はがき随筆・鹿児島

はがき随筆ブログにようこそ!毎日新聞西部本社の各地方版に毎朝掲載される
「はがき随筆」は252文字のミニエッセイです。

冬の使者

2008-03-05 07:39:56 | はがき随筆
 厳しい残暑の後に訪れた短い秋が終わるころ「ヒンヒン」と透き通る声のジョウビタキがまずやって来る。空気が更に冷たく感じるころになると「キリキリコロコロ」とにぎやかなメジロたち。彼らのお目当ては梅の枝に差した甘いミカン。最後は「キョロッ、キョロッ」と鳴くアルトの名手シロハラだ。でっぷり太って地味なこの鳥を夫はシロハラおばさんと呼んでいたが、彼女?は落ち葉をけ散らし庭中を散らかす張本人。
 探鳥の楽しみを教えてくれた亡き夫に感謝しつつ、愛らしい冬の使者に慰められる日々である。
   鹿屋市 西尾フミ子(73) 2008/3/5 毎日新聞鹿児島版掲載
シロハラの写真はBird Watchingさんからお借りしました。