“科学技術書・理工学書”読書室―SBR―  科学技術研究者  勝 未来

科学技術書・理工学書の新刊情報およびブックレビュー(書評)&科学技術ニュース   

●科学技術書・理工学書<新刊情報>●「計算する生命」(森田真生著/新潮社)

2021-04-30 09:40:46 |    生物・医学

 

<新刊情報>

 

書名:計算する生命

著者:森田真生

発行:新潮社

 「人間が機械を模倣する」計算が加速し続ける現代にあっても、人は、記号を操って結果を生み出すだけの機械ではない。思考し、意味を考え、現実を新たに編み直し続ける「計算する生命」なのだ。小林秀雄賞受賞作「数学する身体」から5年。若き独立研究者が迫る、機械と生命の対立を越え、計算との新たな関係が形作る未来とは。壮大な計算史に吹き込まれた生命の本質に迫る、若き独立研究者の画期的論考!

 

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●科学技術ニュース●NTTと富士通、6G光通信技術で提携

2021-04-30 09:40:14 |    通信工学

 NTTと富士通は、「持続可能な未来型デジタル社会の実現」を目的とした戦略的業務提携に合意いたした。この提携を通じて創出されるイノベーションにより、IOWN構想に賛同する幅広いパートナーとグローバルかつオープンに連携し、低エネルギーで高効率な新しいデジタル社会の実現をめざす。

 今回の業務提携では、世界有数の特許数を誇る光技術をはじめとした通信技術や運用ノウハウと世界一のコンピューティング技術など、両社の強みが活かせる分野において共同研究を進め、その成果を活用したグローバルなオープン・イノベーションを通じて、低エネルギーで高効率、かつ持続可能なデジタル社会を実現することで、両社で共有するビジョンの具現化をめざす。具体的な取り組みは以下の通り。

(1)光電融合製造技術の確立
(2)通信技術(光通信およびモバイル)のオープン化の推進
(3)低消費電力型・高性能コンピューティング(ディスアグリゲーテッドコンピューティング基盤)実現に向けた共同研究開発

 NTTと富士通は、今後もIOWN構想のビジョンに資する持続可能な未来型デジタル社会を実現するため、グローバルに様々なパートナーとオープンに共同研究を推進していく。

 NTTでは、同提携を通じて培った知見・技術を活用した、革新的なスマートソリューションとICTプラットフォームを創造し、インクルーシブで、安全かつ柔軟性の高い、持続可能なコミュニティを実現していく。
 
 富士通では、IOWN構想や6G時代の技術開発を目的として、「IOWN/6Gプラットフォーム開発室」を2021年4月1日に新設し、研究開発を本格化しており、同提携を通して得られた成果を人々の暮らしや社会に役立つソリューション・サービスやプラットフォームに活用し、製造業や流通・小売、医療などの幅広いお客様に向けて新たな価値の提供をめざす。(富士通)

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●科学技術ニュース●東京大学など、従来よりも高い結晶性と伝導特性を有する導電性高分子の開発に成功

2021-04-30 09:39:45 |    電気・電子工学

 東京大学大学院新領域創成科学研究科、同連携研究機構マテリアルイノベーション研究センター、物質・材料研究機構 国際ナノアーキテクトニクス研究拠点(WPI-MANA)、科学技術振興機構(JST)さきがけ、産業技術総合研究所(産総研) 産総研・東大 先端オペランド計測技術オープンイノベーションラボラトリの共同研究グループは、独自に開発した強力な酸化力を有するラジカル塩ドーパントを、高分子半導体に作用させると、両者からなる共結晶構造が自発的に形成されることを発見し、従来よりも高い結晶性と伝導特性を有する導電性高分子の開発に成功した。

 同研究グループは、高分子半導体の結晶性構造を壊さずにドーパント分子を導入する手法を開発してきた。ところが、導入されたドーパント分子の立体的な配置は不明瞭であり、ランダム性を有するドーパント分子の配置が電気伝導特性を制限している可能性があった。

 今回新たに、これまでより強い酸化力を有するラジカル塩ドーパントを開発した。その溶液に高分子半導体の薄膜を浸漬するドーピング操作を行ったところ、高分子の繰り返し単位当たり1個のドーパント分子が導入される非常に高いドーピング量が実現されたと共に、X線回折像に特徴的な強度パターンの消失が観測された。

 この強度パターンをシミュレーションしたところ、高分子半導体とドーパント分子が1対1の共結晶構造を形成していることが明らかになり、高分子の結晶中に存在するドーパント分子の位置を0.5ナノメートル程度の精度で決定することができた。

 今回の研究によって、強力な酸化反応により導電性高分子膜に高密度で充填されるドーパント分子が自発的に配列する新奇な現象が薄膜スケールで実証された。

 また、今回開発された共結晶を有する導電性高分子は高い電気伝導度や白金などの貴金属に匹敵する高い仕事関数を示すことがわかった。さらに、ドーパント分子種を最適化することで大気安定性を向上させることもできた。

