kabu達人への道

マスコミで深く触れられることのない投資の裏側や
投資にあたっての疑問など赴くままに綴っていきます。

バフェット氏の不安

2020-05-03 13:55:55 | 日記
数年前航空機業界の将来はバラ色でした。格安なLCCの台頭で多くの
人達が気軽に旅行を楽しめようになりました。フルサービスの航空会
社もビジネス客を取り込む形でLCCと共存できるとの期待も大きかっ
たようです。成長の原動力は経済成長が著しいアジア市場でした。
余りにも急激に市場が拡大したためにパイロット不足も懸念されてい
ました。

そして航空需要の増加は航空機製造企業やサプライチェーンを形成す
る部品業界も活況を呈していました。しかしひょっとしたらコロナが
すべてのシナリオの書き換えを迫ることになるかもしれません。感染
がほぼ終息した中国以外の国では欠航や減便で需要が9割減少したと
言われています。

新形コロナは中国から欧米にそして日本や新興国に感染が広がり欧米
がピークを越えたとのみられる一方人口の多いインドやブラジルそし
てロシアの感染者は急増しています。医療体制の脆弱な国での蔓延は
都市封鎖の長期化など経済にも大きな悪影響が及ぶでしょう。成長期
待の高かったアジア市場の回復に果たして何年かかっるのか想像も出
来ません。

欧米の大手エアラインには政府も救済の手を差し伸べています。しか
し大手よりも経営体力のないLCC各社が生き残る道はあるのでしょう
か。航空産業は機材や人件費など固定費の割合が高い業界だと言われ
ています。飛行機を伸ばせない状況でも航空機のリース代や整備費は
かかります。

製造業のように減産分を後で増産して挽回することも出来ません。鉄
道やホテル業も同様ですが、失われた需要は取り戻せないのです。
投資の神様と言われたバフェット氏が率いるバークシャーも米国の大手
エアライン4社の株をすべて売却したことを発表しました。

長期投資が身上のバフェット氏が大きく下落した場面でお気に入りのエ
アライン株をすべて売却したのはコロナショックがきっかけで人々の行
動が大きく変わり航空機利用が長期的に低迷するかもしれないとの懸念
が出てきたからだと言われています。

リーマンショック時のように市場が混乱して割安感の出た銘柄を逆張り
で果敢に買うことにより大成功を収めてきたバフェット氏でも今の航空
株には不透明要因が多いと判断したようです。人々の移動が当面元に戻
らず航空機利用が低迷するのならホテルなども影響を免れません。

先週まで市場の戻りを支えたのは欧米で感染者のピークを越え経済再開
が進むという期待からでした。例え多くの業界で経済活動を再開しても
ワクチンが開発され世界の多くの人達が接種を受けるまで経済活動をし
ばらく低迷するとの見方も投資家としては選択肢として持っておくべき
です。投資の神様の行動からは安易な期待を現に慎むべきだという心得
でしょうか。
コメント
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