はがき随筆・鹿児島

はがき随筆ブログにようこそ!毎日新聞西部本社の各地方版に毎朝掲載される
「はがき随筆」は252文字のミニエッセイです。

心の糧

2008-10-19 18:29:50 | はがき随筆
 9月中旬、36年ぶりに再会したテル子ちゃんが「中学時代の一番の思い出は鹿屋肝属地区合唱コンクールに出たことよ」と感慨深げに言った。指揮棒を振った彼女。私はピアノ伴奏に自信がなく、本当は逃げ出したかったと初めて明かした胸の内。
 指導の先生が途中で求職という非常事態に。しかし出馬を辞退せず、生徒だけで練習に励んだ。忘れもしない「歌の翼に」と「わが子よの2曲」部員32名の美しいハーモニーが公民館いっぱいに響き渡ったはずなのに入賞ならず。それでも、大きな舞台に立てたことは、皆の心を糧になっている。ずっと。
   鹿屋市 田中京子(57) 2008/10/19 毎日新聞鹿児島版掲載

大麻問題

2008-10-19 18:17:12 | はがき随筆
 日本相撲協会の理事長交代にまで発展した外国人力士の大麻問題は、角界を大きく揺るがす大事件となった。
 私は時々、早朝に鴨池日枝神社を参拝する。北の湖理事長辞任の翌朝、ふと社殿の横に掲げてある小さな懸垂幕を見て驚いた。「お伊勢さま、氏神さまの『大麻』(おふだ)をお受けしましょう」と書いてあるのだ。視力の弱い私はフリガナが見えにくく、神社がなぜ大麻を?と思った。よく見ると「おふだ」と書いてあり安堵した。「大麻」はお札という意味ももつらしい。
 大麻問題は角界だけでなく、私自身にも起きた。
   鹿児島市 川端清一郎(61) 2008/10/17 毎日新聞鹿児島版掲載