新NISA投資家に試練

投資の世界では絶対はありません。投資が成功だったのかどうかは未来の話です。特に今年
から新NISAをキッカケに株式投資を始めた人は今年、序盤余りにも勢良く上昇する株価を観
て投資を始めて良かったと思った人が多かったでしょう。

しかし今はどうでしょう。株価に浮き沈みはあるものです。10数年先あるいは数十年先の資産
形成を目指して投資を始めてみたものの余りにも一方的な下落は不安を誘うものです。この世
界で何十年も株価ボードを眺めていた投資家さえ胸のざわつき葉抑えられません。

ましてや今年投資を始めた人は2000年のITバブル崩壊やリーマンショックなど言葉では知って
いても、所詮株式市場の中での出来事で我々には直接関係ない出来事と思っていたでしょう。
ところが投資を始めてみると今までの受け止め方とまるっきり違います。それは大事な大事な
お金に関係する身近な出来事に姿を変えたからです。

過去の大きなショック安でも投資を止めたり中断せずに下落局面でコツコツと投資を続けるこ
とが後々大きな成果を生むと言葉では分かっていてもやはり怖さが上回ります。なして経験も
情報量も圧倒的に少ない投資初心者は尚更です。

やはりリスクがある投資には人により向き、不向きがあるのではないでしょうか。余りにも株
価の変動が大きく株式市場の事が気になって平静ではいられない人もいるでしょう。本業の仕
事に影響が出るようでは本末転倒です。何事も体験は必要です。でも投資を始めてみるとどう
も自分には向かないと思ったら回りがどうであれ止める判断も必要です。

個人投資家に人気のある株主優待が充実している外食や小売り企業では株価の上下とは関係な
く優待券目的で長期保有している投資家がいます。株主優待や配当を楽しみにしていたらその
投資先企業が業績の拡大が続き株価が上昇して結果的に資産が増えたというケースもあります。

一方業績不振から株式市場から消えた銘柄も数多くあります。前にも話したかもしれませんが
時代の変化と共に売れる商品も変化します。アイポッドやアイフォーンの登場で音楽の楽しみ
方は大きく変わりました。CDが売れなくなり音楽配信が普通になりました。もっとも影響を受
けたのがレコード業界と音響機器企業です。かつての名門であり高収益の優良企業だったパイ
オニアは時代の変化についていけず市場から消えました。

上場廃止になりましたが、会社は存続しています。カーナビメーカーからデータサービス企業
へと変革を果たすことで経営が好転し、2025年度をめどに再上場を目指しているとの記事も出
ているようです。投資を通して経済を学ぶという意味もまた一つの投資の姿です。