kabu達人への道

マスコミで深く触れられることのない投資の裏側や
投資にあたっての疑問など赴くままに綴っていきます。

外出制限緩和の賞味期限

2020-05-12 05:43:28 | 日記
東京市場は11日まで3連騰で先月30日の戻り高値を更新してきました。
GW後の株式市場に対して当初警戒する見方もありましたが、予想以
上に堅調だったというのが正直なところです。日本ではこのところ
感染者数の減少が趨勢的に減少しています。

世界を見渡しても欧米各国も流行のピークは過ぎたという見方もあり
ロックダウン解除の動きも出ています。一方ブラジルやロシアなどの
感染者数の急増は警戒すべきことです。今後医療体制の脆弱なアフリ
カ大陸の感染者数の推移にも注意が必要です。

それでも世界的な外出制限の緩和がこのところの株式市場の堅調さに
繋がっています。現在の相場のリード役は先物主導です。ヘッドライ
ンに反応して短期売買を繰り返すセクターです。経済再開を果たせた
としても多くの企業では感染症対策を講じながら手探りの状態です。

本格回復には程遠い状況です。長期投資家の動きが今一つ鈍いのは
底入れから自律反発した後の上昇シナリオがまだ描き切れないから
でしょうか。一方足元の相場が堅調に推移しているのは経済再開へ
の期待以上にFRBなどの中央銀行の超緩和政策の長期化です。

債券利回りは限りなく低い水準が長く続くことから世界の投資資金は
株式市場に向かわざる負えないという見方です。かかる世界経済がコ
ロナ前に戻るには2、3年はかかると言われています。企業業績の回復
もV字回復はほぼ期待できません。実体経済の低調と株式市場の堅調さ
というチグハグを警戒する見方もなお多いようです。

一足先に経済再開を果たした中国では多くの企業が営業を再開しても
入場制限を設けたり消毒などが欠かせません。これまで必要のなかっ
た感染症対策をすることでその分人件費もかかり採算悪化は避けられ
ません。

感染を警戒してこれまでの行動を変える消費者も出てくるでしょう。
短期筋はロックダウン解除というキーワードで売買を積極化しても
長期投資家は経済再開後の経済構造がどのように変わるのかといった
問題にも答えを見つける必要があります。

東京市場でも先週末からの3連騰で上昇が目立ったのはコロナショッ
クで大きく売り込まれたセクターです。反対にコロナで外出制限か
ら人気化していた山パン、ウエルシアなどは大きく下落しています。
機械や電機など指数寄与度の大きな銘柄が叩かれた水準から反発す
ることで日経平均は3連騰しました。

この流れが今週も続くようなら2万500円をこえて2万1000円近く
まで上昇するかもしれませんが、短期筋による期待先行の上昇は
脆さと背中合わせです。「sell in May」の警戒感はまだまだ捨て
られません。
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