“科学技術書・理工学書”読書室―SBR―  科学技術研究者  勝 未来

科学技術書・理工学書の新刊情報およびブックレビュー(書評)&科学技術ニュース   

●科学技術書・理工学書<新刊情報>●「20XX年のパンデミック」(浦島 充佳著/化学同人)

2022-11-30 09:35:14 |    生物・医学



<新刊情報>



書名:20XX年のパンデミック

著者:浦島 充佳

発行:化学同人(DOJIN選書)

 20XX年、新型ニパウイルス感染症が発生!そのとき何が起きるのか? 新型コロナ、SARS、ニパ感染症、エイズ、エボラ出血熱、天然痘……。人類が経験してきたパンデミックには、ターニングポイントとなる出来事があった。そしてその出来事のさらに上流には、一見些細な要因と得難い教訓が存在する。この教訓を、未知の感染症対策として活かすことはできないだろうか。同書では、パンデミックの裏で紡がれた人間ドラマに焦点を当てるとともに、ありうる未知の感染症パンデミックの可能性を仮想シナリオとして提示し、日本と世界の対応をシミュレートする。ウィズコロナを見据えながら、過去のパンデミックに学び、「パンデミックX」への備えの重要性を説く。
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●科学技術ニュース●NEC、ENEOSが新たに開始するEV経路充電サービス向けにマルチ認証・課金システムを提供

2022-11-30 09:34:50 |    輸送機器工学
 NECは、ENEOSが2022年11月21日より新たに提供開始する電気自動車(EV)の経路充電における急速充電サービス「ENEOS Charge Plus」向けに、多様な認証手段と決済に対応したマルチ認証・課金システムを提供する。

 昨今、地球温暖化への対応として脱炭素化が世界的な潮流となる中、NECとENEOSは、脱炭素化に寄与するEVの更なる普及に向けて2021年5月にEV充電事業に関する協業検討の基本合意書を締結した。

 同協業検討の取り組みの一つとして、2022年6月に、NECが商業施設等で展開してきたEV充電サービス事業の運営をENEOSに譲渡し、EV充電器の運用管理システムをNECが引き続き担うかたちで両社の強みを活かした新たな事業スキームを構築した。

 今回のマルチ認証・課金システムについても協業検討の一環としての新たな取り組みとなる。

 ENEOSが全国12,000カ所超のSSネットワークを活かしてEV急速充電器の設置拡大を目指す中、NECは、EV充電器向けのマルチ認証・決済エッジ端末の開発・導入から、充電の状況・実績を管理するマルチ認証・課金クラウドサービスまでをトータルで提供する。

 今回提供したマルチ認証・決済エッジ端末は、FeliCaなどの非接触型ICカード認証や、電子マネー・非接触クレジットカード・QRコードなど様々な決済方法に対応しており、EV利用者の多様なニーズに応えることでENEOSが目指す利便性の高い充電サービスの実現へ寄与していく。<NEC>
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●科学技術ニュース●NIMS、太陽光に対し20%以上の発電効率 を維持しながら1,000時間以上の連続発電に耐えるペロブスカイト太陽電池 を開発

2022-11-30 09:34:23 |    化学
 物質・材料研究機構 (NIMS) は、太陽光に対して20%以上の光電変換効率 (発電効率) を維持しながら、1,000時間以上の連続発電に耐える耐久性の高いペロブスカイト太陽電池 (1 cm角) を開発した。

 この太陽電池は、約100 ℃でプラスチック上に作製できるため、汎用太陽電池の軽量化も可能にする。

 太陽電池は、脱炭素政策の一翼を担い、世界各国で精力的に研究が進められている。従来の太陽電池よりも製造コストが安く加工しやすい次世代太陽電池として、ペロブスカイト太陽電池が注目されている。

 しかし、ペロブスカイト太陽電池は水分との反応により劣化しやすく、高い光電変換効率と長期耐久性の両立が課題であった。

 一般的なペロブスカイト太陽電池は、ペロブスカイト層が太陽光を吸収して、電子と正孔を発生させ、この電子と正孔は、ペロブスカイト層に隣接する電子輸送層 (電子を取り出して輸送する) と正孔輸送層 (正孔を取り出して輸送する) へ移動することで電流として取り出される。

