kabu達人への道

マスコミで深く触れられることのない投資の裏側や
投資にあたっての疑問など赴くままに綴っていきます。

七つの誤算

2022-04-12 06:21:27 | 日記
① 年初からの第6波はオミクロン株に置き換わったことにより第5波までとは違い
感染爆発が起こったこと。さらにオミクロンの最初の発生地である南アの感染者は
急増したけれども終息も早かったことか日本でも同様に感染者はピークを付けた後
急激に減少に転じるという予想が外れたこと。未だに全国の感染者は5万人前後と高
止まりしています。これは第5波のピーク時の2倍の水準です。経済再開銘柄の人気
が今一つ盛り上がらない理由でしょう。

② ロシアのウクライナ侵攻と長期化しそうだという事実。ロシアがウクライナに
本当に侵攻するとは多くの人が予想していませんでした。また軍事大国のロシアが
侵攻すれば数日で首都キーウ(旧キエフ)は陥落すると予想されていましたが、侵
攻開始から7週間が経過しても戦争終結の見通しは尽きません。事情筋によるとこの
戦争は数年続くという見方もあるようです。

③ 資源国や小麦の一大生産国であるロシアに対する西側諸国の経済制裁はかなり
厳しいものとなり世界は脱ロシアへ急激にシフトしようとしています。結果として
エネルギー価格や非鉄金属それに穀物価格が急騰したまま高値圏で推移しています。
エネルギー高や穀物価格の上昇は世界経済に暗い影を投げかけています。特に経済
基盤の弱い新興国ではより深刻な事態にりそうです。

④ ②番と③番の影響でFRBの大幅な利上げが現実味を帯びてきました。年初時点
で多くても0.25%が年4回で2022年の利上げ幅は1%という見方でしたが、既に6月
までの半年間で優に1%を越える利上げに進みそうです。しかも7月以降も続きそう
です。さらにFRBは5月会合で量的縮(QT)も踏み切りそうです。

⑤ 円安・株高相場が短命だったこと。日本企業は前回の円高時での対策として世
界的なサプライチェーンを構築しましたが、その結果自動車部品などのメーカーは
人件費の安い新興国での生産を本格化しました。結果として感染症の影響で新興国
の生産が滞るなどでサプライチェーンの寸断が生産活動を混乱させました。備品不
足で需要があるにも作れないといったケスが多発しました。円安も物を作れないの
では完成車メーカーは恩恵も受けられません。また内需系企業は輸入価格の上昇で
悪い円安になっています。

⑥ 2020年から2021年の相場のリード役だった半導体銘柄の失速。最大市場の中国
でテレビ、スマホ、PCなどの分野で半導体需要の減速がみられるというニュースも
出てきました。爆発的な巣籠り消費の盛り上がりで空前の伸びがみられ半導体不足が
大きなニュースになりましたが、状況は変わってきたようです。尚も自動車向けなど
は不足があるようですが、シリコンサイクルは下向きになってきたのかもしれません。
各社の足元の業績は好調のようですが、工作機械銘柄と同じように株価は業績のピー
クに半年から1年早く高値を付ける傾向があるようです。

⑦ やはり一番の誤算はFRBがハト派からタカ派へ急激にシフトしたことです。その
結果として緩和相場は余韻が残らず急激な調整を強いられていることです。昨年パウ
エル議長は米国のインフレは一過性だという姿勢を取っていました。しかしそれは間
違いでした。結果的に引き締めに転じる時期が遅れたことでその後の強い引き締めに
打って出ざる負えませんでした。市場も昨年末までは緩やかな引き締めを前提に動い
ていました。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする