沖縄 8 Scene

沖縄で生まれ沖縄に生きる
      8郎家の日記

台風と大臣

2023年08月11日 | スキルアップ

 お久しぶりです。約1カ月ぶりの更新となります。

 本来ならこのタイミングで、5度目の挑戦となる中小企業診断士1次試験の合格をお伝えするはずだったのですが、残念ながらできません。そうです、5度目の不合格を食らってしまい・・・いや、違います!(縁起の悪いボケをかまさせないでください。不合格などではありません)。なんと・・・

 

 試験が中止となったのです!

 

 そうです。沖縄のメディアも多少騒いだので、ご存知の方も多いと思いますが、台風6号(カーヌン)の影響で沖縄県の試験会場だけ試験が中止となったのです。しかも「延期」ではなく「取りやめ(=中止)」と発表されたのです。数年努力してきた受験生のことを一顧だにしない恐ろしい判断です。

 結論から言うと、受験生がSNSで騒いだことやメディアの報道などが影響したのか、現時点では試験実施団体の姿勢が「取りやめ」から「再試験を検討」に変わっています。協会の正式な最終判断を待つのみです。

 といった、いろいろなことがあった台風6号の接近時の出来事を時系列的にお伝えします。試験の神様、5年間苦難に耐え続けた50歳の心臓をこれ以上いためないでください、そう願いたくなる1週間でした!

 

 ・  ・  ・  ・  ・

 

 試験に合わせて夏休みを取るのも5年連続。それは右肩下がりの会社に勤めるサラリーマンの意地と誇りでもあります。「俺は夏休みすら遊んでいないんだ」っていうモチベです。

 しかし、その1年で1番大切な時期に、台風がやってきたのです。現在の部署は台風時には深夜未明までの対応が発生します。おかげ試験前後に4日入れていた夏休みもほぼ撤回し、出勤となりました。一番大事な直前期に「暗記地獄」に完全集中できなかったので、「このまま本番に突入したらやばいかも」という不安が残りました。でも「1次試験は今年で最後。なにがあっても言い訳しない」と誓ったのです。立ち向かうしかないと覚悟を決めました。一方の台風6号は、試験日には中国方面に通り過ぎているだろうという予報だったので、なんとかなるだろうと思っていました。

 下写真は台風接近の夜、那覇空港を飛び立った飛行機の雲。おそらく台風による運航停止前の最後の便だったかもしれません。

 風雨強まる深夜も所用があって会社まで徒歩で移動したりしました。いつか紹介した「君の名は。坂」です。夜道になるとこわ。登った先の電灯下に女子高生・三葉ではなく『エルム街の悪夢』のフレディが突っ立ていたらどーすんだ。

 コンビニは空いていましたが、食料系はほとんどが売り切れていました。

 時系列とはちょっと脱線しますが、アマゾンで腕時計を購入しました。数年使っていたものが浸水し壊れてしまったからです。試験本番では自分の時計しか信じられません。即購入しなければならなかったのです。北欧のべーリングというメーカー。選んだ理由は、文字盤の色に7月沖縄の海中で空を仰いだときに見られる美しいブルーを感じたからです。

 どうです、かっこいいでしょう? オキナワンブルーが目立つシンプルなデザインも気に入りました。フルチタン製で軽いです。傷つきにくいサファイアガラス。3万円ちょいですが8郎家にとっては痛い出費であることに変わりありません。防水5気圧(泣)なので大事に使います。

 ダイビングは通算88本から2,3年潜っていません。完全にブランクダイバーです。試験に受かったらダイバーズコンピュータを買おうと思っていたのですが、あきらめようと思います。息子の学費に費やさねば。

 

 時系列を戻します。台風6号が最初に接近した一夜は自宅に戻りました。さすがに妻子だけで過ごさせるわけにはいかなかったからです。心配性の8郎はテラス側の窓4枚(うち2枚は1枚ガラス)にガムテープを貼りました。結果よかったです。深夜の暴風でお隣さんとの間のパーテーション?が破壊されるほどの暴風が吹いたからです。テープ貼ってなかったら、おちおち眠れなかったかもしれません。それにしても台風6号すごかったですね。マンション自体が揺れたどころではなく、あまりの風圧で家の中の壁もゆれていましたよ! 風圧の中寝たという感じです。こんな台風初めてです。

 夜が明けると、停電が発生。水道も止まってしまいました。

 生活に支障が発生したとは言え、台風はいったん過ぎた(Uターンしてくるとの予報!)ので翌日は夫妻とも出勤となります。食事やトイレ、シャワーのことを考えると、妻が浴槽にためていた水は1人分は妻に使ってもらたほうがいいと考え、夏休み中の愛息10郎を社宅に連れていくことにしました。台風の中、安全運転で社宅に向かいます。