 このような薄膜の電気伝導特性は共結晶性の領域に由来する金属的な伝導が支配的であることが知られているが、今回の研究によって、ミクロな共結晶構造の設計により、マクロな電気伝導度の制御が可能であることが示唆された。

 さまざまな分子性イオンが充填・配列化された高分子半導体薄膜は、大面積で容易に形成できるために、今後さまざまな機能性電子・イオン材料としての研究が進展すると期待される。(産業総合研究所<産総研>)

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●科学技術書・理工学書<新刊情報>●「60分でわかる! MaaS モビリティ革命」(楠田悦子著/技術評論社)

2021-04-30 09:39:12 |    輸送機器工学

 

<新刊情報>

 

書名:60分でわかる! MaaS モビリティ革命

著者:楠田悦子

発行:技術評論社(60分でわかる!IT知識シリーズ)

 話題のIT技術のしくみを解説する「60分でわかる!」シリーズの一冊。MaaSとは,すべてのモビリティ(移動)を 1つのサービスとしてとらえ、モーダルな交通手段を提供する新たな「移動」の概念。公共交通を軸に、環境にやさしく、文化的で持続可能な暮らしと地域づくりの実現というビジョンとともに、交通関係各社だけではなく、自治体、エネルギー、保険サービス、医療、金融、不動産、観光、エンターテインメントなど多くのビジネスを包含していく可能性を秘めたビジネスプラットフォームとして注目されている。同書では、MaaSの基本的知識からしくみや技術、現在の自治体や企業の取り組みまで、今後MaaS市場に関わっていくための知識が手軽に身につく。

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●科学技術書・理工学書<新刊情報>●「野球の科学」(川村 卓著/SBクリエイティブ)

2021-04-29 09:52:36 |    物理

 

<新刊情報>

 

書名:野球の科学~解剖学、力学、統計学でプレーを分析!~

著者:川村 卓

発行:SBクリエイティブ

 野球の試合を観ていると、「球はそんなに速くないのになぜ打ち取られてしまうのだろう?」「ホームランを打つためには?」「先攻と後攻はどちらが有利なんだろう?」など、素朴な疑問がたくさん出てくる。同書では、こんな疑問を科学的に解説。野球の試合を観たことがない人はあまりいないであろう。野球は少年少女野球から始まり、高校野球、大学野球、そしてプロ野球まで、幅広い層に愛されるスポーツ。野球の試合を観ていると、「速い球を投げるには?」「速い球を投げやすい『投げ方』はある?」「球はそんなに速くないのになぜ打ち取られてしまうのだろう?」「ホームランを打つためには?」「スイート・スポットってなんだろう?」「先攻と後攻はどちらが有利なんだろう?」「送りバントは有効な戦術か?」「日米の野球のレベル差はデータから見るとどれくらい?」など、さまざまな疑問をもったことがあるかもしれない。同書では、甲子園出場経験もあり、現在、筑波大学硬式野球部監督の川村 卓准教授が、こんな野球の素朴な疑問を科学的に解説。

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●科学技術ニュース●双日、米国UH2社への出資し航空機用水素燃料事業へ参画

2021-04-29 09:52:09 |    ★水素ニュース★

 双日は、米国・カリフォルニア州を拠点に水素燃料搭載航空機および、航空機用水素供給網の開発・実用化を進めているユニバーサル・ハイドロジェン・カンパニー(UH2社)へ出資し、UH2社との協業により航空機用水素燃料事業へ参画する。

 世界的な気候変動対策の重要性が高まる中、世界のCO2排出量の約3%を占める航空業界においても2050年ネットゼロエミッション化に向け動いている。ICAO(国際民間航空機関)やIATA(国際航空運送協会)、および国内外の大手航空会社といった業界全体で世界的な技術開発や各種取組が加速度的に進められている。

 双日は、60年以上にわたる民間航空機代理店事業での豊富な実績に加え、長年の航空機ビジネスで培ってきた機体メーカー、航空会社、空港事業者との強固な信頼関係を有しており、UH2社の戦略的パートナーとして本事業へ進出する。

 同社グループのノウハウとUH2社が誇る高い技術力とネットワークを掛け合わせることで、水素燃料機の導入・普及をおこない、更に水素サプライチェーンの構築に向けた新たなソリューションを市場へ提供することにより、航空分野の環境負荷低減に貢献する。(双日)

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●科学技術ニュース●理研など、新型コロナウイルスの超高感度・世界最速検出技術を開発

2021-04-29 09:51:25 |    生物・医学

 理化学研究所(理研) 開拓研究本部 渡邉分子生理学研究室の渡邉 力也 主任研究員、篠田 肇 研究員、東京大学 先端科学技術研究センターの西増 弘志 教授、同大学 大学院理学系研究科の濡木 理 教授、京都大学 ウイルス・再生医科学研究所の野田 岳志 教授らの共同研究グループは、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)由来のウイルスRNAを「1分子」レベルで識別して5分以内に検出する革新的技術の開発に成功した。

