kabu達人への道

マスコミで深く触れられることのない投資の裏側や
投資にあたっての疑問など赴くままに綴っていきます。

出遅れの罠

2021-07-20 12:16:58 | 日記
関東地方は16日に平年よりも3日早く梅雨明けしました。梅雨入りが平年
よりも7日遅かったことで短い梅雨でしたが期間中は連日曇りや雨ばかり
で梅雨の中休みもありませんでした。期間中多くの地域で大雨が降り今年
も静岡県熱海市では土石流が発生し大きな被害を出しました。

世界に目を転じてもドイツでも大雨による洪水で多くの犠牲者が出ていま
す。北米では熱波が発生しカナダでは熱波により多くの死者が発生しまし
た。ニュースでは相変わらずコロナ関連が多いのですが地球温暖化による
異常気象も人類の脅威として身近になってきました。脱炭素社会への歩み
が株式市場のテーマとして永く続きそうです。

米株が6月以降高値を追う展開になっている一方、日本株は上値が重く出遅
れという見方から個人投資家中心に2万9000円割れ、2万8000円割れという
下落局面では押し目買いが一定の下支えになっていました。逆張り志向が
強い個人投資家の行動は下げ局面で買って上昇に転じたら利益確定売りを
出すという投資スタイルは悪い選択ではありません。

しかしコロナ禍で特需に沸いた好業績期待で高値を付けた銘柄には一定の
注意が必要です。追い風参考記録での好業績なら値ごろ感から押し目買い
をしても報われないケースも出てきます。特に信用取引での買い付けでは
6ヶ月という期限があります。

押し目買い銘柄から吹き値売り銘柄に転じたのに買いを入れても反発は一時
的でさらに下値を切り下げる相場がしばらく続く可能性を考えなければなり
ません。10年チャートで長いボックス相場を抜け出して大化けした銘柄は歴
史的な高値を付けた可能性があります。

押し目買いをする段階では好業績で割安感がというのがもっとも危険です。
株価は足元の業績よりも半年先の業績を予想して動きていることが多く上昇
過程で既に好業績を織り込んだ株価になっていることもしばしばあります。
GAFAMのように世界市場で稼ぎ、しかも好業績を何年も続けて上げられる
銘柄は多くはありません。

GAFAMのように高値から多少調整したとしても比較的短期間で高値を更新
できる銘柄と多くの日本株は同列に扱ってはいけません。市況に恵まれたと
かインバウンドブームに乗ったとか好業績が一時的であるケースが多いのが
多くの日本株です。

株安の原因と言われる国内での感染者増加やオリンピック開催その後の総選
挙など不透明要因もやがては市場が消化するでしょうが大きく膨らんだ信用
買い残高は上値を抑える要因になり得ます。海外投資家の買いしか現状では
この信用買い残高を消化できる投資セクターは見当たりません。

菅政権の支持率は足元では一段と低下しています。9月にも予定されている
総選挙までに急回復する要因は見当たりません。政治の安定を重視する海外
投資家の買いが当てにならないケースも想定されます。五輪後も低迷がしば
らく続くというシナリオも用意すべき段階になってきたようです。出遅れと
いう判断から押し目買いに走った投資家が我慢を強いられる場面も想定すべ
きです。
コメント
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