kabu達人への道

マスコミで深く触れられることのない投資の裏側や
投資にあたっての疑問など赴くままに綴っていきます。

中国政府vs民間企業

2021-07-06 06:17:10 | 日記
週明けの東京市場は米株高も支援にならず売り物に押される展開でした。
日経平均指数の寄与率が高いファーストリテイリングとSBGが足を引っ
張りました。「ユニクロ」の2021年6月の国内既存店の売上高は前年同月
比で19.2%減ったことが嫌気され1.6%安となりました。

前年がコロナ禍でもマスク販売などで来店客が増えたことや大型基幹店が
開店したことによる大きな伸びがありハードルが高かったことも影響した
ようです。小売業の中ではコロナ禍での勝ち組だったことで株価が昨年3月
安値から1年間で2.5倍まで上昇しました。高値から2割程度下落した株価
でもまだ含み益がある投資家からの売りが出やすいという事情もありそう
です。

SBGも同様に大型の自社株買い発表やその後の世界的な株高でファンド事
業の収益が好転するという期待からやはり3月安値から1年で4倍まで大化け
しましたからファーストリテイリング同様にまだ含み益のある投資家らの
売りが断続的に出ているようです。

SBGはファンドを通じて先月米国市場でIPOに進んだ中国配車アプリ最大手
である滴滴出行に2割を出資していますが、滴滴出行への中国当局の締め付
けが強まり事業の将来性に不安が出てきたことを嫌気されての下落でした。

滴滴出行だけでなく中国政府はアリババなど民間ハイテク企業への締め付け
を強めています。民間企業も政府の管轄下に置きコントロールしようとする
思惑が見え隠れします。政府のさじ加減一つで企業の将来が左右されそうな
流れは当面は強まりそうです。

ビジネスの世界で中国政府との距離の取り方が難しくなってきました。ファ
ーストリテイリングは今や中国国内で展開するユニクロ事業の売り上げが国
内事業の半分程度まで成長しました。それだけに今後は中国ビジネスの影響
が大きくなってきました。

欧米ブランドのH&Mはウイグル問題で中国国内での不買運動が響き3~5月期
は売上が28%減少しました。今のところ日本企業には同様の動きは見られま
せんが、過去には日本製品の不買運動が中国全土に広がったこともありました。

民間企業と言えども中国共産党の影響下にあるという考え方が強い中国でビ
ジネスを展開している企業には独特のリスクがあるということを忘れてはい
けません。足元で進んでいる日米の株式市場のデカップリングも日本と米国
企業での中国依存度のウエートと無関係ではないでしょう。
コメント
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