 そのため、各層と界面での電子と正孔のスムーズな移動を保ちつつ、水分子を遮蔽する界面制御が、発電効率と耐久性を両立させる鍵であった。

 同研究では、電子輸送層とペロブスカイト層 (ABX3で記述される結晶構造でA= ホルムアミジニウムイオン(FA+), Cs+ ,Rb+、B=Pb2+、X=I-のFA0.84Cs0.12Rb0.04PbI3ペロブスカイトを形成した) の界面にフッ素原子を有する (撥水性を有する) ヒドラジン誘導体 (5F-PHZ) を導入した。

 これにより、電子輸送層を通じてペロブスカイト層に侵入する水分子を遮断することで、太陽電池の耐久性を高め、発電ロスの原因となるペロブスカイト表面欠陥の形成を抑えることに成功した。

 また、正孔輸送層とペロブスカイト層の界面にホスホン酸誘導体 (MeO-2PACz) を導入することにより、正孔輸送層の欠陥を極小化でき、太陽電池の効率を向上させることができた。

 同成果を利用して、界面に導入可能な種々の分子をデータベース化し、データ駆動型研究により、界面制御のための分子設計を行うことによって、さらに高効率で耐久性の高いペロブスカイト太陽電池の研究を進めていく。<物質・材料研究機構 (NIMS) >
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●科学技術書・理工学書<新刊情報>●「これからの 集合と位相」(梅原雅顕、一木俊助著/裳華房)

2022-11-30 09:33:53 |    数学



<新刊情報>



書名:これからの 集合と位相

著者:梅原雅顕、一木俊助

発行:裳華房
 
 単なる基本事項の羅列ではなく、議論の流れが読み取れるような形にまとめ、自習にも利用できるテキストを目指した。前半の「集合論」の部分では、とくに、選択公理や整列集合の意味などについて、他書にはない独自の丁寧な解説を与えている。後半の「位相空間」については、通常の授業で扱われる内容の解説のほか、「リンデレーフ空間」「パラコンパクト性」などの、若干高度と思われる重要事項の多くを、テーマごとに付録で採り上げた。さらに、近年の「圏論」の普及に伴い、空集合・空写像の概念が重要視されつつあることをふまえ、付録の最終節として、空集合の扱いについての解説を掲載した。随所にほどこされた細やかな配慮と、充実の収録内容。集合と位相の「新しいスタンダード」がここに。
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●科学技術書・理工学書<新刊情報>●「日本人はなぜ科学より感情で動くのか」(石浦 章一著/朝日新聞出版)

2022-11-29 09:35:27 |    科学技術全般



<新刊情報>



書名:日本人はなぜ科学より感情で動くのか~世界を確率で理解するサイエンスコミュニケーション入門~

著者:石浦 章一

発行:朝日新聞出版

 コロナ禍などの不幸な出来事が起きた時ほど、私たちは科学に正解を求めがちだ。しかし現実には、科学は100%の答えを提供してはくれない。そんな科学を生活に役立てるためのサイエンスコミュニケーションについて、身近な話題を通して解説する。
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●科学技術ニュース●三菱電機、業界最高クラスの高効率電力変換を実現する「DC(直流)マルチ電圧システム」を開発

2022-11-29 09:35:00 |    電気・電子工学
 三菱電機は、DC(直流)750V以下の中低圧直流配電システム向け電力変換器として、SiCパワー半導体素子を適用し、業界最高クラスの電力変換効率を実現する「DCマルチ電圧システム」を開発した。

 同社のZEB(net Zero Energy Building:建物で消費する年間の一次エネルギー収支ゼロを目指した建物)関連技術実証棟「SUSTIE(サスティエ)」(神奈川県鎌倉市)にこのシステムを導入した直流配電網を構築し、その効果と安定性を確認する実証試験を2022年11月18日から開始した。

 近年、温室効果ガス排出を実質ゼロにするカーボンニュートラルの実現に向けた取り組みが世界的に加速している。

 多くの国内企業においても、温室効果ガス排出削減をはじめとした環境課題解決に向けた取り組みが行われており、再生可能エネルギーの導入や省エネルギー設備の開発が進められている。

 中でも直流配電システムは、太陽光発電などの再生可能エネルギーとそれを蓄える蓄電池との親和性が高く、既存の交流配電システムと比べて電力変換損失が少ない次世代の電力供給システムとして注目されている。

