、数式をできるだけ使わずに、学問の重要な部分をイメージで理解し、技術者の素養を育てる本。同書には、数式は四則演算を除けばほとんどない。その分をグラフや図表、イラストなどで補っている。数式が嫌いな人でも苦労することなく、知らず知らずのうちに物理化学の果実を十分に堪能することができる。

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★バイオニュース★王子HD、2017年後半にCNFの透明連続シートの生産設備を導入 

2016-10-27 10:43:38 |    ★バイオニュース★

 王子ホールディングスは、セルロースナノファイバー(CNF)の透明連続シートの生産設備を導入する。
 
 同社は、太さ3‐4ナノメートルという超極細CNFを用いて、2013年に透明連続シート製造に世界で初めて成功した。以降、製造方法の改良を重ね、現在では木質原料(紙)でありながらガラス並みの透明度を持った高機能連続シートの製造が可能となった。

 今回、新たに生産設備を導入し、提供規模を拡大すると同時に、事業化に向け量産時術を確立することになったもの。

 生産能力:約25万㎡/年(当初、将来は100万㎡/年まで拡大)

 稼働時期:2017年後半

 

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★科学技術ニュース★NTTとNII、光を使って難問を解く新しい「量子ニューラルネットワーク」を開発

2016-10-27 10:43:20 |    情報工学

 内閣府総合科学技術・イノベーション会議が主導する革新的研究開発推進プログラム(ImPACT)の山本喜久プログラム・マネージャーの研究開発プログラムの一環として、NTT物性科学基礎研究所、国立情報学研究所(NII)らのグループは、現代コンピュータでは効率よく解くことが困難とされている組合せ最適化問題の解を高速に求める「量子ニューラルネットワーク」を実現した。

 インターネット、電力ネット、センサネットなど、社会を構成する様々なネットワークが大規模化・複雑化する現在、リソースの最適化が重要な課題となっている。これらの課題の多くは組合せ最適化問題と呼ばれる、現代コンピューターが苦手とする数学的問題に帰着することが知られている。

 量子ニューラルネットワークは、光パラメトリック発振器と呼ばれる新型レーザの発振振幅を用いてスピンを表した時、相互作用する多数のスピンが全体のエネルギーを最低とするようなスピン配列で発振する現象を利用して、組合せ最適化問題の解を探索するもの。

 今回、各光パラメトリック発振器の振幅を光ホモダイン検波器で測定し、得た情報を帰還する「量子測定フィードバック」を実装することで、全ての光パラメトリック発振器間の結合が可能な量子ニューラルネットワークを実現した。

 これにより、最大2,000ノード・200万結合の大規模組合せ最適化問題の解探索に成功し、現代コンピューター上で動作する既存アルゴリズムを凌駕する性能を示した。

 今後、創薬、無線通信、圧縮センシング、深層学習といった実社会の様々な組合せ最適化問題への本成果の適用が期待される。

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●科学技術書<新刊情報>●「シリコンバレー発 アルゴリズム革命の衝撃」(櫛田健児著/朝日新聞出版)

2016-10-27 10:42:56 | ●科学技術書・理工学書 <新刊情報>(2018年5月4日以前)●

 

<新刊情報>

 

書名:シリコンバレー発 アルゴリズム革命の衝撃~アメリカで起きていること、これから日本で起きること~

著者:櫛田健児 

I発行:朝日新聞出版

 アルゴリズム革命とは、情報処理能力の飛躍的向上により、あらゆる人間活動が計測され機械によって代替される流れのこと。フィンティック、IoT、クラウドコンピューティング、AIなど、シリコンバレーの最先端の動きとこれから日本で起こることを、スタンフォード大学の研究員がわかりやすく解説。

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