<新刊情報>
書名:私たちは今でも進化しているのか?
著者:マーリーン・ズック
翻訳:渡会圭子
発行:文芸春秋
ハワイ諸島の雄コオロギは寄生バエの攻撃から逃れるために、突然変異により羽音を出す器官を消失し、わずか5年で鳴かないように進化した。他にもガラパゴス・フィンチやグッピー、ヒキガエル、キスイガメなど、動物界では急速な進化を遂げた例が多数見つかっている。進化には、何百万年という途方もない時間がかかるという考えは誤りだ。
<新刊情報>
書名:私たちは今でも進化しているのか?
著者:マーリーン・ズック
翻訳:渡会圭子
発行:文芸春秋
ハワイ諸島の雄コオロギは寄生バエの攻撃から逃れるために、突然変異により羽音を出す器官を消失し、わずか5年で鳴かないように進化した。他にもガラパゴス・フィンチやグッピー、ヒキガエル、キスイガメなど、動物界では急速な進化を遂げた例が多数見つかっている。進化には、何百万年という途方もない時間がかかるという考えは誤りだ。
海洋研究開発機構(JAMSTEC)海洋生命理工学研究開発センターの布浦拓郎主任研究員らと東京工業大学、横浜市立大学、東京大学の共同研究グループは、世界最深の海であるマリアナ海溝チャレンジャー海淵内の超深海(水深6000m以深)水塊(水温や塩分などの特性が比較的均質な海水の広がり)中に、上層に拡がる深海水塊とは明瞭に異なる微生物生態系、即ち、独自の超深海・海溝生命圏が存在することを世界で初めて明らかにした。
その結果、海溝内超深海層と上方の深海層(水深4000~6000m)では、塩分、温度、栄養塩濃度等の物理化学環境からも、また微生物数にも明瞭な違いが見られないにも関わらず、超深海の微生物群集構造は、深海層の微生物群集とは明瞭に異なり、従属栄養系統群が優占することが明らかになった。
このことは、超深海環境特有の有機物源に依存する微生物生態系が超深海で発達していることを示唆しており、海洋微生物生態系像に全く新たな知見をもたらすもの。
<新刊情報>
書名:もしも、アインシュタインが間違っていたら?
編著:ブライアン・クレッグ
訳者:広瀬 静
発行:すばる舎
アルベルト・アインシュタインをはじめたとした偉大な先人たちを悩ませた物理学の大問題……。「タイムトラベルはできるのか?」「『並行宇宙(パラレルワールド)』はあるのか?」「ブラックホールに入ってしまったら?」「『原子』を目にすることはできるのか」。いまだに謎めく宇宙の謎も、難解な量子学も、古き良き時代の古典物理学も、最新のテクノロジーも、本書で一気に学べる。
科学技術振興機構(JST)戦略的創造研究推進事業において、東京大学の桜井貴康教授、染谷 隆夫教授らの研究グループは、室内光で発電し、音で発熱を知らせる、有機集積回路を用いた腕章型フレキシブル体温計の開発に成功した。
開発したフレキシブル体温計は、有機集積回路、温度センサー、フレキシブルな太陽電池とピエゾフィルムスピーカーで構成される。
温度センサーは、検知温度が設定可能な抵抗変化型のセンサーで、高分子フィルム上に作製されているため、装着感のない柔らかさを実現した。
また、有機集積回路とピエゾフィルムスピーカーを用いることで、フレキシブルな電子ブザーを開発した。有機集積回路を用いて音を発生させたのは、世界で初めて。
さらに、さまざまな明るさの部屋でフレキシブル体温計を使用できるようにするための電源回路も開発した。
このフレキシブル体温計は人の上腕部に取り付けられ、体温を常時モニターする。そして、体温が設定したある温度を超えると「発熱している」と判断して、周囲に音で知らせる機能を持つ。
この一連の動作は全て、室内光で発電される電力で賄うことができるため、電池交換などのメンテナンスは不要。このような電源回路を有機トランジスターだけで実現したのも世界で初めて。
