はがき随筆・鹿児島

はがき随筆ブログにようこそ!毎日新聞西部本社の各地方版に毎朝掲載される
「はがき随筆」は252文字のミニエッセイです。

孫ン子

2008-10-28 10:31:34 | はがき随筆
 長男に2人目が男の子として誕生。予定日より20日も早く、2日間保育器のお世話になったが、5日目には母子ともに退院。
 さすがに手足は小鳥のひなでか細い。皮膚は透き通り、春先の若芽のように柔らかい。鳴き声はまさに子猫だったが、10日もすると赤ん坊の泣き声になった。人の気配も感じ取り、名前を呼ばれると見えないながらも顔を声のする方向に向ける。顔より大きく口を開け、ますます赤くなり大声で空腹を訴える。
 この子が平和で幸せに暮らせることを切に願いながら、私の人さし指を強く強く握りしめた小さな掌にそっと唇を寄せる。
   肝付町 吉井三男(66) 2008/10/27 毎日新聞鹿児島版掲載
ドナさんより

「書く」仲間

2008-10-28 10:01:31 | かごんま便り
 高齢者のスポーツと文化の祭典「ねんりんピック鹿児島2008」が開幕した。国体種目並みの本格競技あり誰もが気軽に楽しめるニュースポーツあり、はたまた囲碁・将棋に俳句、美術に音楽、ファッションショーなどなど。選手たちは、高齢者の中でも元気いっぱいの人たちだから当然と言えばそれまでだが、現役世代の我々も圧倒されそうなバイタリティには感嘆するほかない。

 高齢の方々が元気なのは鹿児島面の投稿欄「はがき随筆」も同様。担当者としてはもっと若い世代に頑張ってほしい気もするが、仕事をリタイアし子育てを卒業して時間的余裕も生まれるためか、今年に限っても掲載作品に占める65歳以上の割合はざっと3分の2に迫る勢いだ。

 投稿者の親ぼく団体・毎日ペンクラブ鹿児島の大隅ブロック交流会が26日に催された。ご多分にもれず参加者はベテランぞろい。南大隅町で絵本作家・八島太郎(1908~94)ゆかりの地を訪ねた後、錦江町の神川大滝公園で意見交換。普段は紙上でしかお目にかからない皆さんと親ぼくを深める事ができた。

 「作品のネタをどうやって探すか?」の話題では「書きたいことがたくさんありネタには困らない」との声がほとんど。日ごろの見聞や豊かな人生経験を背景に、旺盛な好奇心で原稿用紙(またはパソコンの画面)に向かう様子がうかがえた。また鹿屋市在住のOさんの「日々、他の人の作品を読むことで、いろんなものの見方を教えられ勉強になる」という言葉には、特に感銘を受けた。

 「書く」ことは頭の体操と同時に、気持ちを癒す心の体操にもなる。近く紙面でご案内するが、11月16日には鹿児島市で研修会があり、会員以外や投稿未経験者も大歓迎。この機会に書くことの楽しさ、面白さに触れ、投稿者の輪に加わってもらえるとうれしい。あなたも、ぜひどうぞ。

鹿児島支局長 平山千里 2008/10/27毎日新聞掲載