沖縄 8 Scene

沖縄で生まれ沖縄に生きる
      8郎家の日記

癒しの宅シネマ

2021年01月27日 | 映画

 コロナの感染拡大が高止まりしています。沖縄も下がる気配がありませんね~。

 本題に入る前に、沖縄県独自の緊急事態宣言が出される直前に時を戻します(byぺこ8)。同僚と「飲み納め」ということで会社近くの居酒屋に足を運びました。女性スタッフさんから一杯目に出された生ビールには、泡にスマイルが描かれていました。会社のストレスから解放され、癒されましたぁ~。数日内に営業自粛モードに入る中、おもてなしの心を見せていただき感謝です。

 明日の収入がどうなるか分からないという窮状にあって(8郎らのほかに一組しか客はいませんでした)、客をもてなす店側の姿勢に感動しました(帰りには「またお越しください」とガムまでいただきました)。こういうせいいっぱいの努力が報われる世の中になってほしいですね。医療関係者は言うまでもなく、個人経営の飲食業の方も本当に大変ですよ。

 右肩下がりの会社とは言え、明日、明後日の給料を心配することはないサラリーマン8郎、自分の状況に不平不満を言っている場合ではありませんね。

 

 さて、遅まきながら本題に入ります。久しぶりの映画ネタです。

 資格試験勉強に集中するため少年野球のコーチからも撤退している8郎。緊急事態宣言もあって、飲み屋、釣りなども自粛する日々が続いています。そんな息苦しい毎日にあって、唯一の息抜きが映画鑑賞です。もちろん宅シネマです。

 本も読みたいのですが、勉強で目を使うのでさらに活字となると正直きついものがあります(追記:医者からドライアイだと診断を受け一日三回点眼中です)。映画なら映像と音楽を受け身で楽しめるので相性がいいですね。休日の場合はビールとつまみが最高の友達になります。外資に乗っ取られてから、一層買う頻度が減ったオリ●ンビール。でも、この「75BEER(名護ビール)」だけはたまに手を出しますね。クリーミーでおいしいですよね。

 ビールがないときは、2年くらい前に購入した琉球の幻の酒、芋酒(イムゲー)に手を出します。チーズのような個性的な香りに、購入当初は杯が進まなかったのですが、慣れてくるとクセになります。今では、泡盛やウイスキーよりイムゲーのロックが晩酌に会いますね。2年間のちびりちびりで、ついに空けてしまったので、また買おうっと。

 ということで、今度こそ本題に入ります(寄り道長いな)。

 最近鑑賞した中でよかったものを4作品ご紹介します。すべて妻がTSUTAYAで借りてきてくれました。可能な限りネタばれしないようにしていますが、あらすじすら拒否だという方は、ここでページアウトをおすすめします。

 

 まずは、韓国映画の『嘆きのピエタ』(2012年キム・ギドク監督)です。韓国映画として初めてベネチア国際映画祭金獅子賞を受賞したようで(北野武の『アウトレイジビヨンド』を退ける)、国際的にも評価が高い作品です。

『嘆きのピエタ』予告編

 感想はというと、よかったですね。同じく韓国映画の『殺人の追憶』や『哭声(コクソン)』ほどのインパクトはないですが、ストーリーが出来上がっています。エログロという酷評もありますが、それほどでもないです(お子さんと見ることはできませんが)。〝復讐〟と〝母の愛〟がテーマになります。韓国の格差社会も描かれており、途中で見飽きることがないくらい、緊迫感をもってぐいぐいと進んでいきます。主役の男優さん(GACKTの韓国版みたいな)と〝母〟役の女優さんもいい雰囲気出しています。面白いです。ぜひご覧ください。

 ちなみにピエタとは、聖母子象のうち、死んで十字架から降ろされたキリストを抱く聖母マリアの彫刻や絵の事を指すそうです。その通りの内容でしたね。

 シニカル映画評論家8郎から見た減点はというと、『パラサイト』のように商業主義的な部分が垣間見えたこと、につきます。ずばり言うと「俳優陣の化粧」です。どんなシーンでも肌がきれいすぎる!(笑)。こんな危機的状況で、脂汗すら浮かばないその肌艶のよさは何だばー! カメラに映る数分前にメークさんのお世話になっただろ!と思ってしまう47歳はあまりにリアリストすぎるでしょうか(笑) あと金獅子賞というわりには、明らかにエンターテイメント作品でした。

 

 お次は、ネットで絶賛されていたメキシコ映画『父の秘密』(2012年、ミシェル・フランコ監督)です。たまには芸術的な映画にもふれたいと思ったからです。テーマはいじめ、暴力、喪失感、家族愛といったところでしょうか。メキシコ映画といっても舞台はヨーロッパの高校のようです。この作品には商業主義のかけらもありません。フランコ監督自らの主張、テクニックを観客に伝えたいという意気込みが随所に現れています。

『父の秘密』予告編

 ただ、監督の芸術的な試みが長所ではあるものの、ちょっとひねりすぎかなと感じたのも事実。固定カメラでの長回しです。この映画は「ラスト5分間」が注目されているようですが、確かにインパクトや臨場感はあるものの、普通に撮ればいいのに…と思ったりもします。ネットではいじめのシーンが胸糞、とも言われますが、リアルないじめはもっとひどいと思います。楽しい映画ではないので、おすすめというわけではありませんが、メッセージ性の高い映画だと思います。機会あればぜひ。

