「もう~。何でわざわざそんな汚い格好で」
と言われながらお出かけです。
「これがだんかい世代の(かじゅある)であ~る」
なんて言いつつ、ぼーっとダルそうに歩きます。
十年でも二十年でもボロボロになっていても
同じ物を平気で着ている人間です。
久しぶりに旧市内にお出かけなのにヨレヨレで
ヒゲも二日剃らず髪はボサボサ・・
そんなときに限って知った方にお会いします。
駅の雑踏でカミサンの親友にバっタリ!
ハハさすがにちょっと恥ずかしい。
私は何年もお会いしていない、その才媛に再会
するにはちょっとすごい格好と空気でした。
十秒も違えばお会いしていなかったであろう
人出の中でねえ。
ばったりお会いしますかねえ。
○
お出かけは、大黒屋で薬の買いだめ。
次いで、行きたかった美術展。
日本の工芸美術、装飾的な世界です。
本当に面白いものですね。
どうしてこんなに自由な発想ができるのでしょう。
もちろん技術もすごい。
名もなき匠達の到達した芸術世界は、現在の技術を
軽んじる傾向にあるゲイジュツとは深みが違います。
自分の個性や名前を前に出さないで信じられない
仕事をする人たちの伝統は今の日本にどれほど
残っているのでしょうね。
職人も名前を残したい時代ですから。