kabu達人への道

マスコミで深く触れられることのない投資の裏側や
投資にあたっての疑問など赴くままに綴っていきます。

号令

2022-04-07 04:58:46 | 日記
FRBの保有資産の圧縮を「5月にも急ピッチで始める」とブレイナード理事
は講演での発言をきっかけに市場は高PERのハイテク株に相対的な割高感が
意識され、下げが鮮明でした。また金融引き締めが景気を冷やすとの懸念も
あり、景気敏感株も軟調な展開でした。

市場が一気に警戒ムードを強めたのは金融引き締めに消極的なハト派で知ら
れと知られていたブレイナード理事の発言だったからです。一方理事から昇
格のブレイナード副議長にはバイデン大統領からインフレ抑制でしっかり対
応するよう求められてポストに就いたという見方がりタカ派的な発言は既定
路線だという見方があります。どうやら利上げピッチの加速の号令が鳴った
ようです。

市場は時として自分たちの都合の良いように物事を解釈する傾向があります。
景気を冷え込ませてまでも急激な利上げは避けるといった見方もそうです。
確かにFRBは物価の安定と最大雇用の実現を二大命題にしています。政策が
偏ることは好ましくなくバランスが必要です。

もっとも足元ではコロナの影響はほぼ無くなりのコロナ前の水準までほぼ達
した失業率を考えると米国経済の一番の課題はインフレ退治です。昨年後半
からインフレ懸念が台頭していた状況で2月にロシアによるウクライナ侵攻が
始まり原油などのコモティティ価格が急騰しインフレ警戒が一段と高まりま
した。

今後ロシアへの制裁を強化すれば一段の価格上昇や高止まりが現実のものと
なります。供給面での制約から来るコストアップによるインフレは利上げし
ても直ぐに沈静化するか分かりません。それでもインフレを抑制するために
は利上げが長期間続けるしか道はないかもしれません。結果的に経済も失速
し最悪スタグレーションに突入するといったこともあるかもしれません。実
際にインフレがどこで収まり金利上昇はどの水準まで続くのか。その答えは
将来にしか見えてきません。

インフレと景気悪化を懸念したマネーは割高感の強いハイテク株や景気敏感
株を避けてディフェンシブ銘柄にマネーを退避させるというのがセオリーで
す。もっともハイテク銘柄がすべて避けられるかというと答えは違うかもし
れません。

GAFAMのように市場平均からはPERが割高でも稼ぐ力がありキャッシュも
豊富にある企業は株価下落で自社株買いに踏み切ることもできます。同じ成
長株でもまた赤字が続き黒字の目途が付かない銘柄には売り圧力が高まる可
能性が高いでしょう。

金利高に耐性がある銘柄はインフレ下でもしっかりと稼いでいる銘柄です。
その代表がGAFAMなどの大型テック銘柄です。半導体銘柄でもメモリなど
市況性の強く差別化しにくい企業よりもエヌビディア株のようにGPUで高い
競争力のある銘柄です。景気の波はあってもこれからもデータセンタ向けな
ど半導体の需要は続きます。

今はハイテク銘柄には逆風が吹いていますが、いずれ落ち着けば再浮上する
銘柄と沈んだままの銘柄と分かれるでしょう。半導体分野で競争力のある銘
柄には引き続き注目です。

昨日の日経平均は下振れしてしまいましたが、先物勢の動きに左右される市
場の悲哀でしょうか。6日のNYダウは一時300ドルを超える下げでしたがどう
やら下げ幅の三分の二は取り戻せそうです。WTIは100ドルを割り込みました。
日本株には一定の支援材料です。今日はどこまで踏ん張れるか。プラス圏で
終われるかどうかもポイントです。
コメント
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