 その一方、接続する複数の設備機器に対して最適な電圧を出力するためには変換器を多数配置する必要があり、電力変換器のさらなる低損失化とシステム全体の小型化が課題であった。

 同社は今回、電力変換器にSiCパワー半導体素子を適用し、高い電力変換効率を維持したまま主回路部品を小型化して、ひとつの盤に複数の変換器を搭載した「DCマルチ変換器盤」と、複数の設備機器に対して、空調や照明などそれぞれの接続機器(負荷)に応じた最適な電圧を供給できる新たな「マルチ電圧給電回路」を開発した。

 これにより、従来比で電力変換器の電力損失を45%低減するとともに、変換器盤の体積を20%、質量を36%低減し、設置場所の省スペース化が可能。

 また、設備機器への供給電圧を最適化することにより、既存の交流配電システムと比較して受配電損失を20%低減でき、温室効果ガス排出量の削減に貢献する。<三菱電機>
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●科学技術ニュース●NIMS 、北海道大学と山口大学、超高分子量ポリマーの絡み合いで簡便に創製できる自己修復ゲルを開発

2022-11-29 09:34:19 |    化学
 物質・材料研究機構 (NIMS) 、北海道大学大学院生命科学院、および山口大学からなる研究チームは、巨大タンパク質や天然ゴムなどに匹敵する100万を越える分子量を持つ超高分子量ポリマーと不揮発なイオン液体からなる自己修復ゲル材料を、極めて簡便に創製する手法を開発した。

 このポリマーはリサイクル性に優れ、循環型経済に資するだけでなく、IoT基盤技術に必須の高耐久性フレキシブルデバイス用イオン伝導材料への応用が期待される。

 自発的に損傷部分を修復することで耐久性を向上させる自己修復高分子材料は、循環型経済の観点から大きな注目を集めている。

 近年、例えば水素結合の様に可逆に結合・解離を繰り返す特殊な官能基を高分子ネットワークに導入するといった化学的なアプローチによる研究が盛んに進められていたが、そのような自己修復材料ではしばしば精密な合成手法や複雑な製造プロセスを要求される場合があった。
 
 一方で、高分子鎖の絡み合いといった高分子材料が普遍的に持つ特徴を利用した物理的アプローチによる汎用性のより高い自己修復高分子に関する研究は殆ど行われていなかった。

 今回同研究チームは、イオン液体中では重合反応が効率良く進む特性を利用することで、非常に分子量が高い高分子の絡み合いから形成される「超高分子量ゲル」を簡便に創製する手法を見出した。

 化学架橋剤を用いた従来のゲルと比較して、この超高分子量ゲルは優れた力学特性を示し、熱成型によるリサイクルも可能となる。さらに超高分子量ゲルは室温で高い自己修復機能を示した。

 リサイクル性および自己修復性を持つゲル材料を簡便かつ汎用的な方法で創製できる同研究成果は、循環型経済の観点から重要であると考えられる。また不揮発・不燃性なイオン液体を溶媒とする高分子ゲルは、フレキシブルエレクトロニクスに用いる安全なイオン伝導材料として有望視される。<物質・材料研究機構 (NIMS)>
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●科学技術書・理工学書<新刊情報>●「物理学レクチャーコース 力学(Mechanics)」(山本貴博著/裳華房)

2022-11-29 09:33:42 |    物理



<新刊情報>



書名:物理学レクチャーコース 力学(Mechanics)

