kabu達人への道

マスコミで深く触れられることのない投資の裏側や
投資にあたっての疑問など赴くままに綴っていきます。

円安頼みの相場からの脱却

2024-09-01 05:33:49 | 日記
日経平均が最初に4万円の大台を超えたのが3月でした。バブル時の高値3万8915円を更新して
勢いが付き4万円台まで駆け上がりました。その時のリードセクターは生成AI需要に沸く半導体
銘柄の突出した上昇でした。しかし半導体銘柄の失速と共に4万円台の水準は短命に終わりした。

3万7000円台まで下落したところで底入れしその後は3万8000円前後の揉み合いが2ヶ月ほど続き
7月後半から急騰を迎えます。この時は海外短期筋による先物主導の相場だったようです。やや
強引とも思われる急騰劇が8月初旬の日本版ブラックマンディに繋がったのかもしれません。先物
主導の相場は逆回転を始めるとあっという間に相場は激変します。

4万2000円を超える前に揉み合った水準である3万8000円台を底抜けると多くの市場関係者が下値
目途と思っていた3万6000円もあっという間に割り込みました。1000円安の下げ次が2000円安そ
して次が4000円安と前日の下げの2倍の下落という暴落に繋がりました。

4万2000円台まで駆け上がり個人投資家が押し目は絶好の買い場と判断し信用買い残高が膨れ上が
ったこともその後の急落による追証や追証回避の投げ売りに繋がったようです。日本市場は円高が
株安が進み大荒れになりましたが、米国市場をはじめ世界の市場は落ち着いていました。大幅下落
は日本固有の問題という見方が広がり市場は落ち着きを取り戻しました。

結局、時間を味方につけられない信用取引をしていた個人投資家が甚大な損失を出したようです。
信用取引を現物取引と同じように考えてはいけません。現物取引なら時間を見た方につけ次の上昇
場面まで待つこともできます。しかし6か月間という制限のある信用取引は時間を味方につけられま
せん。

さらに悪いことに下落時には担保として差し出してある現物株も目減りし信用で買い建ててある株
の評価損が広がり投資家によっては担保割れが生じ追加の担保を差し出すか、建玉を決済するかを
直ぐに決断しなければなりません。8月5日の4451円の暴落はパニックに陥った信用担保切れやその
恐れがりそうな投資家の投げ売りが引き起こしました。

信用買い残高が7月26日時点で過去最高の4兆9808億円まで膨らんでいたことが最悪のタイミングと
なりました。株価下落面で買い向かい買い残が膨らんでいたところに円高株安が進み一気に信用取引
を利用していた投資家の懐具合は悪化しました。この暴落で1兆1000億円程の買い残高が3週間でピー
クから減少しました。

現在は平常時に戻りつつありますが、円相場は160円超えから145円前後に円高が進み輸出企業中心に
円安による業績押し上げ効果が剥げ落ちました。先週末時点でダウが4万1000ドル台に対して日経平
均が3万8000円台に低迷しているのは円安効果での業績上振れの後退からでしょうか。過度な円安に
依存しない日本の株式市場の真価が問われる場面が続きそうです。

次回の更新は3日を予定しています。
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