kabu達人への道

マスコミで深く触れられることのない投資の裏側や
投資にあたっての疑問など赴くままに綴っていきます。

ダウ型日本の限界点

2020-05-24 04:48:59 | 日記
弱気な見方も多かった5月の株式市場でしたが、予想外の堅調さが
続いています。このまま堅調な展開で5月相場が締めくくれるので
しょうか。また25日から始まる5月相場最後の週で6月相場繋がる
何らかのヒントが出てくるのでしょうか。

相場上昇に対して懐疑的な見方もあるのは事実です。むしろ強気派
よりは弱気派の方が多数なのかもしれません。弱気筋の読みは経済
再開が果たせたとしても当面感染予防が優先され多くの企業で売り
上げの回復は鈍いという見方をしています。

売り上げの回復が芳しくないのにコロナ対策での費用がかさみます。
米国経済の強みだった個人消費主導の経済の主役は外食や観光、エ
ンタメ、小売りなどですが対面での接触が制限される状況で消費の
本格回復が遅れるという見方があります。

内需系企業の回復が遅れれば雇用の回復も遅れ周り回って米国の消
費がコロナ以前に戻るにはかなりの時間が必要になります。追い打
ちをかけるように中国との関係が再び悪化する兆しがありグローバ
ルにビジネスを展開している企業への影響も懸念されます。秋の大
統領選挙を控え中国との関係改善は大きく期待できないとの見方も
あります。

日本では米国ほどの急激な雇用悪化は心配しなくても大丈夫なよう
ですが、雇用と引き換えに所得環境は厳しそうです。特に今年の夏
の場のボーナスもかなり厳しいものになりそうです。インバウンド
消費にも当面期待できず国内消費の低迷は長引きそうです。日米と
も一部の企業以外は業績面の厳しさから大きな先高期待は持てない
状況です。

需給面では海外投資家の売り越し基調が続いています。一部には原
油価格の大幅な下落で財政の厳しくなった産油国の政府系ファンド
の売りを指摘する向きもあります。いずれにしても順張り投資の多
い海外投資家の買いが戻られなければいずれ日本株の戻りも限界に
達します。

一方強気筋は中央銀行の超緩和政策は当面続きカネ余りが相場を支
える利回りの急低下で債券投資では収益が余り見込めず株式しか投
資対象が見当たらない。投資家の多くは2番底を警戒しているために
足元では待機資金が高水準に積みあがっている。

カネ余り相場が続く中でアフターコロナでこれまでの行動が見直さ
れ恩恵を受ける代表例のGAFAMの5社中心に今後も高い成長が期待
できる大型ハイテク銘柄が選好される。NYダウに比較して圧倒的に
戻りが鮮明なナスダック市場にはGAFAM以外にもエヌビディアなど
半導体関連で有望銘柄が多く上場されていることが背景としてある。

一方米国株でもJPモルガンなど大手金融株や中国関連のキャタピラー
それにコロナ前から深刻な経営問題を抱えていたボーイングも戻りは
鈍いままです。米国株でもハイテク産業の多いナスダック優位が続き
景気敏感株が多いNY市場の不振が鮮明です。

残念ながら日本株はナスダック指数ではなくNYダウ指数に連動する
構造になっています。大型ハイテク銘柄が不在であること。世界の景
気敏感株という位置付けは今も変わりません。各国が経済再開を果た
しV字回復が期待できるのならともかく現状ではそのシナリオは描け
ません。景気敏感株で成長余力が乏しい企業の多い日本市場の戻りは
鈍いのではないでしょうか。

次回の更新は26日を予定しています。
コメント
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