何年も放って置いたD5110の仕上げをしました。
(実は模型もどんどんやっていますが忙しくて書き込めずに流れ去って行きます・・・これは5ヶ月前辺りの工作です)
仕上げ作業開始のきっかけはIMONでようやく1/87プレート昭和48年九州シリーズD5110が入っている№1114が発売になったからです。。
一見したところそう苦労しない様に見えるD5110ですが、実は乗工社D51がベースだったのです。 コレをベースに改良したIMON製品とは彼方此方に違いが有ります。
相変わらずこれも機関車部分の塗装は良いですが、
テンダーの塗装は駄目な仕上がりの見本です。
テンダー台車にご注目!
有名な機関車であるD5110が製品化されにくい理由はテンダー台車が板台枠の台車に振替えられて事です。
乗工社ベースを九州形に回すのは余りに残念! 何か事情が有るのでしょうか。
(九州形以外なら問題無いのですが)
お顔、煙室扉回りの手摺も実物同様な簡単な手摺に交換されて居ます。
分解しはじめたテンダーの下回りです。
センタービスはバネ無しの段付きビス・・・これは駄目です。 集電できません。
乗工社オリジナルの床板。 テンダーモーターから動輪を駆動する構造でした。
台車は3点支持でした。 上がマクラバリ固定、下が可動です。
これが駄目なんです。
これを通常の電車同様の「両方可動」にしなくてはなりません。
そうしないと「マクラバリ固定」(この写真では上側)の角度通りに台車枠もテンダーに対して傾いてしまいます。
ブラス製HO/16番電車の台車同様の構造はほぼ「ロンビックイコライザーの仕組み」になっているわけで3点支持より遙かに路面追従性が良いです。
「真の台車」とも言うべき内側の枠を可動タイプに交換します。
そして、段付きビスではなく通常の鉄ビスに段付きジャケットという構成で止めます。
マクラバリも磨いてから黒染磨きをしておきます。
塗装の乱れに対しては
折って直ぐの「切れ味最高」のカッターでゴミをトリミングします。
更に#1500の細かいサンドペーパーで
仕上げます。 馴れてしまえば実に簡単です。
先頭部のナックルはIMONカプラーHO-301に交換したいところですが、寸法的に上手く行かないので「このまま」です。
(乗工社オリジナルを残して置くのも良いです)
乗工社(テンダーモーター)蒸機を火室内モーターに改造する時のIMON製‘定番キット’を使った改造です。
モーターはキャノンコアレスLN-14(長さ約30mm)IMONコアレス1616Sとほぼ同等のトルクが有るはずです。
シリンダーブロックにウェイトが搭載されていませんが当然後で搭載します。
D5110はタブレットキャッチャーが付いている筈なのに無いので付けることにします。
現物合わせで穴を開け、
キャブ内への出っ張りが少ないようにヤスって成形して、
取り付けました。
リンゲルマンチャートを付ける支柱ぐらい有りそうですが見あたりません。
これがないとD5110に見えないんじゃないでしょうか。
これは色々心配になってきて“SL”のD5110特集をチェックしてみることにします。
D5110が有名なカマである理由はこの“SL”誌での徹底した紹介が原因です。
色々な角度や細部まで45枚の写真が載っています。
この模型ではその資料を使って居ないようです。
保存機の調査で作られているようです。 (←この調査はとんでもない程の値打ちがあるのです)
http://c5557.kiteki.jp/html/D5110.htm
1.5mmの帯板、2mm厚のプレス製ではなく潰して作った3mm厚を使う事にします。
写真とにらめっこしながらヤスりで削りました。
L字型に曲げました。
極簡単な作業で済ませる為にこの部分だけマスキングして半田付けしてしまいます。
配線関係の作業に使う30W/60Wの小さなコテを使います。
付きました。
(実は本当はデフステー後ろ側は合っていますがステーの前側に生えていることを後で発見しましたが仕方がない、このままです)
テンダー上面とエアタンクの陰などにレッドブラウンで色差しして置きます。
開放キャブなので目立つ室内に室内色を塗ります。
私はタミヤエナメルXF21(少し白っぽく、色が足りない感じ)に黄色や青を足して使って居ます。
実物は複式コンプレッサー上の「山」の途中、ランボード下の細い幕板に切れ目が有るのでヤスって実現させておきます。
①微量の黒 ②汚れ色 を吹く前にランボードの白線を入れておきます。 キャブはマスキングして筆塗りします。
西野天祥堂の本気筆で気合いを入れて塗ります。
がっちり塗りました。
力一杯はっきり塗って汚れを乗せてボカせば良い感じになるはずです。 (今回ぼかしすぎでした)
大きめのシュアーの半田ごてに火を入れています。
反対側(助士側)を塗ろうとして実物の写真を見たら、D5110は器具箱の位置が普通よりかなり後ろである事が判り、此処は妥協できなくて「取って付け直す」事にしました。
D5110は有名機関車なので模型化した例も多く、妥協できない機関車です。
切除手術!