<新刊情報>
書名:スマホに満足してますか?~ユーザインタフェースの心理学~
著者:増井俊之
発行:光文社(光文社新書)
コンピュータのハードウェアは、昔に比べて何百万倍も進化しているのに、あまり使いやすくなっているようには感じられない。また、爆発的に普及したスマホは知的生産には不向きで、流れてくる情報を見るだけの時間潰しのツールになっている。本来コンピュータは、人間の能力を拡大し、いつでも/どこでも/誰でも使えるツールとして構想されてきたものだ。では、その方向に正しく進化するにはどうすればいいのか?ユーザインタフェースの第一人者が、豊富な事例を交えながらわかりやすく解説する。
東京大学大学院理学系研究科地球惑星科学専攻の船守展正准教授らの研究グループは、物質構造科学研究所等の高圧地球科学およびミュオン物性科学の研究グループと共同で、ミュオン・スピン回転法を用いて、石英の高圧相鉱物であるスティショフ石に注入されたミュオン(µ+、ミュー粒子)の状態を調べ、それが電子1個を束縛したミュオニウムとして格子間位置に存在することを発見した。
ミュオンはプロトン(H+、陽子)の軽い放射性同位体として物質中のプロトンの状態を模擬する粒子であり、ミュオニウムは中性水素原子(H0)に相当することから、スティショフ石中の格子間位置に原子状態の中性水素が存在する可能性が示唆される。
これは、岩石を構成するケイ酸塩鉱物中で、水素は水酸基(=水)として存在するとされてきた定説に一石を投じるものであり、地球深部の水素循環のメカニズム解明に向けて新たな可能性を開くものと期待される。
<テレビ番組情報>
NHKテレビ Eテレ サイエンスZERO 毎週日曜日 午後11時30分~0時00
再放送毎週土曜日 昼12時30分~1時00分
3月1日(日) シリーズ 原発事故(13) 謎の放射性粒子を追え!(アンコール放送 )
福島第一原発の事故で大量に放出された放射性物質・セシウム。放射線量などをもとにその汚染状況が調査されてきたが、実際の化学的形態はよく分かっていなかった。しかし、電子顕微鏡を用いた巧みな調査で、不溶性の球形粒子として存在するものも多いことが明らかになった。従来想定されていた水溶性粒子とは体内や環境中でのふるまいが異なるため、健康影響の推定などにも違う考え方が必要だ。どのくらいの影響が懸念されるのか。
ゲスト:森口 祐一 (東京大学教授)
出演者:竹内 薫 (サイエンス作家)/南沢奈央 (女優)/江崎 史恵 (アナウンサー)
TBSテレビ 夢の扉+ 毎週日曜日 午後6時30分~7時
BS-TBS:毎週木曜日 午後11時~
3月1日(日) “それでも、私はあきらめない”~言葉の力スペシャル~
夢を実現させた挑戦者たちの“知られざる物語”
今回の「言葉の力SP」では、3人の主人公の知られざるストーリーに迫る。一人は、日本屈指の女性工学博士、大島まり。脳動脈瘤の破裂リスクの解析に挑むが、男社会の工学分野で、女性であるがゆえの悩み、数々の苦労を経験してきた・・・。そんな大島は、どうやって“どん底”を切り抜けることができたのか?二人目は、凄腕の内視鏡外科医 金平永二。“傷あとを残さない手術”を一人でも多くの患者に行うため、大学病院を飛び出しフリーランスの道を選んだ金平が、フリーであるがゆえに受けた逆風を、跳ね返した方法とは?そして、アクセルとブレーキの踏み間違い事故を防ごうと、その二つを一体化させた「ワンペダル」を開発した鳴瀬益幸。自動車業界からは見向きもされない日々を打破する鍵となったのは?彼らの“あきらめなかった物語”から、人生を切り拓くヒントがきっと見つかるはず―。
ドリームメーカー:東京大学大学院 教授 大島まり
内視鏡外科医 金平永二
ワンペダル開発者 鳴瀬益幸
ナレーター:坂口憲二
