kabu達人への道

マスコミで深く触れられることのない投資の裏側や
投資にあたっての疑問など赴くままに綴っていきます。

リターン・リバーサル相場の先

2020-05-01 06:21:47 | 日記
4月中には2万円には届かないという見方もあった東京市場ですが
30日の取引ではあっさり2万円を回復し、後場は一段高で推移し
一時半値戻しの1万318円を上回る水準まで上昇しました。警戒心
の強かった4月相場でしたが、終わってみれば月間上昇幅は1276円
と予想外の堅調さでした。

30日の市場ではSGBの最終赤字が9000億円に拡大する(2週間前
の発表では7500億円)というネガティブなニュースにも拘らず寄
り付きから上昇して始まりプラス圏で終わるなど悪材料出尽くし
とでも言えそうなムードです。買戻し主導の相場では一夜にして
相場つきが変わってしまうケースも過去にはありました。

決算序盤では悪い材料でも上昇するケースがあっても中盤から終盤
にかけては雲行きが怪しくなることもあります。少し前まで人気だ
った巣籠り関連やコロナ特需銘柄には大きく値を下げる銘柄も出て
います。巣籠り消費で業績への期待が強かっただけに失望売りを浴
び山パンは16%、小林製薬は9%近い下げでした。

他にも任天堂や花王、ウエルシアなど高値圏で値持ちの良い銘柄中
心に下落が目立ちました。反対にコロナショックでたたき売られた
リクルートや電通Gが大幅に上昇また機械株や海運株も堅調でした。
典型的なリターン・リバーサル相場の典型的なケースでした。

もっともこの流れがいつまで続くのか疑問視する市場関係者も多い
ようです。確かに新型コロナの感染者は欧米ではピークを越えたと
いう見方ですが、終息した訳ではありません。当面は感染再拡大に
注意を払いながらそろりと経済活動を元に戻す動きになるでしょう。

業績悪にも拘わらず上昇している銘柄は回復期待が先行しています。
現状ではV字回復への道のりは平たんではありません。コロナ治療
薬候補のレムデシビルに対しても治療効果が認められるという程度
で特効薬ではありません。

重症患者をある程度救えることは朗報ですが、どの程度の効果があ
るのかは検証が必要です。やはりワクチンが開発されなければスポ
ーツ観戦やコンサートなど多くの人が集まるイベント開催は元通り
にはなりません。訪日観光客が2019年の水準を超えるのはある程度
時間が必要なことは覚えておくべきです。

従って様々な業界も順調に回復軌道に乗るといった状況ではなく景
気の回復もV字よりもU字或いはU時よりも若干鋭角の戻り程度にな
る可能性が高そうです。コロナショックで壊滅的な打撃を受けた業
界も多く回復基調がどこまで続くかまだ予断を許しません。

高値から半値、或いはその八割引きまたその3割引きまで叩かれた銘
柄が底値から1、2割程度戻したとしても多くの投資家の買値は遥か
上です。長い目で見ればコロナショック前に戻る銘柄もあるでしょ
うが、戻らない銘柄もあることは覚えておくべきです。視界不良の
状態はまだ続きそうです。相場のリード役がまだはっきり見えてき
ません。

連休中の更新は随時行います。
コメント
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