切除した跡です。
見える側をどう処理するか頭の痛いところです。
削って少し平らにして、器具箱はシンナードボンです。
あきらかに木製増炭枠の長さが長すぎます。 増炭枠=保存機では撤去されていますので判らなかったのでしょう。
ニッパーで切ってもぎ取ります。
反対側も切ります。 そして九州ですから増炭枠ではありません・・・・石炭前寄せ囲いです。
ヤスって整形して、黒染して、マッハのプライマーを筆塗りして置きます。
器具箱綺麗に塗装が落ちましたので一気に対策を考えます。
まずは綺麗に黒染。
黒、汚れの吹付け前ですのでこのまま載せて置いても大丈夫そうです。
穴・・・適当に塞ぎました。
この機関車が乗工社ベースである点も拙かったです。
IMONベースならスケール通りで凹凸の深さも「浅く」作った網目板が手に入りますが、乗工社の網目板は少し目を粗くしてあり、今では手に入りません。
(IMONが韓国で作ったC55の網目板は乗工社モデルと完全に共通です・・・しかし、その後のIMON蒸機は網目をスケール通りにしました・・・理由は実物は網目を感じないからです)
(IMON蒸機は網目のエッチングを浅くして細かくしました・・・実物はむしろ網目よりもボルト類がゴツゴツとランボード上に目立つわけです)
天賞堂16番蒸機の余ったプレート類、使えます。
黒い区名札差しはIMONの#1114附属の区名札差しです。
貼って
いきます。
増炭囲いの前側、機関車側が高くなっています。 (南九州のカマと違いますね)
幅3mm、厚み0.4mmの帯板から切ったり削ったりして
作ってしまいました。
マスキングテープで固定して
簡単にマスキングして
半田付けしました。
石炭前寄せ囲いの後板はプラ板(・・・実は失敗でした)で
簡単にでっち上げました。
黒吹付け用のマスキング開始。
おっと、忘れるところでした。 発電器からの排気汚れの表現
大胆に塗ってから取り去って減らします。
黒、吹付けました。
簡単に美しい表面になります。
マスキングされた部分の色の付き方で結構吹いたことが判ります。
直ぐに次の汚れ吹きへGO!
吹き終わりました。
マスキングを剥がして、
組み立てていきます。 最新のIMON蒸機と同じ鉄ビス+黒ニッケルメッキジャケットを使って。
テンダー台車はこれで完璧です。
石炭は早めに積みます・・・乾燥に時間が掛かるからです。
ラッカーで固める事を忘れてプラ板を使ったので少し溶けました・・・・残念。
モーター搭載目的で炭庫底面がかなり上に有る乗工社テンダーでは九州の石炭前寄せスタイルを表現するのは難しいです。
囲いの中から石炭が溢れて結構積み上がってしまった表現をするしかないです。
D5110のナンバーを切り出して
ヤスりで四周の縁の幅が同じになるように削って貼ります。 当然最も上手く削れたプレートが正面です。
区名札_[直]_は、天賞堂余りパーツのD60に有りますが、IMONの札差しに天賞堂インレタ_[直]_が今のところ最高の区名札製作法です。
いずれ全国の区名札を発売したいです。
切り離して
慎重に位置決めしてメンディングテープで固定します。 位置決めには宝石用10倍ルーペが絶対必要です。
http://www.imon.co.jp/webshop/index.php?main_page=product_info&products_id=121696
転写したところです。 この「反り返り」が怖いですね・・・ちゃんと曲がらずに付いたかどうか。
大丈夫でした。
1/80想定の_[直]_ですから大きい様にも思いますが、とりあえず問題無いかなと思います。
納得の仕上がりです。
実機調査の値打ちはこういったところにあらわれます。
生きたカマを撮っているときには完璧なほど写真で記録したつもりでも、模型を作って一番判らないところは発電器周辺の配管です。
この辺りの配管は模型に於いては見せ場でもあります。
例によって焦点合成ソフトで仕上げた写真です。
乗工社D51半流は,ナメクジドームのボリュームを初めて表現できた模型として特筆するべきモノです。 ファインスケール(線路幅が縮尺通り)だから実現できた訳ですが。
最近照明器具のRa(演色性能)が気になっています。
と言うのは、今回も掲載した8枚の写真・・・綺麗に写っているとは思いますが、模型そのものはもう少し色が有ります。 白熱電球は熱くて嫌だし・・・LED照明器具の発達に期待して居ます。
(実は模型もどんどんやっていますが忙しくて書き込めずに流れ去って行きます・・・これは5ヶ月前辺りの工作です)
仕上げ作業開始のきっかけはIMONでようやく1/87プレート昭和48年九州シリーズD5110が入っている№1114が発売になったからです。。
一見したところそう苦労しない様に見えるD5110ですが、実は乗工社D51がベースだったのです。 コレをベースに改良したIMON製品とは彼方此方に違いが有ります。
相変わらずこれも機関車部分の塗装は良いですが、
テンダーの塗装は駄目な仕上がりの見本です。
テンダー台車にご注目!
有名な機関車であるD5110が製品化されにくい理由はテンダー台車が板台枠の台車に振替えられて事です。
乗工社ベースを九州形に回すのは余りに残念! 何か事情が有るのでしょうか。
(九州形以外なら問題無いのですが)
お顔、煙室扉回りの手摺も実物同様な簡単な手摺に交換されて居ます。
分解しはじめたテンダーの下回りです。
センタービスはバネ無しの段付きビス・・・これは駄目です。 集電できません。
乗工社オリジナルの床板。 テンダーモーターから動輪を駆動する構造でした。
台車は3点支持でした。 上がマクラバリ固定、下が可動です。
これが駄目なんです。
これを通常の電車同様の「両方可動」にしなくてはなりません。
そうしないと「マクラバリ固定」(この写真では上側)の角度通りに台車枠もテンダーに対して傾いてしまいます。
ブラス製HO/16番電車の台車同様の構造はほぼ「ロンビックイコライザーの仕組み」になっているわけで3点支持より遙かに路面追従性が良いです。
「真の台車」とも言うべき内側の枠を可動タイプに交換します。
そして、段付きビスではなく通常の鉄ビスに段付きジャケットという構成で止めます。
マクラバリも磨いてから黒染磨きをしておきます。
塗装の乱れに対しては
折って直ぐの「切れ味最高」のカッターでゴミをトリミングします。
更に#1500の細かいサンドペーパーで
仕上げます。 馴れてしまえば実に簡単です。
先頭部のナックルはIMONカプラーHO-301に交換したいところですが、寸法的に上手く行かないので「このまま」です。
(乗工社オリジナルを残して置くのも良いです)
乗工社(テンダーモーター)蒸機を火室内モーターに改造する時のIMON製‘定番キット’を使った改造です。
モーターはキャノンコアレスLN-14(長さ約30mm)IMONコアレス1616Sとほぼ同等のトルクが有るはずです。
シリンダーブロックにウェイトが搭載されていませんが当然後で搭載します。
D5110はタブレットキャッチャーが付いている筈なのに無いので付けることにします。
現物合わせで穴を開け、
キャブ内への出っ張りが少ないようにヤスって成形して、
取り付けました。
リンゲルマンチャートを付ける支柱ぐらい有りそうですが見あたりません。
これがないとD5110に見えないんじゃないでしょうか。
これは色々心配になってきて“SL”のD5110特集をチェックしてみることにします。
D5110が有名なカマである理由はこの“SL”誌での徹底した紹介が原因です。
色々な角度や細部まで45枚の写真が載っています。
この模型ではその資料を使って居ないようです。
保存機の調査で作られているようです。 (←この調査はとんでもない程の値打ちがあるのです)
http://c5557.kiteki.jp/html/D5110.htm
1.5mmの帯板、2mm厚のプレス製ではなく潰して作った3mm厚を使う事にします。
写真とにらめっこしながらヤスりで削りました。
L字型に曲げました。
極簡単な作業で済ませる為にこの部分だけマスキングして半田付けしてしまいます。
配線関係の作業に使う30W/60Wの小さなコテを使います。
付きました。
(実は本当はデフステー後ろ側は合っていますがステーの前側に生えていることを後で発見しましたが仕方がない、このままです)
テンダー上面とエアタンクの陰などにレッドブラウンで色差しして置きます。
開放キャブなので目立つ室内に室内色を塗ります。
私はタミヤエナメルXF21(少し白っぽく、色が足りない感じ)に黄色や青を足して使って居ます。
実物は複式コンプレッサー上の「山」の途中、ランボード下の細い幕板に切れ目が有るのでヤスって実現させておきます。
①微量の黒 ②汚れ色 を吹く前にランボードの白線を入れておきます。 キャブはマスキングして筆塗りします。
西野天祥堂の本気筆で気合いを入れて塗ります。
がっちり塗りました。
力一杯はっきり塗って汚れを乗せてボカせば良い感じになるはずです。 (今回ぼかしすぎでした)
大きめのシュアーの半田ごてに火を入れています。
反対側(助士側)を塗ろうとして実物の写真を見たら、D5110は器具箱の位置が普通よりかなり後ろである事が判り、此処は妥協できなくて「取って付け直す」事にしました。
D5110は有名機関車なので模型化した例も多く、妥協できない機関車です。
切除手術!
切除した跡です。
見える側をどう処理するか頭の痛いところです。
削って少し平らにして、器具箱はシンナードボンです。
あきらかに木製増炭枠の長さが長すぎます。 増炭枠=保存機では撤去されていますので判らなかったのでしょう。
ニッパーで切ってもぎ取ります。
反対側も切ります。 そして九州ですから増炭枠ではありません・・・・石炭前寄せ囲いです。
ヤスって整形して、黒染して、マッハのプライマーを筆塗りして置きます。
器具箱綺麗に塗装が落ちましたので一気に対策を考えます。
まずは綺麗に黒染。
黒、汚れの吹付け前ですのでこのまま載せて置いても大丈夫そうです。
穴・・・適当に塞ぎました。
この機関車が乗工社ベースである点も拙かったです。
IMONベースならスケール通りで凹凸の深さも「浅く」作った網目板が手に入りますが、乗工社の網目板は少し目を粗くしてあり、今では手に入りません。
(IMONが韓国で作ったC55の網目板は乗工社モデルと完全に共通です・・・しかし、その後のIMON蒸機は網目をスケール通りにしました・・・理由は実物は網目を感じないからです)
(IMON蒸機は網目のエッチングを浅くして細かくしました・・・実物はむしろ網目よりもボルト類がゴツゴツとランボード上に目立つわけです)
天賞堂16番蒸機の余ったプレート類、使えます。
黒い区名札差しはIMONの#1114附属の区名札差しです。
貼って
いきます。
増炭囲いの前側、機関車側が高くなっています。 (南九州のカマと違いますね)
幅3mm、厚み0.4mmの帯板から切ったり削ったりして
作ってしまいました。
マスキングテープで固定して
簡単にマスキングして
半田付けしました。
石炭前寄せ囲いの後板はプラ板(・・・実は失敗でした)で
簡単にでっち上げました。
黒吹付け用のマスキング開始。
おっと、忘れるところでした。 発電器からの排気汚れの表現
大胆に塗ってから取り去って減らします。
黒、吹付けました。
簡単に美しい表面になります。
マスキングされた部分の色の付き方で結構吹いたことが判ります。
直ぐに次の汚れ吹きへGO!
吹き終わりました。
マスキングを剥がして、
組み立てていきます。 最新のIMON蒸機と同じ鉄ビス+黒ニッケルメッキジャケットを使って。
テンダー台車はこれで完璧です。
石炭は早めに積みます・・・乾燥に時間が掛かるからです。
ラッカーで固める事を忘れてプラ板を使ったので少し溶けました・・・・残念。
モーター搭載目的で炭庫底面がかなり上に有る乗工社テンダーでは九州の石炭前寄せスタイルを表現するのは難しいです。
囲いの中から石炭が溢れて結構積み上がってしまった表現をするしかないです。
D5110のナンバーを切り出して
ヤスりで四周の縁の幅が同じになるように削って貼ります。 当然最も上手く削れたプレートが正面です。
区名札_[直]_は、天賞堂余りパーツのD60に有りますが、IMONの札差しに天賞堂インレタ_[直]_が今のところ最高の区名札製作法です。
いずれ全国の区名札を発売したいです。
切り離して
慎重に位置決めしてメンディングテープで固定します。 位置決めには宝石用10倍ルーペが絶対必要です。
http://www.imon.co.jp/webshop/index.php?main_page=product_info&products_id=121696
転写したところです。 この「反り返り」が怖いですね・・・ちゃんと曲がらずに付いたかどうか。
大丈夫でした。
1/80想定の_[直]_ですから大きい様にも思いますが、とりあえず問題無いかなと思います。
納得の仕上がりです。
実機調査の値打ちはこういったところにあらわれます。
生きたカマを撮っているときには完璧なほど写真で記録したつもりでも、模型を作って一番判らないところは発電器周辺の配管です。
この辺りの配管は模型に於いては見せ場でもあります。
例によって焦点合成ソフトで仕上げた写真です。
乗工社D51半流は,ナメクジドームのボリュームを初めて表現できた模型として特筆するべきモノです。 ファインスケール(線路幅が縮尺通り)だから実現できた訳ですが。
最近照明器具のRa(演色性能)が気になっています。
と言うのは、今回も掲載した8枚の写真・・・綺麗に写っているとは思いますが、模型そのものはもう少し色が有ります。 白熱電球は熱くて嫌だし・・・LED照明器具の発達に期待して居ます。