kabu達人への道

マスコミで深く触れられることのない投資の裏側や
投資にあたっての疑問など赴くままに綴っていきます。

株不足の株高?

2020-05-10 06:53:57 | 日記
不景気の株高が始まったのでしょうか。市場注目の4月雇用統計の
結果は失業率が14.7%と大恐慌以来の水準となりましたが16%から
18%という事前予想もありましたから、市場予想を上回ったことで
安心感が広がりNY市場は大幅高でした。ハイテク株比率の高いナス
ダック指数は年初来でプラスに転じました。

実体経済よりも先行すると言われる株式市場は早くもロックダウン
解除後の経済の回復を織り込む相場に突入したとの見方も出ている
ようです。中央銀行の迅速な対策でコロナショックによる信用不安
を封じ込めたことがいち早く相場が回復軌道に乗った要因です。

老舗百貨店などの企業倒産や未曽有の失業者数の増加も株価の腰を
折ることはありませんでした。世界を見渡せば過去1週間でインド
やブラジルそれにロシアは感染者の大幅増加は続いています。米国
でもニューヨーク市の感染者は減少傾向にありますが全米を見渡せ
ば高水準で推移しているとこともあります。

シンガポールのように感染第二波で第一波を遥かに超える感染者を
出した国もあります。少しでも油断すれば同様なケースが他国でも
発生する可能性は否定できません。実体経済の不透明感もあります。
SARSなど過去に発生した感染症に比べ感染者数、死者数とも格段
に多いだけに経済への打撃がどのくらいの規模になるのか本当のと
ころは誰にも分かりません。

投資の神様の異名を持つバフェット氏がお気に入りの航空会社をす
べて売却したのもコロナ発生前の水準にどのくらいかかるのか見通
しが立たないことだとも言われています。多くの投資家が委縮して
いる時に下値で買い長期投資で結果を出してきたバフェット氏の投
資哲学でした。しかしそんな彼でも不透明感が強い航空会社銘柄を
辛抱強く保有する心情にはなれなかったようです。

経済再開を急ぐ欧米各国に対してWHOは拙速な行動制限解除は再
び感染者急増を招きかねないと警告を発しています。感染第2波が
あるのかないのかは誰にも分かりません。以上のような相場環境を
見れば空売りが増加しても不思議ではありません。

東京市場でも裁定取引に伴う現物株の売り残高が過去最高の2.4兆
円まで積みあがったと9日の経済紙は伝えています。市場には米中
通商摩擦激化で先安観が強かった9月も同様に現物株の売り残高が
積み上がり年末にかけての株高が進んだ局面に似てきたとの見方が
あります。

8日の市場での個別株の動きでも比較的大きく上昇したのは業績不
安が大きく高値からの下落率も高く信用取り組み妙味のある銘柄が
目立ちました。現在は需給関係の善し悪しが株価材料になっていま
すが、最終的には業績の裏付けのない銘柄の上昇は長続きしません。

モノタロウやエムスリーは業績好調でも高PERで割高感が強く高値
警戒感から好取組になっている銘柄もあります。しかし両銘柄のよ
うに高成長を続けるかもしれない企業は大きく業績が伸びることで
高PERが許容されるケースです。

長期投資家の投資対象になる銘柄です。結果的に調整しても下げは
浅く売り方が負けるケースが多いようです。一方業績の先行き不安
が強い銘柄は本当に実際に回復しなければ株高は短期で終わってし
まうでしょう。単純に空売りが多いだけで今後も株高が進むと判断
するのは避けた方が良さそうです。

次回の更新は12日を予定しています。
コメント
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