はがき随筆・鹿児島

はがき随筆ブログにようこそ!毎日新聞西部本社の各地方版に毎朝掲載される
「はがき随筆」は252文字のミニエッセイです。

川内川の思い出

2008-03-13 06:43:28 | はがき随筆
 昨年12月25日付のはがき随筆「川内川物語」を読み返し、懐かしい限り。すぐ投稿者の小村忍さんに電話で本を2冊注文。1冊は川内川になじみの弟へ。読むと、13年も詳細に根気強く取材されていて頭が下がる。
 父の故郷はダムの近くで、私もそこで育った。夏は川内川でエビをとり、冬は川沿いの深山で大木にやぐらを組み、竹笛やおとりで山鳩を呼び寄せ、猟銃で撃つ。私は大木の下で、落ちた山鳩を、イタチの餌にならないように拾う。父はリュックサックいっぱいの山鳩を背負い自宅へ。足の速い父に、私は涙しながらついていった。
   姶良町 谷山 潔(81) 2008/3/13 毎日新聞鹿児島版掲載