kabu達人への道

マスコミで深く触れられることのない投資の裏側や
投資にあたっての疑問など赴くままに綴っていきます。

トヨタショックは回避?

2020-05-13 06:20:18 | 日記
12日トヨタが発表した20年3月期の連結決算(米国会計基準)は売上
高が前の期比1%減の29兆9299億円、純利益は10%増の2兆761億円で
した。減価償却方法の変更で費用が減少したことを割り引いてもトヨ
タの底力が垣間見られた決算でした。

そして注目の2021年3月期の見通しは連結営業利益が8割減という衝撃
的な見通しでした。アナリスト予想の平均であるコンセンサスは営業
利益で1兆8800億円でしたから予想を1兆3800億円も下回る数字でした。

しかし今日の下げは終値ベースで131円安(1.97%)と市場予想を大き
く下回る決算にも拘らず下げは今日のところは限定的でした。コロナ
の影響で今期未定とする企業が相次いでいる状況で仮にも黒字予想が
出せたということを評価したのかもしれません。同日発表したホンダ
は今期未定という結果になりました。

リーマンショック後の決算では4000億円の営業赤字に転落したことを
考えれば企業体質は格段に強化されたとも言えます。流石トヨタとい
う評価も成り立ちます。また期初には慎重な業績見通しを出すことが
多いトヨタだけに8割減という数字は最低線という意味合いもあり期
中に上方修正される可能性もありそうだという見方がトヨタショック
にならなかった背景でしょうか。

世界販売が2020年3月期は890万程度まで減少するという見通しを
出してきましたが、世界中でまんべんなく稼げる体制を作り上げた
トヨタでさえ2割の販売減予想を出してきたことで他のメーカーの
苦境はやはりかなり深刻なことが予想されます。

トヨタは中国での4月の販売が前年比でプラスに転じましたがおそ
らく会社側は1~3月期に販売できなかったために一時的に販売が
増えたとみていて5月以降も4月の水準が続くとは考えていないよ
うです。

自動車業界以上に激震が襲った百貨店、ホテルなどの宿泊施設そし
て航空産業やレジャー施設などがコロナ前の水準を回復するには半
年や1年では到底困難なようです。いち早く終息宣言を出した中国
でさえ感染第2波への懸念もあり多くのビジネスで手探り状態での
再開です。

現在は経済再開期待に加え未曽有の緩和で下値を売りにくい状況で
あり世界の株式市場は3月の混乱から考えれば安定しています。し
かしまだ今後もひと山ふた山あると考えて備えが必要です。日経平
均が2万円台なら「羹に懲りてあえ物を吹く」くらいの方が心穏や
かに市場をみれそうです。

※世界販売台数の部分を6時45分訂正しました。
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