 社宅で初のゲストとなります(笑)。いつも独り言しか響かないさみしい部屋が一気ににぎやかになりました。10郎は入るなり「お父さんの部屋、せまっ」と驚いていました。

 出社途中、台風被害をいろんなところで確認しました。みなさん、大変な夜を過ごされたのですね。

 硬式野球クラブのサポートもできていない父は、せめてものフォローにと、ランチは歩いて5分の回転寿司に連れて行きました。この寿司屋さんも看板が破壊されていたのですが、営業していました。商魂たくましいですね!お世話になります。

 どんどんお兄ちゃんになっていく息子とのひと夏の思い出にと、プチぜいたく。

 台風下の楽しいランチでした。8郎が仕事から帰宅すると、それまで1人スマホ三昧だったという息子は急に絵を描き始めました。ひさびさに「10郎画伯」見参です。

 完成しました。誰に似たのか垂れ目の本人とは似ても似つかない切れ長のイケメンです。画伯は読んだことないでしょうが『タッチ』のあだち充先生路線ですね。

 2日間の平日、せまい部屋で一人寂しい思いをさせたので、寝る直前までスマホ三昧を許してあげました。

 さて台風が気になります。西からUターンしてくるとのこと。風雨も強まってきました。こんな進路、沖縄在住の50年で見た記憶がありません。なんで8郎の試験のときにそう動く! カーヌンはもはや試験2Daysに大きな影響を与えることは間違いありません。「頼む!逸れてくれ。逸れないんだったら試験を延期してくれ~」と神に祈るばかりです。

 念のため、試験2日前に実施団体の沖縄支部に電話をしたのですが、優し気な男性スタッフさんは「東京からの指示を待つのみでわたしどもには一切決定権がございません」と暗い声で言葉慎重に説明。8郎が5回目の挑戦だと知ると、一段とトーンを落とし「そうですか。。。大変努力をなされて。。。申し訳ないです」と、まるで試験自体がなくなったみたいな反応! 「最後まで頑張ります」と切ったものの何だか心の中の違和感をぬぐえませんでした。

 2泊したところで試験が前日に迫ったので、息子ともども自宅に戻ることにしました(有休を取得)。1カ月を過ぎた寂しい単身赴任生活において息子の宿泊はとても貴重な思い出となりました。ありがとう、息子よ。

 自宅に戻ると、暴風は再び強まってきました。いったい試験はどうなるのか、心が落ち着かないまま机に向かって勉強をしていたのですが、合い間のネットサーフィンで衝撃のお知らせが試験団体の公式サイトで発表されていたことに気づいたのです。

 なんということでしょう! すいませんが台風なので沖縄だけ中止、とのみ書かれているではありませんか! 文面を何度も読み返しましたが、それ以上の情報は一切入っていません。診断士協会に電話をかけて抗議してやろうと思いましたが、昨日の優し気な男性スタッフさんとのやりとを思い出してやめました。協会スタッフさんはとっくに受け取っていたのでしょう。「暴風警報が発令されたら即中止せよ」という東京の指令を。5回も受けている50歳を哀れんでくれた?スタッフさんの声を思い出すと抗議する気もなくなりました。

 発表後しばらくは「本当に明日俺は試験を受けることができないのか」と信じられない気持ちでいっぱいでした。部屋の中でセミの抜け殻のように脱力状態でした。県内の250人ほどの受験生も同じ気持ちだったことでしょう。台風以上の衝撃波が体中を巡っていたはずです。

 しかしサラリーマンである以上、試験の「取りやめ」が決まった瞬間に夏休みを返上、仕事となります。落ち込んでいる時間などないのです。これから台風対策の業務が始まるのです。また一人、台風の夜道を運転し社宅に戻りました。道中の記憶は全くありません。車窓を打ち付ける暴風も聞こえませんでした。社宅のドアを開けると、全国の単身赴任者の方共通のさみしい光景が待っていました。暗っ、そして寂しっ。

 昨日まで執念をもって向かっていた勉強机。自分の孤独な闘いの場だった空間がとても空虚なものに感じられました(テキスト類はすべて自宅に持ち帰っていたのでありません)。

 床に就きましたが、もちろん悔しさと脱力感で全然眠れません(業務上の電話やりとりもありますので)。そんなとき、ネットで「大臣が再試験を指示したようだ!」という情報が出回ったのです。独学の8郎、そんな情報を教えてくれる盟友などおりません。あわててツイッター改めにログイン(何年ぶりでしょうか)。そこには試験団体を指導監督する経済産業大臣のこのようなつぶやきが確かにあったのです!