著者:山本貴博

発行:裳華房
 
 物理学の教育・学びの双方に役立つ21世紀の新たなガイドとなることを目指し、多様化する“大学の講義と学生のニーズ”に応えるものとして刊行された、「物理学レクチャーコース」の一冊。同シリーズでは、講義する先生の目線で内容を吟味する編集委員に加え、国立科学博物館認定サイエンスコミュニケーターの須貝駿貴さんと予備校のノリで学ぶ「大学の数学・物理」講師のヨビノリたくみさんに編集サポーターとして加わり、学習する読者の目線で、テキストの内容がよりわかりやすく、より魅力的なものになるように内容を吟味していただいたことも、大きな特徴の一つとなっている。「惑星の運動(地上に落ちてこない星々)」と「地上での様々な物体の運動(地上に落下する諸物体)」とが矛盾しない「天と地の統一理論」の構築に成功した、人類史上最高傑作の1つといえる、この知的創造物こそが「力学」であり、力学は、物理学の中で最初に完成した理論体系である。同書は、物理学科向け通年タイプの「力学」の講義に対応したもので、取り扱った内容は、ところどころ発展的な内容も含んではいるが、大学で学ぶ力学の標準的な内容となっている。したがって、本文中に登場する数式を1つ1つ丁寧に追いかけ、Exercise・Training、さらにはPracticeを活用しながら同書で力学を学び終えれば、「大学レベルの力学は身に付けた」と自信をもてる内容となっている。さぁ、紙と鉛筆を持って、力学の冒険に出かけよう!
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●科学技術書・理工学書<新刊情報>●「ザ・メタバース」(マシュー・ボール著/飛鳥新社)

2022-11-28 09:36:09 |    情報工学



<新刊情報>



書名:ザ・メタバース~世界を創り変えしもの~

著者:マシュー・ボール

訳者:井口耕二

発行:飛鳥新社

 ザッカーバーグも、エピックゲームズのティム・スウィーニーも同書の著者による「メタバース」の分析に大きな影響を受けてきた。「メタバース」がここまで広がる元になった伝説のウェブ記事を書いた第一人者が、渾身の書き下ろし。全米で話題の決定版が、ついに日本上陸。「ウォール・ストリート・ジャーナル」ベストセラー。米アマゾン「エディターが選ぶノンフィクション」に選出。
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◆科学技術<テレビ番組情報>◆NHK「サイエンスZERO」/BSフジ「ガリレオX」他>

2022-11-28 09:35:47 |    ◆TV番組◆



<テレビ番組情報>




コズミック フロント  NHK‐BSプレミアム  毎週木曜日 午後10時~11時00分

12月1日(木) 雷 〜知られざる全貌に迫る〜

 地球上では1日350万回も発生するというカミナリ。しかしどうして起きるのかは未だよくわかっていない。最新の機材による撮影と研究者との協力によってその全貌に迫る。

地球ドラマチック  NHK‐Eテレ  毎週土曜日 午後7時~7時45分

12月3日(土) 生き物たちの“超”能力 水に生きる

 水の中に進化の道を見出した生き物たち。その体の秘密を詳細なCGで解き明かす。カジキの武器の秘密、待ち伏せ型のハンター、オコゼのすご技。シャコの超高速パンチ。テッポウウオが水で狩りをできる理由。ワニガメの耐久戦に密着。サメの仲間オオセは獲物を誘惑!?ギチベラが隠し持つナイフとは?特殊な”レーダー”をもつカモノハシなど、個性的な進化を遂げた生き物の狩りの秘密が明らかに。(オーストラリア2021年)

ガリレオX  BSフジ  毎週日曜日 午前11:30~12:00分(隔週新作)

12月4日(日) メタバースから現実世界へ 進展するメタバース先端技術(再放送)

 コンピューター上に作られた人工的な仮想空間「メタバース」は、真新しさも無いし、流行らない!っと思うかも知れない。ところがメタバースは、既に私達の実生活を変えつつあるようだ。最先端のメタバースの技術研究では、人の感触を再現したり、臓器をメタバース上に再現し医療に活かす研究が進んでいるという。メタバースによって社会が目まぐるしく変化する前に、その未来技術の最前線に迫る。

主な取材先:篠田 裕之(東京大学)
      西田 幸二(大阪大学)
      分身ロボットカフェ DAWN ver.β
      アドビ
      ミズノ

サイエンスZERO  NHK‐Eテレ  毎週日曜日 午後11時30分~0時00

12月4日(日) 睡眠・持久力・肥満まで! 腸内細菌がもたらす驚異のパワー

 腸内細菌と私たちの深すぎる関係に迫る。腸内細菌が、睡眠・筋力・太りやすさにまで影響を与えていた!?持久力や長寿との関連が示唆される菌も。キーワードは腸内細菌が生み出す物質。酪酸やプロピオン酸などの代謝物が、血管などを介して全身に影響をもたらすことが明らかになってきた。多様な腸内細菌を育むコツも大紹介。腸内に共生する1000種類100兆の細菌と、私たちはどうつきあっていけばいいのか考える。
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