Ⅰ昨年の秋、いすみ市で学校給食のための有機コメの講演会を開いた。現地の自然保護の活動を長年行ってきた手塚幸夫さんから、松戸で勤務していたころの体験で都市の公園として最後に残ったのは『谷津田である』他は都市公園になってしまう。
私はこの20年多古と佐倉を行き来して谷津田でお米作りを行ってきた。谷津田は湿地帯で農家の人からは見放された場所で機械が入りにくい場所である。お米がとれても取れなくても環境を維持する、そこに生息する生き物たちの命を育てる。代表的にはメダカ、日本赤ガエル、シュレーゲルアオガエル、サシバ、カメ、蛇などである。多古で最近、有機米のJASにかかわる学習会が行われ若い参加者増えている話である。桜宮自然公園での2003年以来の私の実績はやはり農薬、化学肥料を使わない不耕起栽培で多少雑草が生えてもコメができるという実績は残るしメダカの学校という我々の幼少期の自然環境の復元は可能だということである。しかし多古染井地区のように所英亮さんが頑張って江戸時代の基盤整理をそのまま残し暗渠排水設備をしなかった地域は極めて貴重である。この地域はコウノトリが飛来したり、カワニナが生息し、亀も住める、ゲンジボタルが最近飛翔しはじめた。大塚家族の奮闘を今後も期待したい。