 同研究成果は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)などの超高感度、迅速診断装置の開発を含む、次世代の感染症診断法の核心技術としての応用展開が期待できる。

 現在、新型コロナウイルスの確定診断には、ウイルスRNAを精製した後PCR法などで増幅して検出するPCR検査が主に行われている。しかしPCR検査は、検出に最短で1時間程度かかり、検出エラーも発生することから、大量の検体を短時間かつ高精度に解析することが困難。

 今回、同共同研究グループでは、世界最先端のマイクロチップ技術と核酸検出技術CRISPR-Cas13aを融合させることで、世界最速の新型コロナウイルスの検出法「CRISPR-based amplification-free digital RNA detection;SATORI)法」を開発した。

 SATORI法を用いると、5分以内でウイルスRNAを1個ずつ識別して検出できる。検出感度は5フェムトモーラー(fM、fMは1000兆分の1モーラー)であり、新型コロナウイルス感染者の検体中のウイルスRNA量を検出する感度を満たしている。また、ランニングコストは9ドル程度と安価であるという利点もある。(科学技術振興機構<JST>)

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●科学技術書・理工学書<新刊情報>●「なぜ、DXは失敗するのか?」(トニー・サルダナ著/東洋経済新報社)

2021-04-29 09:50:41 |    企業経営

 

<新刊情報>

 

書名:なぜ、DXは失敗するのか?~「破壊的な変革」を成功に導く5段階モデル~

監修:EYストラテジー・アンド・コンサルティング

著者:トニー・サルダナ

訳者:小林啓倫

発行:東洋経済新報社

 DX(デジタルトランスフォーメーション)の70%は失敗している!P&G、ネットフリックス、スペースXなど豊富な事例に学ぶ。DXを「DNA化」させるまでの実践的アプローチ。規律あるイノベーター、進化し続ける究極のマーケットリーダーになる【DXの5段階モデル】ステージ1 基礎:販売、製造、財務など内部プロセスの自動化、ステージ2 個別対応:個々の業務、事業部が変革プログラムを実施、ステージ3 部分連携:部門間で連携されたプログラムを実施、ステージ4 全体連携:組織全体でデジタルプラットフォームを構築、ステージ5 DNA化:変革が永続的な組織文化として定着。

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●科学技術書・理工学書<新刊情報>●「ソニー半導体の奇跡」(斎藤 端著/東洋経済新報社)

2021-04-28 09:37:29 |    企業経営

 

<新刊情報>

 

書名:ソニー半導体の奇跡~お荷物集団の逆転劇~

著者:斎藤 端

発行:東洋経済新報社

 スマートフォンカメラなどに搭載される「電子の目」、イメージセンサー。ソニーのイメージセンサー事業は現在シェアナンバーワンで、ソニーの収益面をがっちりと支えている。しかしこの事業、実はソニー社内では「問題事業本部」「負け組」「お荷物集団」と言われ、事業所の中心も神奈川県厚木市の「辺境」にある。そして、会社のトップはひそかに事業売却を検討していた――。一体どのようにしてソニー半導体は幾多のピンチを乗り切り、ついには会社の基幹事業といわれるまでになったのか? 素人本部長とプロの技術者集団による痛快逆転ストーリー!

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●科学技術ニュース●丸紅、サウジアラビアのラービグ太陽光発電プロジェクト着工

2021-04-28 09:37:02 |    エネルギー

 丸紅は、サウジアラビア王国 Al Jomaih Energy & Water Company Limited(Al Jomaih)と共に出資参画する特別目的会社を通じ、サウジアラビア王国のラービグ太陽光発電プロジェクトに関わる長期売電契約を、2021年1月にSaudi Power Procurement Company(サウジアラビア電力公社子会社SPPC)との間で締結し、同プロジェクト向けの融資銀行団との間で、2021年3月に融資契約を結び、2021年4月に着工した。

 同プロジェクトは、サウジアラビア政府工業都市公団が進める工業化都市建設計画の内、メッカ州ラービグ工業都市内でリースされた土地に、最大出力300MWの太陽光発電所を建設、保守・運転し、SPPCに対して25年間にわたり売電を行うもので、丸紅にとって、サウジアラビア王国における初の太陽光発電プロジェクトとなる。

 丸紅は、日本を含む世界19カ国で持分容量約12GWの発電資産を保有・運営しており、同プロジェクトへの出資は、中東地域において、アラブ首長国連邦・スワイハン太陽光発電プロジェクト(1,177MW)、オマーン国・アミン太陽光発電プロジェクト(105MW)、およびカタール国・アル・カルサ太陽光発電プロジェクト(800MW)に続く4件目の大型太陽光発電プロジェクトへの参画となり、4件の総発電容量は約2GWに上る。(丸紅)

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