画像掲載している車両はプリンスの小型トラック、クリッパーの2代目モデルです。


クリッパーの初代モデルは1958年に登場、その後1966年に画像の2代目へとモデルチェンジされました。もともと旧プリンス時代に開発されてましたが、発売直後にプリンスが日産に吸収合併されたこともあり、実際には日産プリンスクリッパーの名称となりました。
見てのとおりユニークなフロントマスクが外観上の特色でしょうか。丸いふたつのフロントグリルとグリル内の十字モールによる愛嬌のある顔つきで強い印象を植え付けてました。
改めて正面からの構図を。ホント、愛嬌たっぷりですねえ。

なお、これよりさらに一世代前の初代モデルはフロントグリルの穴の数が6つでした。
さて、プリンスの名残のモデルとして登場したクリッパーですが、やがてエンジンがプリンス製から日産製に換装されるなど、徐々に日産の色合いを強めていきました。また、日産とプリンスの両者で重複している車種の統合も進められることになり、1976年登場の3代目では日産キャブオールの姉妹車となりました。
そして1980年代に入ると姉妹車のキャブオール、さらには妹分となるキャブスター/ホーマーも含めて名称が消滅、日産の小型トラックのラインナップが見直され、新ブランドのアトラスへ世代交代されました。
その後、2000年代に入り、日産は他社からのOEM供給を受けることで軽自動車市場に新規参入することになりました。第1弾はスズキからのOEMとなる軽乗用車のモコが登場、第2弾は三菱からのOEMとなる軽商用車で往年のクリッパーの名称が復活したのでした。車格がまったく違うので商用車である事以外にプリンス時代のクリッパーとは関連性はありませんが、現在も日産のラインナップに現存中です(後年、供給元を三菱からスズキへ変更)。