kabu達人への道

マスコミで深く触れられることのない投資の裏側や
投資にあたっての疑問など赴くままに綴っていきます。

アノマリー

2022-04-30 12:01:21 | 日記
ダウ平均が4月に下落するのは2005年(3%下落)以来、17年ぶりだそうです。4月は
欧米の12月期決算企業によって支払われた配当金が再投資に回ったり米国の確定申告
による還付金が入ったりするなどして、株式が買われやすい環境にあるとされてきま
した。4月高を予想する市場関係者は少なくなかったようです。でも現実は正反対の結
果でした。

成長株が多いナスダック総合株価指数さらに深刻で4月月間では13.3%下げました。下
落率はリーマンショックが起きた2008年9月(11.6%安)を上回り、08年10月(17.7%安)
以来の大きさだそうです。もっとも2020年3月23日のコロナショック時の安値(6631)
からの2021年11月22日の高値(16212)まで144%上昇しました。

コロナショックで急落する前の2020年2月19日の高値(9838)からの上昇率も65%でし
た。その背景にはFRBの未曽有の金融緩和でじゃぶじゃぶのマネーが特にコロナ禍でも
成長期待の高いナスダック銘柄にどっと流れ込んだこと大幅高の背景にあります。

コロナ禍で注目されたオンライン会議のZOOMも動画視聴のネットフリックスもコロナ
で行動制限がかかり需要が急増しました。しかしワクチンの出現や治療薬の実用化で
ロックダウンから経済正常化が進みコロナ前に近い状態になりつつあります。需要の
先食いもあり成長期待が一気に剥落したことで人気が離散しました。ZOOMもネット
フリックスもチャートを見れば「山高ければ谷深し」という形です。

これまで決算発表でテック銘柄に不安が広がった時にはGAFAMが市場の不安を吹き飛
ばす好決算を発表してテック相場を支えました。しかし今回ばかりは勝手が違ったよう
です。特に5社の中でもっともPERが高く割高感の強いアマゾンの赤字転落は市場にと
って大きなショックでした。決算を受け29日のアマゾン株は14%の急落に見舞われま
した。

アマゾンだけでなくGAFAMが総崩れになりました。多くの機関投資家のポートフォリ
オの中核の5社の下げで売りは幅広銘柄に広がりました。29日のNYダウは939ドル安
でした。これで先週に続いて2週連続では900ドル超の下げを演じたことになります。

投資家がここにきて株売りを強めた要因は大きく3つあると言われています。一つが
米国の高インフレと、それを抑え込もうとするFRBの金融引き締め路線の終着点がみ
えないこと。2つ目の要因は企業業績の悪化です。時価総額の大きいGAFAMがいずれ
もこれまで二桁増益が当たり前だったのが、一桁や減益になったことです。

世界景気の先行き不安が3つ目の株安要因です。特に世界の景気に与える影響の大きい
中国景気は上海の都市封鎖に止まらず北京や全国に広がる最悪のシナリオが次第に現実
味を増してきたことです。コロナ対策の優等生だった韓国もベトナムも感染者の急増に
成す術はありませんでした。中国が都市封鎖をしても解除すれば再び感染が拡大する
懸念は拭えません。世界の潮流は既にコロナとともに経済を回していくことです。中国
のゼロコロナ政策は余りにも勝算の低いものです。

加えてウクライナの停戦も先行きは見通せません。窮地に陥ったロシアが原油やガスで
西側諸国を恫喝する動きも出てきました。FOMCが通過すれば一旦は売るに歯止めがか
かるかもしれませんが、市場が回復に向かうのか何とも言えなくなってきました。しば
らくは厳しい相場が続くといった見方をする方が今は正解なのかもしれません。

※GW中の更新はお休みします。
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