 以上2作品に共通するテーマがあります。それは「復讐することの虚しさ」です。憎しみから復讐に走ることは人間の常です。2作品中で復讐を企てる登場人物の立場になったら、8郎でもやりかねません。しかし、復讐って本当に可能なのでしょうか。それを考えさせられる素晴らしい2作品でした。その極端な例が戦争ですよね。相手国に復讐しようと攻めたところで、そこにいるのは何の罪もない子供たちなのです。

 

 お次は趣向をガラッと変えて、久々に見たホラー映画『ヘレディタリー/継承』(2018年、アリ・アスター監督)です。半年近く前になるのですが、平日の休日に一人鑑賞しました。「最近で一番怖いと言われているやつを見てみよう」と思い、ネットで検索した結果です。まぁ、怖かったですね。

『ヘレディタリー/継承』予告編  

 洋画版『呪怨』とでも言いましょうか。じんわり来て、ところどころ驚かすというタイプです。驚かし系に弱いという方は避けたほうがいいでしょうね。子役と主演女優さんらキャスト陣の演技は最高です。最後は宗教チックなオチだったのが、個人的には物足りず。それが怖いという方も多いようですが。でも、「史上最高に恐ろしい。ホラーの頂点」というキャッチコピーは大げさかと思います。

 まぁ、小学5年生の時に桜坂映画館で伝説的スプラッターホラー映画『死霊のはらわた』(1983年サム・ライミ監督)を見てしまった8郎(しかも最前列!)には、恐怖映画に対する相当の免疫があるということでしょう(笑)。暗闇の中で血しぶきと阿鼻叫喚が飛び交う大画面を前に、見てはいけない、来てはいけないところに来てしまった!という絶望感に襲われた(笑)ときからすでに36年が経っていました。今なら少なくともR-15指定だと思いますよ。当時、チケット窓口のおばちゃんは、野球帽をかぶった8郎ら明らかに小学生5人組をなんなく通してくれました。止めれ~。

※余談ですが、なぜそういうシチュエーションになったかというと、家庭崩壊のために転校が決まった8郎を仲間たちが別れの記念にと浦添から那覇の桜坂までバスに乗って連れて行ってくれたのです。今となっては友情あふれる思い出ですが、なぜにレジェンド級のスプラッター映画💀を選んだ!?(笑) あの頃の仲間たちの名前はほぼ思い出せないし、36年間ほぼ音信不通です。同じく47歳になったはずの仲間たち、元気かなぁ。『死霊のはらわた』という物騒なキーワードに触れるたびに思い出すのは、当時の苦しかった家庭事情と幼き仲間たちへの感謝です。

 

 最後はシニカル映画評論家8郎でも90点の大台に乗せたくなる傑作です。『真実の行方』(1996年、グレゴリー・ホブリット監督)です。いわゆるどんでん返しで有名な作品です。有名なのでご覧になった方も多いと思います。ちなみに下リンクは予告編でなく、あらすじを紹介するYOUTUBEチャンネルなので、見てない方はネタバレ注意ですよ!

【映画紹介】大司教事件を担当した弁護士の法廷ドラマ【真実の行方】

 法廷が舞台ですが、司法モノではなくサスペンス、スリラーのジャンルです。絶対的な権力を持つ大司教による性的虐待がストーリーの軸にあるのですが、それをテーマに据えるのではなく、その被害者による犯罪手法に焦点を置いているので、社会派とは言えず、あくまでエンターテイメントですね。主役の男女弁護士の関係もていねいに描かれており、ラブストーリー的な要素もあります。展開もスピーディーで飽きません。8郎とほぼ同じく当時45,6歳のリチャード・ギアの全力疾走は見ごたえがあります(笑)。どんでん返し自体は、現代ではそれほどの驚きはないですが、当時は斬新だったでしょうね。デビュー作となったエドワード・ノートンの怪演は見事の一言です。

 

 以上4作品、いずれもいい映画でした。 

 宅シネマで上質な映画を見ることができるなんて、素晴らしい癒しの時間です。

 恒例のパクリ文句ですが、言わせてください。

 映画って素晴らしいですね!(水野8郎、久々の登場)

 以上、映画ネタでした。

 

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 最後に資格試験です。1次試験は絶対合格するという前提で、10月の2次試験の勉強にも並行して取り掛かっています。1次より難しいとされる2次試験に今年合格するのは、正直、非常に困難なのですが、論文形式であること自体は、7科目という広範囲の知識を詰め込む1次試験より、自分にあっていると思っています。ただし、会場は直近で福岡県になるので受験料だけでなく、アゴ足代まで発生するんですよ~(沖縄はいまだに捨て石か!笑)。ネット先生によると「2次試験に力を入れるのは3月いっぱいまで。その後は1次に集中せよ」、とあるので、8郎もその辺りで撤退しようと思います。1次を突破しなければ本末転倒ですからね。

 とにもかくにも〝取りに行く〟姿勢を忘れずに、一日一日を過ごしていきたいと思います。時折、宅シネマで息抜きをしながら、ですね。

 みなさんも、おすすめの映画がありましたら、教えてください! 

 今日はこれにて。