kabu達人への道

マスコミで深く触れられることのない投資の裏側や
投資にあたっての疑問など赴くままに綴っていきます。

ユニコーンの筆頭格までも

2020-05-06 12:24:50 | 日記
民泊仲介大手の米エアビーアンドビーは5日社員の約4分の1に当た
る1900人を削減する方針がニュースで伝わりました。エアビーは
「ユニコーン」と呼ぶ有力スタートアップ企業の代表格で20年には
新規株式公開(IPO)に踏み切るとの見方が有力でした。

一時は企業価値の評価金額が310億ドルに達したが、新型コロナの
影響が広がって業績が急速に悪化しました。コロナをキッカケに旅
行業界を取り巻く環境は激変し従来からの経営方針を変える必要が
出てきたと判断し、今後はホテル予約や高級物件の仲介といった分
野への投資も絞り込む方針も発表しました。

不要不急の代表格ともいえる旅行業界ではコロナの蔓延でビジネス
モデルそのものが大きく変わる可能性が出てきました。エアビーは
民泊を広めた代表格でした。しかし未知なるウィルスへの感染症対
策で価格の安さだけでなく安全安心も大きな問題になりました。

感染症対策で不特定多数が利用する民泊施設が十分な安全対策を実
行できるのかどうか、コロナ前は想定していなかった問題が発生し
ました。安全対策に伴うコストがかかることにより安価な宿泊施設
という利点が保てるのかどうか。

民泊仲介のエアビーだけでなくライドシェアサービスを手掛ける
ウーバーにも同様の事が言えます。ウーバーはプロドライバーの
タクシーの代わりに一般ドライバーでのサービスで躍進しました。
しかし今でも先行投資がかさみ赤字体質から脱却できません。

世界はしばらくの間コロナとともに生きていくということなら感染
症対策は欠かせません。プロでない一般のドライバーでどこまで安
全安心が担保できるのか、人類がコロナの完全終息を勝ち取るまで
は少なくとも最優先される問題です。

ユニコーンの有望企業は将来のFANGのような企業に成長する可能性
が高いということで評価を高めてきました。既に公開企業となったユ
ニコーン企業や公開予備軍と言われて評価額の大きなユニコーン企業
の業績の落ち込みは大きくFANG各社との収益力の強さの違いが一層
はっきりしました。コロナショックはユニコーン企業でも玉石混合が
あることを露にしました。

ユニコーン企業と言われている企業の中で今後第2、第3のFANGが
出てくる可能性はあるでしょうが、出てきたとしても現在100社とも
200社とも言われているユニコーン企業のほんの一握りの企業です。
FacebookのSNSのトップ企業に登りつめた一方同じようなビジネス
モデルの企業の多くは退場を迫られました。

「強気相場は、悲観の中に生まれ、懐疑の中に育ち、楽観の中で成熟
し、幸福感の中で消えていく」という言葉は市場では余りにも有名で
すが、未公開株市場でもユニコーン企業がこの先も急成長し有名企業
になるという楽観論はそろそろ見直すべき時期に差しかかっているよ
うです。

次の更新は8日を予定しています。
コメント
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