BSフジ ガリレオX 毎週日曜日 午前11:30~12:00 (隔週新作)
2月22日(日) バイオロギング 小型センサーでのぞく 動物だけの世界!(再放送)
バイオロギングとは、小型のセンサーを動物につけて、その行動を記録する新しい研究手法だ。センサーの技術革新により、動物の移動場所だけでなく運動性能や採餌、生理状態、認知能力、社会性に至る情報を、たった一匹の動物から得られるようになってきた。これまで、棲息場所までおもむき、見て歩くほかなかった野生動物の生態研究が様変わりをしている。バイオロギングにより次々と明らかになる動物たちの謎の生態のほんの一端を紹介する。
キャスト:奥山 隼一 (京都大学大学院)
市川 光太郎 (京都大学大学院)
島谷 健一郎 (統計数理研究所)
渡辺 伸一 (福山大学)
BS朝日 BBC地球伝説 毎週火曜日 午後7時~8時54分
3月3日(火) 驚くべき動物たち
①ヒョウ・ライオン・タカ -最強のハンター
②クマ・キツネ -生きのびる力
自然界の最強のハンター、ヒョウやライオン、タカ。 厳しい環境で暮らすクマやキツネ。彼らは、どのようにして現代まで生き抜いてきたのだろうか? 最新の調査結果と詳細なCGによって、その知られざる秘密に迫る!
NHK-BSプレミアム コズミック フロント 毎週木曜日 午後10時00分~11時00分
再放送 月曜日 午後11時45分~0時44分
2月26日(木) 休止
NHKテレビ Eテレ 地球ドラマチック 毎週土曜日 午後7時00分~7時44分
再放送 毎週月曜日 午前0時00分~0時44分
2月28日(土) 帰ってきた 珍鳥ヤツガシラ~アルプスを越えて~(アンコール放送)
鮮やかなオレンジ色で、頭に飾り羽のある鳥、ヤツガシラ。春になると、アフリカからヨーロッパに飛来する渡り鳥だ。農村の開発が進む中、数が激減しているが、オーストリアにはヤツガシラが戻り始めた村がある。人々が努力をして、ヤツガシラがすみやすい、人と自然の調和がとれた環境がよみがえったのだ。美しい田園地帯の四季の移ろいの中で、人と自然が織り成すハーモニーを描く。(2012年オーストリア)
<新刊情報>
書名:イラストレイテッド 光の科学
監修:大津元一
著者:田所利康 ・石川謙
発行:朝倉書店
豊富な写真とカラーイラストを通して、教科書だけでは伝わらない光学の基礎とその魅力を紹介。波としての光の性質/ガラスの中で光は何をしているのか/光の振る舞いを調べる/なぜヒマワリは黄色く見えるのか。
産業技術総合研究所(産総研)の研究チームは、カーボンナノチューブ(CNT)を用いた透明導電膜の導電性の長期安定性を飛躍的に改善する技術を開発した。
今回開発したCNT透明導電膜では、ヨウ化銅などの金属ハロゲン化物のナノ粒子を薄膜内で成長させることで、ナノ粒子がCNTをつなぎ合わせたハイブリッド構造となっている。
基材の透過率の85 %を保持しながら、シート抵抗(表面抵抗率)は60Ω/□であり、CNT透明導電膜として実用化に十分な高い透明性と導電性を示す。
また、従来の導電性を向上させるためのドーピング技術で課題とされていた、大気保管中のシート抵抗値の長期安定性を実現した。
CNTの柔軟な性質を生かしたフレキシブルな導電部材として、タッチパネル、センサー、フレキシブル太陽電池などへの応用が期待され、また、伸縮性が必要となるウェアラブルエレクトロニクスへの応用も期待できる。
<新刊情報>
書名:逆問題の考え方~結果から原因を探る数学~
著者:上村豊
発行:講談社(ブルーバックス)
「逆問題」とは、「結果から原因を推定する」数学の一分野のこと。古典物理学で説明不可能な現象が顕在化し、その限界が意識され始めた19世紀末ごろから、観測結果に基づいて現象の原因を決定するという、逆問題の研究が始まり、大きな数学の研究分野に成長した。