宮大工の本

2008-11-18 15:59:04 | 本の話


松浦昭次著『宮大工千年の「手と技」』祥伝社黄金文庫

著者は1929年生
(技術者の人間国宝)として、亡き西岡常一さんと並び
現在は「最後の宮大工」とも言われる人物です。

文庫ですが写真や図版もきれいです。

私が知らないだけかもしれませんが数多くの知識を
与えてくれる本です。

一つだけ紹介しましょうか。

大工さんの腕を視覚で現すのに台ガンナを使う姿が
よく使われます。

(カンナ屑が帯のように長く尾を引いて流れ出す)
著者はこれは大工の腕としてはマダマダと言われる
のです。

では、本当にうまい人は?

・・・答は文庫p16を読んでね。


松浦さんは「自分は不器用だから宮大工になった」と
書かれています。
最初は大工になる気はなかったとも。

仕方なく続けているうちに天職のような格好になった
ので、天職とは見つけようと思って見つかるものでは
ない、と仰います。

やりたいこと、好きなことが天職と結びつくかどうか
これも分りません。
そんなものがなくても目先にある、続けられることを
きちんとやっていけば(天職)は向こうからやって
くるのです。

「やりたいことを見つける」のも大切です。

そんな気にならないとか、探しても見つからないとか
そういう人も多いでしょう。
私などもそうでした、そんなのでも構わないのです。
30を過ぎてこの業界に入ったのに今も続いてます。

天職といえるほどに頑張っていないので反省ですが
普通の塾に負けない程度には・・かなあ?

アヤシイ。