 

「再試験が実施できるよう検討を指示した」

 

 だ、大臣、よくぞ沖縄の受験生の声を代弁してくれました! さらにこのニュースは翌朝の某公共放送の沖縄放送局でも流れているではありませんか! ガセネタではなく〝事実確定〟です。もはや台風の進路に興味などありません(笑)。試験が実施されるかどうか、だけなのです。

 究極の縦社会である行政組織において、監督官庁のトップである大臣の命令は絶対です。経産省の下部団体であるはずの診断士協会はものの見事に反応! 4日前とはまるで別の団体であるかのようなお知らせ文を掲載したのです。以下です。

 そこには、「再試験ができるよう検討」と書かれていました! 

 台風6号が吹き飛ばした挑戦権が、大臣の権力で再び舞い戻ってくる可能性が出てきたのです。

 N大臣については「パワハラ疑惑」「お土産スタッフ疑惑」などの報道を知っているので、決して好きな政治家ではありませんが、今回の英断については深く感謝いたします。次の衆院選で8郎がJ民党に投票する可能性はすこぶる低いですが(笑)、ぜひこれからも国民のために行政を動かしてください!

 もちろんまだ「検討」段階なので、「やはり中止」という結論もなくはありません。また再試験となっても「難化」する可能性が高いです。理由はもちろん、後から実施した沖縄会場(受験生250人ほど)の合格率が高かった場合、全国的な反発を食らうからです(逆に言えば、難化しても沖縄受験生から文句は出ないでしょう。再試験実施だけでもありがたいので)。なので再試験の難易度は本試験より高まると警戒しています。

 どちらにしろ、今は飛んで行った挑戦権が舞い戻ってくるのを信じて、トレーニングを継続するしかありません。予想しても意味がありません。

 2次試験会場となる福岡行のチケット(数カ月前に予約)はまだ解約せずにいようと妻に話しました。

 

 以上、50歳サラリーマンの5年分の思いを遠慮なく吹き飛ばした冷酷な台風6号と、ご都合主義の行政判断を一夜にして方向転換させた大臣、という2つの巨大な力に右往左往させられた50歳の激動の1週間をお伝えしました。本当に心が折れそうになるくらいのストレスがかかり、昨年までの不合格直後に匹敵するくらい、つかれました!

 

※国家資格試験の「再試験」についてですが、過去の似たような事例をネットで調べると、2019年10月に台風の影響で2会場だけ中止となった「技術士」の事例が出てきました。理系の「技術士」は文系の診断士と分野は全く違いますが、同じ国家試験で難易度や受験者数も同程度、さらに同じく1年に1次2次と設定されている、非常に制度が似た試験で比較しやすい事例です。この技術士試験でも当初「台風のため2会場での実施を取りやめます」と発表したところ、受験生や予備校から「不公平だ」と大きな反発があったことから、試験団体が再協議し、結果、再試験を行った事例があります。

 

 ・  ・  ・  ・  ・

 

 久々のブログ更新で試験の話ばかりでは恐縮なので、サクっとおいしゅうございましたシリーズです。沖縄市のアーケード街にある「上原商店」さんです。なぜ名前が「食堂」でなく「商店」なのかというと商店が店内に併設されているからのようです。弁当や日用雑貨などが売られていました。たまたま立ち寄ったのですが、メディア等で有名な老舗らしいですね。コザ出身のタレントISSAさんなどのサインがありました。

 そばやてびち、チャンプルーなど沖縄料理定食が人気らしいですが、そこは無粋なおじさん、オムライスを頼んでしまいました(おこちゃまか)。おいしゅうございました。ミニ沖縄そばが付いているのがうれしいですね。また行きます。

 お次は業務中に寄ったライカムのフードコートでは「エビフライカレー」。3本載っていました。おいしゅうございました。でも一人で食べるのは寂しいなぁ~。このおっさん、痩せる気ないのかなぁ~。

 

 ・  ・  ・  ・  ・

 

 はい。再試験があると信じて1日1日を大事にしていきます。想定通りに進まない当ブログ、いろいろお騒がせしておりますが、ブログチェッカーの皆様には引き続き応援のほど宜しくお願いいたします。

 とにもかくにも8郎は今目の前の現実に感謝しています。この受験票はまだ死んではいない、という現実に。


コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。